偏差値60の壁なんてない

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大学附属・系属中学の内進率と有名企業への就職率

先の記事で書いた附属・系属校の内進率と、進学先の大学偏差値や東洋経済の有名企業400社への就職率ランキングでの順位を並べた表です。東洋経済の元データは2018年版を使用、算出不能で未掲載だった慶應のみ2017年版からの数字です。

院進を除く学卒者に占める割合であり、あくまで有名企業400社のみで、公務員や他の企業を含めた就職率でもありませんが、早慶GMARCH成成明学日東駒専という並びなのは、外部から見た大学名の評価の目安の一つと言えるように感じます。なお、複数回入試のある学校の80%偏差値は一番低い数値にしてあります。

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附属・系属校の内部進学率と有名企業400社への就職率

内進率を見ると、早稲田(50%)、学習院(48%)、成城学園(50%)、明治学院(30%)の4校は外部受験も珍しくない環境ですね。これは内部進学/推薦枠が狭いのではなく、外部志向の強さを現します。

早稲田の場合、2018年の卒業生298名に対し、早稲田推薦138名(169名枠)と指定校推薦4名で、現役受験者数は156名なので、約52%が受験組です。進学先は東大30名を含め国公立に70名、早稲田には受験組も含め153名が進学、私大では慶應上理に15名、他大医学部に5名が現役で進学しているので、現役進学率は合計243名=約82%になります。ちなみに、GMARCHの合格者数は23名いるものの、進学者数は0です。

学習院は2018年の卒業生197名に対し、学習院推薦は95名。残り102名の受験組のうち、進学者数は不明なので合格者数になりますが、国公立6、早慶44、上理27、他大医学部9で計86名。これらは大学偏差値的に学習院より難関とされる大学で、他にはGMARCHに57名など、合計169名の合格数です。学業不振で進学できないというよりは、意欲を持って受験に臨む層が多いと言えるでしょう。

成城学園は2017年の卒業生271名に対し136名が成城大学に推薦入学で、残り135名から国立2名、早慶19名、上理ICU26名、GMARCH75名で合計122名合格です。この学校は成城大学への推薦資格を保持したまま外部受験可能です。

明治学院(東村山)は評定平均値上位8割以内(卒業250名とすると200名)に推薦資格が与えられますが、2018年の入学者は79名です。上位3割以内の生徒は、明治学院大学の合格資格を保持しながら他大受験できる制度を使うことも出来ます。

外部進学の現役数は不明ですが、2018年の合格数では国公立4名、早慶6名、上理6名、GMARCHに70名で合計86名が合格しており、中学入学時の偏差値からすると、かなり高い進学意欲が伺えるように思います。