偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

偏差値の考え方その1 配点や難易度の違い

塾の「合否判定」や「結果偏差値」などという名目のせいで、偏差値=合格可能性というイメージを持っている方も多いですが、曖昧で不確実な考え方です。また、学校の格付けのようなイメージを持っている人もいますが、学校の格や校風は数年単位でコロコロ変わるようなものでもありません。

偏差値はそのテストを受けた集団の中での相対的な位置がわかるだけのもので、各種模試の内容は中学入試の範囲の問題でもあるし、それを受けているのも受験する層なので、ある程度の学力、勉強の進み具合の位置の指標として使うこと自体は問題ありませんが、実際の入試とは範囲も難易度も配点も異なります。

例えば同じ点数でも、4教科100点の配点では、全教科8割の子と算国7割/理社9割の子は同じ320/400点で80%になりますが、この配点を変えてみると、算国100点/理社80点では、後者の子は268/360点で78.9%。算国100点/理社50点にすると、後者の子は230/300点で76.6%の得点になります。当然、前者の方がより上位になり、後者は下がるわけですね。

問題の難易度や範囲によって異なった結果になるのは、小学校のテストではほぼ満点しか取らない子が集まって中学受験の中上位層を作っているので、ほとんどの方がご存じでしょう。例えば難易度の低い問題なら100点取る子が2人いても、より難易度の高い問題では一方は90点、もう一方は70点などということは普通に起きるわけですね。