偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

国語の成績を上げる方法

ポイントは3つ。まず、基礎となる漢字、語彙力を上げること。本来は大量の読書と辞書引きで養うのが一番良いですが、受験には頻出漢字がありますので、これを詰めるにはテキストを活用するのが手っ取り早いです。四谷の場合なら「漢字とことば」を毎日10ページのペースで何周もやると良いです。

次は読解力、これは見出し付けと要約で上げます。素材は小学生新聞や、入試過去問の国語の問題が適しています。まず段落ごとに、その段落を一言で言うと何になるか、を考えて小見出しをつけます。次に、見出しごとの接続語や内容による関係性、並列か逆説か、事例か筆者の意見か、という分類をさせましょう。

見出し付けを終えたら、◯字以内という制限を与えて、文章を要約させます。目安は120〜200文字程度が良いでしょう。これを見て、文の本意を汲んだ要約になっているか、単なる事例の羅列などになっていないかなどに注意して、赤を入れてあげます。これは読解と同時に記述力のアップにも繋がるので、特に4〜5年生で時間がある時にしっかり取り組んでおくと良いでしょう。

最後は記述力。これは過去問の記述問題などをやらせます。有名校、難関校の国語過去問を色々用意して、小説、随筆、説明文の偏りなく、数を多くこなすと良いでしょう。

得点は気にしなくて良いので、まず設問を読み、次に本文の設問該当箇所の前後のキーワードだと思うものに必ず傍線や丸を付けながら読み、解答させます。問題にもよりますが、5分〜7分程度で1問解かせ、終わってすぐ採点をし、間違った問題では正答を読み、キーワードに今度は赤線を引きます。

翌日、赤を意識しながら答えを見ずに解答を書いてみます。それでも抜けなどがあったりする場合は正答を丸写しさせます。30分で5問解答+30分採点解説、翌日30分で解答+不正解は更に30分正答写しで、日1〜2時間を続けるとコツがわかってきます。1日に大量にやるのではなく、適量を続けた方が効率が良いです。

目的は、設問に対するキーワードの対応を見つける勘を養うことと、とにかくキーワードをつなげて書き切る能力をつけることです。ピンとこないと書けないとか時間がかかってしまう子は、正解が頭で出来上がらないと書けない、話せないというような癖がついているか、単発的な自分のイメージだけで止まってしまうことが多いです。逆に、国語の解答力の高い子はざっくりこのあたり、というレベルで話を始め、言葉を拾いながら途中でどんどんまとめて行くような処理に長けています。

国語の解答力は、出題者との会話力です。出題者が何を意図して設問しているかにきちんと呼応して答える力をつけるには、その練習が必要です。意図を読む=キーワードを見つけるということになってきますので、語彙力を高めることと、自分の感情に振り回されずに選び出すことが有効になります。

採点基準で言えば、キーワードが全部入っていると部分点が5割以上もらえる可能性が高く、場合によっては文が多少まずくても正答になることもあります。逆にキーワードが抜けていると文章としては良い出来でも不正解になるか、部分点が2〜3割しか貰えないことが多いです。思いつきでも中途半端でも間違っていても、どんどん書いて良い+合っているところが一つでもあれば褒め、全部入っていたら喜ぶといった雰囲気作りが重要です。

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