偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

教え方と取り組み

中学受験本番まで、あと夏休み1回分。

とうとう12月1日になりました。あと夏休み一回分で、1月入試が始まりますね。このブログで言えば、「秋からの100日の過ごし方(1)」から中61日経ったので、同じ日数で2月1日の東京入試を迎えます。 最後の模試に冬季講習、過去問に穴埋め、時間が幾らあって…

中学受験後の心配について

最近の相談、偏差値アップとか併願校選びの他に、合格しても深海魚になったらどうしようとか、今でも結構反抗気味なのに、中学入ってしっかりついていけるだろうか、なんてお話があります。今日はそのあたり。 集団には学力の偏りが存在しますね。中央付近が…

秋からの100日の過ごし方(3)偏差値を5ポイント上げる基本的な考え方

1月10日まであと84日、2月1日まで106日。合不合も残り2回ですね。今日は100日の過ごし方の最終回です。 偏差値を1上げるには、たった1問できれば良い(但し完璧に)。 この時期に偏差値が足りない子には「偏差値を1ポイント上げるには1問完璧にすれば良い」…

秋からの100日の過ごし方(2)やることを自分に合わせて選んでいく。

ここから直前期までは、塾で取り組む問題の難度と量もなかなかのもの。全てのテキスト、プリント、宿題を完璧に仕上げると、志望校合格どころか、最高点や満点を目指せるくらいの量だったりします。 もちろん余裕があれば全部仕上げても良いけど、合格を目指…

秋からの100日の過ごし方(1)スタンスを決める。

仕事に取材に台風に個別対応、時間の足りない日々を過ごし、ひと月半で5kg増量。野菜を食べよう。そんな自己管理も足りない私ですが、今日は受験に向けた年内の過ごし方その1。だいぶ押し付けがましい感じになったけど、揺れ動いて相談してくる人もいるので…

中学受験で過去問対策に取り組む場合のポイント

もうすぐ9月、多くの受験生が過去問に取り組み始める時期ですね。今日は過去問への取り組みや考え方についてポイントを書いてみます。 予めチェックしておくと良いのは、どの範囲の問題がどの程度の難度かということ。今の実力でどの程度取れそうかのアタリ…

個別の中学受験指導や家庭教師の利用について

いくつかご相談を受けたので、家庭教師や個別の選び方について少し。 私も受験サポートをやっていたわけですが、必須とは思っていません。大手塾の上位クラスはある程度の質が担保されていると思いますが、個別や家庭教師の場合は、名の知れたところでも質に…

「成績を良くしたいから頑張る」のは欲。「成績が悪いからもっとやれ」は罰。

出来ることや知識が増えている=学力が伸びているのに、偏差値や順位を見て「出来るようにならない」って表現を選ぶ人は結構いる。これが子供の成績が伸び悩む一因だと思っています。 子供の学力は伸びているのに、それを認めるどころか貶める。子供に一生懸…

夏休みを活かす受験までの学習について

夏休みに入って一週間が過ぎましたね。講習に宿題に、基礎のまとめとテストのやり直し。子供も親も、どこが休み!って感じでしょうか。 6年生の方は、あと半年で子供と一緒に闘える時間が終わってしまいます。1月10日までは167日、2月1日まで189日。受験が終…

中学受験に挑む子供を支える、夏から秋にかけての親の心構え その3

例年、四谷大塚の上位層(偏差値55以上、S〜C)では、6月〜9月の組分けでかなり上下動があります。3月には1桁や10番台のトップクラスを取った子が、100〜200番台に順位を下げることも珍しくありません。上位に限らず、48〜52あたりでも数ポイントの上下は頻…

夏から秋にかけての親の心構え その2の補足

前回の記事で、認識のチェックについて触れたところがありました。 だから、枠を広げて、気楽な構えをなるべく作っていく。「子供は別の人格」「目の前のことに集中しやすい=他のことは忘れる」「友達の影響も受けやすい」「感情の影響が大きい」...いろい…

中学受験に挑む子供を支える、夏から秋にかけての親の心構え その2

ここしばらく、結構な数のご相談がありました。色々な悩みや不安を感じたりすることがあっても、懸命に受験に向き合っている方が多いことを実感しています。全ての人に合う必勝法みたいなのは書けませんが、他者の視点を知るひとつとして活用して頂けるよう…

中学受験に挑む子供を支える、夏から秋にかけての親の心構え その1

夏が終わると、親の方はかなりプレッシャーが強くなってきます。順調でもそこそこ心配だけど、成績や子供の意欲の低下なんかに直面すればもっともっと心配。実際に大変なレベルに突入する人は少なくても、大事な話だと思うので少々深刻めに書きます。 これか…

国語の得点力の強化

以前、国語の地力の向上の記事を書きましたが、夏から秋にかけて今度は得点力を上げていく段階になります。地力さえ付いていれば、秋から冬あたりでも間に合う可能性は高いのですが、子供も親もそれなりの成果が欲しくなるのと、得点力の強化に必要な論理性…

中学受験の天王山!夏に向けて(3) 意欲の低下と闘争心、予定の立て方、特性に合う努力。基礎の周回と復習が大事。

前回の記事でも書いたように、塾のカリキュラムについていく「だけ」の意識を、少し変える。今回の範囲は終わったから次回の範囲をやる、という考え方を変えていかないと、抜くことは難しい。ここから上げていくには、いかにその子のベストの状態を引き出す…

中学受験の天王山!夏に向けて(2) 応用・難問が増える理由と塾の活用

6年の夏前の段階では、ほとんどの子は「テストで良い点を取るため」や「偏差値(クラス)を上げるため」に勉強をしてきています。この意識を「合格する力をつけるため」「自分を強化するため」に変化させていくことが大事になります。 この記事では特に、6年生…

算数の応用とか、伸び悩みなどについて

A型ママさんのブログで、投稿したコメントを記事にして頂きました。 嬉しい中に、ちょっと緊張も感じるような。このコメントに書いたことの補足というか、算数の応用や、試行錯誤することの捉え方などについて書いてみます。前段はA型ママさんのブログでご覧…

中学受験の天王山!夏に向けて(1) 5年の基本を完全に仕上げる

これから夏に受ける講習などでは、合不合で言えば正答率20%台以下になるような難易度の高い問題にも取り組むことが増えてきます。芳しくない点数を取ったり、子供の自信や意欲が低下したように見えることもあったり。偏差値や様々な情報で不安になってくる方…

子供に伝える大事な言葉。“あなたは” 絶対に出来るようになる。

親や指導者がブレないことは、子供にとって大事なことです。感情的になることは、弱みを見せることと同じ。大人がどっしりしていれば、子供の不安を軽減できます。で、ベースにすると良いのが、「あなたは絶対に出来る」という言葉。 当たり前のことをもっと…

子供への接し方を変えたい時は、行動の置き換えと無財の七施。

私の受験サポートは、(1)親の関わり方と環境の改善、(2)子供の学習意欲と学習能力の改善、(3)学習計画や併願スケジュールなどの戦略、(4)子供の学力分析と学習指導、の4つが柱です。 家庭教師や塾講師も上記のことに関わってくれますが、「勉強を教…

親が教え過ぎていると、夏以降に伸び悩む。黙ることも大事。

夏休みまで40日を切りました。講習や特訓、合宿に宿題。そして秋には、いよいよ志望校別のガチモードに突入。なので、残された時間はそんなに多くありません。四谷だと夏期講習は20万、合宿が7〜8万くらい。ど〜んと30万円が飛んでいきますが、結局ほとんど…

自主性に必要なのは、心と行動の自由、自分で考える練習、芽が出るのを気長に待つこと。

前回の記事で、自主性を発揮できるタイミングには個人差があること、その時期がちょうど受験期に重なってくることを書きました。まだ自主性を発揮する機能が備わっていない子に、出来る子と比較して「どうして出来ないの!」って言うのは、高い場所に手が届…

子供の自主性が伸びるタイミングには個人差がある。それまでは伴走すれば良い。

脳のシナプスが6歳で成人の8割、10歳頃にはほぼ成人並みにまで成長することは良く知られていますが、もうひとつ大事なのがミエリン鞘(髄鞘)の形成。これは、脳の伝達の伝導率を高める導線の皮膜のようなもので、部位によって形成時期が異なります。 細かい…

子供の自主性を伸ばすために必要なこと。求めているのは自主性ですか?

自主性がないと嘆いている親や上司はとても多い。自主性、自律性、自立心、自発的。まぁ色々と考えて、自分からやれと。で、報酬があれば良いかな、って物で釣ろうとか。でも効果は一時的で、残念な結果になってることも多い。褒めてやってもまたやらないと…

「自分から勉強する」素質のある子のケースを、自分の手柄にして語る絵空事を信じ込むと窮屈になる。

叱らない子育てで子供のやる気を伸ばしました!自分から受験勉強に真剣に取り組み、○○に合格! こんなのは、実例であっても、ほとんどは錯誤。そりゃ難関上位校に合格した子は、頑張ったでしょう。親が虐め抜いてやらせてることも少ないでしょう。でも、それ…

子供のレベルで適切な予定は違う。ただマス目を埋める計画表はマイナスかも。

私がサポートを始める時、最初は1日2〜3時間、週15〜20時間の勉強を本気で出来るようにするところに目標を置きます。これは、学校からの帰宅後〜就寝までの時間の半分くらい、学校で経験している授業時間の半分でもあります。ここから最終的には、志望校や残…

悪い叱り方や干渉の根っこには、協調性と母性もある。全否定はしなくて良いという話。

褒めて伸ばす、怒ってはダメ、人と比べるな。基本は私も同意見ですが。 自分の思い通りにコントロールしようとして、個性を潰す。見栄の押し付け、代償行為とか。子供のメンタルがやられる。将来自分で考える力を奪うとかになると、ちょっと言い過ぎに感じる…

受験勉強はいつから始める?習い事やスポーツは?

これまでの記事でも少し触れたことがありますが、基本的な方針について書いてみます。素質や志望校にもよるので、絶対これがベストという形はありませんが、だいたいこんな感じで取り組むと良いと考えています。 受験勉強の開始は5年生から まず、通塾開始時…

中学受験に挑む子供との接し方 ダラけや甘えを(心では)受け入れる

外でしっかり出来るのに、家では甘えている。先生にはいい顔しても、家ではだらしない。家が休める場所なんですね。とても良いことです。緊張の反動のバランスを家庭で取るとダラける。その子の精一杯なら、限界でなくても良い。 今のエネルギー量が10なら、…

中学入試過去問を利用して対策と穴埋めの意義を教える

入試本番で、どんな問題が出るかはわかりませんね。傾向や難度が変わることもありますし、どんな問題にしても全部出来る必要はない。勝ち抜くためには、(1)対策のハマった問題で確実に加点する、(2)対策外でも他の受験生が取るレベルの問題は落とさない、の2…