偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

成績分析や個別サポートと、2021年受験組の方の体験談

昨年は休校や塾の休講を受けてオンライン講座を開設したりしましたが、その中でも成績分析が好評だったので、今年も受け付けをします。

受付を再開します。(2023.2.5)

成績データ分析

何度か記事で触れていますが、テストは短期の学習目標であると同時に、出来ない箇所を見つける検査でもあるので、テストを受けてからの解き直しや、結果を反映させた学習プランなどがとても大事です。テスト結果や資料の分析、学習プランの立て方などに不安がある方には参考になるかも知れません。

→ご相談・成績分析お申し込み受付

 

昨年分析を受けた方にアンケートをお願いしたところ、回答数は11件で、適正だと思う価格は1,000円〜30,000円まで開きがありました(1件はその他を選択→金額無回答)。

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価値の感じ方は人それぞれということで、分析も初回は無料、2回目以降は10,000円という形にしておきます。 

 

個別のサポートについて

また、内緒というわけでもなかったのですが、ブログ経由で個別サポートを受けた方からは「最初の一歩のハードルが高かった」「もっと早く勇気を出していれば良かった」といった声を頂くので、相談や分析お申し込みの際、希望された方には個別対応についてもご説明します。

対応できる人数に限りがあるので、お気遣いでのお申し込みなどは一切不要です。また、いくつか形がありますが、直接訪問はしない形でのサポートで、保護者の方が全くフォロー出来ない家庭にはあまり向きませんので、予めご了承ください。

 

2021年受験組の方の体験記

以下に、2021年受験組の保護者の方と受験生ご本人の体験記を掲載していきます。家族で中学受験を乗り越えた先輩のエピソードとしてお読みください。

Aさんの体験記

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Yさんのお母さんの体験記

娘が桜蔭を受験したいと言い出したのは4年生の冬でした。大手進学塾の提携塾に通っていたものの、東京へは飛行機で行かなければならないような地方に住んでいた私たちにとって、移住と桜蔭の受験など簡単に決断できることではありませんでした。

周りには首都圏の受験事情に詳しい人もいませんし、お世話になった塾の先生に相談することもためらいました。そんな時、改先生のブログを知り、不安や疑問点、移住のタイミングなどを思い切って相談させて頂いたところ、とても丁寧に親身になってアドバイスをくださいました。

改先生に的確な助言をいただいたおかげで、私たちも覚悟が決まり、受験本番の1年前には無事関東に移住することが出来ました。直営校に入塾し、これからという時、緊急事態宣言による一斉休校に入り小学校にも塾にも馴染めない辛い時期が続きました。

コロナ禍では親子ともに不安とストレスに晒され、得意だった算数の成績まで下がってしまい、学習面でも改先生のサポートを受けることになりました。わかりやすい解説と温かい励ましのお言葉が娘の心に響き、何とか苦手を克服することができました。

緊急事態宣言が明けると同時に、娘の目指す志望校に合った内容の授業が受けられるよう、お茶の水校舎に移りました。電車や車で片道1時間~1時間半かけて一緒に通い、講習会時は送迎のため2往復する生活をつづけ、受験本番を迎えました。

年間を通して桜蔭コースに在籍し十分な対策をして臨めたこともあり、第一志望の桜蔭をはじめ、渋幕、市川(特待)の合格を頂くことが出来ました。

今振り返ると、4年生までは複数の習い事と塾の勉強を両立し、5年生では全ての習い事をきっぱり辞め、塾の勉強に専念し、どんなに辛くても時間を捻出し計画的に予習復習をこなしました。親から見ても娘は本当によく頑張りました。

私たち両親は娘が勉強に専念できる環境づくりと健康維持を最優先に夫婦で協力しサポートに努めました。そうは言っても、夫婦間、親子間で大喧嘩することも、忙しさゆえ十分なサポートが出来ず、悩む事も多々ありました。

そんな時、塾以外に本音で相談できる改先生の存在はとても大きく、心の支えとなりました。そして合格を一緒に喜んで下さった改先生に、改めて家族一同心より感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

 

Sさんのお母さんの体験記

■改先生への相談・サポートの感想・レビュー

改先生には、6年夏にはじめて相談し、その後、成績が秋から成績が伸び悩み、指導をお願いすることになりました。

お願いしよう思った理由は、色々な中学受験関係のブログを検索している中で、改先生は、内容がとても客観的で落ち着いた文章だと思ったからです。我が家は初めての受験で情報もなく、母親は子どもに対して感情や主観が強いと思っていたので、経験豊富でデータ分析をしている改先生のブログは自分の感覚でとらえていたことが数値化されていたり、とても参考になっていました。

実際に分析や指導をお願いしてみて、淡々と落ち着いて話してくださる先生のご指導は、子どもにとって受け入れやすく素直に聞ける内容でした。親子でケンカしながら話し合う無駄な時間もなくなり、少しずつつまずいていたところが解決し、力がついていきました。そして何度もやり取りを重ね、前日ギリギリまで伸びていたと思います。

また、オンライン指導は、わからない問題を1問ずつ答えてもらえ、子どもが困ったときにすぐに解決できるので、わからないことが後回しにならず、集中力がたもてました。親も、塾の先生以外の意見が聞けたこと、本番当日までのスケジュールやメンタルの保ち方などの相談にのっていただき、本当に心強かったです。

特に合格の決め手となったのは、1月の押さえ校もしっかり対策をしたほうが良いとアドバイスをいただき、真剣にのぞんだ結果、東大コースに合格できたことだったと思います。そこから2月校の勉強に集中でき、強気で挑めました。そしてその結果、あこがれの志望校にも合格できました。

改先生にはお世話になり合格まで導いていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。

■これから受験する方へのメッセージ

子どもは合格を信じて一生懸命勉強します。塾の先生方は御三家を受けてほしいし、落ちそうだとは言いません。どうか親は冷静に情報を集め、分析し、1つでも多く子どもに合う学校を探してあげてほしいです。

うちは子どもの強い希望でチャレンジし合格をもらえましたが、もう少し早くから、しっかり分析してあげていたら良かったと反省しています。塾とは別の教育相談や分析を考えるときは早めに思い切ってされることをお勧めします。

 

Tさんのお母さんの体験記

■こうしておけばよかったと思うこと

体力が必要だった。もともと非常に小柄だったのもあり、塾から帰ってくると疲れていて、その日やったことの復習をする、という習慣が付けられなかった。算数だけ、ほんの少しでも復習ができるとよかったが、とにかく早く寝かせたかった。

本人に任せすぎていた。「宿題はやった」の意味が、ただ解いた、ということだと6年生のはじめに分かった。いつも、算数の先生に「理解はしているけれど定着していない」と指摘いただいていたが、先生の鮮やかな解説を聞いて分かったつもりになっていただけで、実際に自分で解けるようにしていなかった。親がきちんと確認・対策をするべきだった。

親が一度解きなおせば理解していると考えてしまっていた。これは6年の途中まで。GWあたりに取り組んだ算数の4科のまとめは解きっぱなしだった。後半にやったように、何度も取り組んで自分のものにしておけばだいぶ違っていたのではと思う。

過去問の最新年度を併願校は特に12月に終わらせるべきだった。1月に入って新たな過去問を試験形式でやって、思った結果が出ないと不安。

市川は、本番の受験が校舎で行われないので、5年生のうちに必ず一度本人が行っておいたほうがよい。1月校までは回る時間がないかもしれないが、最後の最後、市川と城北/本郷の選択になった場合、市川を選ぶと息子と決めていたが現実問題通いきれるのか不安が残った。

■あまり必要なかったこと

必須のことすらできていない状況だったので、必要なかったことはあまりない。ただ、4~5年時、組分けの前に、それなりの時間をつかって理科や社会をやらせていたが、今考えれば4年はとにかく算数、算数でよかった。

姉の時に一度塾主催の合宿に参加したが、生活リズムを乱す悪影響の方が大きく不要と判断、息子の時はいっさい参加せず。

■予想外や想像以上だったこと

6年生になっても、条件の読み違い、勘違い、計算間違い等々で、出来るはずの問題をボロボロと落としていたこと。それもあって特に算数で成績のムラやばらつきが想像以上に大きかった。男子だからなのか、生まれ月の問題もあるかもしれない。演習を徹底することで改善してはきたが、最後まで悩まされた。

「麻布は問題に慣れるまで数カ月かかる」それまでに過去問をほぼやってしまうので、過去問で合格に近づいているのかどうかの感触を得ることができない。理社の先生は記述に点をつけることはなさらなかった。

「男子は最後まで成績デコボコ、そして御三家は運の要素が大きい」覚悟してはいたが、想像以上だった。1月14日の最後の学校別週テストは13人中11位。姉の時の数倍心配と疲れがあった。

「試験は水もの」これも想像以上だった。栄東は難関校止まり、海城②は過去問の相性もよく模試の合格可能性も80%がほとんどだったが、落とした。麻布合格も運の要素が大きいと感じている。

■やってみてよかった、役に立ったこと

まずは勇気を出して改先生にご相談したこと。私自身、それまで偏差値を見て一喜一憂するだけだったのが、個々の問題レベルまでブレイクダウンして、できない問題をつぶしていこうというマインドセットに変わった。

算数は6年の途中から、問題群を決め完璧にマスターするまで何度も回す、という方法で算数を強化した。基本的な手法だと思うが、我が家では徹底できていなかった。

9月に算数の夏期講習テキスト、10月の合不合までに演習問題集の●問題、麻布の速さ問題、追い込み期には麻布の過去問。間違った問題を問題集からコピーし、1問ずつ、ルーズリーフの表に問題、裏に答えをはり、自分だけの問題集を作ったところ、隙間時間に取り組めてよかった。追い込みでは、麻布の算数過去問も10年分、同じようにすべて自力で解けるようにした。

改先生の勧めでおこなった一連の演習/自習。麻布の速さ問題の対策。先生にこれまでに受けた模試などから15問ほどピックアップしていただき、解く➞わからない/間違った問題は解説いただく➞自力で解く➞数日してまた自力で解く。をくりかえした。

12月から、理社の定着(コアプラスを利用)をプログラムに入れた。「最強の社会」「最強の理科」。記述の多い学校にはお勧め。

1月、算数について、自塾の計算に加えて、基礎トレーニングの1行問題をおこなった。6枚1セット。知識の確認と、出し入れをポンポンできるようにするため。

市川の試験直前に、理社だけは多めに過去問をこなした。受けない第2回の直近2~3年分。理社の配点が高い市川では安心材料となった。

受験期に親のやることとしては、徹底したシミュレーションと細かい行動計画をたてたこと。1月校をふくめ、すべての学校について合/不合双方を想定して、次のアクションを考えた。不合格のシミュレーションをするのは心理的負担が大きいが、備えれば備えるほどつらい結果というものは遠ざかるはずだと言い聞かせて、シミュレーションにより不合格を疑似体験した。
1日~4日については献立も予定して買い物を済ませておいた。おでん、シチューなど、温かく消化もよさそうなメニューにした。

■特に困難だった時期と、その乗り越え方

6年生の4月から6月。コロナで塾が休校になってしまった時。ペースメーカーでありモチベーションでもあった塾がなくなると、受験に向かう気持ちを支える手立てがなく、本人も親もやる気を喪失。受験自体もうやめてしまおうか、と考えることもあった。塾の再開後、成績が下がってしまったことをしっかり受け止めて、夏期講習期間を活用してなんとか復調することができた。

■相談、サポートの感想、レビュー

コロナ禍によるお休み期間の成績低迷を乗り越え、なんとか麻布の学校別コースにも合格できた9月。模試もはじまり過去問も徐々にスタートしよう、というタイミングになってもなお、算数でミスや穴が目立つ状態に悩み、思い切って改先生にご相談しました。

数日後に非常に詳細な分析をお送りいただき、驚きとともに、なるほど親の方が1問1問という粒度でアプローチすればよいのかと目から鱗でした。基本の徹底は塾からも言われるし、いろいろな本にも書いてありますが、なかなか徹底はできないもの、と思い込んでいました。

親自身が問題を自分で解けず難易度もわからない状態だと、成績はブラックボックスに近く、成績上下動の理由がわからないまま、偏差値を見て一喜一憂することになります。私にとっては算理の問題がそうでした。

でも、自分で解けなくても、どこで躓いているのかは解答に至る道筋を見ればある程度わかる、ということを改先生のブログで教えていただいて間違った問題をみていったところ、息子の場合は、穴もさることながら、条件の勘違い、転記間違いなどのミスも多発していることが見て取れました。

その後、塾から宿題としていただいていた問題群につき、自分で完全にできるようになるまでやることを徹底したことで、算数の成績が少しずつ安定していったように思います。改先生のサポートは、対面ではないので息子は当初、少しとまどっていましたが、お送りいただいた解説動画などを拝見し、そのわかりやすさに驚き、徐々に頼りにするようになりました。学校や塾から帰るなり、「改先生から何か来ていない?」と聞かれることもよくありました。

塾の先生からも算数の定着が悪い、というお話は面談などでしばしば伺っていました。ただ、私の聞き方が悪かったのか、実際何を、どのレベルまでやりきるべきか、というアクションまでは明確にできておらず、今のやり方で大丈夫なのだろうかとモヤモヤしていました。

ですので、改先生に方向性を示していただいてなんとなくの道すじが描けたことは非常な安心につながりました。12月には、麻布で必須の速さの問題をまとめて演習、解けなかった問題につき、解説していただき、自分で解く、というサイクルを何度か回し、自信をつけることができました。

そういった実体面もさることながら、実は私のメンタル面でもっともありがたかったサポートは、テスト結果に動揺したときに気軽にLineでご相談させていただけたことです。

9月以降は模試なども多く、一つ一つのテストで一喜一憂しても仕方がないと頭では分かってはおり、実際に塾に相談するほどのことでもないのですが、親はやはりアップダウンします。先に改先生にご報告し、冷静かつ前向きなメッセージをいただくことで子供と話す前に感情を和らげることができたのは親子ともに良かったと思います。

男子は成績に波がある、ということは話には聞いていたものの、これほどまでか――と、伴走する側は最後まで気が気ではありませんでした。そのようななか、実力はあるのだから大丈夫、と言っていただけたことで気持ちを立て直すことができました。

また、直前期に学習プログラム案を見ていただき、優先順位の整理や、メニュー追加のアドバイスをしていただいたことは非常な安心材料となりました。1月途中からは学校をお休みすると決めたものの(上の子のときはずっと学校に行っていたということもあり)、家で直前期を過ごすときにどのようなプログラムを組み立てればよいのか明確になっていない状況でした。

なんでも詰め込みたくなりましたが、これはこういう理由で優先順位を下げてOK、だがこちらは追加したほうがよいと具体的にアドバイスをいただきました。算数の基礎トレなど追加いただいたメニューは、なかなか自分では気づかないもので、大変役立ったと感じています。

調子のよい時には十分に合格できる力を持ってからがスタートで、1月に大事なことはその力を本番で発揮するためにどう整えていくべきか、というメッセージも印象にのこっています。

塾の先生の校門前での応援などがなかった今年、受験日の朝、それぞれの学校ごとに気を付けるべきことをメッセージにしてお送りいただいたことも、試験に向かう不安が和らげ、マインドセットを整える効果があったと思います。最後まで薄氷を踏む入試でしたが、改先生のおかげでなんとか運を引き寄せられたのではと思います。本当にほんとうに、ありがとうございました! 

 

塾の合格実績の見方:模試受験者占有率と在籍者の合格率の推定

前回記事の掲載後、結構合格実績についてやり取りをする機会があったので、記事にしておきます。まず、どの塾でも合格に必要なことが載っているテキストはあり、上位校合格者もいて、合格までにやる内容は同程度なので、自分に合うかどうかが重要です。

塾の合格実績は、雰囲気とか同じ塾に通う子のレベル感を想像したり、塾内での目標とする立ち位置をイメージする一助にすると良いです。中学を選ぶ際に大学進学実績を見て、どんな進学意識の子が多い学校かをイメージしておくのと同じですね。

他塾の模試を受ける必要の度合い

下は3大模試の受験者数と、その模試の受験者の1日実施の1回入試校10校の合格数を表にしたもので、左から合格数、合計数に占める割合、80偏差値です。

在籍はSAPIXと早稲アカは開示していますが、四谷と日能研は不明で、一応母体となる塾ということでSO=SAPIX、合不合=四谷+早稲アカ、日能研日能研という形にしてあります。

 

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SAPIX生のうち約2割は、この10校のいずれかの合格を掴んでいることになりますね。合不合勢からは9%、日能研模試からは40人に1人くらいです。合格者に占める割合は、SO受験者(5):合不合受験者(4):日能研受験者(1)です。

で、SAPIXの上2割と、早稲アカの1割や四谷の7%に入る難しさに、大差はありません。入試で通用する実力をつけるための学習量は同じなので、カリキュラムの速度や講師との相性、通いやすさなどが大事。

この合格者数を在籍上位層と仮定して偏差値換算すると、SOの21.6%は58以上、合不合の8.9%で63.5以上、日能研の2.6%が69以上に相当するイメージです。もちろん、1日校の中にも2回実施校はあるし、偏差値順に上から全員が受験するわけでも、必ず実力順に合格するわけでもありませんが、自塾の中でこのあたりにいれば、1日の勝算はそこそこ高い。

で、偏差値比較でSO58になっている入試(渋渋、中等部など)は合不合では62〜66なので、この2つの模試は結果との整合性が取れている印象ですが、日能研R4は合不合とほぼ同じなのに69相当数しか入れなかったことになり、実態との乖離が大きいと言えます。※この部分も、仮に日能研の在籍を半数とすれば5.6%(偏差値66)、3分の1とすれば7.8%(同64)くらいになり、印象は変わります。

なお、模試の受験者数は、主催する塾の在籍者だけでなく、例えばグノーブルやジーニアスの生徒も受験しますし、主催塾の生徒が他塾模試を受験することも珍しくありません。四谷早稲アカ生でもSO受験者は多いですし、その逆もあるので、この数字も正確に実態を反映するものではありませんが、傾向としては最上位層ではR4の信頼性が少し低いと考えます。

例えば麻布80%はSOで61、合不合68、日能研で67、普通部もSO59、合不合64、日能研65なので、SOや合不合の子は8割通った可能性が高く、日能研の子は5割以下くらいになった可能性がある*ということですね。

もちろん、今回の結果を受けてまた調整するでしょうが、以前から日能研の上位層は薄めの傾向なので、個人的には日能研に通っていて都内上位校を受験する子がいれば、模試だけはSOや合不合を数回受けて、立ち位置を確認しておくことを勧めています。

 

追記:日能研模試には首都圏以外の模試受験者も多数いることについてリツイートしてくれた方がいました。

そうなんですよね。例えば関東受験者数を半分として数字を出せば率は5.2%、首都圏エリアの日能研在籍数は3分の1くらいと考えれば7.8%になります。%だけでどっちがどうという判断ではなく、1日校への合格者数が少ないので、合格者が多く出ている模試を受けると立ち位置がわかりやすいくらいのイメージです。今後もなるべくわかりやすく、誤解は少なくなるよう工夫していきたいと思います。

 

次は、左から模試の受験者数、今回の対象校78校に合格した数、1日の1回入試校の合格者数に占めるそれぞれの模試の割合です。受験者数は1:2:2という感じですが、全体の合格者数は合不合、1日上位層ではSOが強く、日能研は大きく凹んでいます。ここからも、日能研模試受験者層とSO受験者層は逆方向に厚くなっていることがわかりますね。

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次は、一昨日のデータで難度順に分けたグループ別での、合格者占有率を、2021年と2020年で並べたものです。合不合は安定して4〜5割のシェアを持ち、SOは第一グループで明らかに強く、日能研はどのグループでも前年比で落ち込んだことがわかります。

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なので、志望校を検討する場合は、最上位層ではSO、Y50以上は合不合、Y50以下では日能研や首都模試の結果を参考基準にすると良いでしょう。

在籍者の何割くらいが難関校に届くレベルか

次は、在籍者数を出している塾の、1日1回入試校合格者数と在籍数に対する割合です。希学園SAPIX、グノーブルは約2割、ワセアカとジーニアスが約1割。灰字にしてある四谷は合不合受験者数から早稲アカ在籍数を引いたもので、日能研日能研模試受験者数なので、在籍数が実数より多めになっている=率は低く出ると考えられますが、それにしても頭の3塾は高い割合ですね。

 

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で、この中のかなりの受験生は、他日程の合格もダブル、トリプルで取るわけです。なので、基本的には上位の3塾は2割(塾内偏差値58超)、次の2塾は1割(塾内偏差値63超)くらいの子は、上位校での合格期待値が高いことになります。

次の表は、単純に難関校の合格数を合計したもので、これだとサピや希の子は7〜8割がこの帯に合格、四谷早稲アカでも3人に1人くらい合格するように見えなくもないですが、実際はほぼ1日校を取る子が複数合格を取っているケースがほとんどです。

なので、単純に合格実績でレベル感を見たいときは、1日入試が1回だけの学校の合格数で見ると良いですね。

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重複もある合格数自体は、塾のノリを知る程度

TOMASやenaはメイン塾との併用も多く、TOMASや栄光は全国学習塾協会規定の30時間以上、enaに至っては10時間以上の利用者をカウントするので、合格者数も他塾との重複が多くなります。

例えば、この実績リストに入れている塾の多くは、「開成○名」「桜蔭○名」みたいに大きな文字、偏差値が下がるごとに文字も小さくなっていく仕様のところも結構あります。そういう文化の塾ということですね。ホームページの合格者数掲示は以下のようなスタンスです。

 

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一定程度の合格数を出したことのある塾ならそれなりのノウハウはありますし、合格数自体は実態も明確に見えないだけでなく、指導の腕以上に受験生次第の部分が大きいです。実績高い=家庭が教育にお金と熱量を注いだ優秀な子が集まりやすいというだけなので、あまり派手な数字や見出しに振り回されないようにしましょう。

塾だけでなく、校舎やクラスによっても相性はあるので、なるべくやりやすい環境を見つけて、あとは自分比で学力を積んでいくことを意識して塾を活用できると良いですね。

2021年中学入試合格実績の各塾の比較 暫定版(SAPIX/四谷大塚/早稲田アカデミー/日能研/栄光ゼミナール/TOMAS/市進)

2月15日までに公開された各塾の合格実績比較暫定版です。今年も合格実績比較のページへのアクセスがかなり増えてきたので、比較できる78校分を暫定公開します。

今回の対象校の総合格者数では、1位はSAPIXで12,176名(-204)、2位の四谷大塚が9,030名(-275)、3位の早稲アカが7,580名(+477)、4位の日能研が6,860名(-822)となっています。以下、TOMASが1,342名(+79)、栄光ゼミナール1,336名(-472名)、市進1,078名(-145)です。

あと3月の最終版まで合格者は増えますが、現時点でもSAPIXは特に上位層で強く、コロナ対応で先んじた早稲アカが躍進しています。TOMASも上昇傾向で、逆に日能研と栄光ゼミナールは苦戦したと言えるでしょう。

また、合格者が全体で5割くらい多く存在する不思議現象は今年も続いていて、例えば今年の開成合格者398名に対し合計は552名です。比較は偏差値順に3ブロックに分けてみます。

まず、第一グループは1位がSAPIXで4,695名(-3)、2位に早稲アカが入り2,151名(+106)、3位は四谷大塚で2,101名(-125)、4位の日能研が1,161名(-197)です。SAPIXは2位と3位の合計を上回る圧倒的な数字で、大きく伸ばした早稲アカが2位に食い込んでいます。

10人以上の増加校は、SAPIXが麻布、早稲田、普通部、早大学院、渋幕、筑附。早稲アカは早稲田、駒東、豊島岡、雙葉、洗足、渋幕、渋渋。四谷は早稲田、フェリスで、日能研は駒東のみです。

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第二グループでは1位はSAPIXで5,558名(-168)、2位の四谷大塚が4,399名(-234)、3位が日能研が3,806名(-507)、4位の早稲アカが3,669名(+117)。この帯になると四谷が強くなってきて、日能研も上がってきますが、この層で特に大きく減らしたため、早稲アカとの差が小さくなりました。

10人以上の増加校は、SAPIXが芝、サレジオ攻玉社逗子開成立教女学院東邦大東邦、青学。四谷は東邦大東邦立教新座、開智。日能研攻玉社逗子開成鎌倉学園。早稲アカは桐朋立教新座、都市大、浦明、淑徳与野明大明治、開智でした。

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第三グループでは1位の四谷大塚が2,530名(+84)、2位はSAPIXで1,923名(-33)、3位の日能研が1,893名(-118)、4位の早稲アカが1,760名(+254)でした。

10人以上の増加校は、四谷が成城、東洋英和、大妻、共立、山脇、品川女子、神大附、芝浦工大柏、専大松戸SAPIXは晃華、山脇、中大横浜神大附、法政。日能研は香蘭、共立、日本女子、山脇、芝浦工大柏、成蹊。早稲アカは巣鴨学習院、成城、東洋英和、横浜共立、晃華、大妻、共立、山脇、品川女子、神大附、芝浦工大柏、専大松戸となっています。

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TOMAS、栄光ゼミナール、市進の数値も入ったPDFは以下からご覧ください。

2021年中学入試 各塾合格実績比較 暫定版


東京一工国公医にクラスから何人くらい合格するか

先日掲載した「40人クラス換算で何位くらいまで」というデータが好評だったので、東京神奈川の高校受験で進学できる公立高校も入れた表を載せておきます。

40人あたり換算で、学校によって1クラスの人数も異なるので、実際の人数に合わせて読み替えてください。進学先でどのくらいの成績を目指すのか、ひとつの目安に。

有名国公立には旧帝大の北海道、東北、名古屋、大阪、九州、難易度が同格の神戸、首都圏近郊国立の筑波、千葉、医科歯科、東京外語、横浜国立、お茶の水、電気通信、東京学芸、東京農工、公立の東京都立、横浜市立の17大学を選んでいます。細かいデータは最下部のPDFをご覧ください。

 

2022年版はこちら

東京一工国公医にクラス10人以上の18校

高校から入れる公立では、日比谷と国立の2校が入りました。

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東京一工国公医にクラス5人以上の26校

高校から入れる公立は、高校受験の西、横浜翠嵐、湘南、戸山に、高校受験ありの都立武蔵を加えた5校です。

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東京一工国公医にクラス2人以上の30校

高校から入れる公立は、高校受験のみの八王子東、青山、新宿、柏陽、川和、厚木、立川に、高校受験ありの両国、大泉、富士、市立南を加えた11校です。

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東京一工国公医にクラス1人以上の34校

高校から入れる公立は、高校受験のみの小山台、国分寺駒場、三田、竹早、多摩、小田原、横須賀、相模原、横浜、平塚江南、高校受験ありの都立白鴎、横浜市立YSFH、川崎市立川崎の14校です。

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東京一工国公医の合格率上位40校 

合格比率グラフは、水色が東京一工国公医、緑色が 有名国公立、灰色はその他の割合です。率は卒業数で現役既卒の合格数を割ったもので、毎年スライドしていくので、だいたいの進学先のイメージとしては遠くないと思います。

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東京一工にはちょっと届かない層の選択肢として、都内私学は早慶私医を選択する子が多めなのに対して、神奈川や千葉の高校は地元の横国千葉大、公立高校や上位女子校も国公立志向が強い傾向があり、有名国公立までの合計で並べ替えると下のようになります。

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早慶私医や海外など、学校によって色々な空気があるので、受験校として考える場合はそういう部分もイメージしてみると良いですね。

東京一工国公医+有名国公立合格率:男子校

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東京一工国公医+有名国公立合格率:女子校

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東京一工国公医+有名国公立合格率:共学校 

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東京一工国公医+有名国公立合格率:東京都立・神奈川県立の高校受験高

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難関私立大学を含む進学先比率

私立大学を合格数で載せないのは、こちらの記事でも書いたように、早慶や私大医学部でも合格数の4分の1くらいしか進学しなかったり、GMARCHだと1割くらいのケースも多い=1人で幾つも合格を取るので、進学先での順位をイメージするにはあまり適さないためです。

私立大学への進学数もわかる高校のみ、グラフにしてあります。 難関私大には青山、学習院、国際基督教、上智、中央、東京理科、法政、明治、立教の9大学をカウントしています。早稲田と学習院女子は半数が上の大学に進学するので、そこが突出した形になっていますね。

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主要大学合格数一覧PDF(進学数非開示の学校は私大未入力多数)

 


2月4日以降に出願可能な中学入試

タイトル通りです。画像は締切日で3ブロックに分けてあり、PDFには最寄駅やホームページURLも入れてあります。締め切りや出願条件など備考欄ではカバーしきれない内容もあり、誤りもあり得ますので、ご利用の際には必ず公式ホームページの募集要項などをご確認ください。

別:男子校、女子校、共学校

地:東京、神奈川、千葉、埼玉

Y:四谷大塚80%偏差値

首:首都圏模試80%偏差値

締切:出願締め切り日(主にWEB出願ですが、窓口で当日受付可能とか通知表のコピーが必要など、様々な条件があるので必ずホームページでご確認ください)

入試:入試日(pがついているものは午後入試)

男子用

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女子用

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PDF

https://e-tutor.tokyo/data/20210204/4日以降出願可能女子用.pdf
https://e-tutor.tokyo/data/20210204/4日以降出願可能女子用.pdf

 

https://e-tutor.tokyo/data/20210204/4日以降出願可能男子用.pdf
https://e-tutor.tokyo/data/20210204/4日以降出願可能男子用.pdf

中学受験のゴールは、次への通過点

明日になれば、東京・神奈川の入試が始まりますね。今年は新型コロナウィルスの影響で手探りや変更も多く、例年以上に気が抜けない日々だったと思いますが、あと僅か。体調第一で、無事に乗り切ってください。

これから合否も出てきますが、この数日間に親が発した言葉を、子どもは何年経っても覚えています。子どもの脳裏に、どんな自分の姿を焼き付けておきたいか、イメージしてみましょう。

例えば「もっとやれば良かったのに」「自業自得」「お金と時間の無駄」「勉強させてごめん」など、こういう台詞は自慰と自傷ブレンドみたいなもので、誰にもプラスがないし、多分あまりいい顔もしてないですね。

理想や完璧から比べれば違うこともあったかも知れないけど、ほんの5年前に1年生だったにしては、頑張った方です。だから、まずそれを伝える。おそらく子どもも、ボロボロの顔でも「最後までよく頑張った」って言ってくれた親を覚えていたいでしょう。合否に関係なく、頑張ったことは同じ。一番近くにいた親が、それを何より大事に伝えてあげると良いですね。

積み重ねをやめないこと

こちらは、各校からの大学合格実績から、東京一工国公医と、旧帝+首都圏近郊の有名国立大学への卒業生数に対する合格率と、40人あたりにした場合の人数です。やはりクラスの半数以上の4校や10人以上の12校には、憧れの第一志望になりやすい難関が並びますね。そして同時に、ここに入れば安泰とか、ここ以外では望みなしってことでもありません。

例えば、②の真ん中の成績の子と、③のクラス5位や④でトップを争う子だったら、大学受験時の選択肢は後者の方が広かったりするわけですね。だから、憧れ校に入っても普通以下では、6年後の選択肢は狭くなるかもしれないし、偏差値帯が1〜2本下の学校に進んでも、そこでしっかり上位を取っていけば選択肢は広がるわけです。

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塾に置き換えれば、1組だったら真ん中より前だったらどこでも入れるけど、2組なら上4分の1、3組でも上1〜2割を目指せば良いだけ。4組や5組でもトップを争える子なら、最高レベルまで届くケースも多い。大手だけでなく、個人塾などからでも合格する子はいますね。

高偏差値校に進学するのは、そういう先輩や同級生が多いことや、学習指導や課外活動の充実などのメリットを享受できることが大きいと思いますが、学力自体は個人戦で、日々の積み重ねや取り組む姿勢が大きく影響します。良いハコに入っても努力が足りなければその先は覚束ないし、どこの学校でもしっかり積み重ねれば伸びます。

ですから、合否に関わらず、次の目標に向けて一歩を踏み出すこと。本人がリベンジとか思うのは好きにさせれば良いですが、周囲が押し付けるものじゃありません。自由な学校生活を送りつつ将来の可能性を広げるために、また一歩ずつ歩みはじめることが大事です。

ここに載ってる学校だけの話ではなく、例えば公立ルートからでも、どこの何番あたりの子がどんな進路に進んでいるか、その位置からはどんな視界が広がるのか、いつでも教えてあげられるようにしておくと良いです。合格比率のグラフなどは下部に入れておきますね。


なんのための勉強か

勉強ってなんのために必要だと伝えていますか?個人的には学力と、それを得る努力の方法を身につけるためだと思っています。学ぶことは、先人の知恵を自分のものにすること。多くを学ぶことは、寿命が延びることにも通じる価値があります。

何も学ばないヒトが、一生のうちに石器と壁画に辿り着いたら大天才。現代の先端で思考や創造を働かせるには、過去の遺産は活用しないと闘えない。大きな土台を築いた先に、やっと個を載せるところに辿り着くわけです。

だから、学ぶことは思考力や創造力と逆行しません。基礎基本、色々な解法や知識、そういったものを活用できるようになってこそ、より深く鋭い思考ができる。自由な発想を抑えつけられたり、失敗を糾弾されるような環境は芽を摘みますが、学業に勤しむことで視野や発想が閉じるわけではないです。

一般向けのメディアやウェブ記事を気にするのは止めましょう。あれは1千万人に向けて喋ってること。全員が中学、大半は高校まで進む中で、勉強が嫌い、挫折した、強制された、そういう経験を持っている人は多いから、その話のネタを投げてるだけです。スポーツの野次とか芸能人の不倫みたいな消費娯楽の一部であって、ガチで闘ってる人に向けたものじゃない。

人目を惹くために、恐怖煽り&断定調&ラベリングを最大限活用。○○が危ない、本当の○○、真の○○、○○の人の三つの特徴、、、とかね。本当の〜真の〜とか言いだしたら「あぁ、一般向けのビュー稼ぎ(ガチ層は読む価値なし)の記事だな」くらいに思っていればいい。

塾や作戦、本人の意欲に親の関わり、後付けではなんとでも言えるけど、どれもイマイチでも勝つときもあれば、しっかりやって負けるときもある。相手のある競争や勝負事になれば、当たり前のことです。

人の言葉や話す内容は一定ではなく、聴衆や読み手を意識します。まして商業メディアなら、売上も大事な目的のひとつ。どんな経歴や知見の持ち主かはあまり重要ではありません。誰に向けて、何の目的で話しているのか。論説文の読み解きと同じで、そういう構造を考えたり、俯瞰で見るのも大事ですね。


背負い込まないこと

もし不本意な結果だったとしても、何もかもを背負いこむのはやめましょう。勝ちも負けも子どもの結果、親が奪うことじゃないです。親がどれだけ苦労しても、どれだけ悩んでも、そんなのは闘ってる子どもには関係ない。自分もそうだったでしょう?順番です。ちゃんと子どもが結果を受け止める、支えになってあげれば良いし、自分なりの愛情で見守っていればいい。

ショックは分けあっても良いけど、本人に親、塾や周りの環境、それに運も影響しての結果です。だから、後悔は小さくしましょう。ゼロでなくても、反省点に変えて前に向ける。闘わせた責任は、謝罪や代償行為で負うものじゃないです。頑張りを認めて、自分の力で選び取るようになるまで、もうしばらく背中を支えてあげる。

子どもの選択肢や可能性を広げるために頑張ってきたなら、ここからが大事です。ひと息も入れずに突き進めってことじゃないけど、勉強を嫌いにさせたり、挫折感を増幅させて肩に乗せるのは目的と違うはず。

中学受験はひとつの短期目標です。そこを目指して競争があるから継続できるし、その過程で学力と努力を磨いてきたわけです。今の結果は、どんなものであれ途中経過、階段の初めの方に過ぎませんが、努力を積み重ねて得た学力と努力は、この先も力になる。

旅に出るなら、ホテルや旅館、交通機関、レジャー施設から飲食店まで、いろいろと調べて、より良いところ、満足できそうなところを探すのは良いですね。そして、実際の旅では、そこがどんなルートであれ、楽しむことが大事。文句タラタラ、がっかり失望、そういうノリでは楽しめない。

学校も、そういう外的な要素のひとつです。良いところにはそれだけの価値があるけど、それ以上でもそれ以下でもない。どこで何をどう楽しむか、どんな旅になるかは、自分たちで決めていくことです。

受験が終われば、また6年の2000分の1が始まります。20日過ぎれば1%を失い、200日過ぎれば1割を失う。その分、後ろの負荷が重くなり、届く範囲が狭くなる。6年を楽しく、いろいろ欲張って乗り切るには、隙間時間に勉強する姿勢なんかも、かなり大事です。そのために、凹みも浮かれもほどほどに、次のスタートを切りましょう。

将来自分の選んだ道に進む時に、学力や体力や気力や努力、いろんな力が助けになる。だから目指すことが明確でないなら、とりあえず頭と体を鍛えておいて損はないです。せっかく積み上げてきた力は、繋げていけると良いですね。

 

大学合格データ

男子用と女子用の合格比率グラフは、水色が東京一工+国公立医学部、緑色が旧帝大+首都圏近郊の有名国立大学、灰色はその他の割合です。率は卒業数で現役既卒の合格数を割ったものですが、結局毎年スライドしていくので、だいたいの進学先のイメージとしては遠くないと思います。

私大合格数は、対象校からは合格しても早慶で3〜4人に1人、理科大や法政に至っては10人に1人くらいしか進学しないので、国公立に絞っています。細かい数字を見たい方は最後のPDFをどうぞ。

進学数がわかる学校のみ、私大の合格数も比較表を入れましたが、ここでは早慶+私大医学部をひとつのグループにして、もうひとつの難関私大の方に上理ICUとGMARCHを入れてあります。

よく「早慶上理」とか「早慶上理ICU」と括られることもある大学ですが、上智は私大医学部や青学立教より合格数に対する進学選択率が低く、理科大GMARCHのうち法政以外の全てより進学選択率が低い、そしてICUは合格数自体がかなり少ないといった理由で、この表では早慶とは別枠にしました。逆に私大医学部の方は、学校の偏差値帯に関わらずほぼ4人に1人が進学を選ぶため、早慶と同じグループにしてあります。

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こういう数字は選び方ひとつで印象は変わりますし、成績上位でもお茶の水などの女子大や海外大を選ぶ子もいます。また、同じくらいの学力層でも、都内校だと早慶などに向きやすいのに対し、千葉・神奈川校からは、身近な千葉大横国大を目指す傾向があります。まぁ学校が次の進学先を保証してくれるわけではないので、参考のひとつとしてご覧ください。

男子用

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 女子用https://e-tutor.tokyo/data/20210131/gf.png

 

 私大進学率入り

https://e-tutor.tokyo/data/20210131/ga.png 

大学合格進学データ(PDF)

 


塾による偏差値の違い 2021年度中学受験用最終版(女子) SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

各塾の偏差値比較の女子最終版です。男子以上に偏差値の上下動が少なく、2塾で上昇したのは鷗友と山脇の2校だけとなりました。

塾による偏差値の違い

抽出対象はSAPIX第4回合格力判定SO、四谷大塚合不合6回、日能研12月R4、市進9月、首都圏模試1月です。日程別でも掲載しています。

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こちらは日程順です。

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春との比較で上下動のあった入試

鷗友は2月1日、3日ともSOと合不合で上昇。山脇は1日午後と4日で上昇しています。他には男子でも上昇が見られた1月21日の千葉日大第一が日能研で上昇して、2日の吉祥女子と法政第二が2塾で下降したくらいで、大幅な変動は見られませんでした。

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分布イメージ

SAPIXの偏差値55以上の層は、四谷日能研の偏差値63以上の層とほぼ被っていて、S45〜54の中間層が、YN55以上と重なる感じです。本記事で首都圏模試50未満の入試が出てこないのは、SAPIXの偏差値表になく比較できないためです。

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御三家クラスの学校に入学すると、塾の学校別クラスの上2割+その下の中間層5割から1〜2割という感じになります。Y60くらいの学校には、学校別クラスの中間層〜下2割の子が多くなり、他のクラスからも入ってくる感じですね。

Y50でも首都圏模試の上1割くらいですから、小学校では上位層の子たちの集まりです。入試偏差値の数ポイントより、入学後の姿勢がその後の学力や進学先に大きく影響を与えるので、入試がゴールではないというイメージを親がしっかり持つことも大事ですね。