偏差値60の壁なんてない

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算数の応用とか、伸び悩みなどについて

A型ママさんのブログで、投稿したコメントを記事にして頂きました。

嬉しい中に、ちょっと緊張も感じるような。このコメントに書いたことの補足というか、算数の応用や、試行錯誤することの捉え方などについて書いてみます。前段はA型ママさんのブログでご覧ください。

 

算数の応用

算数の解法パターンをパズルに例えると、最初の段階では同じ形を当てはめれば正解できますね。正答率50〜70%以上くらいの問題は、本当に嵌めるだけの問題が多い。

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その次の段階では、こんな感じで、いくつか組み合わせる形になります。

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このピースを以下の枠内に入れよ、みたいな感じ。

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複数のピースを枠に入れ込むには、回転や組み合わせの工夫が必要になりますね。答えはこんな感じ。

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もちろん、試行を繰り返して答えを見つける根気もあった方が良いんですが、この45度回転させるパターンを知っておくことや、

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例えばこういう風に、大きな形が小さな形の集合で出来ているということに気づいている(≒知っている)と、

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当てはめる形も小さな形の集合で出来ていることがわかり、あとは数をカウントしていくだけのお仕事になる。反転させる時は同時に必ず小さな形が2枚一緒に動くことも理解しておくと、速さも安定しますね。

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パズルで例えましたが、算数や物理化学の応用は概ね同じ仕組みです。分解の仕方や回転などの組み合わせは、結局のところ理解→演習の繰り返しが重要になります。コメントにも書いた、算数には思考力や応用力が大事だ!って人もいれば、算数なんて暗記だ!って人もいる根っこは、大体同じことですね。

 

よくわからない時に頭の中がモヤっとする感じは、記憶のフックになる。

この応用パターンを理解して使う繰り返しの習熟スピードは、自分で考えるかどうかで全然違ってきます。ただ動画を眺めるように解説を見て聴いて、だとあまり効率が良くない。

最初から出来たかどうかは重要でなく、むしろ頭の中に「わからない」「間違った」「失敗した」というフックを作ることこそが、理解や記憶に意味を生み、記憶の定着や正確な理解にも繋がっていく。

だから、指導する子には常々「初見で間違うこと」や「テストの間違った問題」が宝、という伝え方をします。初見で間違う、わからないというのは、頭に引っ掛かりができること。この頭の中にフックすることが、使える知識を増やす一番の近道だと。

 

間違えた問題は宝物

そして、ひと通り勉強したはずのこと、類似の問題を解いたことがあったのに間違う問題があるなら、それこそが自分の理解の曖昧さや、間違いやすい癖を教えてくれる。だから、何をどうして間違ったのか、間違った時の思考のルート、解いた手順を丹念に見ていく。

ここの線分図がおかしい、ここの数字の記入をミスってる、自分の字を読み違った、出ていく量をカウントし損ねた、電車の長さを忘れた、ここの補助線に気付かなかった、ここでひっくり返せば良かった、、、全部がお宝です。

それを、綺麗に書き直す。この線を引けばよかったんだ、という線だけを赤で書いたり、これは面積図でやる方が早かった、ここの計算をこう間違った、この条件を漏らした、という注釈をつけたりする。

これをノートにまとめるのも良いですが、特に複雑な図形問題とか、踏み台を何個か作った平均や流水算などは、移動の際や隙間時間に眺めやすい小型の手帳などにまとめることもやります。よく使うのが測量野帳。表紙が硬いので、これ一冊だけ別で持って色々な隙間でチラ見するのにも便利です。1冊150円くらい。

私はいつもレベルブックを何十冊かまとめ買いするので、教える子には何冊かまとめてプレゼントしています。図を書く場合は、方眼付箋を併用したり。表紙が耐水になっているタイプや、無地のスケッチもあります。

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入試はともかく、なんで毎週テスト受けたりするのかって言えば、「人と比べるため」「クラス分けのため」じゃない。何が出来るようになっているか。まだ出来ない問題は何か、これを調べるため。健康診断や人間ドックで、レントゲンやPET-CTを使うのと同じ。

途中経過を気にしないっていうのは、「悪くても大丈夫、まだ間に合うよ」って意味より、「間違うところを見つけるために受けるんだよ」って意味が大きい。

もちろん、記憶系の小テストなんかだと、明らかに勉強不足が出る面もあるから、努力が足りなかったね、って反省もあり。でも、ほとんどのテストは、何が出来ないのかに注目して、手当てするための検査みたいなもの。

入試を本番として、その前にしっかり転んでおく。転ぶことが練習。親もそういう意識を持って、失敗を責める、残念がるより、そこから何かを拾ってくるために転んでいる、ってことに注目してあげると良いです。

 

迷路の行き止まりを、どう捉えるかの感覚。

もうひとつの考え方として、迷路を使った説明も良くしています。マッピングしながら進んでいくロールプレイングゲームのイメージ。

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よくある紙上の迷路は、最初からこういう感じで迷路全体が見えていますね。シンプルに行き止まりを塗りつぶしていけば、そのうちルートが浮き上がる。

で、ロールプレイングゲームなんかだと、画面ではこういう3次元風画面のみだったり、あらかじめマップ全体の大きさもわかっていなかったりするので、ある程度攻略慣れしていれば、自分でマップを作りながら進む感じになります。

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最初から踏破を目指してマッピングする意識だと、なんの問題もないですね。正解のルートがわからない中で進んでいき、行き止まりになる。これを、ひとつ潰せた、とカウントする。極端に言えば、ゴールを見つけても、マップに空白地帯があればまた戻るっていう。

ダンジョンの深さ、難易度などからフロアの大きさを想定し、何割くらいマップが埋まったか。全部埋めれば確実、運が良ければその前に、ゴールや次の階層へのルートが見つかることもある。ところが、この途中経過も、捉え方ひとつで泣きそうになる。

 HPとMPとか、回復アイテムとか、現実にゲーム出来る時間とか。切羽詰まっている時に落とし穴とか、敵の入った宝箱とか、難解な仕掛けとか。またダメだ、また行き止まりだ!

この意識差が、算数でもかなり大きいです。思考の行き止まりや方向選択の変更を、過程と捉えるか、失敗と捉えるか。失敗と感じやすいほど、算数の難問が嫌いになりやすい。

算数の問題も、難度高めのRPGも、必ず正解が用意されている。出題者は、これだけヒントがあれば解けるよね、っていうものを用意している。例えば、こっちの道に石がある。別の壁には穴がある。嵌めると道が開く、みたいなやつ。

だから、条件を書き出すこと。視覚化して、何が欠けているのか、何がわかっているのか、常に頭の中で整理し直す。で、これがわかれば良いのに、あ、これを先に出せば良いのか、って推理の仕方をどんどん増やしていく。

 

失敗は、ゴールに至る過程。出来ることは全部置いてくる。

最後に、今出来ることを全部置いてくること。試験とか試合という言葉に使う「試」の文字は、試行錯誤、試しにやってみる、という言葉にも使われている。更には、あなたのしてきた努力、今の実力はどれくらいか見せてくださいな、って意味もある。

時間内に、高得点を取る。テストで他の子より良い結果を出したり、勝ったりする。こういうイメージだけが強すぎると、焦りにつながりやすい。勝ちたい、良い結果が欲しい気持ちは無くならないけど、そこにプラスして、自分の出来ることは全部置いてくる、という意識をなるべく植え付ける。

テスト前には、出来ることを全部やっておいで、という声かけ。終わった答案を見ながら、やったことは出来たね。ここでやり直ししたのが効いたね。更に、間違った問題をお宝として扱う。このあたりの意識がとても大切です。

 

おまけ

このブログも開設から3ヶ月が経ち、少しづつ読んでいただける方も増えてきました。さっき見たら、ちょうどスターと日数とブックマークがゾロ目。

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これからもどなたかのお役に立てることが少しでもあるように、記事を書いていきたいと思います。