今回は、世界大学ランキングから見た国内大学の知名度などの記事です。
記事で大学合格実績を集計する際は「海外大学」とひと括りにしていますが、世界的な認知度や入学の難しさなどは国内大学以上に幅広いので、いずれ分類していきたいと考えています。
今回の記事では、外から見た大学の評価を把握するのに、主要な世界大学ランキングを並べてみます。
世界大学ランキングでの評価
各ランキングで200位以内に入っている全288大学を、順位でスコア付けしています。日本の大学は6大学が入りました。
★は全てのランキングで東大以上の大学、◎は合計ポイントで京大以上の大学、○は全てのランキングで100位以内に入っている大学です。
各ランキング順位入りの資料はこちらから。
それぞれのランキングの特徴は以下の通りです。
①QS
学術的評判(130,000件)、教員学生比率、論文引用、雇用主の評判、外国人関連比率でランキングしており、5年で1,000以上の論文、1年に150以上の出版物、大学院のみの機関はランキングに含まれないなどの条件があります。3つの中では最も知名度に近い感触になる構成ですね。
QS World University Rankings 2023: Top global universities
②THE
論文引用、教育環境と研究に関する評価、研究収益、論文数、教育環境、外国人関連比率、企業からの収益からのランキングで、QSに比べより細かい収益の項目があります。3つの中ではバランス型と言えます。
World University Rankings 2022
③上海(ARWU,世界大学学術)
ノーベル賞・フィールズ賞の受賞者数、論文引用件数、論文掲載数、教職員スコアでランキングしており、学部がない大学院のみの機関も対象になります。他2つと比べ、学術的権威に集中したランキングですね。
2022 Academic Ranking of World Universities
④THE日本版
日本国内の大学を教育リソース、教育充実度、教育成果、国際性でランキングしており、文系や単科の大学も入りやすくなっています。各世界ランキングでの国内大学の評価は1位東大・2位京大ですが、こちらでは1位に東北大、3位には大阪大学と東京工業大学が並びます。
国内大学の評価
国内の大学の人気度≒入学難易度は就職の強さがかなり影響しますが、海外ランキングでは論文引用などの比重が大きいため、文系や単科、小規模の大学は入試偏差値に比べ評価が低くなります。
国内大学ではQSとTHEの1400位以内、上海の1000位以内に、THE日本版の100位以内を加え、国内大学のみの順位で並べました。濃灰塗りはランク外です。
各ランキングの順位入りの資料はこちらからどうぞ。
次は大学合格実績の分類ごとに見ていきます。
東京一工では、文系の一橋大学が2つのランキングでランク外になり、国内大学全体での順位も54位と、入試偏差値とは大幅に違ったポジションになっています。
旧帝+神戸で括っている6大学は全てランキング入り。資金力や規模は、やはり国内ではトップクラスですね。
首都圏国公立の括り。横浜市大は、この中でTHEランキング最高位など大健闘。学芸と芸大は全てランク外ですね。医科歯科と東工大が統合したスーパーな大学も楽しみです。
早慶はしっかり全てにランクイン。
上理ICU+GMARCHからは理科大が全てにランクインし、中央、法政、国際基督教はそれぞれひとつ、学習院は全て圏外です。
国立大学では広島、岡山、金沢、長崎、熊本、信州、埼玉、徳島の8大学が全てにランクイン。特に広島大学の評価は旧帝に遜色ないレベルですね。
公立大学では大阪市立大学が全てにランク入りしています。各ランキングでは現時点で大阪市立、府立、公立とまちまちですが、いずれは評価も統合後の大阪公立大学に一本化され、更に上昇しそうですね。
私立大学では近畿大学が全てにランクイン。順天堂大学や北里大学、立命館大学などもランキングによってはなかなか高い評価です。
基本的にはやりたいことをやれる環境に進めば良いわけですが、就職やビジネスの視野に海外が入ると選択肢は何倍にも広がりますし、就職のしやすさの面からも「認知度の高い大学」であることは要素のひとつになりますね。
Nature Index 2022での評価
研究面では資金力も非常に重要な要素です。今回のランキングには組み込んでいませんが、Nature Index 2022では、東京大学が2021年の8位から14位に後退し、総合トップ100入りは京都大学、大阪大学、理化学研究所の僅か4機関です。
もちろん小規模な大学や企業でも高品質な研究成果を挙げることはできるでしょうが、就職や研究など組織に属す道を選ぶなら、選択肢はたくさんあると良いですね。