偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

「成績を良くしたいから頑張る」のは欲。「成績が悪いからもっとやれ」は罰。

出来ることや知識が増えている=学力が伸びているのに、偏差値や順位を見て「出来るようにならない」って表現を選ぶ人は結構いる。これが子供の成績が伸び悩む一因だと思っています。

子供の学力は伸びているのに、それを認めるどころか貶める。子供に一生懸命張り付いて、なるべくやる気を削ごうとしているようなもの。

もちろん、中学受験・志望校合格が目的でやっている以上、偏差値や合否が気になるのは当然だけど、そのために必要なのは学力を受験当日まで積み上げること。出来ないやらない伸びない受からない、ないない言っても役に立ちません。

競争だから、周囲のレベルは見る。受験するから、試験に出る問題に対応する力をつける。でも、目先の模試で良い成績を取ったところで、得られるのはささやかな安心だけ、なんの保証にもなりません。本番に間に合えば良い。

自分が安心したがって、子供にそれを求めるような言動は、伴走役としてはマイナスの振る舞いです。だから、極力「ない」を言わない。出来る、増える、そういう言葉を使うこと。

間違った問題を、出来るまでやる。知らないことは、覚えるまでやる。それを積み上げて、勝負になるところまで持っていく。間に合うかどうか心配なのはわかるけど、だからって間に合って欲しいのに邪魔するのは、焦り過ぎて逆走するのと同じこと。

それぞれの家庭の事情、子供の性質もあるから、最適な方法や言葉選びは違うでしょう。でも、大切なのはその言動が子供の成長、成績の向上にプラスになるのか、ってこと。それによって意欲が漲る、成績が伸びるなら良い。時間とやる気を奪うだけならダメ。

親から見た子供が、自分の期待に応えず、不安にさせる存在=敵のような認識になれば、怒りの沸点も低くなる。ただでさえ受験生は「頑張らなきゃいけない」と思いがちなのに、家の中にも敵視してくる親がいて、子供はどこで回復すれば良いのか。頑張り続けるには、回復が必要です。

不安感に押し潰されそうなら、それは他にぶつけてください。パートナーでも、先輩でも、塾の先生でも良い。子供にぶつければ、足を引っ張り、悪い方向に突き進むだけ。望む結果に必要なこと、役に立つことをしましょう。

 
「出来るようになる」というのは、「出来ない」を通過すること。

出来ること、出来ないこと。この2択で世界を眺めると、選択肢が狭い。何かが下手とか、何かを間違う、人より劣る、人に負けることを恥と感じやすい意識を植え付けると、世界がすごく狭くなる。「出来るようになる」を入れると、選択肢は広がる。

「出来るようになる」っていうのは、最初は出来ないこと。出来ないからスタートして、下手だったり、失敗したりを通過して、出来るようになる。1日30分もやれば1年で200時間近く、3時間なら1,000時間以上。そうすると、全く出来ないことや知らないことではなくなる。

成績も同じ。知らないことを理解したり、覚えたり、使いこなしたり、説明できるようになったり。学力は積み上げた分だけ上がる。でも、偏差値とか合格判定ってやつが、伸びていないという錯覚を強化しやすい。成績の良い子を見て落ち込んだり、悪い子を見てバカにしたり。

学力っていうのは、自分の中に蓄えるもの。中学受験っていうチェックポイントがあるから、そこに合わせて一定の得点を取れるように戦略は立てるけど、そこまでの偏差値は進捗目安、集団での立ち位置確認。大事なのは、新しい知識、必要な学力を養うこと。使えるようになるまで、覚えるまで、出来るまでやること。

 

成績を良くしたいから頑張るのは欲。悪いから頑張れは罰。

自主性や自立心の成長時期に個人差があることは、以前の記事で触れました。これとは別に、勉強をする時の目標設定や約束の仕方で、好きになるか嫌いになるかの分岐点を作ってしまうことがあります。

志望校と今の偏差値が離れている。○月までに10上げよう。今度のテストで5上げよう。といった目標を設定し、とにかく○時間勉強しようとか、このテキストを追加でやろうとか。で、テストの結果が振るわない。勉強が足りないからだ。もっと増やそう。真剣さが足りない。約束を破ったからだ。。。

こういう理屈でやっていくのは、「勉強という罰」を与えているのと同じこと。罰なので、嫌に決まってますね。誰でも受ける罰は少ない方が良い。こういう思いをした人が大人になると、勉強する(させる)こと=苦痛を与えること、と感じてしまいます。で、困難に耐えろ、目標があるだろう、約束したじゃないか、ってやる。これは避けた方が良いです。

自分が劣っているから、罰としてたくさん勉強をしろと言われる。決めたことが出来ないから、良い成績が取れないから、親に愛してもらえない。そんな孤独を感じさせて、成績も上がらない。子供を非難し、自信を失わせ、罰するために、受験を選んだわけではないはず。まるっきり逆ですよね。

しかも、この意識を植え付けてしまえば、仮に志望校に合格しても、そこから次を目指す意欲が失われる危険を高めます。やっと怒られなくて済む、受験=勉強から解放された、と思ってしまう。中学受験がゴールですか?違うはずです。

春休みも意欲と希望を持って準備に取り組み、入学後は新しい仲間と刺激し合って、将来へ続く学びにつなげること。そのためには、勉強が罰であってはいけません。自分の思い、欲を実現させる手段でないと。勉強を頑張ることが親の欲=子供にとっては罰、という構造は、勉強=辛いことという残念な思い込みを生みます。

 

罰でなく、欲で勉強するために

子供と志望校を共有しているなら、本人も成績が足りないことは百も承知です。毎週塾に通って、何時間も勉強して、成績が上がらなくて良いと思っている子なんて、ほぼいないと言えるでしょう。上がりたい欲は、本人の中にもある。だから、罰より欲を使いましょう。

テストの正答率を把握して、高いものから潰していくのは基本ですが、それは自分の実力を基準にしてやっていくべきもの。例えば、このブログの記事で「正答率30%の問題を正解すれば偏差値58〜60」って書いてある。志望校の偏差値はもう少し上だから、まずはその手前の30%までの問題をやろう。これだと、目標は見ているけど、子供の足元がおろそかになります。

テストを見直して、間違った問題に注目する。その問題の解説解答を見て、あ、これならわかったのに。今やれば出来るのに。と感じる問題を選ぶ。9つに分けた帯の、次の段階が目安です。例えば45なら48にあと何点で、どの問題を解けていれば届いたのか。52なら55まで、あと何問か。

その、あと一歩で出来そうな問題、それが出来れば偏差値が上がったはずの問題が次の一段です。安易なミスと、その数問を解けば上がるなら、まずはそれを完璧に仕上げる。あとは週テストなどのカリキュラムにしっかりついていく。1〜2週間後、同じ模試を解いて、しっかり目標得点に到達する。少し遅れたけど、今なら偏差値○が取れる、って実感をさせてあげましょう。

これだけやれば出来る。そのために勉強時間を増やす。この順番が大事です。「出来ないから増やせ」は、似ているけど逆方向。もちろん、その先には受験、志望校合格という目標があります。でも、まずは目先の、これが出来たら俺カッケーで良い。

目標を低くするとか、諦めるという意味ではありません。100段登るのか、200段登るのか、そこに届くまで継続するための目標はあった方が良いです。でも、100段登らなきゃいけないから、とりあえず10段飛べ!って言うのはアホなだけ。羽の生えてる子なら行けるでしょうけど、そういう子はそもそも飛べって言われません。一段一段登って行く。羽はいらない。

目標に子供を合わせるのではなく、子供に目標を合わせる。登り続ける途中で受験を迎えたら、受験を終えてまた登り続ければ良い。大事なのは、思春期に自分の意思で登る力の基礎を築いてあげること、有利な環境を選ぶこと。勉強嫌いにさせたら、台無しですね。

 

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受験する中学の文化祭や説明会でやっておくと良いこと

まずは前回記事の補足から。大学進学率は53.7%で、中学受験校からは大半が大学に進学することを考えれば、公立中からは半数以上が大学に進学しないことになります。

子供を大学まで行かせたいと考えていて、ほぼ全員が大学に進学することが当然の環境と、半数は進学しない環境を選べるなら、第一志望でなくても前者の方が有利なことも多いかも、ということですね。

クラスの1〜2割しか受けないことも多い小学校で受験をやり抜いた子なら、ほぼ全員が高校を受験する中学校では一層努力出来るかも知れませんし、記事にも書いたように通学時間が短くなることは体力面や時間面で有利なこともあります。ですから、公立はあり得ない、などと言うことではありません。

どこかの学校に合格するということは、複数のルートからより有利な道を選ぶ権利を手にするということです。偏差値だけでなく、その学校の校風や教育方針、生徒の雰囲気から通学時間まで、子供にとって最善の選択は何なのか、十分に検討した方が良いですね。直感に従うのもアリですが、情報は多い方が良い。

「成功体験のために一つでも合格を」って話も聞きますが、それ以上に選択肢を得るメリットは大きいと考えています。子供に学力をつけることが将来の選択肢を広げるように、合格を手にすれば3〜6年間通う学校を選べる立場になる。受験に挑んだことで選択肢が広がったのですから、良いことだと思います。

何より、与えられた環境と手持ちの武器で道を切り開いていく力は、どこにあっても大切。今の時点で、こういう結果と選択肢。さぁどうする、って時に、どっちの道も●●だ、もう終わりだ、やった甲斐がなかった、なんて気持ちでは転落一直線。どの道でどう闘うか、前を向いて選択することが、次のステップで大事になります。

とはいえ、まずは志望校の合格を全力で目指しましょう。通っても良い、通えると良いな、と思える学校を探すのは、親力の見せどころ。

秋冬の説明会・学園祭シーズン、直接学校に行って雰囲気を知ったり、入試のポイントを聞けたり、とても大事な機会ですね。可能な限り足を運んで、頑張ってください。文化祭などのイベントや、学校見学・説明会でやると良いことを書いておきます。

 

前年度入試問題の入手

問題や解答は過去問題集で得られますが、実物の入試問題を入手できると、過去問対策時の雰囲気作り、本番での解き方のイメージを掴む予行演習のためにも役立ちます。

市販の過去問題集だと空白ページがなかったり、問題の間隔が狭かったりして、実際に解く際に使えるスペースの把握や、ページ繰りのイメージ、ペース配分などに難があるので、特に第一第二志望あたりの学校では可能な限り入手しましょう。

麻布や開成、筑駒を始め、説明会や事務室で販売・配布している学校も多くあります。説明会参加者に無料配布したり、学園祭で6年生の希望者や願書購入者にだけ配布したり、学校によって対応が様々なので、学校に行く前に問い合わせておく方が良いです。

特に無くなり次第終了の無料配布の場合、初日の早い時間に行かないと入手し損ねるので、しっかり調べておきましょう。ほとんどの学校で前年度分しか配布がないので、4〜5年生のうちから通っておくと良いです。

 

在校生との会話

実際の生徒の雰囲気を知るのに、ただ展示を見たり挨拶するだけでなく、機会を見つけて何人かの生徒と話してみることも貴重な機会です。一人だと当たり外れが大きいので、なるべく多くの生徒に学校生活のことや部活のこと、制服や持ち物の使いやすさや人気具合、宿題や怖い先生のことなんかを聞いてみると良いです。

例えば学習院だと入試の補助をする生徒もいて、教室にいたのが入学後は同じ部活の先輩だった、なんてこともあります。苦手科目をどうやって勉強したかなど、実際に合格した先輩から聞けると、子供は親より素直に受け取ったりもします。

色々なエピソードを直に聞けることは、もしかすると展示物などを見るよりもイメージを掴む役に立つので、積極的にお話してみてください。

 

保健室受験、別室受験についての把握

以前、保健室受験で見事に合格した子がいました。受験当日に具合が悪くなった場合、保健室受験、別室受験、受験不可など、学校によって対応が異なります。予め調べておきましょう。なるべく保健室の場所を見に行っておくと良いです。

保健室は安心と癒しを与えてくれる場所。何かあったらここで助けてくれる、ってイメージを持っておくだけでも、だいぶ違います。入学したら何度も使うことになる場所ですから、先取りで利用するのも悪くないですね。

 

受験会場になる教室、トイレの下見

どの棟が入試会場になるかも、学園祭などでも聞けば教えてくれたり、説明会や学校見学時に教えてくれることもあります。そのほかの設備、例えば冷水機や自販機の位置と利用の可否まで、闘う場を頭に入れて、自分のホームに近づけておくことはとても大事。

大抵はトイレに行くものなので、本番当日にトイレの鏡を見てスイッチを入れるようなイメージを作っておくのも良いでしょう。

好きなセリフを幾つか考えて、トイレの鏡を見ながら言ってくる。よし、ここまで来たぞ。できることを全部置いて来よう。わからない問題は後にとっておく。過去問で決めたペースで一周する。数字は綺麗に書く。などですね。

たくさんの言葉でなく、ひとつかふたつに絞った方が良いです。同じセリフを共有して、当日朝のお手紙に書いて渡してあげましょう。

例えば「トイレにはもう行きましたか?今日まで頑張ってきたことを先生に見てもらえるように、なるべくたくさん置いてきてね。」みたいな感じですね。お守りや一筆箋は定番ですが、離れていても応援している気持ちを伝えるのにはとても有効な手段です。

 

子供とのイメージ作り

特に人気の学園祭では結構な人出になるので、受験当日と似た混雑ぶりを目にすることが出来ます。雰囲気は全く違いますが、それを踏まえて「当日はきっとこの人たちがみんな受験生になってるくらいだよ」とか、「このあたりにもテレビカメラとか、塾の先生がたくさんいそうだね」なんて話をしながら、想像を働かせる機会を与えてあげましょう。何人いると思う?って考えて、当日に答え合わせしても良い。

特に倍率の高い学校の場合、入校までに列をなしている受験生の数に圧倒され、悪い種類の緊張のスイッチが入ってしまうことがあります。イメージしておくことで、その軽減に幾らか役立つので、一緒に色々と想像してあげてみてください。

緊張を自分のものにする方法も、学校で実際にやっておくと良いです。「あ〜緊張してるな」って言葉にして、水を一口。「よし、手とお腹を温めよう」って言ってカイロを持ってお腹に当てる。目を閉じて、にやけてみる。入学後、同じ教室から入った子に「お前入試の時ニヤニヤしてただろう」って言われるくらい。

手を大きく伸ばして、ルフィのポーズで「○○生に、俺はなる!」って口にする。教壇でやってこいって言っても、誰一人実行して来ませんが。入ったら自己紹介なしで友達ができるし、入らなければ二度と行かないんだから良いと思うんですけどね。。。自席で手を伸ばして、そんなやりとりを思い出すだけでも、幾らか気分が良くなります。

本番では子供が一人で闘います。一緒に行ける機会に、少しでも有利になるように色々と仕込んでおきましょう。

おまけ

twitterのアカウントを開設しました。そんなに呟く予定はありませんが、お知らせしておきます。

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https://twitter.com/aswgtutor

 

中学受験偏差値54以下の学校と、高校受験偏差値61〜69の都立高校の進学実績比較

中学受験は難関校を目指して始める人も多く、そこに入れないと大失敗とか、○○以下は行かせる意味がない、なんて論調も見かけます。でも、同級生より難度の高い受験勉強に数年間取り組んできたことに、意味がないとは思えません。

難関上位校に限らず、中学受験〜私学コースでは一定の教育費をかけられる=平均的な層より教育への熱意が高い家庭が自動的に選別されるので、学校行事でも公立校と比べれば「お金をかけられない家庭」へ配慮する必要が減り、部活動や課外活動、留学などの選択肢も広がります。

また、進学実績は学校の生き残りに直結するため、とても熱心に関わってくれる学校も多く、夏期講習や勉強合宿、成績不振者への補習があったり、プログラミングや国際化に向けたカリキュラムも充実している学校が多数あります。持ち偏差値より少し下でも合格した学校に通うことは、通学が過酷でなければ十分に意味のある選択だと考えています。

もちろん、仕切り直して高校でトップ校を目指すのも魅力的な選択肢ですし、歩いて通えるメリットは大きいので、前向きな気持ちで公立中に進むのは良いことです。ただ、それほど偏差値が高くなくても、充実した中高生活を送れそうな学校はたくさんあって、進学実績もなかなかのもの。

私は偏差値55以上の学校なら自分次第でどこの大学でも行ける、って言い方をしますが、じゃあ54以下はどうなのってことで、今回は四谷大塚80偏差値54以下(A〜Bクラス)の進学校と、偏差値61〜69の都立高校の大学進学実績を比較してみました。

都立高校には併設型中高一貫の武蔵、両国、大泉、白鴎、富士を含み、附属中学の四谷大塚80偏差値(平均)は58〜63です。比較基準に、最近人気で高校募集もある広尾学園(63)も載せてあります。

合格数は現役既卒の合計で、進学実績の指標になりやすい以下の大学に絞りました。

旧帝一工
東京大、京都大、東北大、九州大、北海道大、大阪大、名古屋大、東工大、一橋大

早慶上基
早稲田大、慶應大、上智大、国際基督教大

GTMARCH
東京理科大学習院大、明治大、青山大、立教大、中央大、法政大

 

1クラスあたりの東京一工国公医合格数(中学受験校・高校受験校)

偏差値54以下の進学校と都立高校の進学実績比較

桐蔭学園中等や公文国際は、神奈川という立地もあってやや競争が低いだけで進学実績は難関上位校に匹敵するので、今回は偏差値50未満の学校に注目していきます。偏差値欄は四谷大塚80偏差値(複数入試・男女平均)で、都立高校は太字で高校偏差値(リセマム)を記載しています。88校分の一覧データは貼り付けるには大き過ぎるので、一部抜粋した画像をご覧ください。

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まず、国公立合格率では、穎明館(44)が29.5%と大健闘。桐光学園(45)は22.9%、佼成学園(41)が21.2%、成田高付(43)が20.3%、開智未来(45)が20.1%、光塩女子(45)が19.4%、西武学園文理(46)が19.2%。ほぼ5人に1人は国公立に進学する環境は悪くないですね。ここまでは、広尾学園(63)を上回る数字です。

他にも宝仙学園(45)が16.7%、狭山ヶ丘高付属(39)が16.3%と、高校偏差値65の都立三田などを上回る実績を挙げています。入学後に上1割を走れば国公立が見える学校は、湘南白百合(49)、順天(47)、昌平(42)、城北埼玉(46)、安田学園(47)、城西川越(43)、藤嶺学園藤沢(39)、京華(43)があります。

 

2021.6.3 以下のコメントを頂きました。

この記事の穎明館の2019年の実績
(東大1 京大1 東工大3 早慶上理85 GMARCH100)は、偏差値44の生徒ではありません。

2013年入学の生徒の偏差値は52~55でした。

また2015年までは偏差値51程度(今年の卒業生が入学した時まで)でしたが、2016年以降は偏差値が下がっています。
2015年 51→2017年 47 →2018年以降44

なので現在の偏差値の44と今年までの卒業生の実績を結びつけることは出来ないです。ご存知でしたら申し訳ありませんが、誤解を招きそうな内容でしたのでお知らせしました。

そうですね。この記事では54以下の学校という括りだったのであまり気にしていませんでしたが、確かに現時点の44という数字は誤解を招く可能性もあるように思いますので、引用させて頂きました。

個人的には、入学時Y45くらいの子が中高の学習にしっかり取り組めば、かなり高いところまで学力は伸びると考えていますが、全体で見れば入学時偏差値と進学実績にはある程度の相関性はあると思いますので、大事な補足ですね。ありがとうございます。

 

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次に対象私大合格率でも、穎明館(44)は134.2%、湘南白百合(49)が132.0%で、広尾学園(63)や都立併設型中高一貫の大泉(60)、白鴎(58)、富士(58)を上回る数字になっています。

例えば、偏差値63の広尾学園に入ったら大成功、偏差値44の穎明館だったら大失敗なんてイメージの人もいそうですが、そう悲観したものではありませんね。広尾学園は医学部に70名以上の合格者を出すなど、この表では出てこない実績も優れているので、この数字だけで同等の進学実績などと考えることは出来ませんが、中学偏差値だけで失望しなくても良さそうに思えます。

 

88校分の一覧データは下記よりご覧いただけます。

 

偏差値54以下の大学附属・系属校の進学実績

こちらは、大学の附属系属校50校分のデータです。実績上位には、偏差値50台の東京都市大付、都市大等々力、帝京、國學院久我山、女子校の大妻と共立、千葉の芝浦工大柏と専修大松戸など、難関上位校との併願候補に上がることも多い学校が並んでいます。

偏差値50未満で見ると、多摩大聖ヶ丘(37)、麗澤(47)、獨協(43)は国公立合格率10%を超える良好な実績を挙げています。

 

こうして見ても、中学受験の偏差値40台というのは、決して出来の悪い層ではないことがわかると思います。中学受験の段階ではまだ伸びなくても、東大や東工大早慶などの難関大学に進学する子はたくさんいるので、どこに進んでも意欲を持って、学業に励むことが大切です。

これからの文化祭や説明会も活用し、学校の魅力を十分に調べて、子供に合った雰囲気を持つ学校を探してあげてください。

 

おまけに、高校受験偏差値70台前半の学校の中学偏差値との比較表。

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偏差値は、その時点での集団の中での位置の目安としては有効ですが、将来の可能性を判定するものではありません。また、学校の合格判定偏差値は人気によって上下するもので、教育レベルや環境を示すランキングではありません。囚われ過ぎることなく、有効なツールとしてうまく使ってください。

 

2019.8.14 追記 面白いブックマークコメントを頂きました。

中学受験の偏差値と高校受験の偏差値を同列に見てもどうしようもないだろ。標本が違いすぎる。

念のため補足すると、偏差値の記載は共学・男子・女子などと同じ属性値の位置付けで、偏差値順に並べ替えたり、同列に見る目的ではありません。進学実績を見る際に、この学校の中学受験時の偏差値はこれ、高校ではこれ、という参照用です。

合格率自体も現役既卒混合な上に、大学の難易度も学部によって差があり、本文でも書いたように記載外にも難関大学・学部は多数あるので参考に過ぎませんが、割と巻き返せることは多いっていうひとつの目安に。

中学受験では中央値付近の偏差値40〜50台でも、高校受験だと上位1割の60台後半から70台になる学校があることや、大学進学実績で比較しても、高校偏差値60〜70くらいの学校と遜色ない学校はかなりあること、などを見て頂ければと思います。

何度か書いていることですが、中学受験は大学受験までの3分の1〜4分の1の途中チェックポイントに過ぎず、最終学歴は中高の努力次第で決まりますし、中高は大学受験の予備校でもない。仮に中学受験で第一志望や偏差値50に届かなくても、絶望や恥を感じたり、子供を責めたり蔑んだりすることなく、意欲を持って新しい生活を始められると良いと願っています。

 

入試&学校説明会・文化祭などのイベント開催日と申込の一覧(2019最終版) 男子校・女子校・共学校 全213校分 中学受験校検討用

男子校41校、女子校55校、共学117校の合計213校分(東京・神奈川・千葉・埼玉)のイベントリスト最終版です。

申込一覧の未定は、受付開始日の告示がホームページ上にないもので、その学校の他イベントの受付時期などを参考に1ヶ月前などの年月日を記載してあります。興味のあるイベントが見つかったら直接問い合わせて、正確な情報を得るようにしてください。

特に体験教室などは定員が少なく、受付開始直後〜数日で埋まることも多いので、いつから受付開始か予めメールや電話で直接問い合わせることをお勧めします。

かなり多くの学校で、個別で学校見学を申し込むことも可能です。説明会以外の日に単独で見学を申し込むのは熱意の現れとして好意的に受け取られることが多く、参加できなかった説明会の内容などを聞けることもあるので、見学時には遠慮せず聞いてみましょう。 


偏差値帯別に区切った一覧

四谷大塚80偏差値(複数入試のある場合は平均値)で9つの帯に分け、3つずつの構成です。併願校探しには、自分の偏差値帯+下2つの帯でのご利用をお勧めします。例えば現在の偏差値が60の場合、属する帯は②なので、お勧めの表はBになります。男子用は男子校+共学校、女子用は女子校+共学校になっています。

下段には、全学校データを統合したものと、今回追加掲載した86校分のExcel編集用データも入れてあります。

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イベント日程表

A 55〜73

B 52〜62

C 49〜58

D 46〜54

E 42〜51

F 38〜48

G 33〜45

全一覧.pdf

全一覧.xlsx

追加分.xlsx

 

イベント申込表

A 55〜73

B 52〜62

C 49〜58

D 46〜54

E 42〜51

F 38〜48

G 33〜45

全一覧.pdf

全一覧.xlsx

追加分.xlsx

 

表の見方、使い方

イベント開催日は以下のように、開催日/曜日/地域/性別/学校名/偏差値/予約の有無の順になっています。イベントの背景に着色してあるものは予約申込が必要または推奨されているもので、★は表計算で並べ替える際にお使い頂くためのものです。

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イベントの申込日の一覧では、年月日/申込開始時間/地域/性別/学校名/偏差値/内容/イベント/開催日の順になっています。受付中は現時点で満席でないものを掲載していますが、ご覧いただくタイミングによっては満席になっているかもしれません。

受付開始日時が掲載されていないものは、約1ヶ月前などの目安年月日を掲載してありますので、学校ホームページの告知を確認するタイミングなどにお使いください。

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イベントによって、開催時刻、上履きなどの持参品、参加対象(保護者のみ/学年など)が異なりますので、詳細はそれぞれの学校ホームページでご確認ください。

女子校の学園祭は、子供のみ・保護者のみでの入場不可のところや、事前申込なしでも受付で書類記入すれば入場可能なところもありますので、十分にご確認ください。学園祭期間中に入試相談コーナーを設けるところは多いので、直接教師に質問する良い機会です。

学校説明会は、回によって内容が異なる場合と、複数回の内容が全く同じ場合があります。子供はクラブや授業などの体験、保護者は説明会などに分かれたり、説明会終了後に学校見学が出来たり、個別相談があったりすることも多いので、学校ホームページの内容をご確認の上、有益なスケジュールを組んで周って見てください。

イベント開催日と、申込開始日順の一覧の閲覧・ダウンロード

前回の記事にも書きましたが、誤記載もあり得ます。例えば◯月◯日◯時より受付開始という記載が誤りで、説明会に申し込みそびれる等のトラブルが生じても一切の責任は負えませんので、詳細は必ず学校ホームページで確認するようにしてください。

ファイルは閲覧とダウンロードのみできる状態ですので、エクセル編集の場合はご自分のPCにダウンロードしてからご利用ください。

ファイルの閲覧・ダウンロードがうまくいかない場合は、「男子+共学のイベント日程表とイベント申込表」など、ご希望のファイル名をお知らせ頂ければメールにてお送りします。フォームまたはメールよりご連絡ください。

 

PC画面

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スマホ画面

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中学受験用:入試・学校説明会、文化祭などのリスト 男子・女子・共学校 2019年8月5日〜

8月以降の説明会・文化祭などのリストです。現時点では四谷80偏差値52以上くらいの学校で、8月中旬には他校も含めたものを掲載する予定です。

2019.8.13最終版を掲載しました。

イベント開催日カレンダーと、事前申し込みが必要なイベントの申込開始日順の一覧になっています。

全一覧は大きすぎて見にくいので、男子校+共学や女子校+共学などに分割したpdfとxlsxファイルで上げておきました。pdfは分割版と1枚の表の2タイプになっています。

 

表の見方、使い方

イベント開催日は以下のように、開催日/曜日/地域/性別/学校名/偏差値/予約の有無の順になっています。イベントの背景に着色してあるものは予約申込が必要または推奨されているもので、★は表計算で並べ替える際にお使い頂くためのものです。

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イベントの申込日の一覧では、年月日/申込開始時間/地域/性別/学校名/偏差値/内容/イベント/開催日の順になっています。受付中は現時点で満席でないものを掲載していますが、ご覧いただくタイミングによっては満席になっているかもしれません。

受付開始日時が掲載されていないものは、約1ヶ月前などの目安年月日を掲載してありますので、学校ホームページの告知を確認するタイミングなどにお使いください。

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イベントによって、開催時刻、上履きなどの持参品、参加対象(保護者のみ/学年など)が異なりますので、詳細はそれぞれの学校ホームページでご確認ください。

女子校の学園祭は、子供のみ・保護者のみでの入場不可のところや、事前申込なしでも受付で書類記入すれば入場可能なところもありますので、十分にご確認ください。学園祭期間中に入試相談コーナーを設けるところは多いので、直接教師に質問する良い機会です。

学校説明会は、回によって内容が異なる場合と、複数回の内容が全く同じ場合があります。子供はクラブや授業などの体験、保護者は説明会などに分かれたり、説明会終了後に学校見学が出来たり、個別相談があったりすることも多いので、学校ホームページの内容をご確認の上、有益なスケジュールを組んで周って見てください。

 

イベント開催日と、申込開始日順の一覧の閲覧・ダウンロード

前回の記事にも書きましたが、誤記載もあり得ます。例えば◯月◯日◯時より受付開始という記載が誤りで、説明会に申し込みそびれる等のトラブルが生じても一切の責任は負えませんので、詳細は必ず学校ホームページで確認するようにしてください。

ファイルは閲覧とダウンロードのみできる状態ですので、エクセル編集の場合はご自分のPCにダウンロードしてからご利用ください。

ファイルの閲覧・ダウンロードがうまくいかない場合は、「男子+共学のイベント日程表とイベント申込表」など、ご希望のファイル名をお知らせ頂ければメールにてお送りします。フォームまたはメールよりご連絡ください。

 

イベント日程表

男子+共学

分割PDF

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Excel

女子+共学

分割PDF

一覧PDF

Excel

男子校のみ

分割PDF

一覧PDF

Excel

女子校のみ

分割PDF

一覧PDF

Excel

共学校のみ

分割PDF

一覧PDF

Excel

全一覧

分割PDF

一覧PDF

Excel

イベント申込表

男子+共学

分割PDF

一覧PDF

Excel

女子+共学

分割PDF

一覧PDF

Excel

男子校のみ

分割PDF

一覧PDF

Excel

女子校のみ

分割PDF

一覧PDF

Excel

共学校のみ

分割PDF

一覧PDF

Excel

全一覧

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中学受験用:入試説明会、学校説明会、オープンスクールなどのリスト(男子校・共学校)2019年8月〜

8月以降の説明会・文化祭などのリストです。男子校と共学校の一部、四谷80偏差値が52以上くらいの学校のものを、PDFで上げてあります(複数入試のある学校は平均)。

後半の入試説明会では、かなり詳しく問題や範囲に言及してくれる学校もありますし、その学校に慣れておくことも本番で有利に働いたりします。「ここもこんなことやってるんだ」とか、「もう予約しないと!」って気付きに役立てて頂ければ嬉しいです。

画像をタップ/クリックするとPDFが開きます。PDFはかなり大きなサイズなので、環境によっては重いかも知れません。後日、女子版や必要なものだけ並べ替えやすいエクセルファイルも上げる予定です。

正確な情報を掲載するよう注意を払っていますが、誤記載もあり得ます。先日も、進学データで共学校を女子校枠に掲載してあり、掲載後2ヶ月ほど経ってからご指摘を頂いて、修正したことがありました。

例えば◯月◯日◯時より受付開始という記載が誤りで、説明会に申し込みそびれる等のトラブルが生じても一切の責任は負えませんので、詳細は必ず学校ホームページで確認するようにしてください。

 

2019.8.13最終版を掲載しました。

 

2019.8.5 女子校含む四谷80偏差値52以上の学校の一覧をアップしました。

 
イベントカレンダー

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こちらはイベント開催日の日程順。イベントの背景に着色してあるものは、予約申込が必要です。

 

 

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こちらはイベント開催日の学校別。偏差値順に、学校ごとに並べてあります。

 

イベント申込

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こちらは事前申し込みが必要なイベントの申込開始日順。受付開始日が確定掲載されていないところは赤字にしてあります。ほとんどはインターネット予約ですが、ハガキ申込のところは必着日になっているので、実際はその数日前に投函する必要があります。

 

 

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カレンダーと同様に、事前申し込みが必要なイベントの学校別も上げてあります。

 

人気校の予約説明会はすぐに埋まってしまうところもあります。受付開始前にID登録しておくと、申込開始時に幾らか早く手続き出来ます。

説明会も後期のものは入試説明の比重が高かったり、かなり詳しい対策を教えてくれるところもあるので、受験予定の学校には可能な限り足を運ぶことをお勧めします。

また、説明会の後に施設見学があったり、文化祭の中で個別相談があったりするほか、スリッパ持参の有無などもありますので、興味のあるイベントが見つかったら、学校ホームページで詳細を確認してください。

 

中学受験の志望校・併願校を選ぶ心構え

秋の説明会、文化祭などの学校行事の日程もだいぶ出揃ってきました。ここで情報をしっかり収集して、受験する学校を絞り込んでいく。志望校を決める上で、大事だと思うことを書いておきます。子供の学習管理をしながら、とても忙しい日々だと思いますが、自分の体も気遣って、乗り切ってください。

 

子供は結構頑張っている。

自分の属する基本集団=小学校から離れ、週何日も塾に通い、帰宅後や塾のない日も自宅学習して、週末にはテストを受け、長期休みにも講習を受ける。重いバッグ背負って、電車にも乗ったりして。この時点で、結構な頑張りだと思っています。

中学受験の理由のひとつは、属する集団の空気が大学進学に有利なこと。学校外なら鉄緑やSEGやグノーブル、駿台河合塾まで幾らでも塾はあるのに、どうして進学実績と偏差値の高い難関上位校を目指すのか。同級生の空気や環境って大事ですよね。

で、今通っている小学校はどうでしょう。目指している進学校と同等の、進学意識の高い子だらけでしょうか。小学生が、周囲の進学意欲も高くない環境で、難関上位校を目指すのがどれほどのことか。個人的には、高校生が進学意識の高い環境で東大を目指すより、もっと大変なことだと考えています。

大人でも、会社に勤めながら週4〜5日講座に通い、毎週テストを受け、自宅でも頑張れる層がどれだけいるか。しかも休日も長期休暇も、旅行や遊びにもいかず、朝から晩まで勉強。

仕事ではストレスもある?子供は授業中も遊び放題、休み時間も寝ているだけでしょうか。普通の小学生も、ストレス低めの仕事と大差ない程度には、授業に人間関係、色々と頭や気を使っているものです。その上で通塾し、自宅でも勉強するなんて!なかなか凄いでしょう。

だから、休まず塾に通って授業を受け、しかも宿題までやってるなら、既に花丸級というイメージで接します。もちろん、上に行くには自宅学習が肝という話はします。勝たせるには、避けては通れません。

でも、頑張ってることを認めた上で勝ち筋を教えようとするのと、そのくらい当然、むしろ足りない、もっとやれ!って押し付けるのでは、子供の受け取り方は違ってくるもの。

まだ小学生だから親の影響を受けやすく、ある程度コントロールできてしまう。でも実際は、結構な努力をしています。そこを認めて、その成果を得られるように協力することが、大事な心がけ。子供が頑張ってるんだから支えて、努力に見合う結果を取らせてあげたい、合格させてあげたい。だからこそ、受験校の選定はとても大事ですね。

 

安全校を3〜4校は重ねた方が良い。

既に第一、第二志望はだいぶイメージが固まっている方が多いと思いますが、受験校は5〜7校は選んでおいた方が良いです。なるべく「偏差値とブランド」で選ぶ意識を抑えつつ、魅力を感じる学校を探すことをお勧めします。

第一志望50%、第二志望80%の子が10人いれば、確率的には1人は両方落ちます。参加者の1割が骨折するようなイベントには行かせない人も多いと思いますが、第一第二志望の連続落ちは、骨折などより大きな喪失感や辛さを味わう可能性がある。

私が見てきた中でも、栄東○-渋幕●-新座○-麻布●-学習院○-芝○(芝に進学)とか、渋幕○-早稲田●-学習院○-早稲田○(早稲田に進学)もいます。どちらも偏差値的には十分なレベルだったし、早稲田1回落ちの子なんて合格した渋幕と早稲田2回の方が偏差値は高い。それでも、受験では負けることもあるんですね。

どこまで行っても0%にはなりませんが、もう2つ80%を重ねると数字上は全落ち0.4%、250人に1人。更に1つ重ねれば全落ちは千人に1人未満。このくらいまで、安全策を講じたいものです。

本人が遊びの延長なら不合格も「悔しいだけ」ですが、記憶にある人生のかなりの割合を頑張ってきたので、ほとんどの子には「目的のために代償を支払ったのに得られなかった」という喪失感が付いてきます。

だから、第三、第四志望でも頑張ってよかった!と感じられるくらいの備えはとても大事。理想を言えば、第一志望以外は全部第二志望、ってくらいですね。

 

進学先では6年間を過ごす。

大学受験までを考えた場合、中学受験は小4から数えて3分の1、小5からだと4分の1を経過した段階に過ぎません。第一志望に入るかどうかは、先頭集団を更に細かく分ける組分けのようなものです。3〜4周あるレースの1周目の順位で、ゴールの順位が決まるわけもない。先頭集団は有利だけど、中団からの逆転もある段階。

塾の組分けと違うのは、一貫校なら6年続くこと。転校や外部受験という選択肢はありますが、合わないから転塾というほど気軽には移れませんね。しかも中高では授業と受験勉強だけじゃなく、部活や思春期の人間関係、留学まで様々なことがある。

だからこそ、入った学校で色々なことに熱心に取り組むことや、周囲と良い関係を築くことがとても大事。そのためには、第一志望以外の学校であっても胸を張り、希望を持って入学することが重要になってきます。

私の場合、出身校ではないけど学習院の環境がとても気に入っているので、もう一度中高生活を送れるなら通いたいくらいだ、って話していました。中高でも勉強しなきゃ難関大には入れない。東大行きたきゃ塾も使って頑張れば良いし、早慶には枠もあるし。って感じですね。

 

受験校の素晴らしいところ、通う理由を説明できるくらいに。

受験する学校には、進学する可能性があります。親に「ここしか行けなかったけどしょうがないね」って言われるほど気分を下げることは、そうありません。

「もっと美女と付き合いたかったけど、フラれてお前しか無理だった」とか「もっと良い子いるのに、なんでそんなのと付き合ってるの」って言われて、良い気分になる人って少ないですよね。普通は凹む上に、言った奴を嫌いになりそう。

学校に失礼とかのモラルの話ではなく、人生に対する向き合い方の話。その学校がこれから過ごす舞台なのに、進学後も授業や学校活動に真剣に取り組まず、同級生のことも、自分のことまで見下すようなスタートを切る可能性を高めてしまう。

どこでも現状を受け入れ、そこから幸せや可能性を広げていく人になって欲しいのか。それとも、少しレールから外れたら台無し、何にでも不平不満、不幸を撒き散らす人になって欲しいのか。

志望校が偏差値順に並ぶ可能性は割と高い。校風や教育内容が、外から見て優れているほど人気も出て難化する=偏差値も上がるし、大学進学実績と、学校名や偏差値自体によるブランド化もある。商売というか、広告の上手下手もありますね。でも、このブランドで満たされるのは入学〜せいぜい数年。

卒業後、学歴の必要のない道を選んで邁進するなら大学もどうでも良いですが、好きな進路にも進めず、浪人して更に見下すような大学に進むことになったら、それこそ大失敗。そうならないために大事なのは、中高でも真面目に学業に取り組むこと。

偏差値は、その学校の魅力そのものを示すものではなく、受験して合格した子の成績データ、あとは人気の指標。偏差値上位校の方が、学力や進学意識が高い子が集まるのは事実ですが、大学進学にはかなりの子が塾を利用するし、あくまで「メリットのひとつ」に過ぎない。人気店の味が口に合うとも限りませんよね。

その学校の教育方針、様々な課外活動、施設と周辺の環境、教師との出会い。何より、子供自身がその中でどんな役割を演じ、どんな取り組み方をしていくのか。

残念、見下す、仕方なく。こういった心構えで入れば、スタートに失敗し、自分の通う学校も愛せず、努力も足りないルートを辿る可能性が増えてしまいます。

人を見下し舐めてかかる態度は、自分を弱くするし、認められもしません。相手を敬い全力で取り組んでこそ、強くもなるし、認められもする。落ちてからフォローで言うのではなく、どこに進もうが道を切り開いていく心構えを持たせておく方が良い。

親の役割は、偏差値がひとつでも高い学校に合格させることではなく、充実した中高生活を送れる準備を整えてあげることだと思います。その先の大学進学や社会人としての成功、人としての魅力や逞しさを身につけて欲しいなら尚更ですね。

希望と意欲を持ってスタートを切らせたいなら、商品の魅力と注意点の全てを伝え、売り上げだけでなく顧客満足度も高いトップ営業のごとく、その学校を知り尽くすようにする。完全には無理でも、なるべく目指した方が良いです。

 

親は 「落ちたら公立」を多用しない方が良い。

地元の公立にも将来難関大学に進学する子もいるでしょうが、中学入学時点では、その子達も偏差値50に届きません。超えてくる子がいれば、国語力がずば抜けて高く読書量も並外れているか、中学は受験しないけど家庭学習でZ会や自由自在くらいは回している、などの条件を満たしているはず。ほとんどの子は模試を受けても偏差値20〜30台の知識量です。

もちろん、彼らがみな知的水準が低いってことではありません。中学受験は学校教科書のみで取れるものではなく、少なくない量の学習をこなしてやっと40台の成績が取れるものだから。

つまり、例えば「偏差値62以下の学校なら公立で良い」なんてのは、Sクラスが無理ならAクラス下位に入れってこと。何年も通塾させたにしては、随分と飛躍した考えに思えます。

メリットは学費の節約+通学時間、デメリットは偏差値が2〜30下のクラスに入ること。もちろんお金も大事だし、通学に時間をかけず地元で通塾して、高校入試で頑張るのも選択肢のひとつですが、正確に伝わるようにしないといけません。

良くないのは、成功できないお前に金は出さないぞ、みたいな脅しとか見下すニュアンスを持たせた使い方。これまで何年も何十万もかけて少しでも良い環境で勉強!ってやってきた人が、本番では○○以下はゼロ、ってのは一貫性に欠ける。

組分けで少しでも上を目指して努力したり、落ちたら挽回を目指して頑張ったり。中学受験を挟んでも、それを続けるだけのこと。

自尊心を傷つけたり、偏差値で人を見下す習慣をつけさせるために受験させる人はそういないはず。どこに行っても、そこで努力できる力をつけたり、良い刺激をもらえる仲間に出会える確率を上げるために受験させるなら、それが伝わる姿勢が大切です。

 

志望校の情報収集は徹底的に。

受けさせる以上、それぞれの学校の素晴らしさを見つけておくことは、親の義務と言って良いと考えています。口先のフォローでなく、素晴らしい学校生活を送ってね!って送り出せるようにする。

通学も大事な要素です。電車の方向、乗車駅や乗換駅。電車が空くタイミングで乗る駅なら、座ればラッシュの辛さは激減しますが、女子でなくても朝のラッシュは本当にきつい。痴漢とか、事件すれすれの暴力(強く押されるとか)に晒されることもある。

混雑を避けるために時間差通学するなら、何時から学校に入れるのか。早い時間から登校できる、推奨して早朝自学を設定している学校もあれば、始業時間近くまで敷地内に入れない学校もあります。それに、成長期の子供にとって早朝は結構きついことも加味した方が良い。

通学時はどの道を通るか。朝夕の様子はどうなるのか。通学ルートだけでなく、部活でランニングする範囲や、帰宅時の夜の街の様子はどうか。

制服は、持ち物は。サブバッグまで指定があって、指定以外のバッグの使用が原則禁止だったり。学校に教科書や部活の道具も置いておけないなど。様々なことが学校によって異なります。

こういう色々なことを、説明会や文化祭などの学校訪問時に聞いたり、きっちり調べましょう。電話は相手の仕事を中断させることでもあるので、どうしても説明会や文化祭で聞けなかった場合の最終手段にした方が良いです。

在校生や卒業生の活躍、留学などの選択肢まで、その学校で過ごす時間に想像が膨らむような、十分な下調べをしておきましょう。

 

本日受付開始の説明会等

説明会、公開行事等のリストを制作中ですが、本日8月1日からweb予約開始のものがあるので、取り急ぎ記載しておきます。

 

本郷 学校説明会(9/8)8時受付開始

http://www.hongo.ed.jp/wp/20190908_jh_2nd/

 

本郷 過去問解説会(9/21,22)9時受付開始

http://www.hongo.ed.jp/wp/20190716-2/

 

駒場東邦 学校説明会(10/12,13,20)9時受付開始

https://www.komabajh.toho-u.ac.jp/examination/32826/20170701_index.html

 

渋谷教育渋谷 オープンスクール(8/28)10時受付開始

https://mirai-compass.net/usr/shibusbj/event/evtIndex.jsf