偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

子供へのメッセージ その1 どうして中学受験するのか

連休明けから夏休み前は、そろそろ受験の意識が強くなってくる親と、まだ呑気な子供の温度差が大きくなりやすい時期です。それだけなら良いのですが、揉めることで余計に時間を無駄にして、親子関係も疲弊してしまうとマイナスが大きいですね。

その予防に、どうして中学受験するのか、どうして関わるのか、などの内容で折に触れて子供と話したり、お手紙を書いて貰うようにしていました。実際はその子を知っていて、親御さんともお話しした上でお渡しするものですが、お伝えしたことのある内容を一部抜粋・改変して載せます。

ご家庭やお子さんによって適切な内容は異なりますが、受験の目的に肉付けが出来ると子供もイメージしやすくなりますし、親の人生観を少し伝える機会にもなります。日々の大切さや親としての思いを伝えることは、根っこの部分で大事なので、状況が合えば試してください。

どうして中学受験するのか

良い環境と仲間

中学受験は賢さと努力の量を試されるから、「これくらい普通」って思うことのレベルが近い子が集まる。合格する学校が自分の賢さと努力に合うところだから、気の合う友達も見つかりやすい。中高では子供から大人になる大事な時間を共有するから、良い環境で成長して欲しいし、○○には賢くて努力もできる子が多い学校が合ってると思う。

そういう学校は部活や学園祭が充実してたり、公立と比べて“配慮”をしなくても良いから選択課外活動もたくさんあって、授業も面白い。自由にしても道を大きく外れる子が少ないから、締め付けも厳しくない。麻布は校則も制服もないし、芝は制服あるけど温泉って言われているし、学習院も高等科はすごく自由になる。(こんな感じで、第一〜第三志望校くらいまで特徴やメリットを伝えてあげてください)

仲間との繋がり

どの大学に行くのか、どんな職業になるのかわからないけど、どの分野でも自分で考えて努力する人が活躍するし、お金や仕事は、あるところにはあって、無いところには無い。貧しい人の友人は貧しく、豊かな人の友人は豊かなことが多い。自分の才能や努力と同じくらい、どこで誰と努力するかも大事。水と土の良い畑や、魚のたくさんいる釣り場を選んだ方が良い。

起業家や一線級の人の周りには、チャンスも仕事も多いし、人の繋がりと信用がないと仕事もお金も集まらない。この繋がりと信用は社会に出てからの活躍次第で広がるけど、社会に出る前から持てるのが学歴と母校。学歴は、その学校に入れるだけの賢さ+努力の証明になるから、就職には有利。

母校の繋がりは大学にもあるけど、例えば麻布から東大に進んでも、同学年に3,000人もいる東大より300人の麻布の方が仲間意識が強くて、同窓の繋がりは続く。賢くて努力できる子は卒業してからも各界で活躍するから、同級生を何人か辿れば政治家にも起業家にも官僚にも弁護士にも医者にも研究者にも技術者にも会える。どんな道に進むとしても、ファストパスがあるようなもの。

必ず手に入るもの

やろうと決めたこと、やりたいことを努力することが、自分の可能性を広げる一番の方法。才能があっても、努力が足りなければ成功はしないし、才能がそこそこでも、努力をすれば可能性は広がる。

今、一番近くにある中学受験に向かって頑張ることは、○○の努力する力も育ててくれるから、この力は確実に手に入れることが出来る。強くなって、しかも良い環境に行けたら最高だね。