偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

偏差値の考え方

80%偏差値が通過点の理由

以前の記事でも触れたように、合否80%判定と前年までの合格者平均偏差値はかなり近い設定になっています。そして、合格者平均偏差値は「その学校に行った子の中に入ると普通」ということでもあります。実際は一部が抜けるので、入学者の平均は50〜70%の間、…

大学進学と中学受験

入試難易度や研究実績、諸外国の評価でも頭一つ抜けている、東大と京大の学生数は1学年約7,000人です。これに続くのが旧帝(北海道/東北/名古屋/大阪/九州)と文系の一橋、理系の東工大。学問にも就職にも強いこれらの大学には、約1.7万人が進学可能です。こ…

偏差値と人数の分布

あるテストを受けた人の平均値からの距離を、+1〜-1の間に全体の約68%、+2〜-2の間に約95%が入るようにした正規分布で、標準偏差10で求めたものが学力偏差値、標準偏差15だとウェクスラー式IQがあり、並べると以下のようになります。 偏差値を模試の受験者人…

合格者偏差値分布と合不合判定の比較

以下は、四谷大塚の合格者偏差値分布と合不合判定を組み合わせた表です。前年合格者の分布と比べかなり異なる幅になったり、判定も色々なズレが生じるのがわかります。 合格者偏差値分布_四谷大塚資料より 筑駒の合格者分布は、合不合の80〜20%判定の幅より…

偏差値を上げるための基本

6年後半の合不合で、正答率別に全問正解の得点と偏差値、範囲や難易度の相関性を見ると大体以下のようになります。正答率は算数ベースですが、他教科でも傾向は概ね同じです。 正答率と偏差値と難易度の関係 5年の範囲は解法を覚えて使えば解ける問題で、正…

偏差値の考え方その4 塾による偏差値の違い

ご存知だと思いますが、塾により偏差値が異なります。これは、母集団のレベルと受験校の関係によるもので、以下のようになっています。 偏差値対照表 麻布を見るとSAPIXで上位15%、四谷や日能研だと5%くらいの位置になります。芝はSAPIXでは平均より少し上で…

偏差値の考え方その3 偏差値は単なる通過点

偏差値の考え方その1とその2で述べたように、合格判定80%は範囲・難易度・配点などの「性質の異なる試験」を受けた「異なる受験者層」の中での順位で測った「少ないサンプル数」の「前年の合格者平均」に過ぎません。信頼するようなものではなく、学力的にこ…

偏差値の考え方その2 合格判定の中身

偏差値と合否の関係についての理解が違うように感じることも多くあります。80%やA判定、学校の難易度などですね。 まず、良くある合格可能性80%は前年合格者の平均偏差値より少し上あたり、20%の方は前年合格者の最小偏差値と同じか少し下にベースを設定され…

偏差値の考え方その1 配点や難易度の違い

塾の「合否判定」や「結果偏差値」などという名目のせいで、偏差値=合格可能性というイメージを持っている方も多いですが、曖昧で不確実な考え方です。また、学校の格付けのようなイメージを持っている人もいますが、学校の格や校風は数年単位でコロコロ変…