偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

子供に伝える大事な言葉。“あなたは” 絶対に出来るようになる。

親や指導者がブレないことは、子供にとって大事なことです。感情的になることは、弱みを見せることと同じ。大人がどっしりしていれば、子供の不安を軽減できます。で、ベースにすると良いのが、「あなたは絶対に出来る」という言葉。

当たり前のことをもっともらしく言うのは、悪く言えば占い師なんかも使う手口ですが、これはとても効果があります。突き詰めれば、人間は誰でも同じ。繰り返したことは覚えるとか。負けたら悔しいとか。好きなことには集中できるとか。

でも、それを自覚し、それを自分の長所だと認識することで、本当に強くなる。そう思って、そう振る舞うことが人を作ります。

絶対に出来るようになると伝えること。

勉強には正解があるので、勘の良し悪し、早いか遅いかの差があるだけで、出来るまでやれば必ず出来るようになります。それを、“あなたは” 必ず出来るようになる、って伝える。これが子供の栄養になり、親の安定にもつながります。

人と同じペースで進めて、出来るまでやらず、人と比べて早いかどうかに意識を向けると、遅いと「出来ない子」になってしまうけど。人との比較は、人にやって貰えば良い。受験には実質たった数冊分の内容を万全にすれば間に合うので、「出来るまでやる」に意味を持たせることが合格への近道です。

週テストなどに間に合わない理由は、(1)習得に時間がかかる、(2)前提になる知識や技術が足りない、(3)その週の学習量が足りない、(4)授業にしっかり取り組めていない、(5)学習方法が合っていない、などがあります。これらを潰していって、出来るまでやれば、必ず出来るようになる。

そして、それを“あなたは” 必ず出来るようになる、と言ってあげる。やれば出来るのは100%なので断言して良いです。本当は、小学生の半分くらいには通じる話だけど、そこは内緒。「誰でも」ではなく「あなたは」出来るようになる、です。

自分が成長しても、相手も成長するから、勝負に負けることはある。でも、成長すること自体は確実に出来る。英語でも、数学でも、プログラムでも、そのほかの知識や技術でも。人より早く身につけられることは、実はそこまで重要じゃない。ひとつかふたつ研鑽を積んで、それを活かせる場に繋がっていれば、十分に世の中を渡っていける。

でも、勉強でもスポーツでも、子供時代から他と比べ、習得が遅い=劣っている=努力もしない=何も身につかない、を繰り返していると、人に秀でるものを持たない、秀でる努力をする力も身につかないで大人になる。これが一番怖いこと。

努力できれば勝ち。否定は力と機会を奪う。

何かに執着して、人より何倍もの時間や熱量を注ぐことが出来れば、ほとんどの人より詳しく上手になる。それが儲けにつながるかどうかは、パイの大きさや売り方の巧さにもよるけど。メッシや大谷になることは出来なくても、英語ペラペラとか、思いついたプログラムを組めるとか、その程度のことなら努力で手に入る。

何をやれば良いか、英語か理系かプログラムか、学力か非認知能力か。まぁ色んな意見がありますが、一定の知力と意欲のある人が数年もみっちりやれば、大抵のことは戦えるレベルになります。今から10年後は〜ってことも、その更に10年、20年後はまた様変わりしていく。

大事なのは、手に入れるまで努力する力と、人と繋がる力。この二つがあれば、個性がどうでも、早くても遅くても、そんなに困ることはない。人と強く繋がるには、相手を受け入れる力と、自分を素直に見せられる力が大事で、どちらも否定や拒絶からは育ちません。出来るまで待てる親は、否定の力を小さくして、受け入れて肯定する力を育てる影響も与えられます。

自分がどんな人間かは、自分で決めれば良い。

頑張るって言葉は、そこを見張って動かない、気を張るというような意味から来ています。テコでも動かない、というような気持ちや、頑固さとも通じる。人の意見を吸収できないような頑迷さは良くないけど、決めたからには一意専心、何があってもやり抜く気持ちはとても強い。見捨てない。見下さない。最後まで付き合う。そういう頑固さがあると良いです。

自分で「つい比べちゃう」とか「イライラしちゃう」って言っていれば、そう振る舞いやすくなります。でも、子供に頑張らせたいなら、一番身近な自分が手本を示す。「でもウチの子は〜」って逃げはパス。親がそう見切るなら、競争に勝たせることなど諦めないと。

出来るまでやり抜くことは、人生に必ず価値のあること。“あなたには” その力がある。その宝を活かすためには、決めたことを守ったり、粘り強く取り組んだりしないといけない。“あなたは” 必ず出来るようになる。逃げようが、嘘をつこうが、ごまかそうが、ズルをしようが、サボろうが、そんなことで動じない。出来るまで付き合う。

人に何かをやらせるなら、この程度は腹を括りましょう。自分の振る舞いは、自分で決められますね。

 

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