今年は自粛の影響で大学合格実績が出るのが遅い学校もあり、この時期にしては少なめですが、東大合格者2,672人(86.7%)の出身校一覧です。
まずは全体像。やはり身近な最高学府ということで、今年も一都三県から1,593人、全合格者の約52%、判明分の約6割を占めています。今年も合格者数は開成、東大率は筑駒が1位です。こちらは現役合格数2桁の学校の一覧です。
こちらは東大率と現役率の2桁校。
次は、増加数と減少数を見てみます。
増加数トップ3は桜蔭が+19、渋渋が+16、そして海城が+13となりました。この結果、桜蔭は合格数と東大率で3位、現役率は開成を抜いて2位になっています。女子学院は+6、豊島岡も減らしているわけではないのですが、女子3強の中でも抜きん出た位置にいますね。
減少数のワースト3は、麻布-37、聖光-31、筑駒-26。東大に何名か進学する学校なら、昨年5名から今年は3名とか、昨年3名から今年2名って程度の変動でも、元が多いのですごい数ですね。それでも筑駒は現役率トップ維持、麻布聖光も合格数トップ10をキープしていますが、減らさなかった駒東と栄光、増加数3位の海城とほぼ並んでいる感じです。
科類別に見てみると、やはり桜蔭は理1と文2で5位、他4類では3位に入っています。文2は聖光と浅野がワンツー。灘は相変わらず理系に強いですね。
学校の属性別に見ると、完全一貫校からは879人、併設型一貫校からは948人、高校受験校からは846人。男子校からは1040人、共学校から1404人、女子校から229人です。
これを一都三県に絞ってみると、完全一貫校から759人、併設型一貫校から567人、高校のみの学校からは267人。男子校から819人、共学校から556人、女子校から218人です。
なお、それ以外の地域では完全一貫校から120人、併設型一貫校から381人、高校のみの学校からは579人となっています。京大をはじめとする地元に近い大学を選択する一貫校の生徒も多いため、東大だけを物差しにすることは出来ませんが、全国で見れば中受層と高受層は均等に近くなるけど、首都圏の優秀層は中学受験をする子が多く、それ以外の地域では高校受験からの子も多くなっていることがわかります。
首都圏に限って言えば、中高一貫校が進学に有利なカリキュラムを提供しているだけでなく、そもそも教育に一定の熱意と資金をかけられる家庭の子が中学受験に集中しやすく、そういう環境に恵まれた子がそのまま難関大学に進みやすいことも反映していますね。
逆に言えば、一都三県からでも6分の1は高校受験校から入っていて、併設型一貫校の高入生を含めればもっと増えます。まして中受で第一志望に入れたかどうか程度は問題になりませんから、中学に入ってからの継続的な学習が大事です。
賢い子がしっかり努力すれば、勉強はできるようになります。良い環境を選ぶのは、それを有利にするための一手段に過ぎず、その手段を失ったところで致命的な不利になるわけではありません。東大に限らず、医学部でも海外でも、進学以外の色々な経験でも同じこと。
中学受験はなるべく良いホテルに泊まる程度のことに過ぎないので、目先に振り回され過ぎずにその先で何を学ぶのか、どこを目指すのかを含めて支えてあげられると良いですね。