ちょっと女子版から日数が空いてしまいましたが、2021年度中学受験用の各塾偏差値比較(男子)夏版です。
塾による偏差値の違い
抽出対象はSAPIX第2回志望校判定SO、四谷大塚合不合2回、日能研7月R4、市進6月、首都圏模試7月です。
塾による上下の違い
女子版でも触れたように、塾によって各校の入試難度の順番も結構異なるケースは多いです。男子では、御三家などトップ層の併願としても人気の芝、本郷、サレジオと、算数午後入試で偏差値の上昇が目立っている巣鴨、世田谷学園、鎌倉学園をピックアップしてみました。偏差値の位置はほぼ中程の芝で揃えています。
まず2回入試の芝を見てみると、SOで5ポイント差、合不合とR4では4ポイント差で、最も安定しています。複数入試はこんなイメージを持たれやすいですね。
3回入試の本郷は、SOで9ポイント、合不合で4ポイント、R4では6ポイントの差。開きはありますが、このくらいの違いなら他塾でもそう驚きはないですね。ほぼ同じスケジュールで同じくらいの位置を長期間維持していて、各塾での評価も安定していると言えます。
2回入試のサレジオは、SOではAとBで6ポイント差があるのに対し、R4では2ポイント、合不合では0。合不合主体の子ならシンプルに2回チャンスがあると思えるところが、SOメインだとAでダメならBはもっと無理そうって思うような差ですね。参考にする模試でかなり印象が違う例です。
次は算数受験のある巣鴨。SOでは相対的に最も高い位置で、1回とは15ポイントの大差。これに対しR4では6ポイント幅の中に収まり、他入試との比較でも鎌学算数、本郷3、芝2より低い。合不合では9ポイント幅ですね。
世田谷もSOが最も幅広い分布で算数>3>2>1の並びですが、合不合では算数>2>1>3となっていて、幅も最も狭い6ポイント。ここに掲載の通常16入試回の中で、3次の難度評価はSOでは3番目なのに対し、R4では8番目、合不合では下から3番目です。
鎌学は他3回の入試と比べ、算数だけ突出して高い傾向で、割とイメージされそうな形ですね。
こんな感じで、偏差値が全くアテにならないわけでもありませんが、偏差値表によって難度の印象もかなり異なります。
そして、同じ偏差値の子が同じ学力とも限りません。どの教科、どの問題で得点したかによる相性、そのテストで出た問題以外の知識量、そして受験までの学習による伸び。むしろ、ある程度は違うのが当たり前ですね。
なので、とりあえず50%偏差値ラインまで届かせたら、あとはどれだけ安全志向/チャレンジ志向にするか、過去問との相性はどうか、といったことを重視して、合格するために必要な力を蓄えていくと良いです。
受験予定校の比較用一覧には、SOは偏差値45まで、合不合とR4は偏差値53までの範囲を入れてあります。
偏差値に縛られる必要はないけど、50%もないレベルだと厳しいのも事実です。同じ偏差値でも同じ実力とは限らない=そのテストでは測れなかった部分はあるけど、模試5回くらいの平均で10ポイント以上差がある子に逆転するのは稀ですね。
もちろん入試まで実力は伸びますが、そこまでの2〜3年の間に一般向けの模試程度で負けるような取り組みで、入試前だけ頑張った結果周囲をごぼう抜きっていうのはなかなかの夢展開。
ですから、秋までは全体的な学力向上を目指して基礎と弱点をしっかり埋め、50%判定くらいはとった上で、合格を確実にする努力をする感じが良いですね。
昨年同時期との比較で上昇している学校
次は、昨年同時期のSAPIX第2回志望校判定SO、四谷大塚合不合2回、日能研8月R4との比較で上昇の目立つ学校です。
昨年の推移から今年の結果偏差値でも大きく上昇していた巣鴨、世田谷学園はやはり1,2。ついで淑徳、開智日本橋、ドルトン東京の上昇が目立ちます。
その後に続くのは日大豊山、東洋大京北、都市大等々力、学習院、法政第二といった大学附属系属。1月校では、大宮開成と青山浦和ルーテルが大きく上昇しています。
まずは学校ごとに、各日程の3塾合計での偏差値上昇をリストにしたものです。
次は学校ごとに、それぞれの入試回の各塾の上昇の一覧です。
最後は各入試回の各塾の上昇と合計を表にしてあります。偏差値は合不合第2回のもの。
各塾の偏差値動向を入力してあるPDFはこちらで確認できます。
https://e-tutor.tokyo/data/20200821/昨年同期増減比較男子.pdf