偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

中学受験に挑む子供との接し方 ダラけや甘えを(心では)受け入れる

外でしっかり出来るのに、家では甘えている。先生にはいい顔しても、家ではだらしない。家が休める場所なんですね。とても良いことです。緊張の反動のバランスを家庭で取るとダラける。その子の精一杯なら、限界でなくても良い。

今のエネルギー量が10なら、11に挑戦するとヘトヘト。家での甘え、生意気な態度。これを受け入れること。本人が頑張っているのかどうか。トータルで見ましょう。慣れない挑戦をしていないか。我慢を続けていないか。良い子であろうとしていないか。

1日2日なら出来ますね。期待していなくても出来るかな。期待していて、しかも毎日続くとなると、これが難しい。でも、それでも親が受け入れてあげて、支えてあげた方が、うまくいきます。

ずっとダラダラさせていたら、受験には失敗します。時間を管理して、やる気に関わらず、とにかく始める仕組みはとても大事。ただ、そこに怒りを持たない。自主性とか、意欲なんてものまで求めない。淡々と、管理だけに集中してあげる。出来るまで、始めるまで、習慣になるまで、同じ調子で。

私は自営で、妻も仕事を持っているので、子供の出産後は割と早く復帰しました。子供の傍にいるのは私だったわけです。気持ちの切り替えと短時間の集中は非常に得意で、隙間時間が数時間もあれば仕事は回せる自信がありました。

ところが、赤ん坊の泣き声の神経に響くこと。やっと寝てくれて、さぁ仕事、なんだけど、エンジンがかからない。少し気力が戻って再開するころには、また泣く。異常なほど効率が落ちました。時間比で、通常の半分もいかない。時間だけあっても、気力がないと出来ないんですね。当時の主食は生協の冷食に。コーヒー淹れるのも面倒くさい。

妻も早めに帰宅するのですが、昼過ぎには早く帰ってきてくれ〜という気分、たまに遅くなる日はグッタリ。子供のギャン泣きに、勘弁してくれ〜と叫びたい気持ち。子供を揺すってしまう、叩いてしまうというお母さんの話が、すごく分かりましたね。揺さぶりが脳にダメージを与えるって話を知らなかったら、やってたかも知れない。

気分転換に、妻の出張に合わせて小旅行、合流までの新幹線移動では抱っこして寝付いてるから暑い暑い。でもほかせないしトイレも行けない。細長い棒状に折りたためるバギー、子供は抱っこ、ちょっと当たっただけで睨みつけてくる変なやつ。普段は喧嘩荒事なんでもござれ。なのに気持ちがくたびれる。凹むってこんな感じか〜って思いましたね。

しんどかったのは、言葉が通じるようになるまで。あとは随分マシですね。その頃には、生後間もない赤ちゃんと、少し大きくなった子の泣き声の区別もつくようになり。泣き声をかわいいと思える感情も生まれましたよ。自分の子供がその泣き方をしてる間は無理でしたね。

で、何が言いたいかというと、能率化のプロとして仕事をしていて、メンタルの化け物とか言われるような人間でも、慣れないことにはてんで弱いということ。自分の中で経験を積み、対処する仕組みを作れるまでは、うまく回せないです。

子供の受験も同じ。なにせ未経験なんですよ。好きでもないことまで覚えて、他人と競って評価される闘いが。だから、期待値は自分の中に大事にしまっておいて、応援する位置に回ってあげてください。頑張った時は子供の手柄。うまくいかない時の責任は分担して。伸びるだけ伸ばしたら、結果は受け入れる。

受験から逃げ出していないなら、本人なりに頑張っていることがあります。理想が10で、やってることは1でも、その1を見つけてあげる方が、次が生まれます。人と比べてではなく、その子の以前と比べた成長を見ることに集中すれば、見つけやすくなるはず。その挑戦、行為そのものを認めてあげること。

なんでも口で言うほどすんなりいきませんけどね。でも、良い方向です。

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