偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

中学受験で難関志望校に合格する子の偏差値推移

もうすぐ9月になりますね。今日は難関上位校に合格した子の、四谷大塚組分けテストでの偏差値の推移を。

以下は、筑駒、開成、麻布など偏差値67以上の学校に合格した34名分の、6年3,6,9月の組分けテストの偏差値データです。一番左の列は3月の偏差値順、は比較して下がったことを示します。

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高偏差値帯なので、数十〜数百の順位で数値が大きく変化する層ですが、6月に比べ夏休み明けに下降したのは34人中13人で約4割。3月に比べ下降したのも、10人で約3割。

また、9月時点で80%偏差値に届いていないのは19人で約5割、67に届いていないのが11人で約3割。3回平均で80%偏差値に届いていないのは17人で5割、67に届いていないのも13人で約4割いました。

でも、Sクラスから落ちたのは1名(64→63→60)、平均が63を下回ったのはもう1名(59→60→63)を加えた2名で、いずれもS〜Cボーダーの子なので大不振ではありません。

偏差値は帯で見るようにして、数ポイントの変化は気にしなくて良いけど、目指す集団の偏差値帯からは落ちないようにした方が良い、という意味がコレですね。

全体を9つに分けた帯の目安は、偏差値63以上、58〜63、55〜58、52〜55、48〜52、45〜48、42〜45、37〜42、37以下。順位で言えば、受験者数の10〜12%くらいの幅です。この集団の中で、順位を入れ替えながら入試まで突き進むわけですね。

秋の組分けや模試で志望校と同じ帯にいるなら、多少下がっても気にしなくて良い。帯ではひとつ下でも、帯幅の差なら射程内なので、まだ第一志望の変更を検討する必要はない。例えば6,000人が受ける模試なら、順位があと600位上なら届くかどうかを見ましょう。

帯一本分より差がある場合は、志望校を変更することも視野に入れる。帯二本分以上だと相当厳しくなるので、子供が目指すのは止めなくても良いけど、親は現実的になって、今の偏差値と同じ帯で本命校をしっかり見つけておく。

こういう感じで、秋の説明会や過去問に手をつける順番などの戦略を練って、合格を目指してください。もちろん、弱点を埋めて過去問対策をうまくやれば、偏差値に差があっても合格可能性を上げるチャンスはありますが、1月になって慌てないように、今から色々な展開を想定しておいた方が良いです。