偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

中学校会場で受験可能な模試

四谷大塚の合不合と学校別模試、SAPIXの合判と学校別、日能研と首都圏模試では、それぞれ中学校会場での受験が可能なものがあります。現在受付中のもの、今後申込可能なものを一覧にしました。

今年は文化祭などの一般公開がなく、学校訪問の機会も瞬間的に埋まってしまうなど、実際に学校まで足を運ぶ機会が少ないので、普段は受けない他塾の模試も、場所を知って予行演習の機会として活用するのもアリです。

男子校会場の模試

聖光学院、芝、本郷など17校での受験が可能です。

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女子校会場の模試

吉祥女子、鷗友学園女子、淑徳与野など21校での受験が可能です。

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共学校会場の模試

四谷大塚合不合の受付開始は、男子が女子より1日後になります。例えば渋谷幕張会場の第6回合不合の受付開始は、女子11/24〜、男子11/25〜です。

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外部会場が未定の模試

現時点では会場未定、未公開の模試です。例年外部会場で開催されているので、情報公開になるタイミングでチェックしてみてください。

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校舎に入ってみて受ける印象は、動画や画像で見るのとは違うこともあり、トイレなどの設備の綺麗さなどでも好悪があったりしますし、場慣れは意外に大きな効果を持つこともあります。自塾のカリキュラムや感染リスクなどもあり、緊張しやすさなどの性質もそれぞれなので、それぞれの事情に合わせてご判断ください。

塾による偏差値の違い2021年度中学受験用(女子)10月版 SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

今日は女子版の偏差値比較です。下の方に男子版で書いた「偏差値の受け止め方」の補足も書きました。

塾による偏差値の違い

抽出対象はSAPIX第1回合格力判定SO、四谷大塚合不合3回、日能研9月R4、市進9月、首都圏模試10月です。

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夏時点との比較での増減

女子も大幅な上昇は見当たりませんが、2月1日の鴎友学園女子は3塾揃って1ポイント上昇しています。全体的には、共学・付属校人気が少し落ち着いて、女子校がポツポツと上げている感じですね。

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偏差値の受け止め方の補足

男子版、beanさんのブログで言及して頂きました。

塾の本音と建前、実績を出す塾では合格数稼ぎもあり得ますね。散っても良いから特攻しろ、って強要は身近で聞いたことないけど、既に1日校で合格もらっても、5日まで受けて数を増やして欲しいって話はあります。

そして、関わっている立場からすると、努力してきた姿を見てきて、合格した子たちと遜色ないレベルに届いていれば、勝たせてあげたい気持ちもあるでしょう。それに、相手がいる競争なので「勝ち負けはつくもの」「ある程度は運」という感覚もある。

80%なら月〜金で受ければ1回落ちるわけで、その「運と調子の良くない日」が本番当日かもしれない。逆に50%でも、2〜3回は受かるかもしれない。ある程度の実力があれば、受けてみないとわからないんですよね。

男子版の「第一志望率が下がると、50%付近の入学者の比率が更に大きく」の部分ですが、この画像では、80%偏差値以上の合格者占有率が3割。このゾーンの子が、他の入試で志望順位が同格以上の合格を取れる可能性も最も高いわけです。

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仮にここの帯から3人中2人、次の帯から4人中1人くらい辞退者が出たとすると、比率は1:3:3、占有率は14%:43%:43%くらいになります。学校や年度によってばらつきますが、ごっそり上から抜けることもある。

そうすると、6〜70%偏差値くらいの子が入学者のトップクラスで、40%くらいの子が中位になったりもしますから、偏差値だけで判断する必要はなくて、過去問との相性や熱望度、併願校との組み合わせなんかで判断していけば良いです。

併願もしっかり選んで、過去問もしっかり研究して、満足できる結果を手繰り寄せてください。

 

塾による偏差値の違い2021年度中学受験用(男子)10月版 SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

10月になり、いよいよ志望校決定に直結する模試が続いていきますね。今回は偏差値比較に加え、合格判定の受け取り方についても書いています。

塾による偏差値の違い

抽出対象はSAPIX第1回合格力判定SO、四谷大塚合不合3回、日能研9月R4、市進9月、首都圏模試10月です。

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夏時点との比較での増減

今年は各塾で大幅に上げてきている入試は見当たらず、慎重な出だしです。

 

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1月前半の栄東は、今年度から入試の名称と日程が変更になり、東大特待の算数と4科で分けての評価となったことで、4科のみ低く設定したSOが3ポイントマイナス。これは結果偏差値がない中での判断なので、結果が出てみないとわかりませんね。1月後半の千葉日大第一はSOと合不合で1ポイント上昇で、今回2塾以上で上昇した唯一の入試回です。

2日の立教池袋、法政第二、明大中野GMARCH付属3校は合不合で1ポイント下降、明大中野はSOでは1ポイント上昇。SOで筑駒が3ポイント下降、合不合で3日午後の三田国際MSTが3ポイント上昇しています。


合格判定の受け取り方

こちらの画像は2019年の開成合格者の持ち偏差値と合否を簡易表示したものです。開成は第一志望率が高く、実質倍率も3倍以下の学校なので、第三第四志望率と倍率が高い学校になると、80%以上の受験者の比率が高くなったりもしますが、割とこんな感じの分布になります。

 

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受験者に占める割合は、50%偏差値以上が45%、50%偏差値未満は55%で、80%を超えている受験者は2割もいません。合格者で見ても、80%以上が3割、50%〜80%が4割、50%未満が3割。

つまり、受験会場に20人いたら、80%以上の偏差値を持っている子は3人しかいなくて、50〜80%が6人、20〜50%が7人、20%未満が4人。そして、入学して最初に知り合う10人のうち、80%超だった子は3人、50〜80%が4人、50%未満が3人ってことです。第一志望率が下がると、50%付近の入学者の比率が更に大きくなります。

もちろん合格可能性は上げたいので、80%超えを目指すのは良いですが、もし50%偏差値に届かなくても、目指してきた学校のひとつくらい挑戦しても良いと思います。さすがに20%未満からの合格は稀ですが、4〜50%あるなら、相性次第では十分に合格を目指せる。

ただ、分が悪いのも確かですから、他の日程では10回受けて8〜9回は入るだろうって学校を複数受けておくと良いです。1月や1〜2日にしっかり○を取ったら、3日以降にチャレンジするとか、1日午前はチャレンジしても、後は固めに組んでおくとか。燃えて取り組める目標は確保しつつ、きっちり合格を取って選択権を確保するために、十分に検討していきましょう。

 


 

中学受験併願検討用データ(女子用/私立)公開のお知らせ

男子用に続き、女子用の併願検討用データを公開しました。閲覧用のPDFと編集可能なexcel、numbers形式の書類になっているので、用途に応じてお使いください。

noteにも書いていますが、こういうデータには誤りがつきものです。特に出願や入学手続きは、必ず学校のホームページや募集要項などで正確な日時を確認してご利用くださいね

 

9.27.15:35追記

この記事の画像でも用いている1日午後日程に、本来は2日午前の鎌倉女学院が含まれていたことをtwitterで呟いてくれた方がいて、教えてもらって確認、修正ファイルをアップしました。他にも誤りがあるかも知れませんので、ご利用の際には確実なご確認をお願いします。それと、見つけた方はコメントやDMでお知らせ頂けると助かります。

 

 

日程+合格実績の必要な学校のデータを併願校検討シートにコピペで貼ったり、出願・入学手続き等一覧の不要な行を削除して、どのタイミングまで出願や入学手続きを待てるかなどの想定をしやすいように、ご自分の用途に合わせてカスタマイズして頂くと良いと思います。

編集ソフトを使わなくても、プリントして切り貼りすればいけるように、PDFでも「日程+合格実績」は入試日ごと、「出願・入学手続き等一覧」は偏差値帯ごとに区分したページも入れてあるので、必要なページをプリントしてお使いください。

合格実績のイメージ

合格実績は、「合格力の高い学校はココ!」とか「出口偏差値がお得!」とかのお笑い系ではなくて、学校の空気感、周囲の「普通」の感覚をイメージしやすくするためです。

進学実績に載っている子たちは、中学入学時には大学2年生、7代上の先輩ですね。先輩の進学先が与える影響は大きく、生徒だけでなく先生も、このくらいの成績だとこのあたりの大学というイメージを持ちます。

早慶第一志望が多いとか、逆に早慶に合格していても医学部や東大目指してもう一年という子がほとんどとか、学校によってカラーが異なるので、気になる学校は現役進学数を調べてみたりするのも良いですね。

 

例えばこちらは、1日午後に入試がある学校。偏差値順に丸囲み数字を入れてみます。

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東大合格数で並べ替えると、2桁順位の桐蔭から5名でトップ、淑徳が3名で偏差値1位の広尾と並び、晃華と安田学園からも2名が合格しています。

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医学部の合格率を見ると、桐蔭、晃華は広尾より高く、湘南白百合も高め。これらは小学校もある学校で、私大医学部でもOKという家庭が多い環境です。

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国公立では青稜も18%。こんな感じで、偏差値順から受ける印象と全く同じというわけではないですね。

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一概には言えませんが、合格数に対する実際の進学数は、早慶で2倍、マーチで4〜5倍のイメージです。

例えば進学者数も公開している普連土では、「早慶上理基」で合格数37に対し進学は21人、「GMARCH」の合格数70に対し進学は17人です。つまり現役進学は国公立早慶で26%、GMARCHまでで40%。女学館だと国公立+医学部+早慶+GMARCHで36%、医療系込みで50%超です。

つまり、ここに載っている学校の多くは、クラスの上半分〜3分の1にいればGMARCH以上をイメージしやすい環境です。早慶以上ならクラス1桁キープとか、目安にしやすいラインがありますね。進学後の学業への取り組み次第で、いろいろな進路がイメージできる。

他にも例えば、淑徳や安田学園は入学金免除の特待を取りやすく、どちらも今年東大合格者を複数出していて、国公立にも淑徳は75名、安田学園は46名合格。午後入試で確実に合格を取りたい+入っても進学意欲を保ちやすい学校を探している場合は候補になりますね。

こんな感じで、入学後にどんな空気で過ごして欲しいかの目安のひとつに、合格実績を使います。今年は学園祭や学校訪問が難しい状況でもあるので、こういう数字や他の要素からも、進学後の生活をイメージして探してみると良いですね。

 

中学受験併願検討用データ(男子用/私立)公開のお知らせ

今日はお知らせです。ときどき「本にすれば良いのに」とか「noteで有料公開すれば良いのに」と言われるので、先日の併願シートに使えるデータをnoteに貼ってみました。今回は男子用で、四谷大塚偏差値50以上の入試回がある70校・197入試のデータです。

合格実績や出願と入試、合格発表の日程の一覧などで、閲覧用のPDFとエクセルのほか、Macを使ってる人も意外に多かったのでNumbersもDL可能なので、使える方は見に行ってください。

女子用も公開しました。noteで初のサポートもしてもらい、嬉しい体験です。

日程+合格実績は、SOと合不合の80偏差値と、主要大学の合格実績の一覧で、先日の併願校検討シートに貼り込みやすい形になっています。

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出願・入学手続き等一覧は、入試日と発表日時、手続きの締切などが載っているので、以下のような感じで、状況を見ながらの出願可能な線などを検討するのにもお使い頂けます。

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万全の準備をして、悔いのない受験スケジュールを組んでくださいね。

中学受験では、本気で併願校を選んでおくことも大事

夏が終わり、学校別なども始まりましたね。ここから年末までの模試結果、合不合なら4〜6回の結果は、受験期の実力を想定する大事なテストなので、きちんと結果を受け止めて、現実的に合格を手繰り寄せる戦略を立てる必要があります。

もちろん、第一志望目指して、足りないことを分析したり、基礎を更に固めて合格力を上げることは大事ですが、そろそろ併願のスケジュールも真剣に考えておくと良いですね。


合格をもらうことは、とてもとても大事

東京では1日に本命校の受験を迎える子も多くいますが、合格を取れなかった時の衝撃は大きなものがあります。1回しか受験機会のない学校だと、通える可能性が消えるわけですね。

4〜5年の頃から目指していたり、学園祭などにも足を運んでいたり。過去問も5年10年分、何度も繰り返し解いたり。毎週塾に通い、長期休みにも講習を受け、遊びにも行かず、秋から学校別に通い、正月も特訓を受けたり。そうやって目指してきた学校に、たった一回の試験で10人中6〜7人が蹴られる。もう一回やれば逆転合格もあるくらい、僅差の勝負で。

第一志望を失った喪失感と、本番の入試で何度もダメ出しをされ続ける辛さは、模試で悪い結果だった時の比ではありません。入試本番では力を発揮できないんじゃないか、なんて疑心も浮かんできてしまったり。客観的に見ればたまたまレベルでも、気休めにしか感じなくなったり。

後半に志望順位の高い学校の入試を残していて、1月校や1〜2日に80%を超える学校でしっかり合格を取っておけば、まだ後半勝負という意識も保ちやすいですが、合格なしで3日以降の受験を続けるのは、相当な負荷です。別に人生終わりませんけど、即日切り替わるような、軽いものでもない。ただのテストを連続で受けるのとは全く違うことをイメージしておいた方が良いです。

熱望校が複数あることや、そこに十分合格しやすいレベルまで実力がついていると有利ですが、そう都合よくいかないこともありますね。

だから、どの学校にも前向きに進学できる意識づけと、確実に進学先を確保するための併願校選びはとても大事です。できれば1月に、通えないことはない、レベル的にも通っても良いなと思える学校の合格をもらっておきましょう。

埼玉の栄東や開智は、2月校の入試がほぼ終了する日まで手続きが出来るので、入学金もかかりません。千葉の専大松戸も良い学校で、延納金は5万円で3日の午後まで待てます。熱望する子もたくさんいるのに、通うつもりがない保険のような意識では失礼にも感じますが、1月の受験者数はとても多く、それ自体も学校の経営に寄与していますから、遠慮はしなくて大丈夫。

そして、2月の1〜2日には、通いやすい範囲で、偏差値的に十分な余裕のある学校。多少ミスで得点を失っても合格ラインは超えるだろう、というところを受けておくと良いです。ダメ出し続きでなく、○を貰える学校があると元気をくれる。

今のうちから併願校を十分に調べて、ここに通っても楽しそうなポイントをたくさん仕入れておいたり、過去問の傾向をしっかり把握しておくと良いです。 

併願校の比較検討

どう選んで良いかわからなければ、過去問との相性が良いとか、家から近いとか、制服かわいいとかでも良いです。結局のところ、影響力が一番大きな友人になる子や担任という要素は、入学してみないとわかりませんから、直感や好みで選ぶのもアリですね。

 

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こちらは、比較検討用のシートサンプルです。自宅最寄り駅が人形町で、現在の偏差値が55〜58くらいのイメージ。学校ごとの入試日、偏差値、進学実績、通学ルートなどを一覧にしてあります。

通学は、6年で1500日くらい通うことになるので、電車が長ければ車中での学習習慣をつけるなど、けっこう差がつく大事な要素ですし、進学実績も学校のノリを想像する上でも大事ですね。

この例では青背景色の1日受験校をまだ3校から決めていない状態で、赤背景の2日午後、3日、5日は確定という感じ。こんな感じのものを、プリントして眺めながら考えたりするわけですね。

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これは入試日と入学手続き締切を一覧にしてあるシート。受験料に押さえの入学金、状況によっては前泊なども含め、受験期には結構な額が消えていきます。

この例だと、専大松戸は5万円で3日まで待てるけど、英和Bの発表までは待てない。国府台女子だと15万円になる代わりに、英和Bまで待てる。専大松戸を押さえておいて、3日までに他の安全校で合格を貰えば大丈夫、と考える線もある。

1日の午後は面接があるけど大丈夫か、出願早めにしないと、午前校からの移動時間は、1日午後は安全に合格を取りにいった方が良いかな、、、などなど。

こんな感じで、同一日程の中からどこにするか、選んでいきます。もちろん、併願する学校を決めたら、出願する学校だけでしっかりスケジュールを組みましょう。

 

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これは学校別シート。出願スケジュールなどはカレンダーで管理する必要がありますが、こういう紙でも目立つところに書いておきます。

 

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こちらは、過去問に手をつける順番や、どの日程でどこを受けるか考えるためのレベル表示シート。合格最低点や、50%と80%の偏差値を一覧にしてあります。赤ラインは5〜6年の平均偏差値、青ラインは6年の平均偏差値。この例では、5〜6年の通算平均が53、6年の模試だけの平均が56のイメージですね。赤で80%に余裕がある①、80%を超える②、青で80%を超える③、50%を超える④となっています。これはそのまま、併願校の過去問に手をつける順番にも使う感じです。

 

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こっちは日程順ですね。上昇してきている子の場合、このまま勉強を継続して秋以降にこの赤ラインを割っていく恐れはほとんどないので、この①②あたりで、通いやすくて好きになれそうな学校を見つけておくと良いです。

そして、過去問を一度解いてみましょう。学校によって出題形式や解答欄、問題文の読み取りなどで個性があり、ノリが合うかどうかでも得点は左右されます。同じくらいの偏差値でも、A校は余裕で得点できるけど、B校はギリギリなんてことは珍しくないので、算数だけでも試してみてください。

青ラインで80%を超えているのが普通の安全校、50%を超えているのが実力適正校になります。秋以降に青ラインから4ポイント以上あげるのはかなり大変なので、+3ポイントで50%圏に入る学校くらいまでがチャレンジ校の目安になります。まぁガーッと伸びる子もいるでしょうが、上方修正は気分が良いので、別にそうなっても困りませんね。

併願校の過去問も早い段階に目を通しておく

夏を終えた今の時期になれば、80%偏差値より数ポイント以上余裕のある学校の過去問は、かなり解けるようになっています。例えば直近の模試の偏差値が58なら、50前後の学校ですね。学校によって、他の問題は簡単だけど図形問題だけあまり見ない形などの特徴があるので、それを経験しておくのも良いです。

偏差値差のある学校を1日午後や2日に受験する場合、直前の本命校とかなり傾向も難度も異なるテストになるので、ペース配分や問題文読み取りの意識などを調整しておくと良いです。

早い段階でその学校の傾向を一度入れておくと、本番前の短い時間でサッと目を通すだけでも、あぁこの感じか、という調整がしやすくなりますから、余裕のあるレベルの学校の過去問も、数回はきちんと解いておくと良いでしょう。

 

使える人もいるかも知れないので、プリント用のPDFと、入力用のエクセルシートを貼っておきますね。

https://e-tutor.tokyo/data/0918/記入用_入学手続き.pdf

https://e-tutor.tokyo/data/0918/記入用_学校別シート.pdf

https://e-tutor.tokyo/data/0918/入力用_進学実績と通学シート.xlsx

https://e-tutor.tokyo/data/0918/入力用_過去問用レベルシート.xlsx


併願検討シートに使える合格実績などのデータと、出願や入試日程の一覧をnoteで公開しましたので、こちらもどうぞ。


 

やる気のなさと向き合うこと

入試終了から今まで、昨年よりも多いご相談がありました。特に多いのは、成績が伸び悩む、意欲がない、親子でバトルの三点。で、もちろんご本人は悩んでるわけですが、実際よく子どもと向き合ってると感じる方が多いです。中受層自体がそういう傾向で、更に一歩踏み出してメールをくれる人なので、当然かも知れませんね。

相談ではあまりに悪いところは出さないかも知れませんが、子どものことをよく見てる。親が一生懸命関わってること自体、恵まれてる方なんですよね。致命的な言動をやらかせばダメージも大きいので、煮詰まってくる秋冬、そこだけは注意した方が良いですけど。

みんな1人や2人、多くたって5人くらいしか経験ないんだから、親としての振る舞いが上手じゃないのが「普通」。初見の1ゲーム目なんだから。ほんと、5段階の親の通信簿があれば、悪くても4あげられるんじゃないかな。

子どもはひとりひとり違うし、兄弟姉妹に仕事、家庭環境やパートナーの協力、それぞれ違いもあるでしょうけど、その中で気持ちを向けて、一生懸命考えることが出来てるなら、それが親の仕事。ちゃんとやってますね。人格否定とか、肉体的な虐待とか、そういう「絶対しちゃいけないこと」の線だけ引いておけば、大丈夫です。

親が完璧じゃなくても一生懸命向き合って、熱意もお金もかけて、それでコケるなら子どもの運や才能の問題。いつまでも全面的に庇護してあげることは出来ないので、出来ることをやってあげるだけです。

 

何で勝負をかけるか考える

まず、4教科全部好き&偏差値70レベルで得意とか、かなり特殊です。算数イヤ〜、国語意味わかんない、そんなの普通。まるっきりアホなわけじゃなく、他は60あるけどこれだけ50切るとか、その程度のバラツキがあっても全然おかしくない。

だったらそのまま行かせるって手もあります。もちろん全然やらないのはまずいけど、どうやって受かるつもり?って真剣に考えてみる。4教科で合格点取れば済む話なので、均等に偏差値を上げる必要って特にないですよね。2教科や1教科の入試だってあるし。

ぼちぼち過去問の季節なので、問題に目を通しての印象と、合格最低点と受験者平均点から、取れそうな得点を考えてみる。実際に解けば早いですが、解かないで想像するだけなら、倍率にもよるけど50偏差値くらいの子が取るのが受験者平均点だと思えば良いです。

その上で、どこで点を稼ぐか。合格ラインを突破するために、何をどれだけ頑張れるのか、ちゃんと考えてみることです。算数これだけは出来るようになろう、理科はこれだけは仕上げよう、そういう目的意識をはっきり持たせることが、苦手科目と向き合う上でも大事です。

 

やる気がない理由を良く観察してみる

そして、出来ることのもうひとつが、子どもの状況を把握しようとすること。クラス落ちギリギリとか、偏差値上がらない、なのに家では気合が足りない。この理由をなるべく把握して、そこに対する向き合い方を少し変えると、良い流れになることが多いです。

特に、勉強自体に興味ゼロ、苦しんでもいないけど受験意欲がなくてサボってるだけ、ってパターンでなく、受験も辞めたくないし、悔しかったりするんだけど、もうひとつ踏ん張りが効かずにすぐ折れるとか、頑張ってるように見えるのに、全然上がり目が見えないとか、そういう場合ですね。

成績でクラス分けしてる塾は多くて、例えば四谷だとS/C/B/Aとかで区切るわけです。SC混合だったり、S1/S2で更に区切ったり、校舎の規模によって色々ですね。

で、クラス上位の子は学習量も多くて、叱られず前向きに課題に取り組み、成績も上々で、それに比べてウチの子は、、、ってパターン。これ、上位の子が一番頑張っていると思いがちですが、実は下位の子の負担が一番が多いことは珍しくありません。

例えば、前回の合不合の算数の得点と偏差値をBクラスの幅で見ると、54が86点、50が76点、45は64点で、これを1時間に解けた問題数に直すと14.3問/12.7問/10.7問になります。これだけ差がある子が、一緒に授業を受けるわけですね。しかも、算数だけで決めてるわけではないので、算数の偏差値がもっと低い場合もある。

そして、授業のペースはクラスのボリュームゾーンに合わせます。50前後に合わせると、1時間に13問くらいですね。そうすると、45くらいの子は2問の差になる。単純に考えても、同じ授業を受けて2問、穴を残して進むことになりますね。

しかも、一度全部解いてまとめて解説してから次の問題に進む形は少なく、理解が追いつかないうちに次の問題に進むパターンも多い。こうなると、授業でやった問題全部の理解度が低いってことになります。

そして疲労度も、上位の子には余裕のあるジョギングペースでも、下位の子にとってはオーバーペースでせっつかれながらハァハァ言ってる感じで、余裕がないので頭も回らない。小テストを受ければ下位で、気分もパッとしない。

こんな感じで、同じテキストをやっても、時間は余分にかかる、得点も低い、復習しないといけない問題も多い。出来る子の方が、時間は短く、得点は高く、復習の必要な問題数も少ないわけです。下位の子のほうが疲れますよね。一定期間の授業を受け続けても、上位の子は余裕で身につき、下位の子はヨレヨレになる割に身につかない、って構造です。

だから、クラス下位の子は、上位や中位の子に比べて、授業に出るだけ、小テストを受けるだけでも疲れて帰ってくることが多いです。そこをまず意識しておいてください。自分より早く走れる集団と一緒に走って、頑張った子が帰ってくるんです。

 

行動を変えるには、余力が必要

自分の子は賢いはずって思いに、もう上がっていかないと志望校に届かない!って焦りも加われば、盲目的になるのも仕方ないかもしれませんが、実際はこんな仕組みです。クラス下位なのに、もっと頑張らないといけないのに、意欲が薄い!家で頑張らない!って怒ってるのは、見当はずれの可能性が高い。頭がくたびれたら、意欲が出ないのは当たり前です。言ってみれば微妙にうつ状態みたいなものなので、そこに追い打ちをかけても凹むだけ、反発できればマシな方です。

よっぽど突き抜けた子でなければ、少しやれば出来るほどチョロいものではないし、何回か叱られたくらいで行動変容は出来ません。言われてすぐに変えるには、それを常に気にする余力が必要で、その余力自体がないと目の前のことで頭はいっぱいになる。余力のないところに叱っても、叱る→変わらない→もっと叱るのループになるだけです。

下位“なのに”頑張らないのではなく、下位“だから”気力が持たない。それでも歯を食いしばって、或いは気を逸らして、どうにか塾の時間を過ごしてきて。家に帰ると得点の低さ、意欲の少なさで責められる。これで勉強を楽しいと思う子がいたら、なかなかの変態さんです。成績上げたいのに、勉強嫌いにさせるの、逆走ですよね?

だから、表面的に在宅中の学習態度や得点だけで責めるようなことからは抜け出しましょう。どんな状況で、どう闘っているのか、ちゃんと想像してみる。自分の子ども時代、その友人だったとしたら。どんな気持ちで、どんなことを頑張っているだろうか。何が苦しいだろうか。

 

集団塾の指導は偏差値を上げるためのものではない

塾としては脱落者は出さないように頑張るので、時々は下位でもついてこれるペースにしたり、小テスト後の声かけとか、色んな工夫はしています。それでも、集団授業が下位や苦手な子にとってきついのは変わりません。公立の小学校と違って、上位の学力も可能な限り上げないといけないので、全面的に下位に合わせるわけにはいかないですね。

それに、通っている全員の学力が上がれば、塾内模試の偏差値は変わりませんから、通うだけでは偏差値は上がりません。その同じ塾、同じカリキュラムを受けている子の中で、他の子を抜いていくから上がる。塾の言っていることを全部やれば上がるんじゃなくて、そこにプラスαを乗せられるかどうかで変わってくるわけです。全部やれる子が少ないので、全部やれば上がるってのもありますけど、その中身、身につくかどうかが大事。

素質とか課金とか、何かを上乗せしなければ、他の子との相対的な位置は同じですね。部活なんかでも、ど素人からある程度覚えるまではそこそこ伸びますけど、ある程度の位置まで来るとそこで固定して、無限に伸びてはいかないですよね。

これは、どのクラスでも同じこと。B上位からCに入れば、今度は下の方になって、また次の組分けで弾かれてくる子もいますね。で、これがこの子の限界か、ってなったり。でも、常時70台くらいになるとちょっと特徴があるけど、例えば偏差値45と55の子って、そんなに頭の差はない。ハマったタイミングや運と言っても良い程度のきっかけ次第だったりします。だから、その差が固定化されない工夫が必要ですね。

そもそも、日本語が読めて理解できるなら、テキストがある勉強で一番効率がいいのは、最短時間かつ自分のペースでやれる独学。塾とかで教えてもらうのは、理解しにくい部分を説明されることでカバーするのと、一人では維持しにくい強度やペースを保ちやすくなるからです。

だから、とりあえず通って適当なスコアで良いならそのままで良いし、その中で上に抜けて行って欲しいなら、「ペースを保つ」から「利用する」に切り替えていくことが大事。誰かより劣ってるとか伸びてないってことを強調するのは、マイナス面を強化する使い方です。その逆で、何か他の子より損のある状況なことを把握して、自分にとって快適な状況になる手助けをしてあげる。

だって、素質的にお話にならないなら、そもそも期待したり、出来ないこと叱ったりするのが見当違いでしょう?素質がそんなに劣ってないはずなら、何か重石が乗ってるんです。だったら責めるんじゃなくて、重石を取り除くのが仲間のやること。

 

周りをある程度無視して、出来るまでやる。

勉強は正解があるので、そこそこの知能があって、出来るまでやれば出来ます。中受で偏差値40くらい取れる子なら、知能の方はだいたい足りるはずだから、あとは出来るまでやる時間さえあれば出来る。当然ですね。

でも、塾ではペースだけでなく講師やカリキュラムとの相性もあって、自分が出来るまでやれる最適な環境ではないことも多い。だから、そこを自分に都合よく捻じ曲げる工夫をするわけです。

そのために大事なのは、まず「出来るまでやれば出来る」って本当に思うこと。本当に思ってないと、ペースを握ろうとしても小テストの順位や提出物、偏差値なんかですぐ不安になって、しっかりやり切れません。やらせる側が腹を括らないと、人に与える影響はちっちゃくなります。

次に、何をやって進んでいる実感と自信を持たせるか、それでちゃんと合格に近づくか、作戦を練ること。それが決まったら、まずはやることを絞り込んで一点突破を図るのが、割と近道です。

○○が終わるまでやれ、は逆効果なことが多いですね。終わらせるのが目的になる。つまり、間違ってようが答え丸写しだろうが、終われば良いわけです。それはほぼ意味がないですね。

だから、出来るまで、わかるまで、納得いくまで、身につくまでやる。叱るほど、悩むほど熱量をかけられるなら、その方向を考える。いろんなことに手を広げるより、コンディションを上げて、やることを絞り込むのがおすすめです。

 
どう絞り込むか、どう取り組むか

クラス内での位置関係で算数が凹んでいる場合は、算数の強化が手っ取り早いことが多いです。ちょっと怖いですけど、一時的にでも全力を算数に突っ込む。この時に注意した方がいいのは、ただ長時間やるとか、たくさんページ数をこなすとかしても、あんまり意味がないってこと。もちろん、叱っても効果は薄いです。

私が大きく凹んでいる子を見る場合は、算数の範囲を四科のまとめの8章+計算の9つに分けて、まずその1つか2つを集中的にやります。これまでの模試結果を出題範囲別に分類して、正答率の高い問題でも不正解になっている範囲ですね。偏差値が50ない子は全般的に弱いことが多いので、その場合は割合と比、平面図形、数の性質のいずれか+計算の工夫から入ります。平均偏差値55前後のレベルでも、悪い回がある場合はどこか怪しいので、そこを見つけましょう。

基本テキストを使った流れは予習シリーズで説明するので、お持ちでない方は下記の見本PDFを参照してください。

予習シリーズ5年上見本

まず、ひとつの章全体に相当する類題を解いてみます。正解しても手順が正しいかチェック、不正解なら必修例題をしっかりやり直し。なるべく全ての手順の思考を説明しながら、納得いくように進めます。わかったことをノートやホワイトボードに書きながら、自分の口で説明してもらうと良いです。

納得いったら、もう一度類題を解き直し。本当に納得した直後なら、記憶もフレッシュなので類題くらいは出来ることが多いです。もし類題ができなければ、教えてるポイントが違ってる、抜けてると疑って、教える側がちゃんと自分の説明を見直すと良いです。

なんでわかんないの?さっきやったじゃない!ってのはNG。教えてわからない時に、通じてると思って通じてないポイントを探せないなら、外注した方がマシですね。生徒がわからない時に、自分の教え方を疑えないようなら、指導にはならないです。家の中に味方がいなくなるのは悲惨なので、ここは本当に大事。

無事に類題を通過したらその日は終わり。最初から出来た場合は、負荷軽めですね。翌日は前日の類題を見直して、基本問題に入りましょう。前日同様、まず解いてみる→思考を辿る→不正解を納得いくように教える→解き直す、の繰り返し。翌日は練習問題、復習問題と進めていきます。4日でひと通り終わったら2周目に突入、今度は初日に練習問題まで進めることを目標にします。2日目に復習問題までやったら、5年時の週テストの関連回を解いてみる。満点が良いけど、納得のいく偏差値レベル+数ポイントくらいの得点が出来ればとりあえずOK。不正解問題はキープしつつ、別の単元に進みます。

順調に章ひとつを1 週間〜10日で回せれば、全範囲でも3ヶ月かかりません。5年のテキストに自信を持てるようになると、6年の模試でも割と解けます。これも解けた、これもわかった、って問題を外したら、次の予定を立てる。これを入試まで続けていくだけですね。

並行して、計算の基本と工夫の見直し、基本の数字や相似形の暗記は別枠で進めると良いです。こちらは1日20個とか数を決めて日々練習、覚えきれない分は翌日に追加。例えば初日に20個覚えて、翌日のチェックで10個出来たら、別のものを10個追加という形で進めます。50個くらいをひと区切りにして、そこまで進んだら総復習を1日挟んでテスト。漏れはまた次の周回に入れていきます。

応用力とか思考力は、基本になる形を覚えて、自在に取り出せるようになってから、その使い方の工夫として身に付くものです。道具がなければ使いようがありません。基本形が身についてないことがほとんどなので、まずは基本をチェックしてください。必要ないレベルなら、チェックもすぐに終わります。

前進する力があるって感じること

今の時期にこんなことしてる場合じゃ、って思うかもしれませんが、「こんなこと」も出来ずに応用やっても苦しいだけ、劣等感を味わうだけで、ほぼ身につきません。小問集合、一行問題レベルを自信を持って正解できるようにしてからが、応用の出番。

そのためには、塾のカリキュラムに囚われ過ぎない方が良い。出来ることを確実に増やそう、って意識をどれだけ強く持てるかで、結果が変わってきます。必要なこと、何をやれば伸びるか、ってことだけ考える。出来るまでやる。励まし続ける。

知ることや出来るようになること自体が嫌いな子も滅多にいない。出来ることをやって、出来るようになって、それを認めてくれる人がいれば、割とやりがいを感じたり、楽しく感じたりするものです。無理なことをやって責められるのと、逆ですね。どうせ関わるなら、エネルギーを注入して、ちょっとでも元気に、前向きになってもらう方が良いです。

出来るまでやれば、あとは間に合うかどうかだけ。競争である以上、どこまでも上がれるものではないので、夢の志望校に間に合うかどうかはやってみないとわかりませんが、少なくとも、嫌いで苦手、自分は出来ない、って思いまで中学に持っていくことは避けやすくなります。自分の知っている以前の子どもの姿と比べてやる気や自信をなくしているなら、「やれば出来る」を取り戻すことは大事なことなので、やってみる価値はあります。

 

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