偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

中学受験年度に向けた、休校期間の学習プラン例など

お休み中の予定、本人が10時間や12時間やる意欲があるなら止める必要はありませんが、きちんと管理されたカリキュラム、指導体制がある夏期講習の合間の休みなどと違って、親との相談だけで急遽一日中、それも長期間家にいて勉強できる時間は、学校の時間割程度の6時間程度までと考える方が良いです。

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集中して6時間やれれば十分にプラスになるので、一日中受験勉強のノリで気にし続けるより、6時間それなりに真面目にやることを基本線にして、学習の質と家庭内の平和を優先する方をお勧めします。

問題集などで進める場合は、午前3時間、午後3時間などでページ数を消化する予定を組み、採点した正答率で夕方以降の予定が決まるようにすると良いでしょう。不正解分は解き直し、全問正解なら自由時間。ゲームなどは通常の時間制限はキープした方が良いので、読書や映画、工作や実験キットなど、楽しめる時間にすると良いです。

内容的には、4教科全部をやるより、1〜2教科をしっかり集中して取り組む方がおすすめ。社会用語と漢字を一冊仕上げるとか、算数の4〜5年の範囲の総復習など、期間で仕上げる目標を明確にしてそこを目指す方が良いです。

以下、おすすめのテキストと進め方の例を載せておきます。あくまで一例として参考にして頂いて、下記のどれかひとつでも完全にやりきればかなり力がつきます。言及して頂いたにゃちさんの記事でも色々と紹介されているので、そちらもご参考に。

算数

●4科のまとめ

先日の記事でも触れたように、以下のように仕上げるのがおすすめ。

・1項目3問の例題をまずは完璧にする。
・5項目ごとに、ポイントチェックの30〜40問をテスト形式で解く。
・不正解問題を仕上げる。
・少し期間を空けて、再度不正解問題をテスト→仕上げる。

夏休みまでに2〜3周やれると理想的です。

●4〜5年のテストのやり直し(+テキストなど解いた問題)

週テストや模試で、とりたい偏差値レベルまでの問題を抽出する。予習シリーズを解いたものが残っていれば、それの不正解とも組み合わせるとより効果的です。

解答をしっかり読みこみ、ノートに正しい解法や自分なりのルートを書く。ここはかなり大事で、さっと答えを見て、その日に解き直して○になってもあまり意味ないと考えた方が良いです。

数日空けて、抽出問題だけで60〜90分くらいの量にしてテスト。例えば模試なら、配点からざっくり時間を決めるくらいで良いです。60分150点の模試で、15点分の問題なら6分など。

最初の計算や小問集合だけでなく、不正解問題を並べてみるとミスの癖が出ていることは多いので、計算ミスの傾向などを見つけたら類似問題をやり込むのもアリ。この場合、ミスをなくす手段を考え、その解き方で解くことも大事です。

●基礎トレ

基礎トレという名前ですが、これが6年1月分まで仕上がっていれば、あとは学校別やSSでの対策と過去問だけで合格ラインに届くレベルで、受験期まで周回する価値のある問題集です。

内容は入試の小問集合などで頻出のレベルで、6年後半期には基礎トレ6日分、60問を50分で解き、9割正答を目指すトレーニングに使用していました。ざっくりした目安ですが、これを時間圧をかけて7〜8割正答できるようになっていると、偏差値55前後の学校の算数はほぼ合格ラインに届きます。

算数優位の子でなければ先取りで回す必要はありません。不正解問題だけを抽出した2周目は50分50問にするなどして、より精度を高める工夫をすると良いでしょう。

 

理科

●4科のまとめ→コアプラス

4科のまとめは基本がコンパクトにまとまっているので、まずはこれを完全に仕上げる。天体や電気など、わかりにくい&親も解説しにくい箇所が出た時は、Youtubeで該当範囲を解説しているものを拾って視聴したり、詳しい解説をしているページを見つけてプリントするのもあり。コアプラスで仕上げのチェックをやるイメージです。

社会

●4科のまとめ/白地図/年表トレーニン

社会はこの3冊が仕上がっていれば、55あたりまでは特に足すことなく合格点が取れるので、用語の漢字ミスなども含め徹底的に仕上げると良いです。どれか1冊が夏前までに仕上がっていると後半戦がかなり楽になるので、丁寧に周回しましょう。

 

国語

●漢字語彙テキスト一冊
漢字の要ステップ1か、漢字とことばの6年上まで仕上げれば、漢字で得点を落とすことはほとんどなくなります。全問→不正解のみ→不正解のみ→全問、という感じで、周回の内容を変えながら漏れを無くすと良いです。市販されていることば1200もやりやすいテキスト。

 

●過去問の本文読解
受験可能性のある学校以外で、同じくらいの偏差値帯の入試過去問を使うのがオススメです。四谷の過去問DLで国語の問題と回答が揃っているものを選び、説明文や論説文の大問ひとつを毎日進めると便利ですが、解答が答えのみなので、解説が出来ない場合は問題集を利用するのも良いでしょう。物語文の方が苦手な子は物語で。読むペースを掴むのも大事ですが、まずは文章中の言葉で内容を把握したり、表現できることを主目的にすると良いです。

もし見れるなら、解いたものを一緒に読みながら記述の根拠になる部分やキーワードを拾っていく過程や、選択問題の弾いていく根拠を見つけていく過程などを話し合ってあげると良いです。そこまで出来なくても、時間内に本文を読んで、どんなことが書いてあったか話し合うだけでも有効なので、できる範囲で取り組んでみてください。