偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

中学受験は、大きな組分けテスト。生徒の雰囲気は入学時偏差値と相関性が高い。(6年生の志望校選び 3/5)

この組分けで決まった学校に、一貫校なら6年間通うわけですね。大学受験で挽回は可能だけど、6年間を有利な環境で過ごさせたいなら、どんな子が集まるところで学ばせたいのか、という組分けとしてのレベル意識も必要です。SやCの子に、Aのクラスで授業を受けさせたいかどうか。

以下の表は、合不合の得点と偏差値、クラスの対応表で、授業態度、自宅でやるWeb教材の消化量、全体の雰囲気を併記してあります。Web教材以外にも自宅学習や宿題があるわけですが、この消化量は、個々の差は見えても成績で並べるとわかりやすい分布になります。

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お子さんが通っている方は大体わかると思いますが、Aでは課題をしっかりやっている子が少なく、クラスの雰囲気も公立小以下だと感じる子がたくさんいます。偏差値45以下の学校には、このゾーンの子が入学してくるので、雰囲気もそうなりやすいわけですね。上1割には、その役割を演じることで大きく成長する子は確実にいて、早慶どころか難関国立に進む子もいますが、全体で見れば差はある。全体の雰囲気は、鍛えてきた層の多い学校と同じにはなりません。

Bの授業の態度は公立の小学校並みか、若干マシ。講師次第で緩みもするし、一度緩むと立て直しに時間がかかったりもする。授業はそこそこでも、自習や質問などはまだまだ。この中で、偏差値50前後で止まるBの中〜下の子は、もうひと頑張りができなかった層。C〜B上位の子とは、課題の消化量に違いが見られます。B上位は、エンジンのかかりが遅かった子、惜しくもCを抜けなかった子が多いゾーンです。

C〜Sは授業にも集中、笑いが起きてもすぐ切り替え、自習や質問量も増え、課題も多くこなしている。素質で多少の差があるにしても、10やってAとか、0なのにSという子はまずいません。

ここに、常識の差があります。SやCの子の親でも言葉にすれば「集中が続かない」とか「家でダラダラ」なんて悩みは割とありますが、基準がAやBとは全然違う。Bの偏差値50前後の子は、宿題くらいはやるし、間違ったところのプリントなどもやったり、テスト前日くらいは勉強している。Cの子になれば、ほぼ確実に毎日机に向かっていて、C〜Sの子はWeb教材の計算や復習ナビも使っている。その上での空き時間、隙間や点数に対する執着心を求める親から見れば物足りなくても、やっていなくて上位の子は本当にごく稀。

こういったことを踏まえて、次の記事では現時点での志望校選びを書いてみます。