偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

偏差値を上げるための基本

6年後半の合不合で、正答率別に全問正解の得点と偏差値、範囲や難易度の相関性を見ると大体以下のようになります。正答率は算数ベースですが、他教科でも傾向は概ね同じです。

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正答率と偏差値と難易度の関係

5年の範囲は解法を覚えて使えば解ける問題で、正答率30%以上とほぼ被ります。正答率20%台からは、幾つかの解法からより適切なものを使ったり、条件積み上げ+ゴール推測を併用しないと解法を思いつきにくい問題などが出てくるので、偏差値60をキープするには5年の基礎に加えて6年以降の応用レベルも安定して幾つか解けることが必要です。

ここで大事なのは、予習シリーズの5年上下を仕上げて問題演習を1〜2冊程度こなせば、偏差値60くらいは取れてしまうということです。逆に言えば、6年でも偏差値40〜50台で足踏みしているなら、5年の範囲をやり直さない限り追いつくことはありません。

塾の課題やテストについて行くだけでは自分の弱点克服=基礎完成のために5年時のやり直しをすることが困難で、基礎が万全でないと応用の演習をしても使えず、ここで伸び悩む子がかなり多いということになり、偏差値の壁がある、なんて話にもなるわけです。

ここを超えるためには、5年レベルで弱い範囲がないか、5年のテストで正答率10〜30%あたりの問題を抽出してやらせてみると良いです。面倒なら5年のテキストの応用問題などでも代用できます。塾で言えば、このあたりの弱点克服に適したカリキュラムなのは日能研で、テキストで最適なのは四谷の予習シリーズだと思います。