偏差値60の壁なんてない

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1クラスあたりの東京一工国公医合格率と私大合格者の進学率 2023

今年も併願校検討用データから、東京一工国公医(東京大学京都大学一橋大学東京工業大学国公立大学医学部)に合格する子が1クラス40人として何人いるかを出しました。私大進学者数を公開している学校の進学率も掲載しています。

これらの数字は今の6年生から7年、3年生からだと10年も前の先輩の結果ですから、様変わりする可能性もある「今の空気感の参考」としてご覧ください。

 

今回の集計対象は、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県の280校に茨城県の2校を加えた282校で、内訳は以下の通りです。

調査対象324校のうち2023年の入試結果が公開されていない40校は除外、別学で男女在籍の桐光学園國學院久我山は上記の表では共学枠でカウントしています。(2023.7.11追記)

 

 

東京一工国公医にクラスから何人入るか

こちらは全体の一覧で、中央には1クラスあたりの人数、左側に中学受験校、右側に高校受験校を並べています。青系は男子校、黒は共学校、赤系は女子校で、開成のような併設型一貫校は両側に記載し、中入生と高入生の比率を入れてあります。

 

以下は合格率と偏差値などを表にしたものです。小学校や帰国生入試があるなどの理由で一般募集数と卒業数にはズレがあるため、中入・高入のみの学校は募集人数枠にも卒業数を入れてあります。

今年も中学受験校が並ぶクラス半数以上のグループは、駒場東邦と麻布が加わって7校になりました。入学時は大半が東大レベルをイメージしているような空気感のある学校ですね。

 

 

クラス10人以上は、高校入試校も含む16校です。ここまでの上位で増減が目立つのは、4人増の駒場東邦・麻布・早稲田と、4人減の開成・都立日比谷・筑波大附属ですね。

減らした次の年は既卒数が増加するなど隔年の上下動も珍しくないので、1年の結果でどちらが上だ〜などと比べるような感じでは捉えない方が良いです。

 

続くクラス5人以上には27校が入りました。このあたりになると早慶でもOKという空気も濃くなってきますが、何人かは東大や国立医学部に進む友人もできるような環境ですね。

 

クラス2〜4人には44校が入りました。このあたりになるとクラス1桁くらいでも早慶第一志望なども増えてくるので、東大や国医を目指すなら結構な気合が要ります。

 

入口の選択肢

こちらは学校数と人数を入学種別で分類したもので、昨年からの増減は完全一貫校が56→54校、併設型一貫校は19→20校、高校入試校は20→19校となっています。

合計人数は中学受験枠が1万4千人、高校受験枠が8千人くらい、一都三県全体からは約6人に1人が中学受験組、残る5人は高校受験組なので、東京一工国公医に合格する同級生がクラスに2人以上いる環境に入れるのは、中学受験からは約3割、併設型一貫校の高校募集含む高校受験からは約3%です。

 

私大を含めた進学率

こちらでは進学者数も公開している学校の国公立の合格数と有名私大の進学者数をグラフにしています。国公立は合格者数ですが、進学率は100%ではないため、実進学数とは多少差異があることもあります。

それぞれの大学群に含むのは以下の通りで、今回はこれまでのグループのほか、その他主要国公立を追加しています。「◯大の◯学部より、◯大の◯学部の方が難しい」みたいなことはたくさんありますが、おおまかな進学ゾーンのイメージ用として眺めてください。

○東京一工国公医

東京・京都・一橋・東京工業・国公立医学部

○旧帝首都圏国公立

北海道・東北・名古屋・大阪・九州・神戸

筑波・千葉・お茶の水・電気通信・医科歯科・東京外語・東京海洋・東京学芸・東京藝術・東京農工・横浜国立・東京都立・横浜市

○その他主要国公立

国際教養・名古屋市立・大阪公立・神戸外語・京都工繊・名古屋工・広島・奈良女子・埼玉

早慶私医

早稲田・慶應・私立医学部

○上理ICU+GMARCH

上智・東京理科・国際基督教・青山学院・学習院・中央・法政・明治・立教

 

まずは男子校、武蔵と県立浦和は今年も似たような分布になっています。

女子校では、東京一工医ではほぼ並ぶ鷗友、頌栄、白百合も、首都圏の国公立か早慶か、という選択の傾向は結構違うことがわかります。浦和一女は東京一工までは届かなくても、堅実に難関国公立以上に進学する層が3割を超えていますね。

共学校では、都立青山が国公立早慶やマーチ以上という括りで見るとかなり高い率になっています。

こちらは早慶マーチ附属校。早稲田は東京一工、学習院女子は早慶以上を目指す層がそれぞれ3割くらいいますね。

こちらは対象の国公立への合格数で並べたものです。公立の高校受験校は、東京一工には届かなくてもきっちり首都圏国立などに進む子が多いことがわかりますね。

こちらは東京一工+早慶で並べたもの。この並びにすると女子校最上位に頌栄が出てきて、他の多くの女子校も上にきます。

マーチ以上という括りだと、都立青山が2番手まで浮上。普連土、湘南白百合、田園調布、品川女子も半数はマーチ以上に進めています。

 

私立大学の合格者の進学選択率

複数受験可能な私大は、国公立に比べるとかなり入学辞退率が高いため、人気大学でも実際の進学者数は合格者数の2〜3割くらいになるのが普通です。

こちらは上記の進学率対象校の全合格数と進学数を並べたもので、早慶でも3人に1人程度、上理マーチは10人中1〜2人になることがわかりますね。ICUは合格者数が少ないものの進学率は高く、目的意識が明確な受験生が多めと言えます。

 

以下は各大学への進学者数上位10校を並べたものです。もちろん各大学の入学者ではなく、対象校からの進学者ですが、大学によってある程度カラーがあることがわかります。なお、対象の卒業生数は中入校が平均189人、高入校は平均320人と約1.7倍なので、進学者数で比べると高入校が上に来やすくなります。

 

早慶は比較的バランスが良く、どの層からも進学選択肢の上位にきていることがわかりますが、頌栄の慶應進学者数はとても多いですね。

 

私大医学部のトップ10には高校入試の公立校は入らず、ICUには女子校が並びます。

 

上智も女子人気が高く、理科大は公立校からの進学者が多いですね。

 

GMARCHへは公立校がかなり上位に入ってきて、明治のトップ8は公立が占めています。マーチは公立校出身者にとっても比較的身近な存在になっていますね。

集計の誤差について

各校の公表形式に違いがあるため、以下のように一貫していない点があります。

・豊島岡・鴎友・白百合・吉祥・田園調布雙葉・湘南白百合・神奈川大附・県立平塚中等・都立新宿・都立三田・森村学園の進学者数は現役のみ(実際より数%低めになる可能性あり)
・武蔵、法政第二、中村は進学数のみ
・青学英和、大妻中野、日大櫻丘は現役合格数
・大妻多摩は合格数(≠合格者数)
・豊島岡、頌栄、吉祥の私医進学数は推定最少値
・筑駒は合計が100%を超えるため占有比で表示
・市立川崎は全日制普通科募集停止のため人数比表示なし
・複数回入試校の中学偏差値は各入試回の平均、高校偏差値で理数や普通科などのコース、クラスで異なる場合は高い方の数値を表示