初見で難関校レベルの問題に抵抗するには数学的な思考力もあった方が良いですが、難問はみんな解けないので、合格点だけを考えればパターンと計算力で解ける問題だけで届きます。だからこそ、SAPIXや四谷の志望校別でも大量に演習するわけですが、この演習以前に頭に入っていないと不利になる、基礎の基礎があります。
これが九九をはじめとする基本の数字ですね。特に289や729など、一見割り切れないような印象を持ちやすい数が、17の平方数や9の3乗に見えると思考が楽な問題は結構ありますし、三角数は数列や規則性がピンと来やすくなる効果もあります。
これらは、数字を見て即浮かばないと意味がないので、逆引きで式を答える形で毎日やって、完全に覚えてしまうように指導します。やり方としては、数字だけを見せて解答欄に式を書かせたり、単語カードの表裏に書いておいく形で、例えば24=( × )、( × )、( × × × )とか、729=( × × )などです。それぞれのグループを区切って、先の記事の要領で周回させるのも良いでしょう。
九九の逆引き
4 |
2×2 |
6 |
2×3 |
8 |
2×4 , 2×2×2 |
9 |
3×3 |
10 |
2×5 |
12 |
2×6 , 3×4 , 2×2×3 |
14 |
2×7 |
15 |
3×5 |
16 |
2×8 , 4×4 |
18 |
2×9 , 3×6 |
20 |
4×5 |
21 |
3×7 |
24 |
3×8 , 4×6 , 2×2×2×3 |
25 |
5×5 |
27 |
3×9 , 3×3×3 |
28 |
4×7 |
30 |
5×6 |
32 |
4×8 |
35 |
5×7 |
36 |
4×9 , 6×6 |
40 |
5×8 |
42 |
6×7 |
45 |
5×9 |
48 |
6×8 |
49 |
7×7 |
54 |
6×9 |
56 |
7×8 |
63 |
7×9 |
64 |
8×8 , 4×4×4 |
72 |
8×9 |
81 |
9×9 , 3の4乗 |
九九より大きい平方数など
121 |
11×11 |
125 |
5×5×5 |
128 |
2の7乗 |
144 |
12×12 |
169 |
13×13 |
196 |
14×14 |
216 |
6×6×6 |
225 |
15×15 |
243 |
3の5乗 |
256 |
2の8乗 , 16×16 |
289 |
17×17 |
324 |
18×18 |
343 |
7×7×7 |
361 |
19×19 |
512 |
8×8×8 , 2の9乗 |
625 |
25×25 , 5の4乗 |
729 |
9×9×9 , 3の6乗 |
1024 |
2の10乗 |
分数と小数
1/8 |
0.125 |
1/4 |
0.25 |
3/8 |
0.375 |
5/8 |
0.625 |
3/4 |
0.75 |
7/8 |
0.875 |
3.14の倍数
2 |
6.28 |
3 |
9.42 |
4 |
12.56 |
5 |
15.70 |
6 |
18.84 |
7 |
21.98 |
8 |
25.12 |
9 |
28.26 |
12 |
37.68 |
16 |
50.24 |
25 |
78.50 |
素数
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47
三角数
1,3,6,10,15,21,28,36,45,55,66,78,91,105,120,136,153,171,190,210
最初は頭に入れば良いので、好きそうな語呂合わせを与えてあげても良いです。富士山麓オウム鳴くとか、才子異国に婿さ子は苦なく身相応しとか、意外と覚えているものですね。気に入る子なら、大きな平方数や2桁の倍数も増やしていくと便利です。
また、三角数は数字をピラミッド状に123456...と書き出し、三角数だけに色をつけたりすると気持ちよさを感じる子もいます。こういう綺麗な形が気に入る子には、パスカルの三角形も見せてあげて、二項係数をちょっと解説してあげたりすると、最短経路問題にもそのまま使えますし、そこに現れるフィボナッチ数に話を広げ、花びらの数の話なんかもしてあげると面白がって取り組むようになることもあります。
三角形などもそうですが、綺麗な形・規則性に面白さを感じるようになると、難関校の算数問題にも楽しめる問題が増えるので、数字を頭に入れながら規則性を見つける楽しさを教えてあげられると良いですね。