偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

台風の停電被害で改めて感じたこと。

今回は受験とは関係ないお話です。8日から木更津入りしていて、ちょうど停電にぶつかったので、その時の様子と備えておいた方が良いことのメモを書いておきます。 

今回の台風被害

私はちょうど仕事関係で木更津に用があり、台風が来る日に前乗りしていました。予想通り交通機関なども止まり、前乗りして良かった、、、と思いきや、電気が来ない。木更津〜君津あたりは、交差点の信号も消えているところがそこら中にあり、イオンは休みで、営業しているアピタは長蛇の列。ガソリンスタンドも長蛇の列。

一日待てども電気は来ない。しかも、従業員の方の家も結構停電範囲に被っていて。スーパー銭湯も芋洗い状態、千葉あたりまでホテルも取りにくい状態とのことで、急遽横浜の空いてる部屋を解放してアクアラインで往復することに。車で片道1時間くらいかかりますが、色んな列に並ぶことを考えると楽勝です。

天井照明を外している部屋もあり、冷蔵庫もない状態ですが、なにせ充電できる、エアコンが効く、シャワーが使える、洗濯も出来る、トイレが流せる。浄化槽のところではトイレも流れが滞りがちで、溢れるのが怖くて使いたくない人が多かったです。

そんなに多くは泊まれないので、子供と女性優先で男性陣は帰宅。横浜近辺のスタッフなどがモバイルバッテリーを持ち寄りレンタル。充電式のポータブルファンとか、クーラーボックスも役に立ちました。

現時点までに約半数が通電し、残りの人もそちらで過ごすことになり、2日あまりのプチ避難所は終わりました。動ける人しかいなくても割と大変だったので、電気をはじめとしたインフラの一刻も早い回復を祈るばかりです。

 

夏の停電に備えて、あった方が良いもの

パッと思いつく水や非常食、着替えにファーストエイドキットの他に、今回役立ったもの、あると便利なものを列記してみます。

まず必須レベルなのが、容量が大きいモバイルバッテリー。スマホ2回以上フル充電できるものが複数あれば、かなり安心。ポータブルファンの電源にもなるし、ライト付きの物も結構あります。

スマホで言うと、音楽を入れておくのも地味にオススメ。動画やWebはかなり消耗するけど、音楽だけだとかなり持つので、暗闇でも好きな曲を流しておくと安心する人もいます。今回はパプリカが結構流れてた。

 

最強の電源は発電機、でも騒音と排気の問題があります。で、家庭用のベストはポータブル電源。最近は5万円以下でもなかなかの容量のものが手に入るので、現実的に一家に一台の備えの選択肢に入ってきてる気がします。冬場でもホットマットとか使えるので、あれば相当心強い。別売りのソーラーパネルと組み合わせて、晴れていれば日中に充電が完了するようにも出来たりするので、自分にとってベストの備えをしてください。

 

車のシガーソケットから充電できるUSB充電器。ポータブルバッテリーなどにも言えるけど、あまり安価なものはアンペア数が低かったりするので、スペックも要確認。

 

 

クーラーボックスは車輪付きのタイプや大容量のものが便利。購入したロックアイスを入れて開け閉めを控えれば、夜から朝までは十分に持つので、出勤前に冷たい飲み物や氷にありつける。ロックアイスや飲み物を小分けに保冷バッグに入れてからクーラーボックスに入れると、出し入れの際の影響を抑えられます。冷却ではなく保冷なので、隙間には新聞紙などを詰めた方がキープ出来ます。

 

 

寝袋。潜り込むだけでなく、適当なサイズに丸めてクッションにもなるので、車にも常備しておくと良いですね。冷感パッドも好きな人には良いかも。

車中泊するなら、硬度の違うウレタンマットを何種類か用意しておくと、段差を埋めるのに便利。予めホームセンターなどで調達して、自分の車に合うサイズにカットしておくと快適さが全く違います。 車中泊では、車の窓に合わせた網戸もあると便利。

 

LEDポータブルライト。懐中電灯もガラスのコップに被せるとランプ代わりに使えますが、通常の電球だと消耗が早いので、LEDのものを用意しておきましょう。

 

ポータブルファン。冷却効果は気休め程度ですが、風が室内を抜けない時や、雨で窓も開けていられないような時は、あるとないとでは気分がだいぶ違います。モバイルバッテリーとして使えるタイプは潰しが効きますね。

 

蚊帳。9日の夜、蚊帳を屋外に張って仮眠所を拵えました。現代の家庭では蚊帳がない家が多いけど、これがあれば風通しの良い場所に寝床を確保しやすいです。

 

あと、やっぱり水は大事。飲料水の備蓄はもちろんですが、台風など被災の可能性がある時は、浴槽にしっかり水を張っておいた方が良いです。

停電で湯沸かしは使えないけど、ガスでお湯を沸かすことができる時は、バケツの水に熱湯を足して温度を調節し、手桶で浴びると便利。洗面器でやるより格段に捗るので、100円ショップの物でもひとつ用意しておきましょう。バケツ一杯のお湯だと足りなくなりがちなので、バケツも2つあると良いですね。

 

携帯型のウォシュレットも、停電時には便利。洗うことに慣れていると、洗えないだけでもかなりストレスになります。そして、排水がダメな場合に備えるポータブルトイレ。1人当たり15〜20回分の処理用バッグと、密閉容器や袋も必ず揃えておきましょう。排水の心配があると、繊細な人は便秘になったり、水分を控えて熱中症になり易い怖れもあるので、安価なものでもあると安心です。

  

  

 

車のバッテリー上がりの対処

エアコンの使用でバッテリーが上がってしまった時は、ブースターケーブルで上がった車のバッテリーの+と生きてる車のバッテリーの+を繋ぎ、今度は生きてる車のバッテリーのマイナスから上がった車のエンジンフックなどエンジンブロックにつなぎます。ポータブル電源からでも給電は可能。

エンジンルームの金属露出がない場合は、バッテリーのマイナスに繋いでもいけます。車の取説にアース接続する場所が書かれてたりするので、確認しておくと良いです。接続の際は、ボディなどの金属に端子を触れないように注意しましょう。

接続が終わったら、生きてる車のエンジン始動→少し待ってから上がった車のエンジン始動。エンジンが掛かったら、ケーブルを接続した時の逆順で外していきます。外し終わったら暫くの間、車を走らせて充電しましょう。

車種、バッテリーの容量によって使うケーブルやジャンプの可否が異なるので、予め自分の車のバッテリーが上がった時にどうすべきか、ディーラーなどに確認しておくと良いですね。


冷凍庫に常備しておくと良いもの

保冷剤やペットボトル氷。容量に余裕があれば2Lペットボトルなどを凍らせておくとかなり持ちます。冷凍庫は、中身が詰まっていると保冷効果があって、新しい断熱の良い冷凍庫だとかなり長時間持つみたい。先ほど通電した家では、停電後3日近く経っているけど、冷凍庫の中心あたりは凍っていたそうです。

野宿やキャンプ慣れ

私ともう一人は野宿もOKなタイプで、9日の夜などは月も明るいし涼しくて良かったね〜なんて感じでしたが、慣れていない人にとっては、屋内では暗い&暑いがストレスで、車内は冷やせるけど寝心地が悪く、大変そうでした。同じ状況でも、慣れによって感じる辛さが違うので、日頃から野宿するような経験をしておくと良いかも知れません。

特に夏の場合、ベランダなどの屋外にケースなどを積み、上にマットを敷いて横になると、天候によっては室内よりよほど快適に眠れる日もあります。夏、秋、冬、雨、それぞれ過ごし方も違うので、たまに試しておくと良いです。特に小学生くらいの子供は、経験があると結構楽しんで過ごせたりするので、機会があれば試してください。

何事も、備えておくこと、そして困った時は人を頼ることが大事ですね。

中学受験生向けのLINEオープンチャット開設のお知らせ

2023/5/5新規開設しました。下記リンクから参加可能です。


以下は2019年時点の記事で、現在は終了しているチャットについてのものです。


 

サービス開始早々から出会い目的の利用などで制限がかかったりするトラブルもあったLINEのオープンチャットですが、使い方によっては良い感じなので、中学受験生をお持ちの方用のオープンチャットを開設しました。

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twitterでも告知しましたが、プロフや過去ツイート、ブログなどで中学受験生のお子さんをお持ちだと判断できる人が対象です。参加ご希望の方は、コメントかメールでご連絡頂ければ招待します。

有益な情報を配信します!とかお悩み相談受付のオンラインサロン風ではなく、中学受験生の親同士で緩く交流して頂くのが目的の場なので、お気軽にどうぞ。

 

はてなでブログを運営されている方

コメント欄が承認制の方は、コメントを頂ければご連絡します。コメント欄が承認制でない場合は、メールアドレスやtwitterアカウントなど、連絡の取れる方法を書き込んでください。コメントは公開しません。

 

はてな以外でブログを運営されている方

ブログのURLを書き込んで頂ければ、そちらのコメント欄からご案内します。はてなと同様、コメント欄が承認制でない場合はメールアドレスもお知らせください。

 

twitterアカウントをお持ちの方

twitterで中学受験生をお持ちとわかるアカウントがあれば、それをお知らせください。そちらをフォローさせて頂き、DMでご連絡します。

 

上記いずれにも該当しない方

お子さんの受験年度と、通われている塾などを書いて、メールまたはお問い合わせフォームでご連絡ください。コメント欄でも良いですが、メールアドレスの記入もお願いします。

中学受験で過去問対策に取り組む場合のポイント

もうすぐ9月、多くの受験生が過去問に取り組み始める時期ですね。今日は過去問への取り組みや考え方についてポイントを書いてみます。

予めチェックしておくと良いのは、どの範囲の問題がどの程度の難度かということ。今の実力でどの程度取れそうかのアタリをつけ、合格者最低点と合格者平均点を見てみましょう。まるで歯が立ちそうにないのか、ある程度闘えそうなのか。検討中の5〜7校分くらいは見ておきます。

入試問題には篩にかける目的がありますが、同時に「どんな問題を解ける子に来て欲しいか」という学校からのメッセージでもあります。回答形式や難度と配点に所要時間、子供の得手不得手と比較してどうか、という内容を見てください。

慣れていないと1校分でも疲れますが、これを把握した上で受験校を検討するのと、偏差値やイメージだけで学校を選ぶのでは大きく違うので、頑張って目を通してください。志望校選定だけでなく、子供が苦戦している時にアドバイスしたり、何が大変なのかを理解して寄り添う助けにもなります。

初見での得点にはこだわり過ぎないこと。過去問題集の配点は学校側から開示がなければ想定値ですし、部分点は更に曖昧で、採点者によって得点に幅が出ます。塾が採点〜添削までやってくれる場合は、最大限使い倒しましょう。塾の指示するタイミングで過去問をやる最大のメリットは、ある程度信頼性の高い採点をして貰えることです。

前年度のものは直前期にとっておいても良いですが、同じ問題が出る訳ではないので、こだわる必要はありません。解く際には途中でトイレにも行かず、水も飲まないで、必ず制限時間を守りましょう。


どの学校から手をつけるか

これは、今のレベルによって取り組み方を変えます。偏差値が届いている場合は、第一第二志望から手をつける形でも良いですが、少し厳しい場合には、まず安全校と考えている学校から始めると良いです。目安としては、50〜80偏差値に届いている学校から手をつける感じですね。

偏差値が届かなければ対策しないという意味ではなく、まず確実に合格を取りに行ってから本命に時間をかけるイメージです。入試はそれぞれの学校に特徴がある上に本番特有の緊張感というものがあるので、偏差値が届いていても過信は禁物。上位志望校だけに目が向き、他の学校を無対策で受ければ、全落ちのリスクが上がります。

塾では御三家とか難関コースとか、偏差値順に学校のランクを考える意識がつきやすい構造ですが、偏差値が高くない学校にも熱望組はいます。こういう子が過去問もしっかりやり込むと、入試問題を目にした時の余裕が模試での偏差値以上に大きくなり、学力的にも余裕がある子だと、ほぼ確実に合格を取ってくるようになります。

逆に偏差値的に見れば余裕がある学校でも、初見だと癖のある出題形式に戸惑ったりします。学校見学などで教室やトイレを把握してイメージしておくことが「地の利を知る」なら、過去問を解くことは「敵を知り、己を知り」につながること。なるべく全ての受験校の問題に目を通しておくようにしてください。

 

配点と合格ラインの把握

以下は、一部の学校の入試配点と合格者平均点、合格者最低点などを並べたものです。合格者平均非公表の学校は最高と最低からの推計値で、赤にしてあります。

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算国最低水準は、理社で満点を取れる場合の、算国で必要な得点率。開成は最低218点、理社満点だと140点なので、残り170点中の78点、約46%が必要になるのに対し、麻布だと約17%ですね。

理or社満点残は、理社のいずれかで満点の場合の、残り3教科で必要な得点率。開成は残り240点から148点で約62%に対し、麻布は約38%。算or国八割残は、算国のいずれかで8割を取れる場合の、残り3教科で必要な得点率。開成は約67%、麻布は約37%。

何かが突出して出来る観点でこの2校を比べると、かなり違いがあると言えますね。これらは「理科で満点を取れば」などと目論むためではなく、国語や算数の問題との相性や配点比を見た上で、どこで得点を狙うかの作戦を練るために使います。4科目で合格点を取れば良いので、ひとつにこだわり過ぎないようにしましょう。

 

入試では、偏差値は絶対的な指標にならない。

複数入試で倍率や偏差値が高い日は難関という印象になりますが、実際の入試問題と合格者最低点を見ると、どちらかで合格平均を取れるレベルであれば、もう一方で最低点を上回るのが困難というほど差はないことも多いです。

例えば芝の1日は偏差値60で、4日は偏差値65。1次の合格者平均点は215.3、2次の合格者最低点は202点です。平均点、最低点とも6点ほど上がるので難化しているのは確かですが、問題の難易度に極端な差がある訳でもなく、1次に受かる実力のある子が2次に回ると絶望、というほどの差はありません。

逆に、1月の渋幕は偏差値70、最高285、平均211、最低188に対し、2月は偏差値69で最高273、平均238、最低227になります。こちらも問題の難度自体に極端な差はないので、1月で188点以上と2月で227点以上を比べると、1次の合格者平均点と同じ得点でも届かない2次の方が、偏差値的には1ポイント下がるけど厳しい入試と言えます。

ですから、芝熱望であれば2次加点のことなど抜きでも両方受けることを勧めますし、渋幕熱望なら全力で1月合格を取りに行かせる、といった話になります。高偏差値で落ちる子の何割かは本命でなく、対策を十分にしてきた子より苦戦しやすいケースもあるので、偏差値は絶対的な指標にはなり得ません。入試は、みんな同じ条件の模試とは違うものです。

子供の得意教科、その中でも得意な問題傾向によって、入りやすい学校はかなり違います。併願校は偏差値だけで見るのではなく、過去問の傾向と合格ラインをしっかり分析しておかないと、「偏差値的には余裕があったはずなのに」なんて後悔のタネを蒔くことになりますので、併願校であっても必ず過去問には目を通しましょう。

 

過去問を使って、取捨選択とペース配分を覚える。

過去問と全く同じ問題はまず出ないのに、制限時間通りに何年分も解くのは、問題の傾向に慣れる=ペース配分を掴む目的が大きい。だから、解きっぱなしにしないことが大切です。

一度やって不正解問題の解説解答を読み、合格ラインを超える得点分の問題を仕上げ、今度は時間内に解き切る練習をする。更に類似の問題をやり込んで、似たような問題が出た時の得点源にする。これを受験まで回すのを推奨します。

以前の記事に書いた、模試の直しとほぼ同じイメージですね。“次の偏差値レベルに足りない問題”を、“合格点に足りない問題”に置き換えるだけ。一度解く→合格点に届くために必要な問題を選ぶ→きっちり仕上げる→合格点を取る、という流れです。

これをやって、合格に必要な問題数と時間配分のイメージを掴む。本番で全問正解はまず無いので、A.解ける問題→B.歯が立ちそうな問題→C.部分点狙いの問題→D.捨てる問題という順位付けとペース配分に慣れることが大事です。

問題をざっと見ていくのと同時に、解けるA問題はやってしまう。それで、残る時間がどれくらいあるか。残り時間に応じて、歯が立つB問題にどれくらい時間をかけるか、Cはどうするか。C問題だと思っているなら、尚更足跡を残すために、条件の書き出しや途中式をしっかり書く。

その子の実力や特徴によって、まず漢字をきっちり埋めようとか、計算は検算までやってから次に進もうとか、図表問題は最後に回そうとか、傍線を引きながら問題文を読もうとか、色々な心構えや約束事を作っていきます。

こういうペース配分のためにも、本番と同じ枚数構成の実物があるとベスト。余白、ページめくりの感覚が同じなので役立ちます。ただ、問題の傾向が変わった時にペースを崩す危険もあるので、過信は禁物。

傾向が変わって焦るのは、ほとんどの受験生が同じ。見たことのない出題形式でも、変な答えになっても、B〜Dのいずれかに入れて淡々とやった方が勝つことを伝えておきましょう。

これも以前の記事で書きましたが、かなりの学校の説明会当日や事務室などで、前年の入試問題実物が購入可能です。販売は数百円〜1,000円のところが多く、無料配布のところもあります。数年分遡って販売しているところもあれば、前年分のみのところもあるので、早い段階からある程度志望校を決めている場合は、4〜5年生時にも足を運んで複数年度分を入手しておくと良いでしょう。

実物を入手できない場合、過去問題集の解答用紙は指定サイズが書いてあるので、拡大コピーして使います。問題は四谷大塚の過去問データベースからダウンロードしたPDFをプリントして、本番風の冊子にすると良いです。感覚を掴むために、とりあえず1回分は本番サイズを用意してやらせる方が良いでしょう。

過去問データベースのPDFはスキャン品質に難があることもありますが、A3プリンタがあれば大抵の過去問を実寸で再現しやすいので便利。プリンタがなければ、コンビニのコピー機などを利用しましょう。プリントして実物に近いものを作る場合は、こちらのブログなども参考になりそうです。

 

予行演習としての取り組み

本番では厚着にマスク、暖房の入った混雑した車内や、列をなす受験生と保護者、更に入試本番の緊張感が重なり、子供によっては寝不足になったりもします。ごくノーマルな状態とは違う感じになるのが「普通」なので、なるべくイメージを近づけるため、他塾の模試でも志望校で受けられる機会は押さえておくと良いですね。

過去問も、休日の朝から試験当日の朝を想定してやってみると良いです。私の場合は12〜1月に、入試と同じ時間に起床して食事を取り、電車移動して会議室で過去問をやることもありました。保健室や別室受験の予行演習みたいな感じですね。無理なく出来る範囲で良いので、近所の図書館や自習室に行ったり、マスクもしたままやってみたり、本番のつもりで解く機会は設けてあげてください。

 

個別の中学受験指導や家庭教師の利用について

いくつかご相談を受けたので、家庭教師や個別の選び方について少し。

私も受験サポートをやっていたわけですが、必須とは思っていません。大手塾の上位クラスはある程度の質が担保されていると思いますが、個別や家庭教師の場合は、名の知れたところでも質にバラツキがあるというのが実感です。お金と時間を使う以上、しっかり見極めることが大事ですね。

まずひとつめの利用目安は、偏差値45くらいで親から見て取り組みの甘い子。偏差値45あれば、中グループの入り口まで自力で辿り着ける素養があるということなので、中の上の52〜上の下の55ラインに持っていける可能性は結構あります。一番お金のかけ甲斐があるゾーンかも知れませんが、言い換えれば中学受験経験のある親でも対応しやすい範囲とも言えます。

偏差値55から上は、算数や理科の応用問題や国語の記述問題の難問を、効率良く解いていく力が必要になるため、難関校に複数の合格実績を持つ人でないと難しい可能性があります。特に6年生の時間は貴重なので、しっかり見極めてあげてください。

 

大事なのは理解の把握

特に大事なポイントをざっと挙げると、得点を予測できること、算数や物理化学は複数の教え方が出来ること、国語の解答を分解して説明できることの3つ。自身も中受経験者で、その子と同レベルの学力・性別の子の指導経験があり、志望校に合格させた経験も持っているとなお良いですね。

個別指導で大事なのは、子供に理解させる力。そのために最低限必要なのが、その子が今度のテストで何点取れるかを、正確に予測できるかどうか。これが出来れば、塾のカリキュラムとテストの内容、子供の理解度がある程度把握できていることになります。ケアレス分は多少割り引いても良いですし、上回る分にはさほど問題ありませんが。

一番わかりやすいのは、子供の変化です。面白かった、良くわかった、出来るようになった!と言って、実際に解けるようになった難問を解説してくれるようだと、かなり良い傾向。逆に、何をやった程度の話しかなく、あまり楽しめてもいないなら、期待値は低めです。

一方通行で教えるだけなら、出来のいい講義動画の方がマシだったりしますので、子供の理解の段階、筋道を把握してくれているかどうかはとても大事。間違った問題を、時間無制限で解答を見ながら教えられるだけでは、ほとんど役に立ちません。宿題をさせてくれる学童くらいの期待値。ないよりマシ、家で喧嘩しているよりマシ、というレベル。

だから、模試はともかく、週テストの得点を狙って取るのは当然。子供の意欲を上げるのに有効なのは、やれば出来るという感覚です。時間は有限なので、その使い方をわかっていること。塾の授業、宿題をこなすと残り時間がこれだけ。その時間でこれをやれば、このくらいの成績が取れる。これがわからない人が割といます。こういう人が熱心ぽくて優しくても、成績アップはあまり期待できません。

 

解き方の一貫性も大事

算数を正確に教えられることも大切です。独自?の解き方を教えられて、それが塾の指導と違っていると、どうバランスを取って良いのか、子供が悩みます。塾の解き方をそのままトレースすることが出来て、更にその根拠になる問題に遡って教えたり、もっと簡単に解ける別解法を有利なケースと共に教えられるかどうか。

国語は論理的に教えてくれることと同じくらい、教えっぱなしでなく、きちんと添削したり、繰り返し取り組むべきことを指導してくれることも大切です。

比較的お安めの家庭教師だけでなく、大手の個別の先生にもあるケースなので、なるべく授業に同席して、どんな指導をしているのか把握するようにしましょう。特に家庭教師で、親の同席や質問を嫌がるようなのは論外なので、まずお試しにして、しっかり実力や性格を見極めるようにしてください。

 

塾との併用に前向きなこと

それと、塾を辞めさせるならアリかも知れませんが、そうでない場合には塾の授業を否定する言い方をしないこと。これも家庭教師にはちょいちょい見られるようですが、通わせるなら絶対に避けたほうが良いことです。

どうしてその授業になるのか、どうしてその宿題になるのか、きちんと子供に納得させてあげることが大切。その上で、必要に応じて取捨選択していくのと、〜なんて意味がない、的な発言をしてしまうのでは、ものすごい差になります。授業の時間を無駄にさせたら、負けルートに乗ります。

とりあえず評判の良いところに押し込んで授業を見ないようだと、講師のレベルがわかりません。1対1や2だと、集団塾より相性も大事になります。ある子には良くても、別の子には合わないこともあり、経験が少ないほど対応の引き出しもないので、授業の内容と子供の反応をしっかり見極めるようにしてください。

費用が高額なこともありますが、何より限られた時間を費やす以上、効果が薄いことをやらせることは何としても避けたいので、お試しや体験授業を活用すること、契約後も定期的に授業に同席するなどして、取り組みを共有するように心がけてください。

 

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中学受験で難関志望校に合格する子の偏差値推移

もうすぐ9月になりますね。今日は難関上位校に合格した子の、四谷大塚組分けテストでの偏差値の推移を。

以下は、筑駒、開成、麻布など偏差値67以上の学校に合格した34名分の、6年3,6,9月の組分けテストの偏差値データです。一番左の列は3月の偏差値順、は比較して下がったことを示します。

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高偏差値帯なので、数十〜数百の順位で数値が大きく変化する層ですが、6月に比べ夏休み明けに下降したのは34人中13人で約4割。3月に比べ下降したのも、10人で約3割。

また、9月時点で80%偏差値に届いていないのは19人で約5割、67に届いていないのが11人で約3割。3回平均で80%偏差値に届いていないのは17人で5割、67に届いていないのも13人で約4割いました。

でも、Sクラスから落ちたのは1名(64→63→60)、平均が63を下回ったのはもう1名(59→60→63)を加えた2名で、いずれもS〜Cボーダーの子なので大不振ではありません。

偏差値は帯で見るようにして、数ポイントの変化は気にしなくて良いけど、目指す集団の偏差値帯からは落ちないようにした方が良い、という意味がコレですね。

全体を9つに分けた帯の目安は、偏差値63以上、58〜63、55〜58、52〜55、48〜52、45〜48、42〜45、37〜42、37以下。順位で言えば、受験者数の10〜12%くらいの幅です。この集団の中で、順位を入れ替えながら入試まで突き進むわけですね。

秋の組分けや模試で志望校と同じ帯にいるなら、多少下がっても気にしなくて良い。帯ではひとつ下でも、帯幅の差なら射程内なので、まだ第一志望の変更を検討する必要はない。例えば6,000人が受ける模試なら、順位があと600位上なら届くかどうかを見ましょう。

帯一本分より差がある場合は、志望校を変更することも視野に入れる。帯二本分以上だと相当厳しくなるので、子供が目指すのは止めなくても良いけど、親は現実的になって、今の偏差値と同じ帯で本命校をしっかり見つけておく。

こういう感じで、秋の説明会や過去問に手をつける順番などの戦略を練って、合格を目指してください。もちろん、弱点を埋めて過去問対策をうまくやれば、偏差値に差があっても合格可能性を上げるチャンスはありますが、1月になって慌てないように、今から色々な展開を想定しておいた方が良いです。

 

「成績を良くしたいから頑張る」のは欲。「成績が悪いからもっとやれ」は罰。

出来ることや知識が増えている=学力が伸びているのに、偏差値や順位を見て「出来るようにならない」って表現を選ぶ人は結構いる。これが子供の成績が伸び悩む一因だと思っています。

子供の学力は伸びているのに、それを認めるどころか貶める。子供に一生懸命張り付いて、なるべくやる気を削ごうとしているようなもの。

もちろん、中学受験・志望校合格が目的でやっている以上、偏差値や合否が気になるのは当然だけど、そのために必要なのは学力を受験当日まで積み上げること。出来ないやらない伸びない受からない、ないない言っても役に立ちません。

競争だから、周囲のレベルは見る。受験するから、試験に出る問題に対応する力をつける。でも、目先の模試で良い成績を取ったところで、得られるのはささやかな安心だけ、なんの保証にもなりません。本番に間に合えば良い。

自分が安心したがって、子供にそれを求めるような言動は、伴走役としてはマイナスの振る舞いです。だから、極力「ない」を言わない。出来る、増える、そういう言葉を使うこと。

間違った問題を、出来るまでやる。知らないことは、覚えるまでやる。それを積み上げて、勝負になるところまで持っていく。間に合うかどうか心配なのはわかるけど、だからって間に合って欲しいのに邪魔するのは、焦り過ぎて逆走するのと同じこと。

それぞれの家庭の事情、子供の性質もあるから、最適な方法や言葉選びは違うでしょう。でも、大切なのはその言動が子供の成長、成績の向上にプラスになるのか、ってこと。それによって意欲が漲る、成績が伸びるなら良い。時間とやる気を奪うだけならダメ。

親から見た子供が、自分の期待に応えず、不安にさせる存在=敵のような認識になれば、怒りの沸点も低くなる。ただでさえ受験生は「頑張らなきゃいけない」と思いがちなのに、家の中にも敵視してくる親がいて、子供はどこで回復すれば良いのか。頑張り続けるには、回復が必要です。

不安感に押し潰されそうなら、それは他にぶつけてください。パートナーでも、先輩でも、塾の先生でも良い。子供にぶつければ、足を引っ張り、悪い方向に突き進むだけ。望む結果に必要なこと、役に立つことをしましょう。

 
「出来るようになる」というのは、「出来ない」を通過すること。

出来ること、出来ないこと。この2択で世界を眺めると、選択肢が狭い。何かが下手とか、何かを間違う、人より劣る、人に負けることを恥と感じやすい意識を植え付けると、世界がすごく狭くなる。「出来るようになる」を入れると、選択肢は広がる。

「出来るようになる」っていうのは、最初は出来ないこと。出来ないからスタートして、下手だったり、失敗したりを通過して、出来るようになる。1日30分もやれば1年で200時間近く、3時間なら1,000時間以上。そうすると、全く出来ないことや知らないことではなくなる。

成績も同じ。知らないことを理解したり、覚えたり、使いこなしたり、説明できるようになったり。学力は積み上げた分だけ上がる。でも、偏差値とか合格判定ってやつが、伸びていないという錯覚を強化しやすい。成績の良い子を見て落ち込んだり、悪い子を見てバカにしたり。

学力っていうのは、自分の中に蓄えるもの。中学受験っていうチェックポイントがあるから、そこに合わせて一定の得点を取れるように戦略は立てるけど、そこまでの偏差値は進捗目安、集団での立ち位置確認。大事なのは、新しい知識、必要な学力を養うこと。使えるようになるまで、覚えるまで、出来るまでやること。

 

成績を良くしたいから頑張るのは欲。悪いから頑張れは罰。

自主性や自立心の成長時期に個人差があることは、以前の記事で触れました。これとは別に、勉強をする時の目標設定や約束の仕方で、好きになるか嫌いになるかの分岐点を作ってしまうことがあります。

志望校と今の偏差値が離れている。○月までに10上げよう。今度のテストで5上げよう。といった目標を設定し、とにかく○時間勉強しようとか、このテキストを追加でやろうとか。で、テストの結果が振るわない。勉強が足りないからだ。もっと増やそう。真剣さが足りない。約束を破ったからだ。。。

こういう理屈でやっていくのは、「勉強という罰」を与えているのと同じこと。罰なので、嫌に決まってますね。誰でも受ける罰は少ない方が良い。こういう思いをした人が大人になると、勉強する(させる)こと=苦痛を与えること、と感じてしまいます。で、困難に耐えろ、目標があるだろう、約束したじゃないか、ってやる。これは避けた方が良いです。

自分が劣っているから、罰としてたくさん勉強をしろと言われる。決めたことが出来ないから、良い成績が取れないから、親に愛してもらえない。そんな孤独を感じさせて、成績も上がらない。子供を非難し、自信を失わせ、罰するために、受験を選んだわけではないはず。まるっきり逆ですよね。

しかも、この意識を植え付けてしまえば、仮に志望校に合格しても、そこから次を目指す意欲が失われる危険を高めます。やっと怒られなくて済む、受験=勉強から解放された、と思ってしまう。中学受験がゴールですか?違うはずです。

春休みも意欲と希望を持って準備に取り組み、入学後は新しい仲間と刺激し合って、将来へ続く学びにつなげること。そのためには、勉強が罰であってはいけません。自分の思い、欲を実現させる手段でないと。勉強を頑張ることが親の欲=子供にとっては罰、という構造は、勉強=辛いことという残念な思い込みを生みます。

 

罰でなく、欲で勉強するために

子供と志望校を共有しているなら、本人も成績が足りないことは百も承知です。毎週塾に通って、何時間も勉強して、成績が上がらなくて良いと思っている子なんて、ほぼいないと言えるでしょう。上がりたい欲は、本人の中にもある。だから、罰より欲を使いましょう。

テストの正答率を把握して、高いものから潰していくのは基本ですが、それは自分の実力を基準にしてやっていくべきもの。例えば、このブログの記事で「正答率30%の問題を正解すれば偏差値58〜60」って書いてある。志望校の偏差値はもう少し上だから、まずはその手前の30%までの問題をやろう。これだと、目標は見ているけど、子供の足元がおろそかになります。

テストを見直して、間違った問題に注目する。その問題の解説解答を見て、あ、これならわかったのに。今やれば出来るのに。と感じる問題を選ぶ。9つに分けた帯の、次の段階が目安です。例えば45なら48にあと何点で、どの問題を解けていれば届いたのか。52なら55まで、あと何問か。

その、あと一歩で出来そうな問題、それが出来れば偏差値が上がったはずの問題が次の一段です。安易なミスと、その数問を解けば上がるなら、まずはそれを完璧に仕上げる。あとは週テストなどのカリキュラムにしっかりついていく。1〜2週間後、同じ模試を解いて、しっかり目標得点に到達する。少し遅れたけど、今なら偏差値○が取れる、って実感をさせてあげましょう。

これだけやれば出来る。そのために勉強時間を増やす。この順番が大事です。「出来ないから増やせ」は、似ているけど逆方向。もちろん、その先には受験、志望校合格という目標があります。でも、まずは目先の、これが出来たら俺カッケーで良い。

目標を低くするとか、諦めるという意味ではありません。100段登るのか、200段登るのか、そこに届くまで継続するための目標はあった方が良いです。でも、100段登らなきゃいけないから、とりあえず10段飛べ!って言うのはアホなだけ。羽の生えてる子なら行けるでしょうけど、そういう子はそもそも飛べって言われません。一段一段登って行く。羽はいらない。

目標に子供を合わせるのではなく、子供に目標を合わせる。登り続ける途中で受験を迎えたら、受験を終えてまた登り続ければ良い。大事なのは、思春期に自分の意思で登る力の基礎を築いてあげること、有利な環境を選ぶこと。勉強嫌いにさせたら、台無しですね。

 

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受験する中学の文化祭や説明会でやっておくと良いこと

まずは前回記事の補足から。大学進学率は53.7%で、中学受験校からは大半が大学に進学することを考えれば、公立中からは半数以上が大学に進学しないことになります。

子供を大学まで行かせたいと考えていて、ほぼ全員が大学に進学することが当然の環境と、半数は進学しない環境を選べるなら、第一志望でなくても前者の方が有利なことも多いかも、ということですね。

クラスの1〜2割しか受けないことも多い小学校で受験をやり抜いた子なら、ほぼ全員が高校を受験する中学校では一層努力出来るかも知れませんし、記事にも書いたように通学時間が短くなることは体力面や時間面で有利なこともあります。ですから、公立はあり得ない、などと言うことではありません。

どこかの学校に合格するということは、複数のルートからより有利な道を選ぶ権利を手にするということです。偏差値だけでなく、その学校の校風や教育方針、生徒の雰囲気から通学時間まで、子供にとって最善の選択は何なのか、十分に検討した方が良いですね。直感に従うのもアリですが、情報は多い方が良い。

「成功体験のために一つでも合格を」って話も聞きますが、それ以上に選択肢を得るメリットは大きいと考えています。子供に学力をつけることが将来の選択肢を広げるように、合格を手にすれば3〜6年間通う学校を選べる立場になる。受験に挑んだことで選択肢が広がったのですから、良いことだと思います。

何より、与えられた環境と手持ちの武器で道を切り開いていく力は、どこにあっても大切。今の時点で、こういう結果と選択肢。さぁどうする、って時に、どっちの道も●●だ、もう終わりだ、やった甲斐がなかった、なんて気持ちでは転落一直線。どの道でどう闘うか、前を向いて選択することが、次のステップで大事になります。

とはいえ、まずは志望校の合格を全力で目指しましょう。通っても良い、通えると良いな、と思える学校を探すのは、親力の見せどころ。

秋冬の説明会・学園祭シーズン、直接学校に行って雰囲気を知ったり、入試のポイントを聞けたり、とても大事な機会ですね。可能な限り足を運んで、頑張ってください。文化祭などのイベントや、学校見学・説明会でやると良いことを書いておきます。

 

前年度入試問題の入手

問題や解答は過去問題集で得られますが、実物の入試問題を入手できると、過去問対策時の雰囲気作り、本番での解き方のイメージを掴む予行演習のためにも役立ちます。

市販の過去問題集だと空白ページがなかったり、問題の間隔が狭かったりして、実際に解く際に使えるスペースの把握や、ページ繰りのイメージ、ペース配分などに難があるので、特に第一第二志望あたりの学校では可能な限り入手しましょう。

麻布や開成、筑駒を始め、説明会や事務室で販売・配布している学校も多くあります。説明会参加者に無料配布したり、学園祭で6年生の希望者や願書購入者にだけ配布したり、学校によって対応が様々なので、学校に行く前に問い合わせておく方が良いです。

特に無くなり次第終了の無料配布の場合、初日の早い時間に行かないと入手し損ねるので、しっかり調べておきましょう。ほとんどの学校で前年度分しか配布がないので、4〜5年生のうちから通っておくと良いです。

 

在校生との会話

実際の生徒の雰囲気を知るのに、ただ展示を見たり挨拶するだけでなく、機会を見つけて何人かの生徒と話してみることも貴重な機会です。一人だと当たり外れが大きいので、なるべく多くの生徒に学校生活のことや部活のこと、制服や持ち物の使いやすさや人気具合、宿題や怖い先生のことなんかを聞いてみると良いです。

例えば学習院だと入試の補助をする生徒もいて、教室にいたのが入学後は同じ部活の先輩だった、なんてこともあります。苦手科目をどうやって勉強したかなど、実際に合格した先輩から聞けると、子供は親より素直に受け取ったりもします。

色々なエピソードを直に聞けることは、もしかすると展示物などを見るよりもイメージを掴む役に立つので、積極的にお話してみてください。

 

保健室受験、別室受験についての把握

以前、保健室受験で見事に合格した子がいました。受験当日に具合が悪くなった場合、保健室受験、別室受験、受験不可など、学校によって対応が異なります。予め調べておきましょう。なるべく保健室の場所を見に行っておくと良いです。

保健室は安心と癒しを与えてくれる場所。何かあったらここで助けてくれる、ってイメージを持っておくだけでも、だいぶ違います。入学したら何度も使うことになる場所ですから、先取りで利用するのも悪くないですね。

 

受験会場になる教室、トイレの下見

どの棟が入試会場になるかも、学園祭などでも聞けば教えてくれたり、説明会や学校見学時に教えてくれることもあります。そのほかの設備、例えば冷水機や自販機の位置と利用の可否まで、闘う場を頭に入れて、自分のホームに近づけておくことはとても大事。

大抵はトイレに行くものなので、本番当日にトイレの鏡を見てスイッチを入れるようなイメージを作っておくのも良いでしょう。

好きなセリフを幾つか考えて、トイレの鏡を見ながら言ってくる。よし、ここまで来たぞ。できることを全部置いて来よう。わからない問題は後にとっておく。過去問で決めたペースで一周する。数字は綺麗に書く。などですね。

たくさんの言葉でなく、ひとつかふたつに絞った方が良いです。同じセリフを共有して、当日朝のお手紙に書いて渡してあげましょう。

例えば「トイレにはもう行きましたか?今日まで頑張ってきたことを先生に見てもらえるように、なるべくたくさん置いてきてね。」みたいな感じですね。お守りや一筆箋は定番ですが、離れていても応援している気持ちを伝えるのにはとても有効な手段です。

 

子供とのイメージ作り

特に人気の学園祭では結構な人出になるので、受験当日と似た混雑ぶりを目にすることが出来ます。雰囲気は全く違いますが、それを踏まえて「当日はきっとこの人たちがみんな受験生になってるくらいだよ」とか、「このあたりにもテレビカメラとか、塾の先生がたくさんいそうだね」なんて話をしながら、想像を働かせる機会を与えてあげましょう。何人いると思う?って考えて、当日に答え合わせしても良い。

特に倍率の高い学校の場合、入校までに列をなしている受験生の数に圧倒され、悪い種類の緊張のスイッチが入ってしまうことがあります。イメージしておくことで、その軽減に幾らか役立つので、一緒に色々と想像してあげてみてください。

緊張を自分のものにする方法も、学校で実際にやっておくと良いです。「あ〜緊張してるな」って言葉にして、水を一口。「よし、手とお腹を温めよう」って言ってカイロを持ってお腹に当てる。目を閉じて、にやけてみる。入学後、同じ教室から入った子に「お前入試の時ニヤニヤしてただろう」って言われるくらい。

手を大きく伸ばして、ルフィのポーズで「○○生に、俺はなる!」って口にする。教壇でやってこいって言っても、誰一人実行して来ませんが。入ったら自己紹介なしで友達ができるし、入らなければ二度と行かないんだから良いと思うんですけどね。。。自席で手を伸ばして、そんなやりとりを思い出すだけでも、幾らか気分が良くなります。

本番では子供が一人で闘います。一緒に行ける機会に、少しでも有利になるように色々と仕込んでおきましょう。

おまけ

twitterのアカウントを開設しました。そんなに呟く予定はありませんが、お知らせしておきます。

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