偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

合不合の正答率別得点と偏差値

四谷大塚の第2回合不合テストまで、あと2週間ほどになりました。受ける方はここでしっかり得点して、夏への弾みをつけたいですね。

合不合が問題集より有用なのは、そこそこ緊張感のある中で問題を解いて、正答率と偏差値が出るところ。特に第3回〜第4回までは合格判定以上に復習が重要なので、結果をサクッと見たら、しっかり復習して夏休みに入る予定にしておくと良いでしょう。

正答率20〜30%以上の問題は、入試本番で落とすと他の受験生と点差が開くレベルの目安になります。30%以上の問題を完答すると、偏差値は60前後。正答率50%以上の問題は、どこの学校でも落としてはまずいレベル。出来なかった問題は必ず完答できるまで周回しましょう。

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周回の際には不正解の問題を貼り付けてプリントを作り、正解した問題は外してまた不正解問題だけでプリントする形で連続周回しておくと良いです。

期間を明けてまた復習するのも良いですし、正答率50%以上に★★★、正答率30%以上に★★、正答率10%以上に★などを付けて解かせると、自分の得手不得手の感覚と全体の正答率や難解さの感覚をすり合わせることにも使えます。

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中学受験組と高校受験組の東大合格率の比較推計と別学共学での合格率など

前回のデータは「東大合格者を出した学校」だけの数値で、全体では一人もいない学校の方が多いですね。全体からの比率を推計するのに、都内の小学生の私立・国立・都立などへの進学数を引っ張ってみました(都外から・都外への通学生もいるので厳密には数が違いますが)。

中高で入試のある併設型一貫校の合格実績は、人数比率で分配推計しています。例えば開成は卒業者数401名、高校募集が100名なので、中学受験組は301名として、合格者数を47人と140人に配分。合格者数1名の学校は、卒業生数の多い方に1、少ない方は0としています。

中学受験組と高校入試組

2013年の都内の小学校卒業生95,149名中、私立・国立・都立などへの進学者は19,784名でした。これをベースにすると、中学受験組19,784名からの合格者は841名、東大率4.25%。これに対し、残りの75,365名からは合格者が270名、東大率0.36%となりました。

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逆に見ると、中学受験回避または失敗でも、高校受験時に都内で上位2,000人くらいに入れば、合格者数2桁で東大率も3%以上の学校に進学できるとも言えます。

該当するのは併設型一貫校の開成、筑駒、筑附、学芸大附属。都立が日比谷、西、国立、戸山、青山で、2016年の高等学校進学者数74,423人の中の上位2.7%(偏差値69)。これらの学校なら、中学受験で上位校に進むのと遜色ない環境と言えます。

もう少し広げて、都立武蔵や巣鴨、世田谷、豊島岡やお茶ノ水なども含めれば約3,600人くらいで、上位4.8%(偏差値67)。 東大合格者を出した学校全てでは約7,000人で、上位9.3%(偏差値63)になります。

別学と共学

もうひとつ、別学/共学でも出してみました。合格者を出した学校を別学/共学と完全一貫/併設型一貫/高校入試校で分類したもので、別学の東大率が9.44%、共学の東大率が2.74%という結果になっています。

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伝統校に別学が多く、そこに優秀層が集中するので、これだけで進学には別学の方が良いとは言えませんが、授業や部活には別学で専念し、異性との交流は塾などの校外や大学に進んでからというのも、悪くはないと思います。

 

細かい数字は以下よりご覧ください。


小学校卒業生数は平成25年度公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成24年度)の進路状況調査編】より出しています。

 

子供への接し方を変えたい時は、行動の置き換えと無財の七施。

私の受験サポートは、(1)親の関わり方と環境の改善、(2)子供の学習意欲と学習能力の改善、(3)学習計画や併願スケジュールなどの戦略、(4)子供の学力分析と学習指導、の4つが柱です。

家庭教師や塾講師も上記のことに関わってくれますが、「勉強を教える」イメージが強いので、「受験コンサルみたいなもの」とお話ししていました。四谷で偏差値45くらい取れる子なら、適切な方法に量が伴えば学力は伸びるので、学習への取り組みや周囲の関わり方を整えることが大切。

子供と過ごす時は、算数や理科の場合は用意した問題をやらせて、不正解問題を少し解説して、またやり直す。国語の場合は色々な質問をして子供に話させる。あとは雑談で、教えた子たちも覚えている大半は、雑談の内容と勉強の方法の部分です。

親でも同じようなことが出来ますね。独学なら別ですが、SAPIXも四谷も優れたテキストと授業があるし、積極的に活用すれば質問にも答えてくれるので、学習内容に関しては上手な解説など出来なくても良い。子供の吸収力を上げれば良いという考えです。

禁止事項を増やすより、良いことをやるようにする。

どうやれば子供が伸びるか。その子の性質や素質、環境や関わり方で最適解は違いますから、親が色々と本やブログを読んだり、反省したりして良さそうなことを試していくしかないですね。

そこで今までと違った取り組み方を試そうとか、接し方を変えようと決意した場合は、禁止事項を増やすのではなく、やるべきことを明確に描き、それを「演じる」ところから始めることをお勧めしています。これは受験に限らず、今までの習慣や方法を変えよう、改善しようという時には有効です。

人間は基本的に一つのことしか出来ないので、良い行動をしている間は悪い行動が出来ません。何かを禁止してそれを気にするよりも、こういう時はこうする、と決めていく方が、前進しやすくなります。

例えばダイエットでも、あれもこれも食べちゃダメ、でやっていくのはなかなか難しい。食事制限の先に別の目標があったり、それを継続している自分の姿を好む意識があれば可能ですが、そうでなければ挫折やリバウンドが多くなります。

それよりも、食前に野菜をボウル一杯分、必ず先に食べる。これだけ決めて、あとは自由。野菜の量を増やすと、ほかの摂取量を減らしやすくなります。コスパは良くないけど、袋入りの千切りキャベツやカット野菜を買って、食前に一袋でも良い。理想的なメニューだけでなく、最低でもキープ以上のメニューも複数用意し、いつもの行動を置き換える。

子供への接し方も同じ。「怒ってはいけない」って縛るより、「どう振る舞うか」を決めておく方が変えやすい。例えば、前回の記事でも「教えすぎてはいけない」って縛ろうとするより、「条件を書き出したら1分黙る」って決めた方がうまくいきやすいし、積み上げもやりやすくなります。

怒らないようにしよう、という時。

基本的に、怒りや小言を我慢していても、そのうち噴火するか、溜め込んだことが負荷になって元気がなくなります。我慢を使うべきなのは最後の一歩、継続的にはあまり使えないと考えましょう。少なくとも、習慣を変えるのには適しません。

そもそも子供が元気に生きていて、なんの不満があるんだ、幸せじゃないか、という意識はあった方が良いですね。でも、やっぱり合格が欲しいし、「子供の受験を成功させた親」になりたい。お金も労力もかかっているし、他の人との関わりもある中で、完全に達観するのは難しい。

ではどうするかと言うと、効率を考えることと、人に接するという認識を強く持つことを勧めます。

まず効率。10年も親をやっていれば、経験も積まれていますね。叱って、怒って、子供に定着すること、少なくありませんか。本当に危険なことや悪いことを叱った時は、反省が見えたこともあるでしょう。でも、勉強や片付けなんかでは、効果は薄かったりする。

叱ってもお互い気分が悪い、反省に辿り着くのに時間がかかる、数日もすれば効果は消え、そのことに余計に腹がたつ。無駄ですね。貴重な時間や、子供の気力や尊厳を奪うリスクも考えれば、損失かも知れない。

叱って良いのは、暴力や暴言。人にしていけないことは、叱って良いです。でも、そこに至る理由は考える。どうしてそうなったのか、叱る立場の反対側、子供に寄り添い、味方をする弁護士になったつもりで、考えてみましょう。

その上で、叱る。経緯や気持ちは理解しても、人を傷つけてはいけないこと。自分の身に跳ね返ってくること。社会的な孤立にもつながりかねないこと。これを親としてのスタンスにも結びつけていくと良いです。

人にしていけないことは、子供にもしてはいけない。

私は別に、子供の心を救おう!とか、そういう目的で書いてるわけではありません。受験して良かったという結果を得るのに、怒り過ぎても無駄、もしかするとマイナスですよ、って伝えたいだけ。時にはピシャッとやるのも良いですが、まぁ数ヶ月に1回くらい、本当に悪いことをした時などに限定した方が無難です。

怒鳴るとか殴るだけじゃなく、嫌味を言ったり、イライラやがっかりした態度を見せることも含めて、職場や友人関係よりも多く出ているなら、それは「親としての責任感」ではありません。人に対する遠慮を、子供には怠っている。どうして人には遠慮するのか。それを子供にしても良いものかどうか。

親として未熟なのも、失敗するのも仕方ありません。でも、関わりの深さに甘えている部分があったら、変えたほうが良いです。他人に対してコントロールできることを、自分の子供に対して怠っているなら、それは必ず改善できます。既に持っている力を、適切に使えるようにするだけ。

自分のチェックに最適な、無財の七施

仏教の教えに、無財の七施というのがあります。簡単に言えば、お金がなくても人のために出来ること。詳細に興味のある方は調べて頂くとして、よく使うのがそのうちの5つ、眼施(優しい目つき)、顔施(優しい表情)、言施(優しい言葉)、身施(模範的な行動)、心施(心を寄せること)です。まずは普段の自分を振り返ってみましょう。

 眼:監視するように、睨んでいませんか。

 顔:怒ったり、イライラしたり、がっかりした顔をしていませんか。

 言:問い詰めたり、詰ったり、怒鳴ったりしていませんか。

 身:ダラけて後回しにしたり、恩着せがましく動いていませんか。

 心:自分の立場や正論に寄って、子供の心から離れていませんか。

で、先にも書きましたが、怒っちゃいけない。険しい顔をしてもいけない。詰問してもいけない。ダラけてもいけない。自分本位に話してもいけない。となると、なかなか難しい。人間は、禁止事項で縛っても十全に力を発揮することが難しいので、良いと思う行動を描いて、それを実行することに集中しましょう。

振る舞いは、ちょうど良さそうな人物を描いておくと良いです。ホテルマンや執事。優しそうなお医者さん。落ち着いた佇まいのお花の先生とか、優しい食堂のおばちゃんとか。自分が「こういう人って良いな」と思う人の真似をする。毎日メモを見て、書き写して貰った親御さんもいて、効果もありました。これに取り組んでいること自体も、隠しても良いけど、宣言してみるのも良いですよ。

 

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親が教え過ぎていると、夏以降に伸び悩む。黙ることも大事。

夏休みまで40日を切りました。講習や特訓、合宿に宿題。そして秋には、いよいよ志望校別のガチモードに突入。なので、残された時間はそんなに多くありません。四谷だと夏期講習は20万、合宿が7〜8万くらい。ど〜んと30万円が飛んでいきますが、結局ほとんどの子は夏前と偏差値が変わりません。

弱点克服のために、間違えた問題の抽出プリントをやる。基礎の復習を徹底的に回す。小テストで日々の集中力を高めにキープ。どれも良い取り組みです。ただ、他の子もやるから、同じようにやっても抜くのは難しい。同じ層の子は皆、指導ノウハウと合格実績を持つ塾とテキストを利用し、ネットや本でも情報を取って、同じくらいやってくるので、見当違いの努力をする子はほとんどいない。それこそ1日12時間とか圧倒的な量をやらない限り、夏休み明けのテストで2〜3ポイント伸びれば良い方です。

偏差値を上げるのに相応の学習量が必要なのは当然ですが、そう簡単に飛び抜けた量をこなすことは出来ない。大事なのは周囲と比べて成長力が高いかどうか。自分がペースアップしても、周囲も同じだけペースを上げれば順位は同じ。特にS〜C上位の子は、すでに「学習習慣」が鍛えられているので、C下位〜Bの子より頑張れる量も多く、抜くどころか差が開くこともあるわけです。だから、それなりに分析をして、弱点埋めもして、出来ることが少しくらい増えても、偏差値自体は55〜58くらいで跳ね返される。

では、成長力に差をつけるにはどうするか。大事なのは、授業をモノにすることと、常に自分で考えること。執着心やしつこさと言い換えても良いかもしれません。そんなの当たり前、って思いますか?でも、ここを意識的に刺激してあげることを、意外と怠っている。秋になって偏差値が足りない!ってSOSで見ることになった親子は、全員この部分に問題があったので、伸び悩む子にはかなり該当すると思います。そして、改善もできること。理想論ではなく、技術と働きかけの問題です。

授業をモノにする取り組み

まずは授業。伸び悩む子は、授業を有効に活用できていないことが多いです。特に45〜55のBあたりの子は、本人なりに真面目に参加はしているけど、説明を聞いて課題をやるだけ。これだと、脳内で起きていることは、講義動画を見て問題集を解いているのと同じなので、講習に行く時間とお金は周囲に仲間がいる環境に払うようなものです。まぁ刺激にはなりますが、勿体ないですね。

授業がモノにならない子は、“自分に話している”と思っている状態で聞けていません。わざわざ生の授業に参加するなら、一対一で自分に話しかけていると思っている状態で聞くこと、常に脳内で整理対応しながら聞くことが大切です。この改善のために、先生の言うことにいちいち反応して、常に言い換えたりしながら聞くように指導します。ーうん、Aに溜まってからBね。あぁ、ここを超えると底面積が大きな箱って考えるのか。Cはこっちから出る量と入る量の差ね。ーって感じ。

これ自体は本人に言って聞かせるしかありませんが、授業の内容を帰宅後に説明してもらう流れを作ると効果があります。書き殴り、汚いメモでも良いから、先生の言っていることを持ち帰り、自分の言葉にして喋る。説明がわかる、わからないではなく、喋れるかどうか。気分的、感情的な反応を出来ているかどうか。

集団塾での授業は、全部を自分のレベルやペースに合わせて貰えない。だから受け身でついていくので精一杯。なんて個別や家庭教師の売り文句に良くありますが、これこそが思考の放棄。わからないことも無理やり自分の言葉に置き換えて、噛み砕く努力をすることが、頭の中に引っ掛かりを作る。それを家に持ち帰り、見当違いなら親が修正したり、翌日質問してみる。

この繰り返しを続ければ、偏差値は必ず上がります。宿題よりこっちが大事な子は本当に多い。「何をやるか」から「何をわかった/わからなかったか」に意識の重心を移すことが、とても大事です。

自分で考える力を育てるには、教え過ぎずに伴走する

そして、自分で考える力。よく言われる「どうしても受かりたいという本人の熱意が大事」っていうのも間違いではないですが、家庭での取り組みにもポイントがあります。

これまでの記事でも触れてきた、親に「勉強しろ」「早くしろ」って言われがちなのは良くないですが、これは他の記事を読んで頂くとして、もうひとつが親が教えすぎていることです。教えすぎというのは、全部解説してしまうこと。5年生の1周目ならそれもアリですが、6年になってからの2〜3周目以降には適しません。

全部解説されていると、とにかく聞いてしまう。で、それを覚えて、当てはめる。正確に覚えていれば、同じ問題なら一応解けますね。同様に授業も聞いて覚えるだけ。板書をノートに書いたり、指されれば答え、プリントをやって終わり。ってなるわけです。

ところがこれだと、聞いたそばから咀嚼して自分で考える子に比べて、相当に伸びが悪い。そもそも正しいことを言ってるので異論は挟む余地はないし、質問も上手になりません。

これを改善する簡単な方法が、親がなるべく黙る時間を増やすことです。高学歴で自分も中学受験の経験がある親などは、問題を見れば答えがわかる。それを一生懸命説明して、子供も一生懸命聞く。熱心な親ほど、一生懸命わからせようと喋ってしまうし、素直な子ほど、黙って聞いてしまう。

全部説明するのは、自転車を目の前で乗って見せてるのと同じ。天才じゃなければ、見てるだけで乗れるようにはなりませんね。コケても下手でも泣いても、自分で漕がせないと上達しない。

そのためには1問全部を説明せず、ひと区切りごとに黙って、反応を待つことです。例えば、設問から条件を取り出す。この時点で何がわかるか、考えて反応する。計算してみたり、別の図を書いてみたり。ほんの数十秒とか、せいぜい数分で良いので、待つこと。詰まったら、ほんの一歩分だけ、後押しをして、また待つ。この繰り返しが、とても重要な「教える技術」の肝です。

もし教える力があるなら、その力は分析と把握に使ってください。ベストは、同じ範囲で過去に解けた問題を把握した状態で話すこと。詰まったら、その範囲で正解したことのある、同じ要素を使う問題を見せて、どうやって解いた?今は解けるかな?ってやり直してみる。親の説明1に対して、子供が喋る、手を動かすが9くらいを目指す意識でちょうど良い。

せっかく一番近くにいる親が、何をやらせれば良いとか、学習量を増やすことばかりに意識が行っていると、子供の学ぶ力自体にフォーカスする人がいないことになります。学習能力を上げる一番の基本は、考えること。考えるっていうのは、反応して、自分の言葉に言い換えて、使ってみること。計算力アップや基礎知識の暗記で届くラインを超えていくためには、家庭学習でその練習をさせてあげてください。

2019年の東大合格者出身校一覧 最新版(判明率90%)

先日公開した東大合格者の出身校別一覧ですが、87校365名を追加して合計2,777名(307校)、判明率が90%になったので再掲しておきます。詳細データは記事下部からPDFとエクセルで閲覧可能です。

 

上位校出身者が圧倒的に多い

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合格者27名以上の上位24校で、合格者数は1,383名、占有率は44.8%。東大生のほぼ2人に1人はこれらの学校の出身者です。内訳は東京12校、神奈川3校、兵庫と愛知が各2校、千葉、埼玉、奈良、福岡、鹿児島に各1校。公立からは東京都立日比谷高等学校と、埼玉県立浦和高等学校愛知県立岡崎高等学校の3校が入っています。

合格者2桁の50校からの合格者数は721名、占有率は23.4%。これらの学校の出身者が4人に1人ですね。そして、9名以下の233校から673名、21.8%の合格者が出ています。

 

地域別では東京で36%、一都三県で54%

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地域別に見てみると、東京が1,111名で全体の36%。神奈川・千葉・埼玉は556名、18%。一都三県で1,667名、54.1%となっています。まぁ近いので当然ですね。

 

中学受験のみの学校が4割超、中学受験突破組が推定7割超。

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一都三県からの1,667名の出身校を入試種別で見てみると、中学受験校からの合格者は703名、中高入試実施校からは690名、高校入試のみの学校からは274名。

中高入試実施校の合格者数を中入生と高入生比率で分けると、中入493名、高入197名となります。実際の合格者がどちらかはわからないので、あくまで参考値ですが。

これを、地域内合格者に占める割合で見ると、中学受験通過者が71.75%、高校受験通過者が28.25%となります。一都三県から東大に進む子の4人に3人近くは、中学受験組と推測することが出来るわけですね。

なお、中学受験校の東大率は7.82%、中高入試校は東大率3.81%、高校入試校の東大率2.58%となっています。現役2桁の学校に限定すると、中学受験校は18%、中高入試校が16%、高校入試校で7%でした。

 


自主性に必要なのは、心と行動の自由、自分で考える練習、芽が出るのを気長に待つこと。

前回の記事で、自主性を発揮できるタイミングには個人差があること、その時期がちょうど受験期に重なってくることを書きました。まだ自主性を発揮する機能が備わっていない子に、出来る子と比較して「どうして出来ないの!」って言うのは、高い場所に手が届かない子に向かって「なんであなたはチビなの!」って言ってるのと大差ないので、マイナスです。

で、子供はその機能を獲得したら、その能力を試す時期になります。幼い頃の、立って歩く、言葉を発する、自我が芽生える。これらと同じように、今度は意思の力を試すタイミングが来る。そして、そのことで得られる結果と、周囲の反応を受け取る。とても重要な体験をする時期です。

だから、受験の時期に自主性を育てる取り組みをする。芽を出すまで、陽当たりの良い場所で水をあげ続ける。芽を出しても、やっぱり水を与え続ける。運良くハマれば受験の取り組みが加速するし、ハマらなくてもやらされている感は減少させることが出来ます。自主性が出れば親が楽、出なくても子供と共同で取り組むことが出来る期間が延びるだけ。

ヨチヨチ歩きの時、いきなり公道や水際を歩かせないように、小学生のうちに親の目の届くところでたくさん転ばさせて、また歩かせることが大切です。

心が自由に動くための準備

最初に触れた、心と行動の準備。このうち、心の準備というのは、人の評価を過剰に気にしない自由のこと。嫌われたくない、怒られたくない、馬鹿にされたくない。褒められよう、気に入られよう。下心くらいのレベルなら良いんだけど、特に怒られたり馬鹿にされたりした経験があるほど束縛に働くことも多くて、人付き合いや新しいことへの挑戦も苦手になりやすいから、こういう気持ちからの解放が必要。

つまり、親に怒られないため、気に入られるため、という理由だけでも、なるべく軽減させていく。自分に目的があり、そのためにやることがあり、それをやる、という意識。うちでは自分で考えて行動しても、怒られたり馬鹿にされたりしないんだ、という安心感。

怒ることは、この邪魔になるから控えた方が良いんですね。怒ってしまうと、恐怖や不快感といった、嫌な気持ちを与える。人間にとって、恐怖心というのはとても強力なので、どうしても意識に引っかかりやすい。だから、感情をぶつけ、相手を責めるような「怒り」は、自主性を育てる上では本当にマイナスしかないです。

それに、怒っている人の言っていることは、あまり覚えていないもの。怒り狂って何時間も説教されても、自分が何かをして怒られたってこと以外の記憶が残らない子は多い。それでいて、合間にした雑談は時間が経っても覚えていたりする。記憶力の問題でも、やる気の問題でもなく、心の状態の問題。怒りをぶつけることは、相手の心の耳を自分の手で塞ぐようなものだと思った方が良いです。

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怒りは相手の耳を塞ぐ

やるべきことを決めて、そこから外れていたら、ただ簡潔に外れていることを伝える。怒ったり急かしても、マイナスの効果しかない。ここの認識を強く持つと有利です。アラを見つけて責めるより、一緒に山を登るペースメーカーになる。共同作業で困難に挑む仲間になる。運良くハマれば受験の取り組みが加速するし、ハマらなくてもやらされている感は減少させることが出来る。

結構なお金と時間を注ぎ込み、成否を突き付けられる刻が迫ってくるから圧はなかなかのものだけど、もともと自由参加のもの。早く終わって欲しい、苦痛で困難な時間と捉えるよりも、人生の中でほんの限られた、子供と一緒に目標を乗り越える仲間にもなり得る時間だと捉えられると最高です。

夜泣きも終わる。オシメも終わる。同じように、自主性がない時期も必ず終わります。自主性が出れば親が楽になるし、出なくても子供と一緒に闘える期間が延びるだけ。どっちにしても得しかない。接し方についてはちょっと多くなるので、また別稿を書きます。

自由に行動するための準備

行動の準備というのは、何をして良いか見当がつくということ。例えば、釣りの経験のない子を、道具が一式揃った場所に放り込んで、好きにやれと言われても、どうして良いかわからず、なかなか手をつけられない。工作の経験のない子を工作室に放り込んでも、手近な端切れで遊ぶくらいになる。どうして良いのか、どこまでやって良いのかの判断が出来ないから。

更に怒られないように、迷惑をかけないように、なんて思えば、余計に手が出ない。失敗したくない、という意識も似ている。失敗は、考え、挑戦した結果に得られる経験。学ぶ過程そのもの、という意識が刷り込まれていくと、徐々に初動は早くなり、ミスにもへこたれない姿勢が出来てくる。

だから、家で勉強する方向に引っ張りたいなら、まず「勉強のやり方」の手ほどきをする。単なる学習方法だけでなく、計画の立て方、実行の方法まで。失敗しても叱らない。がっかり、うんざりした顔を見せない。常に、困ったタイミングで、そこはこうすると良い、と穏やかに言うだけ。ざっとやって見せて、やらせて。この、心と行動の自由を与え、信頼して任せること抜きに、自発的に行動することは出来ません。

勉強以外のことをやれば怒られる。他のことも、勉強を早く始めるため、たくさん勉強するためにやること。着替え、宿題、片付け、食事、お風呂、明日の用意、全部が「早くしろ」→「勉強しろ」に繋がっている。だから心理的には一択。でも、その気分じゃない。そうすると、行動がスローになる。気が散る。そしてまた怒られる...この輪を切る力を持っているのは、親です。

では、いつか自分でやる時をただ待てば良いのかというと、それは無理。普通の小学生を放っておいて、勝手に勉強には向かわない。中学を受験させて、なるべく難関に合格させたい欲があるんだから、それでは困る。で、どうするかと言えば、子供と相談する。成績と目標を見て、次の予定を決める。親が振り、子供が考え、実行を繰り返す形のトレーニングですね。

自転車に乗れるように、最初は後ろから支えていても、徐々に手を離す。段々と自信を付けて、最後はI can handle it.(任せて)。自主性って、自分を操縦する技術なので、本当に心の自転車の乗り方みたいなイメージで伝えています。

子供と相談して、実行をフォローする。

今度の範囲、合計○点を取れば偏差値が○になる。そのためには算数○点、国語○点、理科○点、社会○点が良いと思うけど、どう思う?まずここで、目標について相談するわけですね。目標が適切か、自分次第でいけると思うか、配点はこっちが良いとか。子供が思うことを否定せず、感じていることを知るために聞く。目標が低い場合は、自信を無くしている可能性もある。

次はプロセス。算数○点は、基礎がバッチリなら出来るから、予習シリーズのココが完璧なら取れるけど、どうやって完璧にする?国語は、理科は、社会は?こうやって、作戦会議。やること、その方法と量が決まりますね。

方法についても、入れたいものを相談していく。問題の解き方。ノートの取り方。算数なら、条件を出現ごとに書き足す。線分図の書き方。音読のルール。テキストを閉じて書く。色々な方法を、ひとつひとつモノにしていく。

次は、スイッチの入れ方の相談。可処分時間はこれだけ。いつもは、帰宅後にこうしてるけど。この量をやるには、○時から始めた方がいいかな。この日はどうする?それで足りる?じゃあ、帰ってきて○時に、メロディをセットして、それが鳴ったら準備ね。○時には予鈴をセット、録画の準備をして。○時のチャイムで開始。これで良い?最初は何から始める?音読とか、ページとか。

ここで、子供が真剣に話しているのに、時間が割と短めならナイス。本人は、今までそんなに集中してやっていなかった自覚があります。じゃあ自在に集中できるかって言うと、それはスキルなので別問題だけど、本人的には余力がある感覚を持っている証拠。まずはその時間でやらせてみましょう。予定通りにやり、目標に届かず、甘かったって痛感するのも良い経験です。

計画を立てたら、環境も整える。

計画の相談と合わせて、気の散る要因も可能な限り無くしましょう。ゲーム、カード、おもちゃ、テレビ、スマホタブレットなど。少なくとも視界に入らないようにする。可能なら全部無くしても良いですが、無理なものはスーツケースなどに入れ、タイマー式の南京錠を使ってロックすると、時間まで開きません。この場合、入れてロックする役目も子供にやらせる方が良いです。あと、テレビならリモコンは無くして親のスマホから操作するとか、実情に合わせて工夫してみてください。

高価な物を入れる場合、南京錠が壊れた時に備えてワイヤーカッターも揃えておくか、破いても惜しくないバッグなどを使うようにすると安心です。例えば、安価なエコバッグなどのファスナー部分にワイヤーを通す輪をつけるだけでも、破かない限りは取り出せないように出来るので、目的は十分果たせますね。

リビング学習しているなら、勉強する空間の周りに目隠しになるパーティションを作るのも良いです。イメージは、油はね防止のレンジガードみたいな感じで、使わないときは畳んでしまえる方が便利。デスクなら固定式の方が強度が出るので、状況に合わせて下さい。一緒に作って、そこに目標や予定、進捗表にシールなんかを貼ったり。鉄を組み合わせてマグネットで今日の予定を貼るのも良いし、クリップボードを組み込んでも良い。シンプルに、ホワイトボードに付箋を貼って、終わるごとに捨てていく形も使えます。

そして実行面のフォロー。一緒に居られるなら一緒に始めるのがベストですが、仕事や家事もあって、なかなかずっと一緒にはいられませんね。このために使えるのが録画です。録画じゃなく、スカイプFaceTimeなどの動画チャットでも良いですが、開始時間に合わせて親が休憩なりを取る必要があるので、継続はなかなか大変ですね。なので、子供自身に開始を押させる録画が便利です。

機材は安い中古スマホタブレットなどでも良いし、SD内蔵のアクションカメラやWebカメラ+ソフトでもいけます。内蔵型だと連続録画時間は短いものが多いので、特に最初のコマの開始時などに使うと良いでしょう。録画したら、スライダで早送りでも良いので、必ず全て見ること。毎日、毎回見てくれる人がいることが大事です。

監視の印象を軽減するためにも、責める言葉は使わないこと。仮に席を立つ時間が長くても、「あ〜またお出かけですか〜」くらいで良いし、居眠りしていても「寝てるとかわいいね〜赤ちゃんの頃を思い出すよ」くらいで良い。過ぎた時間は戻らないのに、それを責めて更に時間を使い、エネルギーまで減らすなんて損。幸せな気持ちで見てください。子供が勉強していること、それをただ見てあげるだけ。教えるとか立派なお説教も良いけど、見守ることは力になります。

相談して子供なりに納得した雰囲気を作り、物を取り上げたとか、監視しているという印象にならないように工夫することが、子供の自立しやすい空気を作っていきます。全部をコントロールすることは出来なくても、ロックしたり録画したりは出来る。そうやって、自分の出来ることを任せることと、しっかり目が届くように管理することのバランスが、とても大事です。嘘をついたり時間を破ったりすることもありますが、こちらが根負けしなければ良いだけの話。今が練習の時期だと割り切って、癇癪を起こさずに行きましょう。

 

子供の自主性が伸びるタイミングには個人差がある。それまでは伴走すれば良い。

脳のシナプスが6歳で成人の8割、10歳頃にはほぼ成人並みにまで成長することは良く知られていますが、もうひとつ大事なのがミエリン鞘(髄鞘)の形成。これは、脳の伝達の伝導率を高める導線の皮膜のようなもので、部位によって形成時期が異なります。

細かい説明は省きますが、脳の中でもいわゆる運動系や知覚系は、1〜2歳までに機能的にはほぼ完成します。三つ子の魂と言うのは、この部分が完成して世界と関わり出す3歳頃、つまり脳のベースの一番最初のところに何が刷り込まれるかが結構大事ということ。脳の成長と合わせて、吸収と模倣→実行→周囲の反応や結果を体験して学ぶことの繰り返しで成長していきます。

これに対し、意識的な行動の機能は10〜12歳くらいで完成します。つまり、早い子なら10歳くらいで先のことを考えたり、目的のために意欲的に行動したりする枠組みが出来てくるし、良い悪いの判断をしたりする能力もグッと上がってくるけど、遅い子は12歳くらいになる。他にも、意見を論じるような能力や、感情を上手に伝える能力にも関わります。

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脳の発達:シナプスとミエリン鞘の形成時期と、外から見える変化

12歳からだと中学受験には間に合いませんが、こればっかりは成長のタイミングの問題なので、どうしようもない。身長も、中学に入って止まる子もいれば、高校生ですごく伸びる子もいる。ずっと背の順が真ん中くらいで過ごす子もいる。脳の成長時期も同じで、外からコントロールすることは出来ない、完全な個人差です。

立ったり言葉の出る時期、反抗期の強弱にも個人差があるように、10〜12歳の自主性にも個人差がある。10歳では早い方で、知能も高いと周囲からも褒められて神童扱いになるけど、その先はちょっと賢い止まりの子も珍しくない。単に少し早いタイミングで成長して、それが有利に働くだけ。

逆に、12歳頃に出来上がってくる場合は、中学受験には間に合わないから、受験勉強に挑むと自主性がないって怒られたりしやすいけど、その後の成長や到達点に差があるわけでもない。中高になってしっかりする子も、やっぱり珍しくない。「大器晩成」とか「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」って言葉もあるように、成長時期の問題。

自主性が育つ前でも、勉強は出来るようになる。

では、この部分の成長が早くないと中学受験では勝てないのかと言うと、別にそんなことはない。年齢が低くても、しっかりトレーニングを繰り返せば国旗や年号を覚えたり、暗算が早かったりするように、勉強自体はただの記憶とか知識の使い方なので、別に覚醒系の成長はそこまで必要ありません。ただ、子供によっては、いわゆる意思の力を十分に発揮する枠自体が出来上がっていないので、自律的行動とか求められても無理なものは無理。

親が主導しないと受験勉強できないのは、怠惰な甘えん坊や育て方の問題ではなく、単に成長のタイミングの問題です。子供の成長を見ながら、その時が来るまでは積極的に伴走すれば良い。ここを間違っていると、親としての自己評価を下げ、子供のことも劣る子と決めつけ、目覚めたタイミングでは「どうせお前は〜」って意思も挫かれることになりかねない。

ちょうど中学受験に取り組んでいる期間中に、この力が出てくる子も多いから、自主性を育てる取り組みをしつつ、タイミングは待つことが大事。芽を潰さなければ、そして目的を持てれば、遅くても中学生になれば自主性は出てきます。

ただその前のタイミングで一度、中学受験という篩に掛けられるから、その段階にない子には手を貸した方が有利なだけ。「あぁ、この子はゆっくり成長するタイプなんだな、受験はさせたいから、一緒にやるか」って感じで良いです。なので、中学受験は本当に個々の成長に合わせた取り組み方が重要になります。

良い行動は承認する。悪い行動は否定する。ここまでは良いです。でも、自主的に行動しないことを責め倒すのはマイナス。中学受験は12歳で受けるし、ここで中高の環境が決まるから、なるべく賢い子が集まる環境に入れたい。だから親主導で、責めたりはしないで、うまく誘導してやらせれば良い。自主性があってもなくても、集中して学べば覚える機能に差はないから、学力自体は伸ばせる。たまたま成長の早い子を見た自主性信仰に騙されないで、子供の成長段階と性質に合うやり方を考えてあげれば良いんですね。

親は腹を括って、その先まで見据えておく方が良い。

勝負をさせる以上「勝ちと負けがある」ってことは、親が腹を括っておかないといけない。「負けたらどうしよう」じゃなく、負けも織り込んでおく。併願プランでも、どこで勝ってどこで負けたかによってこうする、ってプランを練るけど、それのもっと長期的なやつ。

第一志望なら大喜び。第二志望なら満足。第三、第四になると仕方ない。それ以下、或いは公立だったらがっかり。こういう意識しかないのは過酷だし、何より次に続かない。負けたら今日は負けた、今回は負けた、それだけのこと。勝っても負けても、兜の緒を締める。ひとつの闘いが終わったら、次の闘いが待っている。本人より、親こそがその意識をしっかり持って導いた方が良い。

麻布からは3割が東大に進むけど、麻布に入れば30%の確率で東大に行けるクジが貰えるわけではない。上3割、クラス10番にいる努力をすれば東大が見える、高レベルの集団に入れるだけ。周囲の平均より少し高めの意識で取り組めば良いから、割と努力しやすい。東大だけで考えても、多少やりやすい環境ってだけです。

仮に、麻布も受かる可能性のあった子が落ちて、芝と学習院が第二第三だったとする。芝だと東大率が5%だけど、その子が東大に入れる確率が麻布の6分の1になるわけじゃない。学習院なら1%、じゃあ入試に落ちただけで、麻布に行くより30分の1に可能性が激減するのか。そんな訳がないですね。

芝ならレベル的にはクラスで2番が目安になるから、平均よりかなり高めの意識で取り組む。学習院なら学年トップを目指す。それだけの話。周囲のノリが違うだけで、本人の必要な努力量自体は別に変わらない。心身の成熟してくる18歳での受験は、より実力通りの結果が出るから、中高での努力量が足りれば入るし、足りなければ入れない。

難関上位校に入れたら、努力したね、実力も出せたね、ってこと。自主性メインだったら、成長が早いタイプ、ってこと。親主導メインだったら、ゆっくり成長するタイプ、ってこと。

どっちにしろ、13歳〜18歳では成熟していくし、親離れもするし、その間の努力で最終学歴は決まる。中受の貯金と才能だけでどうにかなるものじゃないです。第一志望より偏差値や合格実績が低い学校に入ったら、頑張る量が増えるわけじゃなく、周囲より強くて高い目的意識が必要になるってこと。がっかりするんじゃなくて、気合を入れるところです。

 

また長くなったので、心と行動の自由については次の記事にします。