偏差値60の壁なんてない

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塾による偏差値の違い 2022年度中学受験用 夏版(男子) SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

 

2022年度の入試に向けた各塾の偏差値比較、男子の夏版です。抽出元は志望校判定SO2回、合不合2回、日能研7月R4、市進4月版、首都圏模試7月予想偏差値です。

日程順

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偏差値順

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前回比で増減のあった入試回

春時点の偏差値と比べ、増減のあった学校です。変動数幅も入試数も控えめで、特に目立つ変動はありません。広尾小石川の評価が定まっていないことくらいですね。

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塾による偏差値差

こちらはトップ10校の併願候補にもなりやすいサレジオ、芝、巣鴨、世田谷、本郷を並べたもので、芝2と本郷2の偏差値で揃えてあります。

まず、こちらの表で色付けした芝と本郷の2校は、偏差値幅に少し差があるものの、並びも同じで他塾の偏差値表でも違和感が少ないです。

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次に、こちらの表で色付けした巣鴨の2回と3回を見てみると、四谷と日能研では偏差値が同じで、SAPIXだと4ポイント離れています。つまり、Y58やN60ならどちらも80%が出ますが、S53だと2回は80%でも3回は50%未満になります。サレジオのAとBも同様ですね。世田谷の2回と3回はY58で同じですが、S48とS55では80%と20%くらいの差になります。

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このくらい差があると、併願スケジュールを考える上でも、例えば四谷生でY58くらいの子が世田谷志望だと「Y50くらいの合格を取って、あとは世田谷3連戦で合格しよう」といったプランも考えやすいのに対し、S48くらいの子は「2回で不合格になったら、3回は回避して別の学校を受けた方が良さそう」などと考えやすくなりますね。

 

次はGMARCH附属校で、青山学院の偏差値で日程順に揃えてあります。MM=明大明治、CY=中大横浜という感じ。明大明治が一番上なのは共通していますが、偏差値の差はかなり異なります。

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例えば青学80%相当の子が2日の受験校を考えるとき、四谷だと上下2ポイントに分布しているので好きなところを選びやすいですが、SAPIXだと明大明治は6ポイントも上なので、偏差値で断念しやすくなります。中大横浜法政二も、四谷では1ポイント差、SAPIXでは4ポイント差。

こんな感じで、偏差値はそこまで絶対的な指標ではなく、そもそも偏差値算定が入試と異なる模試の得点によるものですし、その母体からの受験者数の多寡も影響します。どちらがより正確というより、模試の相性と学校の相性は異なる部分もある、と捉えておくと良いです。

ですから、特に偏差値の分布が塾によって大きく異なる学校は、偏差値だけでなく過去問相性などや熱望度も重視して、併願校だとしてもしっかり対策をしておくことが大事です。

 

各塾の偏差値分布 

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