偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

教え方と取り組み

中学受験に、親の「やらなくちゃいけない」という意識は危険

本人が目標への強い思いで「もっとやらなくちゃ」と思うことは悪くありません。問題なのは、親が「これをやらなくちゃいけない」という考えに囚われ過ぎること。 目標までの距離を把握するように努めるのは当然ですが、「これだけやらないと受からない」「こ…

子供の教え方その3 一緒に始める仕組み作り

物事に取り組む力は「やり始めるかどうか」と「失敗を恐れすぎないか」が大半を占めます。集中力や持続力、思考力などは育てるものですが、この2つに限ってはセッティング次第。周囲からの働きかけや暗示で改善しやすいもので、特に継続に関しては「やり始め…

子供の教え方その2 学習習慣の定着のために

まだ学習習慣が定着していない子には、毎日の継続を身につけることが必須ですが、親が「こうすべきだ」と計画を示して、子供がそれに同意する形で約束するのは、あまり良くない方法です。 子供には責任能力がない 未成年者が契約を出来ないのは、責任能力が…

子供へのメッセージ その2 日々の大切さ

今日は日々の大切さや関わり方について。改変統合で文章の体裁を整えるのに、手紙の草稿風になっていますが、実際お渡しするのはもっとラフなものです。ご自分の考えやお子さんとの関係性の中で、大事なことを自分の言葉で伝えて頂くことが大切だと思います…

子供へのメッセージ その1 どうして中学受験するのか

連休明けから夏休み前は、そろそろ受験の意識が強くなってくる親と、まだ呑気な子供の温度差が大きくなりやすい時期です。それだけなら良いのですが、揉めることで余計に時間を無駄にして、親子関係も疲弊してしまうとマイナスが大きいですね。 その予防に、…

6年生におすすめのGWの過ごし方 その1

今日から令和。新しい出発に相応しい日ですね。残り6日となったゴールデンウィークを、学校や塾に通わないまとまった時間を使う練習という意識で過ごせると夏休みにも効いてくるので、これまでに指導してきた方法を書いてみます。 SAPIXのGS特訓を取っている…

6年生におすすめのGWの過ごし方 その2

四谷偏差値55〜63:地力アップ・弱点を詰める 既に志望校に偏差値が届いている場合は、地力アップに取り組むチャンスです。以前の記事で紹介した地力アップの方法は、学校に通いながら週テストを抱えていると試しにくいので、この休みを利用して取り組んでみ…

子供の叱り方・関わり方

中学受験のサポートをしていると、割と多くのご家庭で「叱り方」のご相談になります。お子さんのタイプやお母さんとの関係性によって違いますが、同じ話で時間ばかりかかる、ちっとも改善されない、叱りすぎて後悔、といったお悩みの場合にお話する方法を書…

地力の向上(3-2)社会と理科(生物地学)

先の記事で書いたように、記憶は入れ方、出し方の工夫で訓練することが出来ます。入試の時に正確に使えるかどうかは、11月〜1月の最後の3ヶ月の比重が最も大きいので、算国が志望校の偏差値レベルに届いていない場合は、社会と理科(生物地学)は夏までは週…

地力の向上(3-1)記憶の仕組み

社会と理科(生物地学)の地力アップのお話の前に、記憶についての考え方を少しお話ししておきます。 ワーキングメモリ(作業記憶)は、シンプルに一度に覚えておける短期記憶という捉え方をしている場合と、長期記憶の活性化されている部分という考え方があ…

地力の向上(2)算数と理科(物理化学)

算数と物理化学で、複雑な問題でも素早く脳内や手元で試行錯誤を進め、最適な解法を見つけられるようになるには、演習量がモノを言います。また、基本計算など、正答率が高い問題でミスをしない習慣づけも大切です。数列やまとめ方など、数字に対する感性を…

地力の向上(1)国語

国語の入試問題の記述量と難易度の違い 合不合などの模試や、偏差値50台前半までの学校の問題は、最低限の語彙力とテクニックがあれば、それなりに正解できます。これに対し、難関校の国語は、問題文の文字数も多い上に、本文の抜き出しではない記述が必要に…

6年の夏休みまでにやっておきたいこと

学習能力を地力・暗記・テクニックの3つに分けて考えると、基本的には5年生〜6年生の夏前までは暗記とテクニックよりも、地力の向上に力を入れて指導します。特に6年生の場合、夏は講習や合宿と基礎の総ざらえで忙しく、秋以降は志望校に合わせた対策に時間…

5つのポイント:学習計画の立て方(2)認知特性診断と活用

これまで関わった子の親御さんには「好きなことには集中するけど、勉強になると集中が続かない」「やると約束してもすぐ破る」なんてお悩みが珍しくありませんでしたが、興味や気分に関わらず、決めたことを継続的に集中し続ける力は、優秀な大人にしか求め…

5つのポイント:学習計画の立て方(1)集中力について

子供の能力を把握し、目標までの距離を見積もった後は、学習計画を立てていきます。学習計画は親や指導者側がある程度主導しますが、子供なりの理解や納得も大事です。そして、学習効果を高めるためには反復と集中力の活用が不可欠なので、次のような話を子…

5つのポイント:目標決定について

目標を決定し、必要な内容の把握と分析をする。中学受験なので、まずは志望校を決めることですね。分析というのは、過去問や合格ラインからどのような問題を解けるようになれば良いのか、そのために必要な内容と量、時間はどれくらいなのか、そういうことを…

中学受験に活用したい5つのポイント

私が指導する場合の基本方針は、(1) WISCなどで能力の特徴を見る、(2) エゴグラムなどで性質を見る、(3) 志望校合格に必要な学習の内容を把握する、(4) 忘却曲線などを踏まえた効率の良い学習プランを立てる、(5) 報酬系を活用して前向きな取り組みを支えて…

報酬系を活用した方が良い理由

前回の記事で、必要な学習時間の目安を書きました。この途中段階、例えば6年春に偏差値50の子は、400時間分相当の学習量と換算します。つまり、同じ偏差値50の学校に進学するためには、6年生の1年間で残り800時間分ほど仕上げないといけないわけですね。必要…

中学受験に必要な学習時間

中学受験などさせるより、小学生の時くらい思いっきり遊んだ方が〜なんて話も聞きますが、この手の人は「時間がない病」の人だと思います。私が指導を引き受ける場合は、最初に下記のような目標偏差値と学習時間の目安をお話ししています。 偏差値別の合格ま…

中学受験をさせるメリット

進学塾の模試の結果で特待勧誘があるのは、受験に関わってきたプロが「素質のある子は進学実績を稼ぐ金の卵になる」という実感を持っているからです。この素質には2種類あり、一つは知能(IQ)などの才能、もう一つは根気強さなどの継続力で、学力=才能×学習…

子供の教え方その1

禁句:なんでやらないの?なんで出来ないの?どうしてそんなことしてるの?建前:考えさせる、自覚を持たせる本音:自分の理想通りに動かないことへの苛立ち はっきりさせておくべきなのは、親は子を教え導き支える立場であり、しかも中学受験には多分に親の…