偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

大学進学と中学受験

入試難易度や研究実績、諸外国の評価でも頭一つ抜けている、東大と京大の学生数は1学年約7,000人です。これに続くのが旧帝(北海道/東北/名古屋/大阪/九州)と文系の一橋、理系の東工大。学問にも就職にも強いこれらの大学には、約1.7万人が進学可能です。ここまで2.4万人で、大学進学者を60万人とした場合は全体の4.5%。上位から4.5%を偏差値にすると68くらいになります。

ここに、学費が安くて設備や研究面では素晴らしい筑波大、神戸大、千葉大、首都大などの国公立が2.5万人。私大トップの早慶で1.7万、上理ICUで0.8万、医学部や外語大などで0.5万、ここまで7.9万人。60万人中13.2%、偏差値61。ここに、GMARCH3.2万人と関関同立2.8万人を加えると13.9万人になり、60万人中の23.2%で偏差値は57くらいです。同学年の100万人全体で考えると、小学校のクラス25人に対して旧帝一工で1席、国公立早慶上理でもう1席、GMARCHクラスまでにあと1〜2席あることになります。

さて、国立・私立中学の生徒数比率は東京都では100人中25人、全国では100人中8人で、この中には小学校からの内進組も含まれます。必ずしも学力や知能の高い順に国立・私立に進学する訳ではありませんが、大学に進学するのは同学年の100人中53人で、そのうち8人が国立・私立中学出身者と考えると、その割合は約15%になります。公立中学出身者にも同等の学力を有する層が倍いると仮定し、上位の約45%を母数として大学進学者の中での仮偏差値を想定すると以下のようになります。

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難関大学の進学者数と中学受験時の偏差値の想定比較

つまり、中学受験時の偏差値が50ある子が中高でしっかり勉強して、受験時の相対的な位置をキープすればGMARCHクラスの大学に進学することは十分に可能なはずで、そこに届かないのは中高時代にサボって抜かれたという風に考えられます。もちろん、もっと頑張って上を抜いて旧帝や早慶に進むのも良いですね。

根拠は有るような無いような想定だけど、実感としてこのあたりだろうと感じている数字です。四谷や日能研の合不合偏差値50は、全く努力しない子やバカに取れる数字ではなく、必要最低限の地頭があり、一定の努力もした子が取れるものです。

大学まで行かせる気は無いけど中学は受験させる、という人はこのページをご覧になっている中でも少数だと思います。中学受験で思い通りの学校に進学できなくても、中高でしっかり勉強を続ければ、ある程度の偏差値を獲得するまで勉強したことは無駄にならないという話でした。