偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

志望校を決める時のスタンス

塾では志望校・併願校について、チャレンジ校、適正校、安全校なんて選び方を推奨されることも多いようです。大人数を指導して難関校進学実績を稼ぐ一方で、勉強を頑張って来た子には全員合格をあげたい、という思いからの指導だと思いますが、私はこの考え方があまり好きではありません。特に、数回の平均で足りない上に、終盤11〜12月の模試で偏差値が足りないなら、これはギャンブルです。

入りたい学校に確実に入れる努力を怠って、あわよくば上のランクの学校に入りたい、という考えは、学校のブランド=見栄が強く出ているように感じます。中学受験に限りませんが、欲しいものがあるなら相応の対価を支払うべきで、行きたい学校があるならそれに見合う実力をつけるべきだと思います。

私は個々に指導して、確実に合格するところまで押し上げることを目的にしているので、判定80%以上の偏差値を取る→志望校対策を仕上げる、というステップで合格者の中の上位層を目指します。志望校を安全校と言えるレベルを目指すとも言えますね。中学受験は1回きりなので、チャレンジなど推奨しません。

大手塾は基本的に信頼しているので、どの子も6年の11〜12月までは塾に通うことをベースに指導してきました。SAPIXも四谷も日能研もそれぞれ特色があり、テキストの内容が素晴らしい。段階に合っていれば確実に実力が伸びるような、適切な内容と量のバランス。本当に優秀な方達が作成されているのだと思います。

ただ、受験校の選択だけは、塾の言うことは鵜呑みにせず、安全校/安全校/適正校/安全校くらいの選択を勧めます。もちろん、塾講師にもこれに近いスタンスの方もいますが、そうでない方もいます。

もし、6年の春で志望校が決まっていないなら、今の偏差値で80%以上の学校の中から志望校を選ぶことを勧めます。夏で伸びるとか、最後の1〜2ヶ月で爆発する、そういう子もいるでしょうが、その数が少ないからこそ、上位の子がほとんど上位校に進むのです。伸びたら別の学校を探せば良いだけですね。