偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

中学受験組と高校受験組の東大合格率の比較推計と別学共学での合格率など

前回のデータは「東大合格者を出した学校」だけの数値で、全体では一人もいない学校の方が多いですね。全体からの比率を推計するのに、都内の小学生の私立・国立・都立などへの進学数を引っ張ってみました(都外から・都外への通学生もいるので厳密には数が違いますが)。

中高で入試のある併設型一貫校の合格実績は、人数比率で分配推計しています。例えば開成は卒業者数401名、高校募集が100名なので、中学受験組は301名として、合格者数を47人と140人に配分。合格者数1名の学校は、卒業生数の多い方に1、少ない方は0としています。

中学受験組と高校入試組

2013年の都内の小学校卒業生95,149名中、私立・国立・都立などへの進学者は19,784名でした。これをベースにすると、中学受験組19,784名からの合格者は841名、東大率4.25%。これに対し、残りの75,365名からは合格者が270名、東大率0.36%となりました。

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逆に見ると、中学受験回避または失敗でも、高校受験時に都内で上位2,000人くらいに入れば、合格者数2桁で東大率も3%以上の学校に進学できるとも言えます。

該当するのは併設型一貫校の開成、筑駒、筑附、学芸大附属。都立が日比谷、西、国立、戸山、青山で、2016年の高等学校進学者数74,423人の中の上位2.7%(偏差値69)。これらの学校なら、中学受験で上位校に進むのと遜色ない環境と言えます。

もう少し広げて、都立武蔵や巣鴨、世田谷、豊島岡やお茶ノ水なども含めれば約3,600人くらいで、上位4.8%(偏差値67)。 東大合格者を出した学校全てでは約7,000人で、上位9.3%(偏差値63)になります。

別学と共学

もうひとつ、別学/共学でも出してみました。合格者を出した学校を別学/共学と完全一貫/併設型一貫/高校入試校で分類したもので、別学の東大率が9.44%、共学の東大率が2.74%という結果になっています。

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伝統校に別学が多く、そこに優秀層が集中するので、これだけで進学には別学の方が良いとは言えませんが、授業や部活には別学で専念し、異性との交流は塾などの校外や大学に進んでからというのも、悪くはないと思います。

 

細かい数字は以下よりご覧ください。


小学校卒業生数は平成25年度公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成24年度)の進路状況調査編】より出しています。