偏差値60の壁なんてない

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塾による偏差値の違い2021年度中学受験用(男子)10月版 SAPIX/四谷大塚/日能研/市進/首都圏模試

10月になり、いよいよ志望校決定に直結する模試が続いていきますね。今回は偏差値比較に加え、合格判定の受け取り方についても書いています。

塾による偏差値の違い

抽出対象はSAPIX第1回合格力判定SO、四谷大塚合不合3回、日能研9月R4、市進9月、首都圏模試10月です。

https://e-tutor.tokyo/data/202010m.png


夏時点との比較での増減

今年は各塾で大幅に上げてきている入試は見当たらず、慎重な出だしです。

 

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1月前半の栄東は、今年度から入試の名称と日程が変更になり、東大特待の算数と4科で分けての評価となったことで、4科のみ低く設定したSOが3ポイントマイナス。これは結果偏差値がない中での判断なので、結果が出てみないとわかりませんね。1月後半の千葉日大第一はSOと合不合で1ポイント上昇で、今回2塾以上で上昇した唯一の入試回です。

2日の立教池袋、法政第二、明大中野GMARCH付属3校は合不合で1ポイント下降、明大中野はSOでは1ポイント上昇。SOで筑駒が3ポイント下降、合不合で3日午後の三田国際MSTが3ポイント上昇しています。


合格判定の受け取り方

こちらの画像は2019年の開成合格者の持ち偏差値と合否を簡易表示したものです。開成は第一志望率が高く、実質倍率も3倍以下の学校なので、第三第四志望率と倍率が高い学校になると、80%以上の受験者の比率が高くなったりもしますが、割とこんな感じの分布になります。

 

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受験者に占める割合は、50%偏差値以上が45%、50%偏差値未満は55%で、80%を超えている受験者は2割もいません。合格者で見ても、80%以上が3割、50%〜80%が4割、50%未満が3割。

つまり、受験会場に20人いたら、80%以上の偏差値を持っている子は3人しかいなくて、50〜80%が6人、20〜50%が7人、20%未満が4人。そして、入学して最初に知り合う10人のうち、80%超だった子は3人、50〜80%が4人、50%未満が3人ってことです。第一志望率が下がると、50%付近の入学者の比率が更に大きくなります。

もちろん合格可能性は上げたいので、80%超えを目指すのは良いですが、もし50%偏差値に届かなくても、目指してきた学校のひとつくらい挑戦しても良いと思います。さすがに20%未満からの合格は稀ですが、4〜50%あるなら、相性次第では十分に合格を目指せる。

ただ、分が悪いのも確かですから、他の日程では10回受けて8〜9回は入るだろうって学校を複数受けておくと良いです。1月や1〜2日にしっかり○を取ったら、3日以降にチャレンジするとか、1日午前はチャレンジしても、後は固めに組んでおくとか。燃えて取り組める目標は確保しつつ、きっちり合格を取って選択権を確保するために、十分に検討していきましょう。