偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

授業と復習の大切さ

中高6年の先に大学受験を視野に入れると、中学1年の2学期までの過ごし方が特に重要です。一貫校では高校受験という切り替えポイントがないため、最初についた役割のまま高2まで進んでしまうことが多く、中1の出だしの授業態度や成績が悪いと、そのまま低迷する子が少なくありません。

特に4月から5月にかけては、同級生や部活、通学などの環境の変化が大きいため、適応するだけで子供はかなり疲れます。その上、英語はアルファベットから、数学は正と負の数など、中学受験を突破した子にとっては拍子抜けするような容易な内容で、すぐに中間テストを迎えます。中学受験に必死で取り組んだ反動もあって、ここで気を抜いてクラスの中での手抜きキャラを演じるようになってしまうと、挽回が大変なことになります。

これを避けるためのポイントは幾つかありますが、最も大切なのは授業の復習を必ず家でやる習慣をつけること。予習もしても良いですが、それよりも復習が大事です。授業を真剣に聞き、必要に応じてノートも取り、帰宅後にその内容を家族に授業するような形が理想的で、親が課題などを把握することにもつながります。スマホや他のことを制限するよりも、やるべきことをやっていれば後は自由という形の方が、結果的にコントロールは楽です。

中高の授業では、実に6000コマ以上もの時間を費やします。この時間を有効に使って学力を上げるか、ほとんど右から左で一夜漬けで定期テストを乗り切るだけで過ごすかで、基礎学力に大きな隔たりができます。部活や課外活動、自分の興味のあることに打ち込みたいのであれば、拘束される授業の時間を大切にし、家庭で数時間勉強する習慣をつけることが大事です。