偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

新6年生が夏までの4ヶ月でやっておくと良いこと

終業式や卒業式を終え、春休み期間に入りますね。夏休みを総復習、秋からを入試演習というイメージで捉え、ここから夏休みまでの約4ヶ月を入試に必要なことを固める準備期間に充てると良いので、その流れをざっと書いておきます。

春休みとGWは穴埋めの好機

まず、5年2月以降の組分けや模試などの全体テストで、出題範囲と正答率を合わせて傾向を掴むようにしましょう。私の場合は範囲を計算+8分野に区分集計します。

f:id:aswg-tutor:20220325160615p:plain

集計サンプル

これで明らかに偏る範囲がある場合は、分野別の補強から始めましょう。大きな偏りがない場合は、不正解問題を抽出して解き直し周回をして仕上げるのがオススメです。

 

算数は分野別に取り組む

特にS問題での失点が多いなどの偏りがある場合、多くの範囲の初出は4年生なので、当時のテストを確認してみてください。基本的には4年満点、5年9割くらいでなければ、どこか理解が怪しいところがあるものです。

予習シリーズ範囲別一覧

SAPIX範囲別一覧

自宅で進める場合は、4〜5年のテキスト該当箇所やテストに遡って解き直し、簡単な部分から正確に説明できるように復習すると良いですね。

まず1周目は、どんどん解き進めること。解法を思いつかなければ飛ばし、できない問題は解答解説を見て、当日夜にもう一度解き直すなど、間隔を開けずに一度正解できるまで持っていきましょう。

2周目は翌日〜3日以内に解き直すのがオススメですが、使える時間と問題量によっては少し空いても構いません。例えばSA問題80問で偏りはあまりない、といった場合には1週間くらいかけて全問解き直し&解説、2周目は1週間後といった流れでも良いです。

以降、正解したものは外して全問無くなるまで繰り返します。完成したら、また1〜2ヶ月開けて解き直しをしましょう。範囲によっては、そのまま高速で解く演習にも使えます。

時間が空くと抜けるのが普通です。抜けたことをがっかりするのではなく、5周でも10周でも抜けなくなるまで繰り返すイメージを持っておきましょう。8割→6割→4割→2割→完成という感じで段階的に減ったり、7割→4割→2割→1割→完成という感じで浮き沈みがあるなど、いろいろなパターンがあります。

範囲的にも、場合の数がどうしても抜けるとか、流水算が一度仕上げたはずなのに3ヶ月後に間違うとか。そういう抜け落ちをずっと埋めながら入試を迎えるものです。焦らず煮詰まらず継続することが大事で、親ががっかりイライラでは子どもに伝染しますから、必ず出来るようになる、出来るまでやるだけ、というイメージを持ってください。

 

国語は論説文から演習を積む

論説文や物語文の読解は、「根拠を持って解答する意識」を働かせやすい論説文からトレーニングを進めることが多いです。流れとしては

①大問ひとつを時間を決めて解く
②その解答の根拠を書き出す
③採点+解答解説を読む
④記述は真似をして書いてみる

といった順になります。特に④は、模範解答で入れるべき語句に注目し、自分ならどうまとめて書くか練習をすることが大事です。

漢字語彙は毎朝10分、就寝前10分など、接触回数をコツコツ積み上げていきましょう。テスト前だけ一気に覚えても一気に忘れます。暗記タイム1分→書き出しテスト2分など、自分にあった入出力のスタイルを作っていきましょう。

 

公民、地学は短期間でスタイルを作りやすい

理社も単語の羅列でなく、相互の関係を掴むことがプラスになります。赤シートやマーカーなどを使った単語の暗記も良いですが、それだけに偏らないように注意しましょう。

社会の公民分野や、理科の天体・地層などは、知識のひとまとまりの大きさがちょうど良く、流れから全体を掴む、理解するといった形を作りやすいので、学習スタイルを作る初手にオススメです。

苦手意識を抱えていると、夏期講習や秋の演習で消耗する割に力がつかないことになるので、理社ではっきり弱い範囲がある場合は、夏までに徹底的に回すと良いですね。

少なくともコアプラスや予習シリーズ程度の問題が出て青ざめない程度には、苦手意識を抜くことを目指しましょう。特に電流や光などは、ピンと来るまでじっくり取り組むのか、最低限のパターンだけは入れ込むと割り切るのか、など方針を立てると良いです。

 

受験校の絞り込みと過去問スケジュール

秋以降は通常授業以外の学校別や土特など、上位校を目指してコマ数が増えるほど任意で使いやすい時間は減っていくので、十分な量の過去問に取り組めるのは2〜3校と考えておくと良いです。

ですから、今から「過去問まで目を通してみる学校」はリストアップして、安全圏の学校には可能なら夏休みまでに1〜2回でも触れておけると良いです。

併願校を検討する場合、安全校はなるべく平均偏差値から10ポイント以上離れたところまで見ておきましょう。例えば平均偏差値が50なら、偏差値40前後までは候補に入れ、通学時間や施設、進学サポートや留学支援、進学実績などを調べておくと良いですね。

成績分析や併願校検討シートは下記から受け付けています。費用はかからないので、必要な方はお申込みください。

 

次のテストで得点を取ることや、ひとつでも上のクラスに入ること以上に、夏の総復習に向けて基礎をしっかり固めておくことは重要なので、計画的に取り組んでいきましょう。