偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

2020結果偏差値と予想偏差値の比較(男子)と、各塾の偏差値を比較して見ておくと良い理由

日能研の結果偏差値を受けて、2019春と2019冬の予想偏差値との比較表を作りました。学校名の背景が赤系は上昇、青系は下降で、数値が大きいほど色が濃くなっています。

冬の時点と比較して、151の入試回のうち半数を超える79の入試で上昇、55の入試で変わらず、下降は僅か17入試。層で見ると上の上37入試(偏差値63以上)で平均0.4ポイント、上の中41入試で0.9ポイント、上の下40入試で1.2ポイント、中33入試で0.7ポイントの上昇です。

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日能研R4偏差値63以上

最上位層は比較的落ち着いた動きですが、それでも全体的に難化。

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日能研R4偏差値58〜62

このあたりから厳しくなって来ています。世田谷の4日と三田国際の3日午後は、中の上からジャンプアップ。巣鴨の上げっぷりも目立ちます。

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日能研R4偏差値55〜57

特にこの55〜57の層の39入試には、予想偏差値が55未満の中の上だったところから食い込んできたものが19入試とほぼ半数。予想通り、中の上〜上の下の層は激化でした。

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日能研R4偏差値45〜54

割と多い質問で、「どの塾の偏差値が信用できるか」「どの塾が良いか」って聞かれることがありますが、その考え方が不安定で不十分だとお伝えします。

それぞれの模試を受けた受験生の中で上位層からの志願者数が増えると予想偏差値は高くなり、それほど増えなければ偏差値は変わらないからですね。全受験生共通の模試がないので、なるべく広く受験者層のレベルを想定したければ、大手の模試の偏差値動向を眺めておくのが良い、ということになります。

冬の時点と比較して、3ポイント以上上昇した入試20回を見てみると、日能研では上昇が見えていなくても、他塾で上昇しているものが11入試あります。巣鴨や世田谷は日能研生にはそれほど人気が高まっていなくても、四谷生やサピ生には人気が高くなっていた、ということですね。

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3ポイント以上の上昇回と冬時点での変動

例えば、巣鴨や世田谷は日能研模試の受験者からの人気はそれほど強まっていなくても、SOや合不合の受験者には人気があった→結果として受験者の質量が上がり難化した→結果として日能研模試の受験者から合格した子の偏差値ボーダーが押し上げられた、という段階になります。なので、どこが信頼できないとか、どこが信頼できるって話ではありません。

どの塾が強いかも同じで、その学校を受験する生徒自体が多ければ合格者数は増えますから、その中でどの位置にいるかの方が重要ですね。例えば、開成の合格数286名のSAPIXで300位にいる子より、104名の四谷で50位にいる子の方が、開成の合格可能性は高いと考えることが出来ます。もちろん、毎年一定数の合格者を出している塾はノウハウも豊富ですが、基本的には個人の資質と努力、あとは相性次第と言えます。

どの塾のカリキュラムとの相性が良いか、講師やテキストだけでなく、通塾や友人なども含めて力を発揮しやすい環境を選ぶことが大切ですね。

おまけ

いつもお読み頂いている方、ありがとうございます。このブログも今日で1周年になりました。秋冬以降は忙しくなってしまい、あまり更新は出来なかったのですが、どなたかのお役に立ちそうなことを、これからもボチボチ記事にしていければと考えています。