偏差値60の壁なんてない

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塾による偏差値の違い 2022年度中学受験用 結果偏差値版(男子) SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

2022年度の入試に向けた各塾の偏差値比較、男子版です。抽出元は志望校判定SO1回、四谷大塚2021結果偏差値、日能研2021結果偏差値、首都圏模試4月予想偏差値です。※市進は昨年9月版

今回は、入試結果を受けての偏差値の変動や、SAPIX偏差値表には出てこない層までカバーした表などもPDFで掲載してありますので、興味のある方は閲覧してください。

 

各塾の偏差値比較

偏差値降順

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日程順

https://e-tutor.tokyo/data/20210505/s2.png

 

SOと市進9月を含めた201入試回での比較表

偏差値比較一覧抜粋(PDF)

偏差値比較一覧抜粋日程順(PDF)

 

市進を除き、SO非表示層も含む最新452入試回での比較表

偏差値比較全一覧(PDF)

偏差値比較全一覧日程順(PDF)

 

入試前最終偏差値との比較

こちらは、各塾の偏差値帯に入っている入試数の増減を表にしたものです。

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偏差値増減状況(PDF)

YNは結果偏差値のため合計掲載数は減っているのに中層以上の帯全てで増加していて、全体としてやや難化傾向にあると言えます。また、上がり過ぎたところの調整程度はあるものの、今年も大学付属系属校は安定して人気が続いています。

高輪、巣鴨、世田谷などは算数午後入試の導入→高偏差値入試回を作る→全体の底上げの成功を継続しています。広尾学園や開智日本橋なども同様の戦略で、同時申し込みだと複数回入試も割安になったり、入学手続きの締切を他校の合格発表を待てる6〜10日頃に設定するのも特徴です。

一般的な受験生保護者は、それほど多くの学校は知らず、偏差値表で学校名を眺めてから調べる順番になるため、特に上3分の1=偏差値55以上のところに学校名を出すことは大事で、偏差値表自体に広告露出同様の効果があります。

私学の設備は多くの公立中と比べると1〜2ランク上で、知って貰えれば魅力的と言える学校は多く、優秀な子が集まれば進学実績も上向きやすいので、こういったビジネス感覚も大事ですね。

入試前の評価より上昇した入試回の多い学校

下は入試直前の偏差値から、更に上昇した56校です。

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特に上昇している6校について簡単に触れておきます。


○青山浦和ルーテル
青山大学系属化後の人気上昇が加速し、Sでは下の中から下の上、YNでは下の上から中の中、首都模試では上3割から上1割へ。とは言え、2020年の青学大への合格数は卒業数の1割ほどに過ぎず、2031年度から卒業生全員の推薦入学を目指す過渡期なので、それほど大学が確約されるわけではない点には注意。

昭和学院
入試や制服なども含めた大改革を進めていて、もともと大学進学実績も悪くないので、まだ上げ幅がありそうな学校のひとつ。都内城東地区からは十分に通学圏です。

○獨協
系列の獨協医科大学をはじめ医学部への合格実績が高い学校。卒業199名から国公立15名、医学部37名、早慶上理ICU39名、GMARCH97名と、偏差値からすると「非常に高い」と言えるレベル。立地も文京区のカテドラル協会や椿山荘付近で、130年の歴史もあり、アクセスのしやすさからも人気が上昇中。

○広尾小石川
村田女子からの変更1年目の注目校は、いきなり50前後からのスタート。偏差値レベル60台で海外大への高い進学実績を持つ広尾学園と同等の教育を受けられるというアピールに、各入試回の人数を極端に絞る戦略が奏功している形ですね。

各回の定員が5〜15名という入試で一般入試募集枠は合計90名、実受験者数1,713名で、合格者数は見通しの7割ほどの341名に留まりました。2日以降は倍率も非常に高く、偏差値をあまりアテに出来ない入試なので、押さえの併願校としてはおすすめしにくいです。入学したければ、合格数を出して倍率も低めの1〜2回で必勝を期すのが良さそう。最終的な80偏差値+5ポイントくらいを目標に頑張ると良いです。

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○目黒日大
日本大学の準付属校化が奏功。山手線目黒駅から徒歩5分の立地で、他の日大附属校と比べてもアクセス面では優位なので、ここもまだ上昇余地はありそうです。

芝浦工大
男子校からの共学化に理系人気も追い風になり上昇。注目のSTEM(STEAM)教育と親和性が高い校風や教育方針、芝浦工大に4割強が進学できて、他大学へも国公立14名、早慶上理29名の合格を出している注目校。山手線内各駅から30分以内という好立地もあり、人気は続きそうです。

 

入試回別で、上昇幅の特に大きい入試回(4塾比較版:平均2ポイント以上)はこちらです。

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上昇幅の特に大きい入試回(全体版:平均3ポイント以上)で並べるとこんな感じ。

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各偏差値帯での増減ポイント数比較

こちらは、各層での増減ポイント数の合計を表にしたものです。A層でSが少なく、首都模試が多くなるのはカバー範囲の影響ですが、今年はNのS〜C層での変動数が突出して多く、事前の見通しと異なる結果になった入試が多いことを示しています。

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偏差値増減①S層

偏差値増減②C1層

偏差値増減③C2層

偏差値増減④B1層

偏差値増減⑤B2層

偏差値増減⑥B3層

偏差値増減⑦A1層

偏差値増減⑧A2層

入試の突破には学力をつけて対策することに勝るものはないですが、毎年こんな感じで偏差値のブレは出るので、「安全校のつもりが競争激化」などのリスクが減るように、各塾の偏差値推移や出願状況などを把握して入試プランを立てられると良いですね。