偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

早めに志望校を決める理由

志望校を決める理由には、その学校を目指すという動機付けもありますし、過去問などの傾向対策を進める意味もありますが、もう一つ大事なのがイメージトレーニングです。

春までに志望校を決めておくと、親は学校説明会と学園祭の2回、校内に入るチャンスがあります。そこで、入試の際の試験会場や待機場所がどこになるのか聞いておき、子供を連れて行った際には教室付近を周ったり、トイレの位置を確認させたりします。

入学後の姿に憧れるのは勝手にやるので、次は戦いにこの場所に来るという下見としてのイメージを持たせておきます。学校によっては、試験に使われる教室は教えて貰えなかったり、実際の会場が変更になる場合もありますから、そのことも踏まえて話しておきます。

それでも、駅から学校に向かう道のりで「受験当日はこのあたりから塾の先生が並んでいるかもね」「きっとサピバッジや四谷のバッグだらけだよ」とか、「お母さんはこっちで待つから、ここでバイバイだね」などと話しておくことが出来ます。どう振る舞うかを予め決めておき、トレースする部分が多いほどスムースに動けます。

他にも、学校に植えてある樹木や銅像などに挨拶をして「また受験の日に来るからよろしく」などと言っておいても良いですし、トイレの鏡に自分を写して「今度ここに来た時は全力を出すぞ」などと言ったりさせても良いでしょう。このあたりは、その子に合ったスイッチを考えてください。

本番では、必ず緊張します。それに対して、緊張せずリラックスして受験しようとは言いません。緊張は良いもの。普段抑えている自分の力を発揮して強敵を倒すために、心と体が戦闘体制に入っている証拠ですから、むしろ緊張がないなら油断しないように気をつける必要があります。「緊張してきたら、本気出す準備が整ったということ。自分の全部が出せる時だよ。ちゃんと緊張できるかなぁ」くらいに話しておくと良いでしょう。