偏差値60の壁なんてない

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英語は毎日1時間

特に難関大学を目指す場合、受験前の1〜2年間は理系なら数学や物理の理解と演習量の確保、文系なら論述力や社会の深い知識を身につけることにより多くの時間を使う必要があります。

英語は複雑な思考力や応用力といったものがあまり必要なく、発音と基本の文法を叩き込んだ後は慣れと語彙力の勝負になる科目なので、高1までに一定のレベルに上げておき、あとは継続的に語彙力を貯めるようにする方が有利です。

国際化の流れの中で英語必須のように言われますが、この先英語がある程度出来るのが当然の流れになっても、英語が出来ること自体は英語圏の人と競う際の武器にはなりません。語学としてのレベルはネイティブの中高生程度なので、英語圏の人から見ればストロングポイントにはならないわけです。

英語力はタイムラグなく海外の文献に目を通せて、自分の専門分野での論文作成やスピーチが出来れば良いので、TOEIC800台や英検準1級程度の力を付けたら、あとは専門の語彙と話す内容の勝負になってきます。英語が出来るのが当然になるというのは、英語が武器になるのではなく、その先の学問や教養、技術力によって競争していくことを示すのです。

英語の学習には塾などを利用しても良いですが、とりあえず家庭学習で進める場合は最初にフォニクスや英語耳などを使って発音をやり、あとは教科書例文の暗唱、基礎英語の習慣づけ、英検取得の3つを進めると良いでしょう。

教科書例文の暗唱は、授業の予習復習の中でしっかり取り組み、例文ノートを作って何周もすると良いです。基礎英語は毎朝聞いて、テキストを音読しておけば良いでしょう。時間が合わなければCD付きテキストを活用しても良いです。英検は初学者なら中1で4〜3級、中2で3〜準2級、高1の夏前までに2級を取得するペースメーカーとして活用します。

英検の語彙力の目安は3級で2500、準2級で4000、2級で6000と言われています。この程度を習得するのには、数学同様に週5で1時間、年200時間くらいの量を確保すれば可能でしょう。あとは受検前に問題形式に慣れる練習をしておくようにします。

2級取得後は英文の多読をベースに語彙を増やしつつ、YoutubeでCrash Courseなどの講義動画を見たり、余裕があれば準1級を目指しても良いですが、特に価値を見い出せなければ2級止まりでも構いません。あとは受験英語にそれぞれ取り組めば良いでしょう。

先に述べた授業の復習、数学の先取りと合わせて、週に15〜20時間程度の時間を確保すれば継続可能な量なので、受験を乗り越えた子なら必ずこなせます。この習慣を身につけるサポートが子供の勉強や将来に直接的に関われる最後のチャンスになるので、大いに背中を押して、良い学習習慣を身につけさせてあげましょう。