今年も各塾の2026年中学入試合格者数を5つのグループに分け、それぞれの塾の合格数の比率をグラフ化しました。前年度からの増減比や、1日10校の合格数在籍比も出しています。
志望校を目指すには自塾でどのあたりを目標にするかのイメージや、他塾の模試受験を検討する際の参考などにどうぞ。
評価方法とグループごとの偏差値分布
各校の評価方法
今回の集計対象校は324、集計対象の塾は36、合格数合計は122,905で、取得日時によって最終の数値と異なることがあります。
集計対象校は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県+茨城県の一部で、関西や地方校の東京入試などは除外しているため、各塾の全合格者数とは異なります。
分布把握のためのグループ分けは、特にボーダー付近では塾によって偏差値の逆転も珍しくありません。評価ポイントは各入試回の偏差値を平均→各塾の数値を平均して算出しており、主に以下のような不正確な点があります。あくまで大まかな分布の目安としてご覧ください。
・ある塾の偏差値が不明の入試で、他塾の偏差値がわかるものは推定値を入力し、全ての塾で偏差値不明の入試回は除外しています。
・各入試回偏差値の単純平均のため、入学者数の少ない高偏差値入試回の影響が出やすく、評価ポイントが実際の入学者の中央値より高めになることがあります。
・54.5と54.4は0.1ポイント差でもグループが分かれ、54.4と45.5は8.9ポイント差あっても同じグループになります。これにより、塾によっては偏差値が逆転するほぼ同レベルの学校より下のグループに入り、かなりの偏差値差がある学校と同じグループになる、といったことが起こります。
・推薦、第一志望、帰国生、英語入試などは基本的に除外していますが、定員合算のものは含むこともあります。同様に合格数も、SS-1や受験ドクターなど帰国を分けて表示してあるものは除いていますが、全ての塾が同じようにしているとは限りません。
グループは各塾の公表合格者数合計を均等に近づくように5分割していますが、①が少なくなっています。
偏差値分布の画像は、左からSAPIX、四谷大塚、日能研、首都圏模試の偏差値を正規分布として、各グループの該当範囲を赤系で示したものです。
グループ①

評価65以上の25校(合格数14,226)
SAPIXの上3分の1、四谷日能研では上1割に入らないと厳しいグループ。1回入試校も多く、能力的にはっきり浮いている子や、賢い上に相当な努力を積めた子が届くところ。普通に賢いくらいの子が2年の通塾だけで合格することは難しいです。
グループ②

評価60以上の30校(合格数25,199)
SAPIXではボリュームゾーンの上寄り、四谷日能研では上3分の1くらい。クラスで指折りくらいの子が2〜3年の通塾と結構な家庭学習をこなして届くグループで、①に届くレベルにあった子の受け皿にもなっています。
グループ③

評価55以上の44校(合格数30,833)
SAPIXの真ん中〜下寄り、四谷日能研では真ん中より上あたりで、首都圏模試ではまだボリュームゾーンに届きません。クラスの上位2〜3割には入る子が数年の通塾と家庭学習でこのグループまで届けば大健闘です。
グループ④

評価46以上の74校(合格数30,058)
SAIPXでは下3分の1にかかり、四谷日能研ではボリュームゾーンからやや下方向、首都圏模試の上3分の1くらいのグループ。このあたりがクラス上半分から通塾して頑張れば届く可能性があるゾーンで、日大や東洋大まで上がれる学校や、マーチ以上の大学への推薦枠を多く持つ学校もあります。
浮きこぼれて苦労しているレベルでなければ、志望校は③④あたりから探しはじめ、中学受験の適性が高ければ段階的に上げていくのが良いやりかただと思います。
グループ⑤

評価45以下の148校(合格数22,589)
四谷日能研の下3分の1、首都圏模試では全体の3分の2ほどを占めます。平均的な学力の子が受験勉強に取り組んで狙えるのはこのグループですね。対象塾合格数の集計上ひとまとめにしていますが、学校数は対象校の45%以上で、④と同等レベルから比較的入りやすいところまで入試難易度の差も大きいグループです。
特に、首都圏模試の下3分の1に相当する偏差値45以下の学校になると、SNS上などでは進学する価値が低いかのような表現をされることがありますが、例えば首都圏模試40〜45の入試でも、小学校のテスト満点程度の学力だけで合格点を取ることはほぼできません。
小学校のテスト満点+αの努力をした子たちが集う環境ですから、進学意欲も高く、設備も優れているところがたくさんあります。解像度低めの人が持っている「公立高に進学できない成績不振者が、金を払って行く私立高」のようなイメージとは大きく異なりますね。
模試の受験目安
ひとつの模試を継続的に受験し、補強ポイントや立ち位置を確認していくのが基本ですが、塾のカリキュラムや模試には得意な範囲があるので、主な分布から外れる場合には他の模試を受けることが有効な場合もあります。志望校が会場になる模試があれば、雰囲気を経験するために挑戦するのも良いでしょう。
分布が厚めな範囲は、SOは①〜③、合不合と日能研は②〜④、首都圏模試は④⑤です。ですから、志望校が①の場合はSO、⑤なら首都圏模試の受験者層が近くて参考にしやすく、逆に首都圏模試では①②、SOでは④⑤での立ち位置はわかりにくいと言えます。
自塾の偏差値を基準に他塾模試を検討する場合は、サピ45未満なら合不合か日能研で35未満なら首都圏模試、日能研で65以上ならSO、45未満なら首都圏模試を考えてみるようなイメージですね。
各塾の合格者分布
今回の集計対象の全合格者分布は以下のようになっています。この形との差が大きいところが、その塾の特徴と言えます。昨年と比べると、グループ別では⑤が大幅減で、③④が少し増えています。

実際の合格者数と比べると、難関ほどより多くの塾の合格実績にカウントされやすい傾向がわかりますね。

また、1人で複数合格することもあるため、在籍生の進学先比率や学力分布と同じではありません。こちらは私がサポートした受験生の合格校(薄色)と進学先(濃色)の分布です。進学先のひとつ下のグループなどで、複数の合格を獲得することが多いことがわかりますね。

なお、集計対象のうち合格実績を一部のみ公開している塾(ena・臨海セミナー・あづま・スピカ・Z会エクタス・湘南ゼミナール・ステップ)は分布がわからないため、グラフ化していません。
SAPIX型
まずは①②の合格者率が50%を超えるSAPIX型の4塾。SAPIXとグノーブルは似た分布になっていて、エルカミノは①②の合計比率が6割を超え、SAPIXも6割に迫っています。




浜学園は「浜学園グループ 首都圏合格実績」として遠征合格数もカウント可能にした経緯があるので、参考情報扱いとしています。

四谷・早稲アカ型
次は全体分布に近い、②〜④にボリュームがくる四谷・早稲アカ型。


四谷大塚は、直営校とネットワークの両方を載せています。直営校に比べるとネットワークは全体平均に近い形ですが、①が下回って③④が多くなっています。



早稲田アカデミーは①〜③がやや上回る形で、ジーニアスは⑤が少なめ。啓進塾は④が突出しています。
日能研型
①が5%以上で④⑤が多い日能研型は、それぞれ特徴が出ています。



日能研は①②が全体より少なめで、アントレは③が突出、スクールFCは④⑤で6割を占めます。

ブレイス進学教室は総数がとても少ないので、年度によって大きく変動しますね。
栄光ゼミ型
最後は小規模塾が多い①が5%未満の栄光ゼミナール型。




栄光ゼミナールと啓明館は④、エデュコは③、市進は⑤が突出しています。


創研学院は④⑤、おぎしんは③④で約3分の2を占めます。



スタジオキャンパスはこの型の中では②が③より多く、日本教育学院は④⑤で約7割。茗渓塾は⑤で過半数です。
個別指導塾など
ここからは集団塾との併用が多い個別指導や算数塾などの分布です。

集団塾との併用ではSAPIXやグノーブルを勧められるフォトンは、今年も①②で89%と偏った形です。

受験ドクターは②が最多で①も全体より多く、上位校志向の受験生が多めの印象。

SS-1は全体平均に近く、個別版の四谷・早稲アカ型という感じ。

TOMASは①②は微減ながら③以下がとても増え、かなり合格総数を増やしました。形としては⑤が最多です。


個別進学館は日能研型に近く、ユリウスは栄光ゼミ型に似た分布ですね。
1日10校の合格率
こちらは在籍数を公開している塾で、2月1日入試の10校の合格数が在籍数に占める割合を示したものです。対象10校の合格数合計は2,578で、対象10塾の全合格数16,047の16.1%です。
例えば開成合格者は、1月渋幕、2日聖光、3日筑駒などに複数合格するケースも珍しくないため、重複しない1日10校に絞ると難関合格率の目安になります。

エルカミノは約3割を占め、SAPIXとグノーブル、希学園首都圏も全体平均は上回る20%台になっています。アントレは今年も圧倒的に武蔵に強く、神奈川の啓進塾は今年も女子はフェリス、男子は普通部ではなく麻布が多いですね。
各塾の前年度合格実績との比較
こちらでは今年度と昨年度の合格数を比較し、増減率を出しています。並びは対象校の合計合格数が多い順、右上は在籍数の前年度比です。在籍数の増減や1人あたりの受験数・合格数の多寡の影響もあるので、目安としてご覧ください。

こちらは全体の増減と、集計数と各校の合格数合計の比較です。難関ほど合格数が複数の塾で重複カウントされやすい傾向は今年も継続中で、例えば⑤の実合格数は②の倍以上ですが、集計数は②の方が多くなっています。

四谷、早稲アカとも⑤以外は増加という似た形になっていて、特に③が増えています。

日能研は③④が増加、SAPIXは①②は在籍減と同じくらいですが、④⑤はそれ以上に減っています。

栄光ゼミは⑤が極端に減少し、市進は③と⑤が大幅増です。

グノーブルとジーニアスは、①〜③がかなり伸びました。

創研とスクールFCは②と④が増加、スクールFCは⑤がかなり減っています。

啓進塾は①が増えて③⑤が減少、エルカミノは⑤が極端に減り、他が増えました。

啓明館と希学園は③④が増え、希学園は⑤が極端に減っています。

アントレは在籍増でも①はかなり減って、③⑤が増えた形。

おぎしんは③に集中した形、茗渓は②と⑤がかなり増えています。

スタジオキャンパスとエデュコは昨年度0だった①にも合格を出し、②もかなり厚くなりました。

日本教育学院は①以外が全て減少、プレイス進学教室は①〜③が増加。小規模なので数人の合否で大きく変化します。

TOMASはグラフでも触れたように⑤が大幅増、全体合格数が65%増です。


ユリウスは全体に占める割合は低いものの①は増加傾向、受験ドクターとSS-1は全体に少し減った感じですね。
グループ別学校リスト
先述の通りいろいろとブレもあるグループ分けなので、◯◯より◯◯の方が〜といったこともあると思いますが、塾の方向性や指導経験が多いゾーンのイメージ用としてご覧ください。
グループ①
男子校11・女子校5・共学校9

グループ②
男子校10・女子校9・共学校14

グループ③
男子校9・女子校5・共学校30

グループ④
男子校3・女子校19・共学校52


グループ⑤
男子校7・女子校44・共学校97


埼玉・千葉の合格を多く出す学校の傾向
1月10日からの埼玉入試では、千葉・東京・神奈川が本命の受験生による「前受け・お守り受験」の比率も高く、合格しても大半が辞退するために、定員に対して極めて多くの合格を出す学校が多く存在し、私立中全体で見ても9倍近くになります。
1月20日からの千葉入試でも、東京・神奈川が本命の受験生による「前受け・お守り受験」の割合がそれなりに多いので、定員に対して平均して3倍近くになります。
2月からの東京・神奈川にも複数回入試、午後入試などで枠に対して多くの合格を出す学校は存在しますが、全体で見れば2倍弱に収まります。

塾に通っているとかなりの高確率で1月の前受けを勧められます。特に東京在住の場合は、自分の志望校のグループとひとつ下のグループに入っている学校のうち、通学が60〜90分以内の学校に関しては、実際に受験してお守りになる可能性もある学校として、早い段階から一度情報を集めてみても良いでしょう。
例えば埼玉では、①②の層は栄東、②③は開智や大宮開成、③④は埼玉栄、④⑤では開智未来や浦和実業などは、塾から勧められる可能性も高めの学校です。

千葉では①の渋幕や市川も該当しますが、この2校は比較的早い段階から意識に入りやすい学校です。むしろ④⑤の専大松戸や国府台女子などは、該当する層の方は見ておくと良いでしょう。
























































































