偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

子どもとの向き合い方、学習の進め方など(5/15スペースのレジュメ)

昨日試しにtwitterのスペースを開けたら結構気づいてくれた方がいらしたので、そのままお話ししました。日時の告知やレジュメもあると良いというアドバイスをもらったので、昨日お話ししたことを覚えている範囲で書いてみます。

内容はこの時期にご相談が多い、勉強時間や取り組む姿勢が足りない+衝突が多いというケースと、やってもやっても伸びない・下がるなどのケースについてです。

 

勉強量の不足と衝突

勉強量が足りない場合、どうにかして量を増やす必要がありますが、やらせようとするほど子どもと衝突したり、家庭内の空気も悪くなり、子どもを潰してしまうんじゃないか、といった心配なども出てきます。まずはこういった時のイメージと立ち位置から。

子どもを潰す心配を減らす

「潰す」という言葉をイメージすると、台の上で押し潰すとか、足で踏み潰す、手で握り潰す、などが浮かびやすいと思います。これは、力が対象物に加わっていて、逃げ場がない状態ですね。だから潰れる。

でも、同じ力を加える行為でも、目的地に向かって背中を「押す」とか、倒れそうなところを「支える」、ギャップを乗り越えるために「持ち上げる」、壁を越えるために「押し上げる」をイメージすると、対象は潰れません。これらはそのまま、人に影響を与えたいときにも使えるイメージです。

成果をあげて欲しい、行動を変えて欲しいと思うと、まずは手軽に自分の言葉で相手に変わって欲しくなります。でも、そんなに都合よく言葉で変わるなら、自己啓発本読めばみんながスーパーリーダーですね。だから、子どもよりも状況を変える方に力を向けましょう。

力を直接子どもにぶつけても、それは「自分のリクエストを聞いてくれ」と言ってるだけ。どんな正論も大して役には立ちませんし、うまくいかなければ間違ってるんじゃないかって不安も出てくる。夜には反省しても、また次のテストや勉強態度を見ては怒りが湧いてくる。しんどいループです。

これは力で相手を変えようとしている限り続くので、改善したければ子どもを「思い通りに動かそうとしている」イメージから、「助けようとしている」イメージに切り替えることが大事です。だっこしても、壁を越えるための馬になっても、子どもは潰れませんね。

戦略担当になる意識 

対象を子どもにしないで、成績アップや入試の突破などに向けるためには、子どものやっていることに目を向けること、先の道筋をひとつひとつ具体化することが有効です。家庭学習の「態度」や「量」ではなく、実際に問題と向き合っている「ノート」や「問題用紙」の跡をよく見る。

不正解になっている問題を分野と正答率で分類、問題ごとの解き方の手順の確認とミスのパターンの把握、その原因になっている設問の錯誤のクセなどを見つけましょう。

次に、良い形を見せても10にひとつ返してきたら良い方、30にひとつでも十分くらいの意識で、通じるまで見せ伝え続けることです。そして、何か実践したところを掴まえては喜び、褒める。

とにかくやらないことには、上達もしません。やらないことを責める関わり方だと、やっても下手だったり失敗すれば、やっぱり責めるスタンスになりがちです。ちゃんと聞いてなかった、ここが悪い、ってアラを見つける。でも、それをやられると、新しいことは出来にくくなるだけ。技術の習得にはマイナスです。

不正解になっていても、正しい形の方法を試していたら、やったこと自体を認めて、嬉しいと伝える。これは誰に対しても大事ですね。

嬉しいって「親のための勉強じゃない」とか、そういうつまらないお題目に引きずられないようにしましょう。受験に関わっているなら、同じ目的のために協力しているチームです。まして親なら喜びもあって当然。子どもの挑戦や成長が嬉しいのは、なにも悪くないですね。

 

外の力を利用する

もうひとつ、「子どもに勉強をさせる親」という構図から、「子どもが勉強するのをサポートする親」に変えて衝突を回避するのに有効なのが、外の力を利用することです。高学年でも親にはまだまだ甘えがありますが、外の大人に対してはある程度の外面や責任感が出やすくなってきます。

私の場合で言えば、課題をプリントしたり、解いたものをスキャンして連絡したりを親が受け持つことで、橋渡し役になること+学習指示も外の人がすることで、命じる頻度が軽減することなどが、プラスに働くことは多いです。

こういったポジション替えは、家庭教師や個別に限らず、塾の先生でも頼み方によっては対応してくれる人はいます。単にやるべきことを指示されるだけだと普通の宿題とあまり変わらないので、なるべく添削やコメントをつけてもらいましょう。

宿題のうちは「ノルマ」として処理していたものが、戻ってくるときに「自分への返事」を受け取るイメージになると、早く見たい気持ちになって、勉強に関する行動を能動的に起こすことに繫がります。

特に個別などを利用している場合、問題を解いている隣に座っているだけでは自習室に毛が生えた程度の効果なので、子どもが問題を解いている間に、持っていったものに目を通してコメントをつけてもらったりすると、時間枠も有効に使い倒せます。

 

成績の停滞や下降

4年生までに比べて、5年生になると成績が下がり、量を増やしても一向に改善しないケースでは、学習スタイル自体の改善が必要なことも多いです。

解き直しと周回の重要性

4年生までは「この期間にどれだけ覚えられたか」の競争という面が濃いので、インプットが早く多い子が有利です。これは頭の良さの基本要素のひとつであり、低学年から発揮できる力で、例えば1回で80覚えられる子の方が50の子より有利です。

ところが5年生以降は、前回範囲の定着率が与える影響が大きくなってきます。こちらは短期記憶力以上に、意味づけや関連づけ、復習の頻度などがモノを言います。

例えば前回のものが80残っていると、今回50積めば130になり、以前より1.3倍難しい問題も解けますね。ところが、前回のものが20しか残っていないと、今回80積んでも100にしかならず、短期記憶力自体では勝てる相手にも負けやすくなります。

一定期間の授業やテストを受けて、出来なかったところが勉強するべき場所。そこまでは助走というか、入りやすいところと入りにくいところのチェックみたいなものです。勉強は消化のためにやるのではなく、理解し、使えるようになり、定着させるためにやるものですね。

より多くを次回に持ち越すためには、理解を言語化して自分なりのパッケージで収納することと、適度な間隔を空けた復習が有効なので、何点取れたかだけに目を向けるのではなく、テスト後の復習を大事にしましょう。

 

塾の周回カリキュラムの変化

下の表は、SAPIX四谷大塚の5〜6年の算数の単元出現回数です。 繰り返し薄皮一枚ずつ積み重ねていく形で、記憶の定着と理解の深化を狙っていることがわかります。※回数差の主な理由は、SAPIXでは季節講習単元もカリキュラムに含み、四谷では予習シリーズ・週テストの単元での区分になっていることです。

 

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そして、どちらの塾でも、赤着色した①割合と比、②平面図形、⑤速さ、⑦立体図形の4分野で、全体の3分の2近い回数を使っています。大まかに捉える、置き換える、方針を決める、言い換える、方向を変える、といった思考をつなげていく力が大事な分野でもありますね。

これらの分野は特に相関性が高く、どこかが弱いと難問が解けないか、解けても時間をかなり余分に使ってしまうことになり、多くの入試でも頻出なので、優先的に強化しておくと良いですね。

そして、これらが5〜6年に大きな比重を占めるのは、脳の発達段階とも関係があります。下は4年次の進行です。

 

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こちらでは青着色の③和と差、④数の性質、⑥規則性、⑧場合の数が6〜7割と、5〜6年と逆転しているのがわかりますね。円グラフで分布を見ると以下のような感じです。

 

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データPDF

これは、基本的な規則や語彙などの記憶、計算系の能力は早くから鍛えやすいのに対し、手持ちの知識を連結して試行錯誤するタイプの思考には発達段階があり、大抵の子は5年生の後半〜6年生でやっとまともに使えるようになるためです。

ですから、5年以降の範囲では、これまでの短期記憶の週テスト勝負のような勉強から、より先の模試や組分け、入試までを見越した学習スタイルに変えていくことが大事です。

徒らに量を増やさないこと

このカリキュラムの変化とその理由を把握しておかないと、4年までと同じパターンの学習を続けやすくなりますが、成績が下がるのを学習量が足りないからと考えてその週の量を増やしたり、演習問題にも手をつけたりするのは、逆効果になりやすいです。

これに対応していくには、次のテストに向けた勉強だけでなく、その先に向けての「前の週の復習」を織り込んでいくことが大事です。理解が足りていない箇所を詰めるだけでなく、次に同じ分野が出てくる時に備えて、記憶を時々メンテナンスしておく感じですね。

また、量を増やすことは集中力の低下や疲労の蓄積に繋がり、より一層思考力を奪うので、むしろ量を絞り、確実に解ける、覚えた、忘れないと言えるものを確実に増やすことに注力した方が良い結果に繋がります。特に睡眠は削らないようにしてください。

まだ発達のタイミングが来ていない場合でも、一定レベルまでは思考連結の必要は薄いので、基礎の徹底した周回で定着に努めておきましょう。

 

基本問題の徹底

基礎トレや日々の計算などに取り組んでいても、有効な学習になっていないことは多いです。例えば基礎トレの場合、4日で1セットになっていて、初日の数値替え問題が続きます。

これは初日に不正解になった問題を、解答解説で納得いくまで詰めて、それを瞬時に使えるまで繰り返すことが目的で、同時に典型題で弱い分野がないかのチェックも兼ねています。なので、それに合った使い方をするかどうかがかなり大事ですね。

例えば朝勉時間にとりあえず10問解き、丸付けして終わりだと、同じ問題を3〜4回間違えて終わりやすいので、初日は理解の確認と徹底した仕上げを心がけ、2日目はそのノートなどを見ても良いので完答を目指し、3〜4日目は何も見ないで満点を取る、といった形で進めると良いです。

特にマンスリーでS55以下の場合、基礎トレ+★2まで+DCの解き直しがきちんと出来ていないケースがほとんどなので、不正解を徹底的に潰しましょう。これは発達段階とあまり関係なく習得可能ですし、算数でS50〜55あれば、かなり多くの入試が突破可能です。

また、どの問題集が良いとか、いろいろと評価もありますが、塾の基本問題集さえ完璧でない状態で他の問題集をやるのはオススメできません。

集め方が多少異なるだけで、載っている問題は大差ありませんし、解答解説が〜などと言っても、既に授業を受けた範囲の問題の解説くらい読んで理解できなければ、そもそも上位校には歯が立ちませんから、ゴリゴリ読んで書いて、納得まで持っていくのも勉強のうちです。

そして何より、塾の基本テキストであれば、講師に質問しやすいという絶大なメリットがありますね。

 

たぶんお話したのはこのくらいだったと思います。原稿など用意していなかったので、欠け足しがあると思いますが、悪しからずご了承ください。

中学受験の男女の得点差や入試の傾向について

ほぼ同条件の中学受験でも、全体で見ると男女で異なる傾向があります。同じ共学校でも、入試偏差値が女子の方が高いことを受けて、女子の方が入試が厳しいという話を目にすることもありますが、これは正しくもあり、間違っていることもあるので、今日はそのあたりのデータを少し出してみます。受験雑学的な記事ですね。

 

男女の学力傾向の違い

まず、男子と女子では得点分布の傾向が異なることについて見ていきます。合不合は男女共通の問題で、偏差値は男女別で出るので、昨年の合不合の得点分布からの抽出データで見てみます。

男女の得点分布

下の画像は2〜4回の得点分布を男女それぞれ重ねたもので、青が男子、赤が女子です。男子の方が、やや高い位置にピークがきていますね。

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こちらは各回の得点分布を重ねたもので、紫色は重なっている部分、青は男子、赤は女子が多いことを示します。どの回も、得点上位に男子が多く、下位に女子が多くなっています。

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同じ得点での偏差値差

次は、各回での得点に対する男女の偏差値評価です。同じ得点では女子の方が男子より1〜2ポイント高い偏差値が出ることが多くなります。なので、合不合で男女一緒の組分けと同じレベルの得点を取った場合、男子は1ポイントほど下がり、女子は1ポイント上がりやすくなります。

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科目別に見ると、算数、理科、社会では男子の方が得点が高く、国語は女子の方が高くなります。なので、同じ偏差値の子を比べる場合、男子は平均して算数で+9点、理社で各+6点、国語で-6点という感じで、4科目だと15点ほど得点が高くなります。

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算数が強い女子や国語が強い男子も当然いるので、「女子は算数ができない」みたいな言説は●ですが、全体としては国語以外の得点力は男子の方が高い傾向にあります。4科で見ると点差は小さくなりますが、偏差値55で11点ほど男子の方が高くなります。

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なお、100人中では女子5位と男子7位、女子10位と男子15位が互角くらいなので、男子50位くらいで「女子ってさ〜」なんて言ってもコロッと負かされる相手は多いです。適当な大きすぎるラベルは個人には合わないことが多いので、その子の特性や能力をきちんと見ることが大事ですね。

 

同じ得点帯の男女の比率

男子の偏差値63までに入る男子は587人で、男子6,344人の9.3%。この枠内に入る女子は371人で、女子5,417人の6.8%です。同様に偏差値55〜62では男子は23.4%、女子該当者は19.7%で、同レベルに達する比率が女子の方が少ないことがわかります。

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男女比較_得点[PDF]

 

ですから、同じ得点ラインで区切る場合、偏差値55以上ではだいたい6:4で男子が多くなります。仮に同じ偏差値の男女同数が入試を受けて、合格最低点を同じにした場合、合格者数は女子の方が少なくなる可能性は高いわけですね。

ただ、各校の入試偏差値も女子の方が1〜2ポイント高くなっているため、同じ入試を男子が55なら女子は57の子が受ける形になり、そこまで差はつかないケースが多くなります。つまり「同じ学校でも女子の方が難しい」のではなく、男子よりも女子偏差値で1〜2ポイント高い子でないと、同じ得点を取ることが難しいということですね。

ただ、これが当てはまるのは偏差値差が2ポイント前後のケースで、それ以上の差がある入試の場合には実際に「女子にとって厳しい」可能性が上がります。

 

各入試の男女偏差値の違い

共学校の男女80偏差値の比較

定員やカットラインの差で、女子の方が厳しい入試もあります。こちらは男女の80偏差値の比較で、偏差値差の大きい順に並べてあります。

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偏差値差の大きい学校はカットラインが高め

割と合理的な2ポイント差までの入試が多いですが、それ以上の差がある入試も結構ありますね。お茶の水は共学ながら男子は高校に上がれないなど、偏差値も含め全く別の学校なので、次から見ていくと、偏差値差が5ポイント以上の5入試は全て大学付属の人気校でした。

このうち、青山学院と成蹊の2校は得点も開示されていますが、特に青山学院は受験者数が女子546人:男子353人で女子の方がかなり多いのに対し、合格者数は女子90人:男子118人と女子の方が少なく、合格最低点も女子191点に対し男子162点と29点も差があり、女子にとってかなり厳しい入試になっています。

成蹊も青学に比べれば緩やかですが、1回では8点、2回では17点も女子の方が合格最低点が高く、合格率も低めになっています。

3〜4ポイント差の18入試にも、女子人気の高い学校が並びます。マーチ付属では法政第二、法政大学、明大明治も合格最低点に差があり、特に明大明治以外の2校は10点以上差の入試回があって厳しい戦いです。付属以外では、渋谷教育渋谷が10点、15点、8点とどの回も女子に厳しめ。

その他の学校は、差があるとは言えない〜男子の方が厳しい入試まで様々です。これらの一覧データは表が大きくなってしまうので、 PDFで閲覧してください。

男女比較_入試[PDF]

 

募集枠で見る男女の厳しさ

下の表では、Y63以上をS層、55以上をC層、45以上をB層、37以上をA層、36以下をα層とした場合の、合不合得点での人数比と定員比を比べています。Y偏差値の出ていない学校については首都模試+8ポイントで換算しています。

人数は、共学で男女別定員を設けていない学校では男女別の合格者数、男女別の合格者数非開示の学校では前年の入学者数を入れています。

偏差値基準を男子にしていること、複数入試回の各校の偏差値は平均のため全ての入試回の偏差値が厳密に反映されないこと、対象が合不合のみで他模試受験者は分布に含まれないことなど、いろいろざっくりしているので、あくまで門戸の広さの目安としてご覧ください。

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得点で見ると男子S相当の男女人数比は61:39ですが、同じS層の定員比は別学共学合わせて68:32になります。S層の女子にとって学力相応の学校に入学することは、男子以上に狭き門と言えますね。C層では少し女子の方が入りやすくなり、B〜A層では更に間口は広くなります。 

首都圏全体で見ると、全体の3分の1の人数に対して枠が22%の男子B層が一番厳しい印象で、A層も薄めなので、中学受験の厳しさを最も痛感しやすいのはA〜B層の男子で、次がS層の女子と言えそうですね。もう少し細かく見たい方はPDFをどうぞ。

募集枠集計[PDF]

 

塾による偏差値の違い 2022年度中学受験用 結果偏差値版(女子) SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

2022年度の入試に向けた各塾の偏差値比較、女子版です。抽出元は志望校判定SO1回、四谷大塚2021結果偏差値、日能研2021結果偏差値、首都圏模試4月予想偏差値です。※市進は昨年9月版

偏差値順

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日程順

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目立つ変動があった入試

各塾で入試直前の偏差値と結果偏差値で目立つ変動のあった入試を並べています。赤背景色は上昇、青背景色は下降です。男子同様に、大学附属系属校と複数回入試校の人気は継続していますね。

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80偏差値の分布

以下は、主な女子校の四谷、SAPIX、首都圏模試の80偏差値の分布(複数回入試のある学校はそれぞれの回を入力するので縦長)です。

四谷大塚

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SAPIX

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首都圏模試

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それぞれの塾で、重なり方や見え方が多少異なりますね。サピ50=四谷60=首都圏模試68くらい。首都圏模試はぎゅっと上部になるので高さが狭く、逆にSAPIXだと分布が広く見えます。

四谷の80偏差値と50偏差値を比べると以下のようになります。実際の入学者で最も多いのは50偏差値前後なので、入学後のイメージには左側の50偏差値ゾーンを見て、入試突破には右の80偏差値ゾーンを目指す感じですね。

 

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80偏差値〜50偏差値分布を1本にまとめると以下のようになります。だいたい入学する子の6〜7割はこのあたりだと思って良いですね。

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上澄みの中での順位

偏差値比較表の各塾の偏差値をざっくり比べると、下のようになります。

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サピの上3分の1と四谷日能研の上1割がほぼ同列。そして、サピの中3分の1と四谷日能研の上3分の1がほぼ同列で、首都圏模試の上1割よりもやや上にきます。

ちなみに、首都圏模試も受験するのは全小学生ではなくて、全く勉強してない子、教育に無関心な家庭では受験しません。最初から高校受験を視野に入れていたり、中学受験をしない家庭はあっても、一定の家庭学習や通塾をしている子たちが受ける模試です。

つまり、サピに入って濃厚周回カリキュラムを消化したり、四谷早稲アカで毎週テストを受けたり、それを入試までやり遂げられる時点で、一般的な小学生からしたら上の上ってことです。

これを忘れて、勉強は辛く苦しいもの、親に怒られながらするもの、という印象を植え付けるのは避けたいですね。

塾による偏差値の違い 2022年度中学受験用 結果偏差値版(男子) SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

2022年度の入試に向けた各塾の偏差値比較、男子版です。抽出元は志望校判定SO1回、四谷大塚2021結果偏差値、日能研2021結果偏差値、首都圏模試4月予想偏差値です。※市進は昨年9月版

今回は、入試結果を受けての偏差値の変動や、SAPIX偏差値表には出てこない層までカバーした表などもPDFで掲載してありますので、興味のある方は閲覧してください。

 

各塾の偏差値比較

偏差値降順

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日程順

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SOと市進9月を含めた201入試回での比較表

偏差値比較一覧抜粋(PDF)

偏差値比較一覧抜粋日程順(PDF)

 

市進を除き、SO非表示層も含む最新452入試回での比較表

偏差値比較全一覧(PDF)

偏差値比較全一覧日程順(PDF)

 

入試前最終偏差値との比較

こちらは、各塾の偏差値帯に入っている入試数の増減を表にしたものです。

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偏差値増減状況(PDF)

YNは結果偏差値のため合計掲載数は減っているのに中層以上の帯全てで増加していて、全体としてやや難化傾向にあると言えます。また、上がり過ぎたところの調整程度はあるものの、今年も大学付属系属校は安定して人気が続いています。

高輪、巣鴨、世田谷などは算数午後入試の導入→高偏差値入試回を作る→全体の底上げの成功を継続しています。広尾学園や開智日本橋なども同様の戦略で、同時申し込みだと複数回入試も割安になったり、入学手続きの締切を他校の合格発表を待てる6〜10日頃に設定するのも特徴です。

一般的な受験生保護者は、それほど多くの学校は知らず、偏差値表で学校名を眺めてから調べる順番になるため、特に上3分の1=偏差値55以上のところに学校名を出すことは大事で、偏差値表自体に広告露出同様の効果があります。

私学の設備は多くの公立中と比べると1〜2ランク上で、知って貰えれば魅力的と言える学校は多く、優秀な子が集まれば進学実績も上向きやすいので、こういったビジネス感覚も大事ですね。

入試前の評価より上昇した入試回の多い学校

下は入試直前の偏差値から、更に上昇した56校です。

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特に上昇している6校について簡単に触れておきます。


○青山浦和ルーテル
青山大学系属化後の人気上昇が加速し、Sでは下の中から下の上、YNでは下の上から中の中、首都模試では上3割から上1割へ。とは言え、2020年の青学大への合格数は卒業数の1割ほどに過ぎず、2031年度から卒業生全員の推薦入学を目指す過渡期なので、それほど大学が確約されるわけではない点には注意。

昭和学院
入試や制服なども含めた大改革を進めていて、もともと大学進学実績も悪くないので、まだ上げ幅がありそうな学校のひとつ。都内城東地区からは十分に通学圏です。

○獨協
系列の獨協医科大学をはじめ医学部への合格実績が高い学校。卒業199名から国公立15名、医学部37名、早慶上理ICU39名、GMARCH97名と、偏差値からすると「非常に高い」と言えるレベル。立地も文京区のカテドラル協会や椿山荘付近で、130年の歴史もあり、アクセスのしやすさからも人気が上昇中。

○広尾小石川
村田女子からの変更1年目の注目校は、いきなり50前後からのスタート。偏差値レベル60台で海外大への高い進学実績を持つ広尾学園と同等の教育を受けられるというアピールに、各入試回の人数を極端に絞る戦略が奏功している形ですね。

各回の定員が5〜15名という入試で一般入試募集枠は合計90名、実受験者数1,713名で、合格者数は見通しの7割ほどの341名に留まりました。2日以降は倍率も非常に高く、偏差値をあまりアテに出来ない入試なので、押さえの併願校としてはおすすめしにくいです。入学したければ、合格数を出して倍率も低めの1〜2回で必勝を期すのが良さそう。最終的な80偏差値+5ポイントくらいを目標に頑張ると良いです。

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○目黒日大
日本大学の準付属校化が奏功。山手線目黒駅から徒歩5分の立地で、他の日大附属校と比べてもアクセス面では優位なので、ここもまだ上昇余地はありそうです。

芝浦工大
男子校からの共学化に理系人気も追い風になり上昇。注目のSTEM(STEAM)教育と親和性が高い校風や教育方針、芝浦工大に4割強が進学できて、他大学へも国公立14名、早慶上理29名の合格を出している注目校。山手線内各駅から30分以内という好立地もあり、人気は続きそうです。

 

入試回別で、上昇幅の特に大きい入試回(4塾比較版:平均2ポイント以上)はこちらです。

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上昇幅の特に大きい入試回(全体版:平均3ポイント以上)で並べるとこんな感じ。

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各偏差値帯での増減ポイント数比較

こちらは、各層での増減ポイント数の合計を表にしたものです。A層でSが少なく、首都模試が多くなるのはカバー範囲の影響ですが、今年はNのS〜C層での変動数が突出して多く、事前の見通しと異なる結果になった入試が多いことを示しています。

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偏差値増減①S層

偏差値増減②C1層

偏差値増減③C2層

偏差値増減④B1層

偏差値増減⑤B2層

偏差値増減⑥B3層

偏差値増減⑦A1層

偏差値増減⑧A2層

入試の突破には学力をつけて対策することに勝るものはないですが、毎年こんな感じで偏差値のブレは出るので、「安全校のつもりが競争激化」などのリスクが減るように、各塾の偏差値推移や出願状況などを把握して入試プランを立てられると良いですね。

他塾の模試を受けた方が良いかどうかの目安

志望校と同じ受験者層が集まる模試を受けると、立ち位置がわかりやすいですね。ここに挙げた三大塾模試の他にも、首都圏模試、学校名のついた冠模試や都立校などの適性模試などがあるので、それぞれの状況に合った模試を選んで受験してください。

他塾の模試を受ける判断基準

通っている塾以外の大手模試を受験するかどうかの目安には合格実績を用いています。合格者数の4分の1以上を占めていれば特に問題ないですが、1割にも満たない場合はその学校の合否判定という意味では少し心許ないので、他塾模試の受験も提案したりします。

模試受験者=塾在籍者ではなく、外部生も受験するため、例えば日能研模試をサピや四谷生が受験していてもその比率はわかりませんが、SOを受けないサピ生や合不合を受けない四谷生は少ないので、母体塾からの合格者は受験している率が高いだろう、というイメージですね。

三大模試全てで△以下の学校は、各塾の適性模試や首都圏模試などの受験を検討すると良いでしょう。

4/28追記:6年生の模試は、範囲指定のないテストで定着度合いを測り、弱点の穴埋めなどの材料にすること、平均偏差値を踏まえて併願プランの基準にすることなどが大事な役割です。

1年かけて全範囲をカバーするため、まずはメイン塾の模試を通年で受けることが大前提で、逆に単発の模試結果は出題相性によるブレも大きく、位置付けとしては補強材料です。

他塾の模試は日程に余裕があったり、受験可能性の高い学校会場がある時に検討する、という順番ですね(△の場合)。

合格数から見る模試受験推奨度の一覧

画像は、2021年の合格実績から学校別に一覧にしたもので、占有率は全合格者数に占める模試母体の合格者数の比率で、合格者数合計が定員に満たない学校は定員に対する比率からの評価です。SOはSAPIX合格者数、合不合は四谷大塚+早稲アカの合格者数、日能研日能研の合格者数を元にしています。

学校名は男女合成偏差値降順で、数値自体には意味がないので表示していません。例えばお茶の水などは四谷80偏差値で女子67・男子50とかけ離れていて、合成はどちらの偏差値としても見当外れですし、複数回入試でも偏差値は変わるので、あくまで並べる便宜上のものです。男女の偏差値差については別の記事にします。

また、中学校会場履歴欄には、過去にその中学校で受験できる模試があった学校にSO=S、合不合=Y、日能研=N、首都圏模試=都と記入してあります。これらの学校は今年も模試会場になる可能性が高く、新型コロナウィルスの影響で、学校見学などの機会は限られることが予想されるので、志望順位高めの学校会場があれば受験してみるのもおすすめです。偏差値比較と合わせたものはPDFへのリンクを貼っておきますね。

 

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男子校

https://e-tutor.tokyo/data/20210427/ss01.png

男子校偏差比較統合.pdf

女子校

https://e-tutor.tokyo/data/20210427/ss02.png

女子校偏差比較統合.pdf

 

共学校

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共学校偏差比較統合.pdf

 

各模試の母体塾の合格者数での比較表はPDFにしてあります。

合格者数の比較.pdf

 

今回はおよそ2ヶ月ぶりの更新になりました。ご心配頂いたりしましたが、単に手が回らなかっただけで、元気です。またボチボチ記事もアップしていきますね。 

成績分析や個別サポートと、2021年受験組の方の体験談

昨年は休校や塾の休講を受けてオンライン講座を開設したりしましたが、その中でも成績分析が好評だったので、今年も受け付けをします。対象は新6年生(2022年受験組)のみとさせて頂きます。

成績データ分析

何度か記事で触れていますが、テストは短期の学習目標であると同時に、出来ない箇所を見つける検査でもあるので、テストを受けてからの解き直しや、結果を反映させた学習プランなどがとても大事です。テスト結果や資料の分析、学習プランの立て方などに不安がある方には参考になるかも知れません。

→ご相談・成績分析お申し込み受付

 

昨年分析を受けた方にアンケートをお願いしたところ、回答数は11件で、適正だと思う価格は1,000円〜30,000円まで開きがありました(1件はその他を選択→金額無回答)。

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価値の感じ方は人それぞれということで、分析も初回は無料、2回目以降は10,000円という形にしておきます。 

 

個別のサポートについて

また、内緒というわけでもなかったのですが、ブログ経由で個別サポートを受けた方からは「最初の一歩のハードルが高かった」「もっと早く勇気を出していれば良かった」といった声を頂くので、相談や分析お申し込みの際、希望された方には個別対応についてもご説明します。

対応できる人数に限りがあるので、お気遣いでのお申し込みなどは一切不要です。また、いくつか形がありますが、直接訪問はしない形でのサポートで、保護者の方が全くフォロー出来ない家庭にはあまり向きませんので、予めご了承ください。

 

2021年受験組の方の体験記

以下に、2021年受験組の保護者の方と受験生ご本人の体験記を掲載していきます。家族で中学受験を乗り越えた先輩のエピソードとしてお読みください。

 

Aさんの体験記

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Yさんのお母さんの体験記

娘が桜蔭を受験したいと言い出したのは4年生の冬でした。大手進学塾の提携塾に通っていたものの、東京へは飛行機で行かなければならないような地方に住んでいた私たちにとって、移住と桜蔭の受験など簡単に決断できることではありませんでした。

周りには首都圏の受験事情に詳しい人もいませんし、お世話になった塾の先生に相談することもためらいました。そんな時、改先生のブログを知り、不安や疑問点、移住のタイミングなどを思い切って相談させて頂いたところ、とても丁寧に親身になってアドバイスをくださいました。

改先生に的確な助言をいただいたおかげで、私たちも覚悟が決まり、受験本番の1年前には無事関東に移住することが出来ました。直営校に入塾し、これからという時、緊急事態宣言による一斉休校に入り小学校にも塾にも馴染めない辛い時期が続きました。

コロナ禍では親子ともに不安とストレスに晒され、得意だった算数の成績まで下がってしまい、学習面でも改先生のサポートを受けることになりました。わかりやすい解説と温かい励ましのお言葉が娘の心に響き、何とか苦手を克服することができました。

緊急事態宣言が明けると同時に、娘の目指す志望校に合った内容の授業が受けられるよう、お茶の水校舎に移りました。電車や車で片道1時間~1時間半かけて一緒に通い、講習会時は送迎のため2往復する生活をつづけ、受験本番を迎えました。

年間を通して桜蔭コースに在籍し十分な対策をして臨めたこともあり、第一志望の桜蔭をはじめ、渋幕、市川(特待)の合格を頂くことが出来ました。

今振り返ると、4年生までは複数の習い事と塾の勉強を両立し、5年生では全ての習い事をきっぱり辞め、塾の勉強に専念し、どんなに辛くても時間を捻出し計画的に予習復習をこなしました。親から見ても娘は本当によく頑張りました。

私たち両親は娘が勉強に専念できる環境づくりと健康維持を最優先に夫婦で協力しサポートに努めました。そうは言っても、夫婦間、親子間で大喧嘩することも、忙しさゆえ十分なサポートが出来ず、悩む事も多々ありました。

そんな時、塾以外に本音で相談できる改先生の存在はとても大きく、心の支えとなりました。そして合格を一緒に喜んで下さった改先生に、改めて家族一同心より感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

 

Sさんのお母さんの体験記

■改先生への相談・サポートの感想・レビュー

改先生には、6年夏にはじめて相談し、その後、成績が秋から成績が伸び悩み、指導をお願いすることになりました。

お願いしよう思った理由は、色々な中学受験関係のブログを検索している中で、改先生は、内容がとても客観的で落ち着いた文章だと思ったからです。我が家は初めての受験で情報もなく、母親は子どもに対して感情や主観が強いと思っていたので、経験豊富でデータ分析をしている改先生のブログは自分の感覚でとらえていたことが数値化されていたり、とても参考になっていました。

実際に分析や指導をお願いしてみて、淡々と落ち着いて話してくださる先生のご指導は、子どもにとって受け入れやすく素直に聞ける内容でした。親子でケンカしながら話し合う無駄な時間もなくなり、少しずつつまずいていたところが解決し、力がついていきました。そして何度もやり取りを重ね、前日ギリギリまで伸びていたと思います。

また、オンライン指導は、わからない問題を1問ずつ答えてもらえ、子どもが困ったときにすぐに解決できるので、わからないことが後回しにならず、集中力がたもてました。親も、塾の先生以外の意見が聞けたこと、本番当日までのスケジュールやメンタルの保ち方などの相談にのっていただき、本当に心強かったです。

特に合格の決め手となったのは、1月の押さえ校もしっかり対策をしたほうが良いとアドバイスをいただき、真剣にのぞんだ結果、東大コースに合格できたことだったと思います。そこから2月校の勉強に集中でき、強気で挑めました。そしてその結果、あこがれの志望校にも合格できました。

改先生にはお世話になり合格まで導いていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。

■これから受験する方へのメッセージ

子どもは合格を信じて一生懸命勉強します。塾の先生方は御三家を受けてほしいし、落ちそうだとは言いません。どうか親は冷静に情報を集め、分析し、1つでも多く子どもに合う学校を探してあげてほしいです。

うちは子どもの強い希望でチャレンジし合格をもらえましたが、もう少し早くから、しっかり分析してあげていたら良かったと反省しています。塾とは別の教育相談や分析を考えるときは早めに思い切ってされることをお勧めします。

 

Tさんのお母さんの体験記

■こうしておけばよかったと思うこと

体力が必要だった。もともと非常に小柄だったのもあり、塾から帰ってくると疲れていて、その日やったことの復習をする、という習慣が付けられなかった。算数だけ、ほんの少しでも復習ができるとよかったが、とにかく早く寝かせたかった。

本人に任せすぎていた。「宿題はやった」の意味が、ただ解いた、ということだと6年生のはじめに分かった。いつも、算数の先生に「理解はしているけれど定着していない」と指摘いただいていたが、先生の鮮やかな解説を聞いて分かったつもりになっていただけで、実際に自分で解けるようにしていなかった。親がきちんと確認・対策をするべきだった。

親が一度解きなおせば理解していると考えてしまっていた。これは6年の途中まで。GWあたりに取り組んだ算数の4科のまとめは解きっぱなしだった。後半にやったように、何度も取り組んで自分のものにしておけばだいぶ違っていたのではと思う。

過去問の最新年度を併願校は特に12月に終わらせるべきだった。1月に入って新たな過去問を試験形式でやって、思った結果が出ないと不安。

市川は、本番の受験が校舎で行われないので、5年生のうちに必ず一度本人が行っておいたほうがよい。1月校までは回る時間がないかもしれないが、最後の最後、市川と城北/本郷の選択になった場合、市川を選ぶと息子と決めていたが現実問題通いきれるのか不安が残った。

■あまり必要なかったこと

必須のことすらできていない状況だったので、必要なかったことはあまりない。ただ、4~5年時、組分けの前に、それなりの時間をつかって理科や社会をやらせていたが、今考えれば4年はとにかく算数、算数でよかった。

姉の時に一度塾主催の合宿に参加したが、生活リズムを乱す悪影響の方が大きく不要と判断、息子の時はいっさい参加せず。

■予想外や想像以上だったこと

6年生になっても、条件の読み違い、勘違い、計算間違い等々で、出来るはずの問題をボロボロと落としていたこと。それもあって特に算数で成績のムラやばらつきが想像以上に大きかった。男子だからなのか、生まれ月の問題もあるかもしれない。演習を徹底することで改善してはきたが、最後まで悩まされた。

「麻布は問題に慣れるまで数カ月かかる」それまでに過去問をほぼやってしまうので、過去問で合格に近づいているのかどうかの感触を得ることができない。理社の先生は記述に点をつけることはなさらなかった。

「男子は最後まで成績デコボコ、そして御三家は運の要素が大きい」覚悟してはいたが、想像以上だった。1月14日の最後の学校別週テストは13人中11位。姉の時の数倍心配と疲れがあった。

「試験は水もの」これも想像以上だった。栄東は難関校止まり、海城②は過去問の相性もよく模試の合格可能性も80%がほとんどだったが、落とした。麻布合格も運の要素が大きいと感じている。

■やってみてよかった、役に立ったこと

まずは勇気を出して改先生にご相談したこと。私自身、それまで偏差値を見て一喜一憂するだけだったのが、個々の問題レベルまでブレイクダウンして、できない問題をつぶしていこうというマインドセットに変わった。

算数は6年の途中から、問題群を決め完璧にマスターするまで何度も回す、という方法で算数を強化した。基本的な手法だと思うが、我が家では徹底できていなかった。

9月に算数の夏期講習テキスト、10月の合不合までに演習問題集の●問題、麻布の速さ問題、追い込み期には麻布の過去問。間違った問題を問題集からコピーし、1問ずつ、ルーズリーフの表に問題、裏に答えをはり、自分だけの問題集を作ったところ、隙間時間に取り組めてよかった。追い込みでは、麻布の算数過去問も10年分、同じようにすべて自力で解けるようにした。

改先生の勧めでおこなった一連の演習/自習。麻布の速さ問題の対策。先生にこれまでに受けた模試などから15問ほどピックアップしていただき、解く➞わからない/間違った問題は解説いただく➞自力で解く➞数日してまた自力で解く。をくりかえした。

12月から、理社の定着(コアプラスを利用)をプログラムに入れた。「最強の社会」「最強の理科」。記述の多い学校にはお勧め。

1月、算数について、自塾の計算に加えて、基礎トレーニングの1行問題をおこなった。6枚1セット。知識の確認と、出し入れをポンポンできるようにするため。

市川の試験直前に、理社だけは多めに過去問をこなした。受けない第2回の直近2~3年分。理社の配点が高い市川では安心材料となった。

受験期に親のやることとしては、徹底したシミュレーションと細かい行動計画をたてたこと。1月校をふくめ、すべての学校について合/不合双方を想定して、次のアクションを考えた。不合格のシミュレーションをするのは心理的負担が大きいが、備えれば備えるほどつらい結果というものは遠ざかるはずだと言い聞かせて、シミュレーションにより不合格を疑似体験した。
1日~4日については献立も予定して買い物を済ませておいた。おでん、シチューなど、温かく消化もよさそうなメニューにした。

■特に困難だった時期と、その乗り越え方

6年生の4月から6月。コロナで塾が休校になってしまった時。ペースメーカーでありモチベーションでもあった塾がなくなると、受験に向かう気持ちを支える手立てがなく、本人も親もやる気を喪失。受験自体もうやめてしまおうか、と考えることもあった。塾の再開後、成績が下がってしまったことをしっかり受け止めて、夏期講習期間を活用してなんとか復調することができた。

■相談、サポートの感想、レビュー

コロナ禍によるお休み期間の成績低迷を乗り越え、なんとか麻布の学校別コースにも合格できた9月。模試もはじまり過去問も徐々にスタートしよう、というタイミングになってもなお、算数でミスや穴が目立つ状態に悩み、思い切って改先生にご相談しました。

数日後に非常に詳細な分析をお送りいただき、驚きとともに、なるほど親の方が1問1問という粒度でアプローチすればよいのかと目から鱗でした。基本の徹底は塾からも言われるし、いろいろな本にも書いてありますが、なかなか徹底はできないもの、と思い込んでいました。

親自身が問題を自分で解けず難易度もわからない状態だと、成績はブラックボックスに近く、成績上下動の理由がわからないまま、偏差値を見て一喜一憂することになります。私にとっては算理の問題がそうでした。

でも、自分で解けなくても、どこで躓いているのかは解答に至る道筋を見ればある程度わかる、ということを改先生のブログで教えていただいて間違った問題をみていったところ、息子の場合は、穴もさることながら、条件の勘違い、転記間違いなどのミスも多発していることが見て取れました。

その後、塾から宿題としていただいていた問題群につき、自分で完全にできるようになるまでやることを徹底したことで、算数の成績が少しずつ安定していったように思います。改先生のサポートは、対面ではないので息子は当初、少しとまどっていましたが、お送りいただいた解説動画などを拝見し、そのわかりやすさに驚き、徐々に頼りにするようになりました。学校や塾から帰るなり、「改先生から何か来ていない?」と聞かれることもよくありました。

塾の先生からも算数の定着が悪い、というお話は面談などでしばしば伺っていました。ただ、私の聞き方が悪かったのか、実際何を、どのレベルまでやりきるべきか、というアクションまでは明確にできておらず、今のやり方で大丈夫なのだろうかとモヤモヤしていました。

ですので、改先生に方向性を示していただいてなんとなくの道すじが描けたことは非常な安心につながりました。12月には、麻布で必須の速さの問題をまとめて演習、解けなかった問題につき、解説していただき、自分で解く、というサイクルを何度か回し、自信をつけることができました。

そういった実体面もさることながら、実は私のメンタル面でもっともありがたかったサポートは、テスト結果に動揺したときに気軽にLineでご相談させていただけたことです。

9月以降は模試なども多く、一つ一つのテストで一喜一憂しても仕方がないと頭では分かってはおり、実際に塾に相談するほどのことでもないのですが、親はやはりアップダウンします。先に改先生にご報告し、冷静かつ前向きなメッセージをいただくことで子供と話す前に感情を和らげることができたのは親子ともに良かったと思います。

男子は成績に波がある、ということは話には聞いていたものの、これほどまでか――と、伴走する側は最後まで気が気ではありませんでした。そのようななか、実力はあるのだから大丈夫、と言っていただけたことで気持ちを立て直すことができました。

また、直前期に学習プログラム案を見ていただき、優先順位の整理や、メニュー追加のアドバイスをしていただいたことは非常な安心材料となりました。1月途中からは学校をお休みすると決めたものの(上の子のときはずっと学校に行っていたということもあり)、家で直前期を過ごすときにどのようなプログラムを組み立てればよいのか明確になっていない状況でした。

なんでも詰め込みたくなりましたが、これはこういう理由で優先順位を下げてOK、だがこちらは追加したほうがよいと具体的にアドバイスをいただきました。算数の基礎トレなど追加いただいたメニューは、なかなか自分では気づかないもので、大変役立ったと感じています。

調子のよい時には十分に合格できる力を持ってからがスタートで、1月に大事なことはその力を本番で発揮するためにどう整えていくべきか、というメッセージも印象にのこっています。

塾の先生の校門前での応援などがなかった今年、受験日の朝、それぞれの学校ごとに気を付けるべきことをメッセージにしてお送りいただいたことも、試験に向かう不安が和らげ、マインドセットを整える効果があったと思います。最後まで薄氷を踏む入試でしたが、改先生のおかげでなんとか運を引き寄せられたのではと思います。本当にほんとうに、ありがとうございました!

塾の合格実績の見方:模試受験者占有率と在籍者の合格率の推定

前回記事の掲載後、結構合格実績についてやり取りをする機会があったので、記事にしておきます。まず、どの塾でも合格に必要なことが載っているテキストはあり、上位校合格者もいて、合格までにやる内容は同程度なので、自分に合うかどうかが重要です。

塾の合格実績は、雰囲気とか同じ塾に通う子のレベル感を想像したり、塾内での目標とする立ち位置をイメージする一助にすると良いです。中学を選ぶ際に大学進学実績を見て、どんな進学意識の子が多い学校かをイメージしておくのと同じですね。

他塾の模試を受ける必要の度合い

下は3大模試の受験者数と、その模試の受験者の1日実施の1回入試校10校の合格数を表にしたもので、左から合格数、合計数に占める割合、80偏差値です。

在籍はSAPIXと早稲アカは開示していますが、四谷と日能研は不明で、一応母体となる塾ということでSO=SAPIX、合不合=四谷+早稲アカ、日能研日能研という形にしてあります。

 

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SAPIX生のうち約2割は、この10校のいずれかの合格を掴んでいることになりますね。合不合勢からは9%、日能研模試からは40人に1人くらいです。合格者に占める割合は、SO受験者(5):合不合受験者(4):日能研受験者(1)です。

で、SAPIXの上2割と、早稲アカの1割や四谷の7%に入る難しさに、大差はありません。入試で通用する実力をつけるための学習量は同じなので、カリキュラムの速度や講師との相性、通いやすさなどが大事。

この合格者数を在籍上位層と仮定して偏差値換算すると、SOの21.6%は58以上、合不合の8.9%で63.5以上、日能研の2.6%が69以上に相当するイメージです。もちろん、1日校の中にも2回実施校はあるし、偏差値順に上から全員が受験するわけでも、必ず実力順に合格するわけでもありませんが、自塾の中でこのあたりにいれば、1日の勝算はそこそこ高い。

で、偏差値比較でSO58になっている入試(渋渋、中等部など)は合不合では62〜66なので、この2つの模試は結果との整合性が取れている印象ですが、日能研R4は合不合とほぼ同じなのに69相当数しか入れなかったことになり、実態との乖離が大きいと言えます。※この部分も、仮に日能研の在籍を半数とすれば5.6%(偏差値66)、3分の1とすれば7.8%(同64)くらいになり、印象は変わります。

なお、模試の受験者数は、主催する塾の在籍者だけでなく、例えばグノーブルやジーニアスの生徒も受験しますし、主催塾の生徒が他塾模試を受験することも珍しくありません。四谷早稲アカ生でもSO受験者は多いですし、その逆もあるので、この数字も正確に実態を反映するものではありませんが、傾向としては最上位層ではR4の信頼性が少し低いと考えます。

例えば麻布80%はSOで61、合不合68、日能研で67、普通部もSO59、合不合64、日能研65なので、SOや合不合の子は8割通った可能性が高く、日能研の子は5割以下くらいになった可能性がある*ということですね。

もちろん、今回の結果を受けてまた調整するでしょうが、以前から日能研の上位層は薄めの傾向なので、個人的には日能研に通っていて都内上位校を受験する子がいれば、模試だけはSOや合不合を数回受けて、立ち位置を確認しておくことを勧めています。

 

追記:日能研模試には首都圏以外の模試受験者も多数いることについてリツイートしてくれた方がいました。

そうなんですよね。例えば関東受験者数を半分として数字を出せば率は5.2%、首都圏エリアの日能研在籍数は3分の1くらいと考えれば7.8%になります。%だけでどっちがどうという判断ではなく、1日校への合格者数が少ないので、合格者が多く出ている模試を受けると立ち位置がわかりやすいくらいのイメージです。今後もなるべくわかりやすく、誤解は少なくなるよう工夫していきたいと思います。

 

次は、左から模試の受験者数、今回の対象校78校に合格した数、1日の1回入試校の合格者数に占めるそれぞれの模試の割合です。受験者数は1:2:2という感じですが、全体の合格者数は合不合、1日上位層ではSOが強く、日能研は大きく凹んでいます。ここからも、日能研模試受験者層とSO受験者層は逆方向に厚くなっていることがわかりますね。

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次は、一昨日のデータで難度順に分けたグループ別での、合格者占有率を、2021年と2020年で並べたものです。合不合は安定して4〜5割のシェアを持ち、SOは第一グループで明らかに強く、日能研はどのグループでも前年比で落ち込んだことがわかります。

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なので、志望校を検討する場合は、最上位層ではSO、Y50以上は合不合、Y50以下では日能研や首都模試の結果を参考基準にすると良いでしょう。

在籍者の何割くらいが難関校に届くレベルか

次は、在籍者数を出している塾の、1日1回入試校合格者数と在籍数に対する割合です。希学園SAPIX、グノーブルは約2割、ワセアカとジーニアスが約1割。灰字にしてある四谷は合不合受験者数から早稲アカ在籍数を引いたもので、日能研日能研模試受験者数なので、在籍数が実数より多めになっている=率は低く出ると考えられますが、それにしても頭の3塾は高い割合ですね。

 

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で、この中のかなりの受験生は、他日程の合格もダブル、トリプルで取るわけです。なので、基本的には上位の3塾は2割(塾内偏差値58超)、次の2塾は1割(塾内偏差値63超)くらいの子は、上位校での合格期待値が高いことになります。

次の表は、単純に難関校の合格数を合計したもので、これだとサピや希の子は7〜8割がこの帯に合格、四谷早稲アカでも3人に1人くらい合格するように見えなくもないですが、実際はほぼ1日校を取る子が複数合格を取っているケースがほとんどです。

なので、単純に合格実績でレベル感を見たいときは、1日入試が1回だけの学校の合格数で見ると良いですね。

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重複もある合格数自体は、塾のノリを知る程度

TOMASやenaはメイン塾との併用も多く、TOMASや栄光は全国学習塾協会規定の30時間以上、enaに至っては10時間以上の利用者をカウントするので、合格者数も他塾との重複が多くなります。

例えば、この実績リストに入れている塾の多くは、「開成○名」「桜蔭○名」みたいに大きな文字、偏差値が下がるごとに文字も小さくなっていく仕様のところも結構あります。そういう文化の塾ということですね。ホームページの合格者数掲示は以下のようなスタンスです。

 

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一定程度の合格数を出したことのある塾ならそれなりのノウハウはありますし、合格数自体は実態も明確に見えないだけでなく、指導の腕以上に受験生次第の部分が大きいです。実績高い=家庭が教育にお金と熱量を注いだ優秀な子が集まりやすいというだけなので、あまり派手な数字や見出しに振り回されないようにしましょう。

塾だけでなく、校舎やクラスによっても相性はあるので、なるべくやりやすい環境を見つけて、あとは自分比で学力を積んでいくことを意識して塾を活用できると良いですね。