偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

各塾の2024年中学入試合格実績の分布と前年度比+模試の受験推奨範囲など

今年も各塾の2024年中学入試合格者数を5つのグループに分け、それぞれの塾の合格数の比率をグラフ化しました。前年度からの増減比や、1日10校の合格数在籍比も出しています。

志望校を目指すには自塾でどのあたりを目標にするかのイメージや、他塾の模試受験を検討する際の参考などにどうぞ。

 

 

評価方法とグループごとの偏差値分布

各校の評価方法

今回の集計対象校は314、集計対象の塾は33、合格数合計は116,391で、取得日時によって最終の数値と異なることがあります。

集計対象校は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県+茨城県の一部で、関西や地方校の東京入試などは除外しているため、各塾の全合格者数とは異なります。

分布把握のためのグループ分けは、特にボーダー付近では塾によって偏差値の逆転も珍しくありません。評価ポイントは各入試回の偏差値を平均→各塾の数値を平均して算出しており、主に以下のような不正確な点があります。あくまで大まかな分布の目安としてご覧ください。

・ある塾の偏差値が不明の入試で、他塾の偏差値がわかるものは推定値を入力し、全ての塾で偏差値不明の入試回は除外しています。

・各入試回偏差値の単純平均のため、入学者数の少ない高偏差値入試回の影響が出やすく、評価ポイントが実際の入学者の中央値より高めになることがあります。

・男子偏差値と女子偏差値の調整もしていないため、女子校>共学校>男子校の順に上ぶれしやすくなっています。

・推薦、第一志望、帰国生、英語入試などは基本的に除外していますが、定員合算のものは含むこともあります。同様に合格数も、SS-1や受験ドクターなど帰国を分けて表示してあるものは除いていますが、全ての塾が同じようにしているとは限りません。

グループは各塾の公表合格者数合計を均等に近づくように5分割していますが、①が少なめです。

偏差値分布の画像は、左からSAPIX四谷大塚日能研、首都圏模試の偏差値を正規分布として、各グループの該当範囲を赤系で示したものです。

グループ①

評価64以上の32校(合格数16,448)

SAPIXの上3分の1、四谷日能研では上1割に入らないと厳しいグループ。1回入試校も多く、能力的にはっきり浮いている子や、賢い上に相当な努力を積めた子が届くところ。普通に賢いくらいの子が2年の通塾だけで合格することは難しいです。

対象校一覧

 

グループ②

評価59以上の31校(合格数24,347)

SAPIXではボリュームゾーンの上寄り、四谷日能研では上3分の1くらい。クラスで指折りくらいの子が2〜3年の通塾と結構な家庭学習をこなして届くグループで、①に届くレベルにあった子の受け皿にもなっています。

対象校一覧

 

グループ③

評価53以上の58校(合格数23,906)

SAPIXの真ん中〜下寄り、四谷日能研では真ん中より上あたりで、首都圏模試ではまだボリュームゾーンに届きません。クラスの上位2〜3割には入る子が数年の通塾と家庭学習でこのグループまで届けば大健闘です。

対象校一覧

 

グループ④

評価45以上の60校(合格数24,949)

SAIPXでは下3分の1にかかり、四谷日能研ではボリュームゾーンからやや下方向、首都圏模試の上3分の1くらいのグループ。このあたりがクラス上半分から通塾して頑張れば届く可能性があるゾーンで、日大や東洋大まで上がれる学校や、マーチ以上の大学への推薦枠を多く持つ学校もあります。

浮きこぼれて苦労しているレベルでなければ、志望校は③④あたりから探しはじめ、中学受験の適性が高ければ段階的に上げていくのが良いやりかただと思います。

対象校一覧

 

グループ⑤

評価44以下の133校(合格数20,655)

四谷日能研の下3分の1、首都圏模試では全体の3分の2ほどを占めます。平均的な学力の子が受験勉強に取り組んで狙えるのはこのグループですね。対象塾合格数の集計上ひとまとめにしていますが、学校数は対象校の4割強で、④と同等レベルから比較的入りやすいところまで入試難易度の差も大きいグループです。

対象校一覧

 

模試の受験目安

ひとつの模試を継続的に受験し、補強ポイントや立ち位置を確認していくのが基本ですが、塾のカリキュラムや模試には得意な範囲があるので、主な分布から外れる場合には他の模試を受けることが有効な場合もあります。志望校が会場になる模試があれば、雰囲気を経験するために挑戦するのも良いでしょう。

分布が厚めな範囲は、SOでは①〜③、合不合と日能研は②〜④、首都圏模試は④⑤です。ですから、志望校が①の場合はSO、⑤なら首都圏模試の受験者層が近くて参考にしやすく、逆に首都圏模試では①②、SOでは④⑤での立ち位置はわかりにくいと言えます。

自塾の偏差値を基準に他塾模試を検討する場合は、サピ45未満なら合不合か日能研で35未満なら首都圏模試、日能研で65以上ならSO、45未満なら首都圏模試を考えてみるようなイメージですね。

 

各塾の合格者分布

今回の集計対象の全合格者分布は以下のようになっています。この形との差が大きいところが、その塾の特徴と言えます。

また、1人で複数合格することもあるため、在籍生の進学先比率や学力分布と同じではありません。こちらは私がサポートした受験生の合格校(薄色)と進学先(濃色)の分布です。進学先のひとつ下のグループなどで、複数の合格を獲得することが多いことがわかりますね。

 

なお、今回の集計対象のうち合格実績を一部のみ公開している塾(ena・臨海セミナー・あづま・スピカ・E-style・湘南ゼミナール・ステップ)は分布がわからないため、グラフ化していません。

 

SAPIX

まずは①②の合格者率が高いSAPIX型の4塾。SAPIXとグノーブルはよく似た分布、希学園首都圏は①が最多の形で、いずれも全合格数の6割以上を占めています。エルカミノは①②の合計比率が最も高め。

 

早稲アカ型

続いて①②の合格者率が40%台の3塾。駿台浜学園は①②で5割に迫り、①が最も高くなっています。

 

四谷大塚

続いて、①が10%台で③④にボリュームがくる3塾。四谷大塚は②③④が20%台でほぼ同じ、啓進塾は③が突出していて、アントレは④が多めになっています。

 

日能研

①が10%未満で④が最も多い日能研型は、それぞれ特徴が出ています。

啓明館は④が4割超で②が2番目に多く、②④で約3分の2を占めます。

おぎしんは③④で約7割を占め、⑤は少なめですね。

エデュコは②〜⑤が20%台で偏りが少ない形。

茗渓塾は③〜⑤で約9割です。

スタジオキャンパスは②③が約3分の1、④⑤で約6割という分布。

 

栄光ゼミ型

最後は⑤が最も多い栄光ゼミ型。栄光ゼミは⑤が4割超で特に多いですね。

市進は⑤>③>④の形になっています。

 

個別指導塾など

ここからは集団塾との併用が多い個別指導や算数塾などの分布です。集団塾との併用ではSAPIXやグノーブルを勧められるフォトンは、今年も①②で9割超と偏った形です。

受験ドクター、SS-1、TOMASは早稲アカ型に近い分布になっていて、上位校志向の子がもうひと押しするために併用する傾向が強そうな形です。

個別進学館は日能研型、ユリウスは栄光ゼミ型の分布ですね。

 

1日10校の合格率

こちらは、2月1日入試の10校の合格数が在籍数に占める割合を示したもので、対象は在籍数を公開している11塾、在籍数合計は15,680、合格数合計は2,342(約15%)です。

例えば開成合格者は、1月渋幕、2日聖光、3日筑駒などに複数合格するケースも珍しくないため、重複しない1日10校に絞ると難関合格率の目安になります。

SAPIXは20%で5人に1人。18%のグノーブル、20%超の希学園首都圏とエルカミノの4塾は全体平均を上回る「難関志向の強い塾」と言えますね。グノーブルは開成よりも駒東、麻布の合格数が多くなっています。

在籍数最多の早稲アカは約11%で9人に1人、駿台浜学園もほぼ同じです。アントレは12%で、合格数の7割強は武蔵。世田谷区に多いジーニアスも武蔵比率が高く、神奈川の啓進塾は女子はフェリスのみ、男子も普通部が多く地域性が出ていますね。

 

各塾の前年度合格実績との比較

こちらでは今年度と昨年度の合格数を比較し、増減率を出しています。在籍数の増減や1人あたりの受験数・合格数の多寡の影響もあるので、目安としてご覧ください。並びは対象校の合計合格数が多い順、右上の日付は情報取得日です。

四谷大塚は全体的にやや増加傾向。日能研も全体で見ると増加していますが、①②は微減です。

 

SAPIXは全体で見ると微減で、特に⑤の合格数がかなり減少、④は増加しています。早稲アカは①〜④が全て1割台の増加ですね。

 

栄光ゼミは全帯で増加傾向。市進は②が減りましたが⑤は増え、全体的には増加です。

 

グノーブル、ジーニアスはいずれも増加傾向。ジーニアスは④が増えて⑤が減った形です。

 

啓進塾は全体にはやや増ですが①②が減り、スクールFCは①が少し増えて全体では微減。

 

希学園首都圏は全体に大きく増加しています。啓明館は①が大幅減、②③も減らして全体的に減少です。

 

エルカミノ、おぎしんはいずれも②以外が増え、全体的に増加しています。

 

アントレは⑤以外が増え、特に①③はかなりの増加。駿台浜学園は③⑤が増えています。

 

エデュコは①は減ったものの②〜④がかなり増え、全体でも増加です。茗渓塾は①②を中心に全体に大きく減っていますね。なお、このくらいの規模になると数名分の合否でも割合に与える影響は大きくなってきます。

 

スタジオキャンパスは①⑤が大きく減って②③が増え、全体にはやや減。日本教育学院は①⑤が増加、他は減少で全体には減少となっています。

ここからは個別指導塾など。

ユリウス、TOMASともにやや減ですが、TOMASは①は増えています。

 

個別進学館は①④を中心に全体にやや増、受験ドクターは①増加で③〜⑤が減少して全体的には微減です。

 

SS-1は全体的に増加していて、特に③④はかなり増えています。フォトンは更に①②に寄った感じですね。

 

グループ別学校リスト

先述の通りいろいろとブレもあるグループ分けなので、◯◯より◯◯の方が〜といったこともあると思いますが、塾の方向性や指導経験が多いゾーンのイメージ用としてご覧ください。

グループ①

男子校12・女子校10・共学校10

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グループ②

男子校11・女子校6・共学校14

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グループ③

男子校7・女子校8・共学校43

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グループ④

男子校5・女子校18・共学校37

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グループ⑤

男子校7・女子校42・共学校84

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2024年受験組の方の中学受験体験記

2024年度の受験生保護者の方からお寄せいただいた、中学受験体験記をご紹介します。

Ⓢは個別サポート、ⒶはLINEサポート・成績分析・メール相談をご利用になった方からの体験記です。

Ⓢ Kさんのお母さんの体験記

1年間にわたるサポート、息子へのご指導本当にありがとうございました。思い起こせば・・・先生のブログを読んで、私は涙したのです。Twitterにコメントして先生からリプをもらった記憶があります。その時はまだ4年だったと思います。

自塾のお世話になっている先生が大変熱い先生で、自塾にも個別はあるのですが、適宜みますよということでお願いはしていましたが(大変感謝はしています)、どうにもこうにも苦しすぎた5年を経て勇気を出して先生にご連絡をした次第でした。

お引き受けくださりありがとうございました。

先生の分析では痛いところを突かれました。そしてそれを翌日から修正できるかというと・・・難しい道のりでした。先生はよくよくご存知かと思いますが、なかなか一筋罠ではいかない算数の癖、スキルアップ。ここまで放置せずに5年のときからこの体制でやってあげればよかったかな・・・私の中受伴走の後悔があるとすればここです。

でも先生に出会って1年間、息子はさらに頑張りました。亀の歩みだったかもしれませんが、あんな点数もらっても、手ごたえがなくても絶対に算数から、勉強全体から逃げなかった。音を上げなかった、あの姿勢は親として褒める以上に誇りです。あの日々があったからこそ、4日間の激闘を乗り越えられた、4日間を通してさらに成長できたのかなと今は思えます。

子供を育てていて、親以外のお世話になっている方に育んでいただけることがたくさんあるなと常々思っておりましたが、中受を通した先生との出会いは息子の人生にとって大きなご縁だったと感じています。

1. 正しい勉強方法を身に着け、継続することの大切さ。
2. 事実を客観的に受け止め、そこから感情に振り回されず、冷静に対処していくこと(息子だけでなく、親も学びました)。
3. 何度でもやる、ちゃんとやる、やり切ることの重要性。

そして何よりも、【先生のような、尊敬できる聡明な大人に出会えたこと】中学受験勉強の師であるけれども、それ以上に一生懸命に自分に様々なこと伝えてくれる人生の大先輩。先生がそういう人であるのは、きっと先生が若いころからたくさん勉強してきたからだろうと言っています。勉強を蓄積していくことの大切さ、それは受験突破以上にひととしての魅力につながることを息子は理解したのではないでしょうか?

<第1志望に敗れ進学先を決めたあと先生に伝えた息子の言葉>

第1志望には合格することはできなかったけど、進学先でトップになりたいと思います。この進学先でトップになりたいという心持ちになれたのは、改先生の動画のおかげだと思います。トップになって、6年後自分が満足できる結果を残したいです。去年の2月から、今日までの1年間、質問事項を渡して、それに迅速に返信いただいたことは、算数の大きな礎になったと思います。1年間ありがとうございます。

あの不合格を見た直後にこの言葉を先生に伝えた息子に親として驚きました。今回の経験を自分の中でどう生かしていくか、これからを楽しみにしたいと思います。できましたら、これからも時々つながることができ、「あのときあんな勇ましいこと言っていたのにどうした?」とか、もし継続して頑張り続けられていたら、褒めてやって頂けたら嬉しいです。先生にいつかお会いしたいと言っていますが、でもその時に先生に自信を持って報告できないようじゃ恥ずかしいよねぇ、って話しています。

そして、親の私にもいつもありがとうございました。先生の定量分析と定性分析(寄り添っていただけるコメント)はいつも的確で、気合と根性論で乗り切りがちな私を冷静にさせ、子供に寄り添うためのヒントをいつも頂けたと思っています。同じようなことを質問してしまったり、なかなかすっきり改善できなかった親子でしたが、辛抱強くお付き合いくださり、本当にありがとうございます。先生呆れてないかなとたまに心配していたのですが💦

また4日間の激闘における親子のメンタルを支えてくれてありがとうございました。毎朝のボイスメッセージ、何度も聞いて、何度も奮い立たせました。あのメッセージはこれからも(少しの痛みも思い出しながら)聞くような気がします。
1年間本当にありがとうございました。


Ⓢ Cさんのお母さんの体験記

○中学受験の思い出

5年生から受験勉強を開始しました。いつも自分の意見を主張せず、周りに流されている感じの子でした。

そんな娘が文化祭をきっかけに自分で志望校を決め、自ら勉強するようになりました。

途中、親子で志望校について意見が食い違うこともありましたが、「私の受験だから後悔したくない」という娘の意見を貫きました。

中学受験を通じて成長したなと感じます。

結局、本人が行きたがっていた学校には合格は出来ませんでした。

しかし、合格した学校に進学する準備が一段落した矢先、なんと第二志望の学校から繰り上げの連絡が来るという奇跡が起こりました。

山あり谷あり、色々な経験が出来た中学受験でした。

 

○こうしておけば良かったと思うこと

クラスや模試の偏差値に振り回されていました。それがいけないとわかっていながらも、試験のたびに出る偏差値に一喜一憂し、穏やかでいられないことが多々ありました。

模試の成績を上げるための付け焼き刃の勉強ではなく、目標達成のために今何をするべきかもっと冷静に考えるべきでした。


○予想外や想像以上だったこと

想像以上だったことは、不合格の厳しさです。想像以上にメンタルが削られてしまいました。併願選びは慎重に行った方が良いと思いました。

予想外だったことは、都市伝説だと思っていた繰り上げ合格が本当にあるんだということです。

 

○やってみて良かった、役に立ったこと

算数が伸びず苦戦していました。改先生にアドバイスいただき、基礎を徹底的に練習をしたことが合格に繋がりました。答えが合うだけではなく、解き方を覚え瞬殺出来るまで何度も反復しました。一度できるようになっても期間を置いて定期的に復習しました。

決して短期間で効果が出るものではなく、途中でなかなか出来るようにならない焦りや応用問題に進めない焦りもありました。改先生の「入試に間に合えばいい」というアドバイスを心の支えにしながら根気強く取り組んだ結果、入試本番は算数が足を引っ張ることはありませんでした。

 

○特に困難だった時期と、その乗り越え方

6年生夏以降成績が下降し、12月の最終模試まで再浮上しないままでしたのでずっと苦しかったです。
志望校との距離がどんどん乖離し、12月の最後の模試でも第一志望第二志望の合格確率は20%未満。そんな中でも改先生は今何をしたら良いか冷静にアドバイスを下さり救われていました。
あとは、本人の志望校へ強いの想いが、困難だった時期を乗り越えられた要因だと思います。

 

○塾の良かったところ、良くなかったところ

集団塾の良いところは、仲間がいる点です。頑張っている仲間がいることは大変心強かったようです。
良くなかったところは、個人の弱点分析や弱点補強を行ってくれない点です。ただし、集団塾にそこまで求めるのは求めすぎかもしれませんので、そこは諦めていました。しかし、家庭で分析を試みるも素人なのでどのように分析したらよいかわかりませんでした。

そこで、いつもブログを拝見していた改先生に成績分析をお願いし、アドバイスをお願いしました。


○相談・サポートの感想、レビュー

改先生に初めて相談させていただいたのは6年生の春頃でした。塾の先生は不在が多く、タイムリーに相談や質問できないことがありました。

改先生は質問に対してすぐに丁寧な解説動画を送って下さいました。娘は改先生の美しい解き方が好きで、解説動画を楽しみにしていました。

学校選び、塾のオプション、過去問の進め方など、様々な相談にも乗って頂きました。教材を提供してくださる際も、ただ渡すだけではなく、どのように取り組みどのレベルまで仕上げるのか明確でした。

6年秋以降のサピックスオープンで偏差値40をとってしまった時、塾は冷たい対応でしたが、改先生は何をどうやるべきか冷静にあたたかく教えてくださいました。

本当に、穏やかであたたかいお人柄に何度救われたことか。先生には感謝しかありません。

また、受験終了後、中学入学に向けたアドバイスをいただけたことも良かったです。受験終了後、勉強に費やしてきた膨大な時間がぽっかり空き、それをどう使えば良いか途方に暮れてました。

改先生は終了後すぐに明確な目標や方向性を示してくださいましたので、勉強熱が冷めないうちに入学準備に取りかかれました。このアドバイスがなければ中学受験がゴールになってしまい、燃え尽きていたかもしれません。

人生はまだまだこれから、学び続けていくことが大切ということを改めて認識できました。


Ⓢ Kさんのお母さんの体験記

改先生には、2021年の長男の受験の時にたいへん有益な分析とアドバイスを頂き、先生なしには志望校に合格できていなかった、と感じるほどでした。長男の受験終了とともに3歳下の2024年組の次男の6年時のサポートの予約をさせていただきました。ただ、4年生の頃から、困ったときにはご相談し、いつも温かい助言をいただいていました。

次男は4年生のころはBコースとCコースを行ったりきたり。幼いところがあったため思うように勉強が進まず、難しい問題にあたると癇癪を起して逃げて行ってしまっていました。算数では図形が苦手で、4年生のはじめは対頂角も線が3本になるとわからなくなる、といった様子でした。どのように伝えたら理解が進むか、などお聞きして細かくアドバイスをいただけたのが大変たすかりました。

一方で、クイズ研究会に入りたいと言っている、という話からクイズ研究会のある学校をリストアップしてくださって、Bコースでも基礎をしっかりと身につけていけば、6年生時には早稲田中学などを狙える可能性もある、と言っていただいたのが印象に残っています。

当時そこまで行けるとは考えていなかったのですが、さまざまなサポートをいただいたおかげで、6年前半には早稲田の学校別コースの資格を得ることができました。正答率が高い問題を解き直すのが最も有効なのはわかっていましたが、それを抽出する時間も気力もなく、そこをサポート頂いたのは特にありがたかったです。

早稲田コースの資格はいただき、学校別コースに通っていたものの、6年生になっても成績の波は激しかったです。つらかったのは10月合不合で偏差値が5ポイント(夏前と比べて7ポイント)ほど下がってしまったことです。算数と国語がどちらもドンと落ちてしまったのが原因です。合不合の3回~5回の持ち偏差は第1志望の偏差値からかなり離れていってしまいました。

塾の面談では、この持ち偏差だと、2月1日は、第2志望を確実に取りに行って、早稲田は3日にチャレンジした方がよい、というアドバイスを頂きました。第2志望も大好きな学校ではあったのですが、その時には早稲田の思いが強くなっていたので、本人も家族もどんよりしてしまいました。そこで、改先生にご相談したところ、答案をしっかりと分析していただき下記のご提案をいただきました。

・国語の演習を冬休みまでに20問やる。高速で読み、重要な箇所にマーク、記述は本文と行き来して書ききる
・算数は、本文の条件を整理して書きだす、シンプルに高速で書く

国語については、問題の選定から記述の採点講評までしていただき、本人もかなり理解が深まったようでした。こうした対策が功を奏し、12月の合不合では過去最高の偏差値をとり、実力も上がってきたという手ごたえを得られました。同じようなことが長男のときにもあったので、改先生のマジックだなと本当に驚きました。

ところが、冬期講習を経て1月校を受けてみると、全くうまくいきません。10日の栄東は難関校コースで合格したものの、その後、市川が不合格。手ごたえがあったようだったので、こたえました。ここまではある意味想定内だったのですが、想定外だったのが、非常に好感触、かつ持ち偏差的にも問題がなかった立教新座が補欠になってしまったことです。本人が確認して、グレーの画面しか出てこないので大きな衝撃を受けていました。

この時も、頭がぐちゃぐちゃな状態でご相談してしまったのですが。下振れしても58はある、あとは丁寧さと集中力で取り切ればいける、くらいに受け止めてもう一度気合を入れ直していきましょう、とアドバイスをいただきました。

本人はどうしても早稲田に行きたい、という気持ちが強くなっており、また長男の「一度決めたことは変えない方がいい」ということばもあり、1日は早稲田に行くことに決めました。そこからの1週間は難しい問題にもめげず、長時間しっかりと過去問をとき、きちんと直し、自分のダメなところに向き合っている様子から4年生時に怒って逃げ回っていたことを思うと、ずいぶん成長したな、と感じました。結果、なんとか第一志望の早稲田に合格をいただくことができました。

改先生のサポートのすごさを改めて考えると、第一にはデータに裏打ちされた有効なアドバイスがあると思います。6年生の9月以降、やることがたくさんあってパンク気味だと思いますが、長男次男ともに、現実的にこなせるレベルで、これをやれば実力がつく、ということをピンポイントで提示いただきました。頂いた課題をこなすと、本当に魔法のように成績が安定したり上がったりしましたので、驚きしかありません。

第二は、子供の心にとどく肉声のメッセージです。温かく冷静なメッセージで、子供のモチベーションをしっかり支えてくださいました。第三は、親の揺れる心にしっかりと寄り添ってくださることです。特に9月以降はなかなか正気ではいられないですが、まったくまとまっていない心配事を遠慮なくぶつけさせていただいたことで、かなり精神的に救われました。また、セカンドオピニオン的にご感触をうかがえたこともありがたかったです。

兄弟の二人とも、改先生に第一志望に立ち向かっていく勇気をいただき、後押しいただいたおかげで合格をいただけたと思っております。本当にありがとうございました。

 

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6年生の夏休み前までに取り組んでおきたい基礎固め

この時期の成績分析の際には、知識系の積み上げと5年の総復習をおすすめすることが増えます。集団塾はひと通りのことに触れる場所として有効な反面、個々の理解度や習熟度に関わらず次に進むことで、穴が空いたままになりやすいリスクもあります。この穴を埋めていくことは、夏以降の演習の効果を増すことにもつながります。過去記事もご参考に。

なお、ここに書いたものを全て乗せると1時間半〜2時間は必要ですが、大事なのはひとつひとつに集中し、自信を持てるものを増やしていくことです。やることを増やした結果が疲れて集中も意欲も低下するだけでは本末転倒なので、まずは1〜2種類で1日あたり15〜30分の確保から着手してみるのも良いですね。

 

知識系の積み上げ

期間はここからGWまでと、夏休み前までの2つに区切るとやりやすいです。春休みからGWまでに1周し、夏休みに入るまでにもう1周するイメージですね。

取り組みは1日15分くらい確保して、一定量を10分で覚える→翌日5分でチェック→不正解は覚え直し、といった流れで継続していくのがおすすめです。覚える10分も5分×2回などに分割して、日中〜夕方と就寝前などに取り組んでみるのも良い方法です。

取り組む対象は理社の用語知識や漢字語彙で、ベーシックなもの(コアプラスやメモリーチェックなど)を一冊仕上げることを目標にします。これには以下のようなメリットがあります。

・土台になる知識がつく
・秋冬の負担を抑えられる
・一冊終えた経験がものさしになる

夏以降、特に秋冬は入試向けの演習が増えます。また、模試の頻度も増えて日曜日が埋まったり、過去問にも取り組むようになるため、時間配分が難しくなりがちです。

このとき知識系の積み残しがあると負担も大きくなりますが、積み上げが終わっていれば周回チェック程度の時間を確保すれば良いので、演習に時間を取りやすくなります。

また、日々継続して一冊マスターした経験には、何をどのくらい取り組めば出来るようになるかをイメージしやすくなる効果もあります。中学以降も「毎日○分で1周に○日、3周して計○ヶ月で仕上げる」といったプランを立てやすくなり、学校や部活と並行して自学を進める助けにもなりますね。

なお、理社+漢字語彙の3冊で計45分、5年の総復習も合わせると合計1時間半くらいは欲しくなりますが、焦って集中力の低い時間を増やしても逆効果ですから、集中して取り組める分量に調整してください。

 

5年の総復習

こちらは各塾の算数のカリキュラムです。ほとんどの範囲を5年でカバーし、6年前期では少し発展的な内容でもう一度回す流れになっていますね。

 

また、同様に理科も5年で広い範囲をカバーしています。

 

ですから、入試問題には5年の範囲だけでも取れる問題が一定量含まれ、特にY50以下では合格ライン付近まで得点可能な入試も多くあります。

逆に5年の範囲が緩いと、6年以降の学習内容を詰めても安定せず、易問での失点が続くことにも繋がります。また、夏期講習以降は塾のカリキュラムも総復習+演習になるので、夏までに基礎をしっかり固めておくと有利に働きます。


理科・社会

理科の電流、てこ、滑車、浮力、水溶液、天体の動き、人体の構造は、5年の範囲を正確に説明できるレベルを目指しましょう。テストの不正解問題の解説を読んで「わかる」だけでは不十分で、テキストに戻って復習し、白紙に仕組みを書いて説明できる状態にするのが望ましいです。数をこなすより、1日ひとつでも良いので自信を持てる範囲を丁寧に積み上げてください。

社会は用語知識固め優先でも良いのですが、時間が取れるなら地理の基礎部分、都道府県名や県庁所在地、主な山脈や河川などが正確に入っているか確認しておきましょう。ここがしっかりしていると産業や歴史などを乗せやすいので、こちらも白地図などを利用して自信ありの項目を積み上げるイメージで取り組んでください。

 

国語

読解力や記述力の強化には、論説文と物語文でそれぞれ5〜10回の演習を勧めることが多いです。個別の添削や家庭教師を利用せず、家庭で補強に取り組む場合は、読解力養成の参考書を軸にすると良いでしょう。

参考書を用いる場合は、読んで理解→意識することを明確化→大問で実践練習→使えているか確認&解き直し、というサイクルで5〜10回程度の演習を積むと馴染みやすくなります。全部一気にではなく、ターゲットを絞った段階的な取り組みがおすすめです。

例えば「文章読解の鉄則(井上秀和)」を用いる場合、まずは「説明的文章(≒論説文)」の鉄則を読み込む→太字の鉄則部分を書き出す→それを意識して大問ひとつを解く→鉄則を踏まえて取り組めたかを確認する→足りないところを書き直したりしてみる、という流れで、終わったら次は「物語文」で同じように取り組むイメージです。

大問は模試や週テスト、入試過去問などから適当なものを選び、10〜20分程度で取り組みます。確認と解き直しにも同じくらい時間をかけるので、1問あたり30〜40分は欲しいです。確認や解き直しが疎かだと効果は薄いので、時間を確保できる日に集中して取り組むことが大事です。


算数

算数では基本的に、5年の組分けや月例テスト、週テストやDCなどの不正解を潰していきます。理解が怪しいものはテキストに戻り、基本問題から安定して書き出したり仕組みを説明することができるか確認していきましょう。

成績分析では正答率50%以上をS、30%以上をA、10%以上をB、10%未満をCとして分類していて、現在の偏差値や目標ラインによって、取り組む問題の正答率も変わってきます。

偏差値50までを目指す段階では、S問題を確実に仕上げ、なるべくA問題も解けるようにしておくことが目標です。55以上を目指す場合はA問題まで仕上げ+B問題も理解、60以上を目指している場合はB問題までを完璧に仕上げるイメージですね。

→成績分析をご希望のかたはこちら

「仕上がる」というのは、設問を読むと手が動き、滞りなく解き切れる+人に説明することもできる状態のことです。正解でも悩んで時間がかかったりする場合は、すんなり解けるまで練習しましょう。

また、同時進行中の6年前期の教材にも丁寧に向き合うと良いです。例えばSAPIXの「基礎力トレーニング」やグノーブルの「基礎力テスト」は既習範囲で解ける内容で、タイトル通り基礎を固められます。

こちらも同様に、正解でも時間がかかる問題は十分なレベルに達していないので、高速で正確に解けるまで練習すると良いです。1問あたり30〜45秒くらいを目標にすると良いでしょう。

 

繰り返しになりますが、通常の学習にそのまま乗せるとかなりの負担増になるので、まずはひとつかふたつに絞ってバランスを保ちつつ、丁寧に仕上げる、固めるといったイメージを持つようにしてください。

計算を書き始める場所を整える練習

成績分析やご相談の中で、テストの計算を

・狭いところにみっちり書く
・あちこちに分散している
・何度言ってもなおらない

といった内容が結構あります。今回の記事はこうなりやすい理由と、整える練習についての記事です。

 


普段の学習との違い

身体を動かさずに書きやすい場所は意外と狭く、正面から利き手側、手のひらふたつ分くらいの大きさです。紙のサイズはもっと大きいので、少し身体を動かしたり、左手でほとんど無意識的に紙の位置を調整しています。

上から見た書きやすい範囲

正面から見た書きやすい範囲


普段の学習でテキストを左、ノートを右という配置にしているときは良いのですが、テストでは問題の冊子に書き込みながら解き、答えを解答用紙に記入する形が多くなります。

この問題冊子を置くところを、普段のテキストに近い位置からスタートすると、多少動かしても書き込みは右に偏りやすくなります。

テキストとノートの配置

問題冊子と解答用紙の配置

どの子も多少なり調整しながら書くのですが、その調整幅があと数cm足りないと、右に寄ってしまうわけですね。子どもは経験も少なく体も小さいので、うまく使えていない場合は意識的に紙を動かす練習をすると良いです。

こういう部分には「なおす」とか「雑」などの言葉を使いがちで、イメージもそちらに寄りやすいですが、あまり正しい表現とは言えません。

彼らは異常なわけでも、壊れているわけでもなく、手を抜いているわけでもありません。まだ下手、まだ未熟、ということですから、練習すれば上手になり、年齢とともに成熟します。成熟には時間がかかるので、まずは練習ですね。

 

体格と目線

小学高学年だと肩幅30cm前後の子が多いですが、大人は女性で36〜40cm、男性で40〜45cmくらい。腕の長さは小学高学年で60cmほど、大人は女性67cm、男性は74cmくらいで、可動域も1〜2割違います。

サイズから考えると1.2〜1.5倍くらいですから、大人にとってのA4サイズ(210×297)の紙も、子どもにとってはB4(257×364)〜A3(297×420)くらいに見えていたりします。

だから、大人からは「狭く窮屈」に見えても、子どもにはいけそうに感じたりするわけですね。A3タテに問題を出力してみると、真ん中あたりから書き始めてもいけそうな感覚がなんとなくわかるかもしれません。

更に子どもは大人より座高も低く、視野も狭いことが多い上に、その視野に右手が触れるように動いていることも多く、設問文の最後が右終わりだと、その視点を回転して紙の真ん中あたりに動くのが限度だったりもします。

同じ目の高さ、腕の長さを想定して座ってみると感覚が掴みやすいと思いますが、頭の位置が低いと、視線の移動範囲も狭くなります。これで設問の読み終わりが右端だと、そこから左下に移動しても紙の真ん中あたりになるわけですね。

高い目線からの視野

低い目線からの視野
自然に選ぶことの違い

こういう動作には個々の性質と習慣が反映されやすく、例えばやりにくい位置のときに対象を動かすか、自分の動きで調整するかという選択にも傾向があります。

人によって自然に選択する行動が異なり、結果として獲得する経験も違ってくるので、逆にある程度の練習と意識づけに成功すると、自然には身に付きにくかったこともカバーできたりします。

例えば几帳面なタイプは自然とそういう行動を繰り返し、10年も経てば几帳面レベル10みたいなことになりますが、自然なレベルが1や2でも、第一選択がそういう行動ではないだけで、やってみればレベル5くらいまで上がることは珍しくなく、見える世界も結構変わります。

とても苦手なことに苦労して取り組むのは損が大きいこともありますが、ツボを押さえればさほど苦痛なく上達したり、成長に伴い変化していくこともあるので、なるべく簡単に分解して練習してみることは大事です。


意識より練習

言っただけでできることは、元々適性が高かったり、あと一歩、溢れる寸前まで来ていたこと。言っても出来ないことは、まだその準備が整っていないことです。

特に緊張して頑張る場面では、意識をいろいろなところにバランスよく向けることが難しくなり、自分にとって自然な動きになっていることしか出来なくなりがちです。そして自然に身につかないことは、練習しないと身につきません。

姿勢を高く保つなども良いですが、体幹の筋力や持久力の問題もありますし、背丈や腕の長さはすぐ伸びるものでもないので、紙を動かす練習をする方が即効性は高いです。

 

紙を動かす練習

個人差はありますが、メインの意識は右手や書きはじめの位置よりも、左手で紙を動かす動作に置くとやりやすいことが多いです。①設問に目を通す→②左手で準備→③右手で書き始める、というイメージですね。

問題冊子の見開き左側から最初の問題が始まる場合は、体の正面に冊子の左端がくる位置にセットします。練習のときは設問文の左端下=空きスペースの開始位置に予め目印をつけ、「そこが書きやすい位置にくるように左手で動かしてから」書くのも良いです。

書きはじめの位置を整える練習

テストを受ける時の机のサイズや隣席との距離などもありますし、やりやすい位置は快適さにもつながるので、紙を動かす感覚が馴染むように練習してみてください。問題用紙の書き込みと解答用紙の解答欄も、近い方が視線の移動が小さく、ミスも低減できたりします。

左端から書きやすい位置に整える手順に慣れることが目的で、大事なのは「紙を動かせばいい」+「書きはじめの位置を意識する」という感覚です。馴染んでくるまで、焦らずコツコツ練習してみてください。

1クラスあたりの東京一工国公医合格率と私大合格者の進学率 2023

今年も併願校検討用データから、東京一工国公医(東京大学京都大学一橋大学東京工業大学国公立大学医学部)に合格する子が1クラス40人として何人いるかを出しました。私大進学者数を公開している学校の進学率も掲載しています。

これらの数字は今の6年生から7年、3年生からだと10年も前の先輩の結果ですから、様変わりする可能性もある「今の空気感の参考」としてご覧ください。

 

今回の集計対象は、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県の280校に茨城県の2校を加えた282校で、内訳は以下の通りです。

調査対象324校のうち2023年の入試結果が公開されていない40校は除外、別学で男女在籍の桐光学園國學院久我山は上記の表では共学枠でカウントしています。(2023.7.11追記)

 

 

東京一工国公医にクラスから何人入るか

こちらは全体の一覧で、中央には1クラスあたりの人数、左側に中学受験校、右側に高校受験校を並べています。青系は男子校、黒は共学校、赤系は女子校で、開成のような併設型一貫校は両側に記載し、中入生と高入生の比率を入れてあります。

 

以下は合格率と偏差値などを表にしたものです。小学校や帰国生入試があるなどの理由で一般募集数と卒業数にはズレがあるため、中入・高入のみの学校は募集人数枠にも卒業数を入れてあります。

今年も中学受験校が並ぶクラス半数以上のグループは、駒場東邦と麻布が加わって7校になりました。入学時は大半が東大レベルをイメージしているような空気感のある学校ですね。

 

 

クラス10人以上は、高校入試校も含む16校です。ここまでの上位で増減が目立つのは、4人増の駒場東邦・麻布・早稲田と、4人減の開成・都立日比谷・筑波大附属ですね。

減らした次の年は既卒数が増加するなど隔年の上下動も珍しくないので、1年の結果でどちらが上だ〜などと比べるような感じでは捉えない方が良いです。

 

続くクラス5人以上には27校が入りました。このあたりになると早慶でもOKという空気も濃くなってきますが、何人かは東大や国立医学部に進む友人もできるような環境ですね。

 

クラス2〜4人には44校が入りました。このあたりになるとクラス1桁くらいでも早慶第一志望なども増えてくるので、東大や国医を目指すなら結構な気合が要ります。

 

入口の選択肢

こちらは学校数と人数を入学種別で分類したもので、昨年からの増減は完全一貫校が56→54校、併設型一貫校は19→20校、高校入試校は20→19校となっています。

合計人数は中学受験枠が1万4千人、高校受験枠が8千人くらい、一都三県全体からは約6人に1人が中学受験組、残る5人は高校受験組なので、東京一工国公医に合格する同級生がクラスに2人以上いる環境に入れるのは、中学受験からは約3割、併設型一貫校の高校募集含む高校受験からは約3%です。

 

私大を含めた進学率

こちらでは進学者数も公開している学校の国公立の合格数と有名私大の進学者数をグラフにしています。国公立は合格者数ですが、進学率は100%ではないため、実進学数とは多少差異があることもあります。

それぞれの大学群に含むのは以下の通りで、今回はこれまでのグループのほか、その他主要国公立を追加しています。「◯大の◯学部より、◯大の◯学部の方が難しい」みたいなことはたくさんありますが、おおまかな進学ゾーンのイメージ用として眺めてください。

○東京一工国公医

東京・京都・一橋・東京工業・国公立医学部

○旧帝首都圏国公立

北海道・東北・名古屋・大阪・九州・神戸

筑波・千葉・お茶の水・電気通信・医科歯科・東京外語・東京海洋・東京学芸・東京藝術・東京農工・横浜国立・東京都立・横浜市

○その他主要国公立

国際教養・名古屋市立・大阪公立・神戸外語・京都工繊・名古屋工・広島・奈良女子・埼玉

早慶私医

早稲田・慶應・私立医学部

○上理ICU+GMARCH

上智・東京理科・国際基督教・青山学院・学習院・中央・法政・明治・立教

 

まずは男子校、武蔵と県立浦和は今年も似たような分布になっています。

女子校では、東京一工医ではほぼ並ぶ鷗友、頌栄、白百合も、首都圏の国公立か早慶か、という選択の傾向は結構違うことがわかります。浦和一女は東京一工までは届かなくても、堅実に難関国公立以上に進学する層が3割を超えていますね。

共学校では、都立青山が国公立早慶やマーチ以上という括りで見るとかなり高い率になっています。

こちらは早慶マーチ附属校。早稲田は東京一工、学習院女子は早慶以上を目指す層がそれぞれ3割くらいいますね。

こちらは対象の国公立への合格数で並べたものです。公立の高校受験校は、東京一工には届かなくてもきっちり首都圏国立などに進む子が多いことがわかりますね。

こちらは東京一工+早慶で並べたもの。この並びにすると女子校最上位に頌栄が出てきて、他の多くの女子校も上にきます。

マーチ以上という括りだと、都立青山が2番手まで浮上。普連土、湘南白百合、田園調布、品川女子も半数はマーチ以上に進めています。

 

私立大学の合格者の進学選択率

複数受験可能な私大は、国公立に比べるとかなり入学辞退率が高いため、人気大学でも実際の進学者数は合格者数の2〜3割くらいになるのが普通です。

こちらは上記の進学率対象校の全合格数と進学数を並べたもので、早慶でも3人に1人程度、上理マーチは10人中1〜2人になることがわかりますね。ICUは合格者数が少ないものの進学率は高く、目的意識が明確な受験生が多めと言えます。

 

以下は各大学への進学者数上位10校を並べたものです。もちろん各大学の入学者ではなく、対象校からの進学者ですが、大学によってある程度カラーがあることがわかります。なお、対象の卒業生数は中入校が平均189人、高入校は平均320人と約1.7倍なので、進学者数で比べると高入校が上に来やすくなります。

 

早慶は比較的バランスが良く、どの層からも進学選択肢の上位にきていることがわかりますが、頌栄の慶應進学者数はとても多いですね。

 

私大医学部のトップ10には高校入試の公立校は入らず、ICUには女子校が並びます。

 

上智も女子人気が高く、理科大は公立校からの進学者が多いですね。

 

GMARCHへは公立校がかなり上位に入ってきて、明治のトップ8は公立が占めています。マーチは公立校出身者にとっても比較的身近な存在になっていますね。

集計の誤差について

各校の公表形式に違いがあるため、以下のように一貫していない点があります。

・豊島岡・鴎友・白百合・吉祥・田園調布雙葉・湘南白百合・神奈川大附・県立平塚中等・都立新宿・都立三田・森村学園の進学者数は現役のみ(実際より数%低めになる可能性あり)
・武蔵、法政第二、中村は進学数のみ
・青学英和、大妻中野、日大櫻丘は現役合格数
・大妻多摩は合格数(≠合格者数)
・豊島岡、頌栄、吉祥の私医進学数は推定最少値
・筑駒は合計が100%を超えるため占有比で表示
・市立川崎は全日制普通科募集停止のため人数比表示なし
・複数回入試校の中学偏差値は各入試回の平均、高校偏差値で理数や普通科などのコース、クラスで異なる場合は高い方の数値を表示

外部コンテンツまとめ

ちょこっと溜まったので、TwitterスペースやLINEオープンチャットなど、ブログ外部のコンテンツをまとめておきます。

Twitterスペースのアーカイブ

算数が苦手になる仕組み、一喜一憂せず復習や基礎を固めることの大切さなど

2023年5月31日開催分のアーカイブです。スペース内で触れている画像は以下の2枚です。

中高一貫校入学に向けて

2023年3月11日開催分のスペースです。リンク先は資料ページで、ページ下部にスペースのアーカイブへのリンクがあります。

 

中学受験の厳しさ・中学進学後のイメージ

2022年12月24日開催分のスペースです。こちらもリンク先のページ下部に資料とスペースのアーカイブへのリンクがあります。

 

Youtubeの限定公開動画

スペース分割1〜4は録音していなかった2022年3月12日のスペースで、Twitterからダウンロードできた音声データを分割動画にしたものです。動画内で触れている資料はテキストリンク先にあります。 

スペース分割 1 発達段階

[資料]

 

スペース分割 2 低学年まで

[テキスト]

 

スペース分割 3 通塾開始後

 

スペース分割 4 中学受験後

[資料]

 

算数を教えるときに意識すると良いこと

2022年5月14日公開の音声動画です。

 

算数無料講座内での入試問題解説

こちらは算数無料講座内での2023年1月入試問題解説です。主に2月の2回目入試に挑む方に向けたものですが、残してあるので使える方はどうぞ。

 

LINEオープンチャット

質問や保護者同士の雑談にも使えるLINEのオープンチャットです。普段お使いのアカウント名ではなく、オープンチャット用の名前を設定して利用できます。今のところ質問箱状態ですが、お気軽にどうぞ。

 

各塾の2023年中学入試合格実績分布と模試の受験推奨範囲

この記事では、各塾の2023年中学入試合格者数を5つのグループに分け、それぞれの塾の合格比率をグラフ化しています。志望校を目指すには自塾でどのあたりを目標にするかのイメージや、他塾の模試受験を検討する際の参考などにどうぞ。

評価方法とグループごとの偏差値分布

各校の評価方法

今回の対象は304校・1504入試回です。集計対象校は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県+茨城県の一部で、関西や地方校の東京入試などは除外、域内でも受験者数、偏差値を確認できず、合格数もあまり見つけられなかった学校の幾つかはカウントしていません。

分布を把握する都合上グループを分けていますが、特に各グループのボーダー付近では塾によって偏差値の逆転も珍しくありません。

学校ごとの評価ポイントは、各入試回の偏差値を平均→各塾の数値を平均して算出しており、主に以下のような不正確な点があります。

・ある塾の偏差値が不明の入試で、他塾の偏差値がわかるものは推定値を入力し、全ての塾で偏差値不明の入試回は除外しています。

・各入試回偏差値の単純平均のため、入学者数の少ない高偏差値入試回の影響が出やすく、評価ポイントが実際の入学者の中央値より高めになることがあります。

・男子偏差値と女子偏差値の調整もしていないため、女子校>共学校>男子校の順に上ぶれしやすくなっています。

・推薦、第一志望、帰国生、英語入試などは基本的に除外していますが、定員合算のものは含むこともあります。同様に合格数も、SS-1や受験ドクターなど帰国を分けて表示してあるものは除いていますが、全ての塾が同じようにしているとは限りません。

集計シート[PDF]はこちらから閲覧可能です。

集計対象の塾は33、合格数合計は108,827で、取得日時によっては最終の数値と異なることがあります。グループは各塾の公表合格者数合計を均等に近づくように5分割していますが、①が少なめです。

偏差値分布の画像は、左からSAPIX四谷大塚日能研、首都圏模試の偏差値を正規分布として、各グループの該当範囲を赤系で示したものです。

グループ①

評価64以上(合格数16,377)

SAPIXの上3分の1、四谷日能研では上1割に入らないと厳しいグループ。1回入試校も多く、能力的にはっきり浮いている子や、賢い上に相当な努力を積めた子が届くところ。普通に賢いくらいの子が2年の通塾だけで合格することは稀です。

対象校一覧

 

グループ②

評価59以上(合格数24,801)

SAPIXボリュームゾーンに入り、四谷日能研の上3分の1くらい。クラスで指折りくらいの子が2〜3年の通塾と結構な家庭学習をこなして届くグループで、①に届くレベルにあった子の受け皿にもなっています。

対象校一覧

 

グループ③

評価53以上(合格数24,186)

SAPIXの真ん中より下、四谷日能研では真ん中より上あたりで、首都圏模試ではまだボリュームゾーンに届きません。クラスの上位2〜3割には入る子が数年の通塾と家庭学習でこのグループまで届けば大健闘です。

対象校一覧

 

グループ④

評価45以上(合格数21,632)

SAIPXでは下3分の1にかかり、四谷日能研ではボリュームゾーンからやや下方向、首都圏模試の上3分の1くらいのグループ。このあたりがクラス上半分から通塾して頑張れば届く可能性があるゾーンで、日大や東洋大まで上がれる学校や、マーチ以上の大学への推薦枠を多く持つ学校もあります。

浮きこぼれて苦労しているレベルでなければ、志望校は③④あたりから探しはじめ、中学受験の適性が高ければ段階的に上げていくのが良いやりかただと思います。

対象校一覧

 

グループ⑤

評価44以下(合格数21,831)

四谷日能研の下3分の1、首都圏模試ではボリュームゾーンから下3分の2。今回は集計上ひとまとめにしていますが、学校数は全対象校の約4割を占め、④と同等レベルから比較的入りやすいところまで入試難易度の差も大きいグループです。

対象校一覧

 

模試の受験目安

まず、ひとつの模試を継続的に受験して、補強ポイントや立ち位置を確認していくのがベースになります。

ただ、塾のカリキュラムや模試には得意な範囲があるので、主な分布から外れる場合には他の模試を受けることが有効な場合もあります。志望校が会場になる模試があれば、雰囲気を経験するために挑戦するのも良いでしょう。

分布が厚めな範囲は、SOでは①〜③、合不合と日能研は②〜④、首都圏模試は④⑤になっています。志望校が①の場合はSO、⑤なら首都圏模試の受験者層が近くて参考にしやすく、逆に首都圏模試では①②、SOでは④⑤での立ち位置はわかりにくいですね。

自塾の偏差値を基準に他塾模試を検討する場合は、サピ45未満なら合不合か日能研で35未満なら首都圏模試、日能研で65以上ならSO、45未満なら首都圏模試を考えてみるようなイメージですね。

 

各塾の合格者分布

集計対象の塾は33、合格数の合計は108,827で、全合格者のグループごとの分布は以下のようになります。この形との差が大きいところが、その塾の特徴的なところですね。

また、1人で複数合格することもあれば合格なしのケースもあるため、在籍生の進学先比率や学力分布と同じではありません。

こちらは私が直近3年でサポートした受験生の合格校(薄色)と進学先(濃色)の分布です。進学先のひとつ下のグループなどで、複数の合格を獲得することが多いことがわかりますね。

 

なお、合格実績を一部のみ公開している塾(ena・臨海セミナー・あづま・スピカ・湘南ゼミナール・ステップ)は分布がわからないため、グラフ化していません。

 

SAPIX

まずは①②の合格者率が高いSAPIX型の5塾。SAPIX希学園首都圏、グノーブルはよく似た分布になっていて、いずれも全合格数の6割以上を占めています。

駿台浜学園は①②合計では6割を下回るものの、①が最も高い分布です。

逆にエルカミノは②が突出して多く、①②の合計比はこの5塾でも最も高くなっています。

 

四谷・早稲アカ型

次は全体分布に近いバランスで⑤が少し減る四谷・早稲アカ型。

ジーニアスは②→③→①、啓進塾は③→④→②、啓明館は④→②→①と、それぞれ少し異なる分布になっています。

 

日能研

次は①が1割未満で下の方が広い日能研型の6塾。この中では日能研はバランスがよく、他塾はそれぞれ特徴が出ています。

市進は⑤→③→④となっていて、①②は合計20%前後。

アントレとエデュコは、このタイプの中では②がかなり多めで、①②が約3割を占めます。

おぎしん、日本教育学院は③④がかなり多く、計6割を超える分布になっていますね。

 

栄光ゼミ型

最後は④⑤で5割を超える栄光ゼミ型の5塾。

このタイプでも数%は①が出るので、◯◯塾だと①には行けない、なんてことはありません。要は相性と本人の努力、詰めどころで間違わないことが大事なので、やりやすく信頼できる環境で楽しみながら継続できると良いですね。

 

個別指導塾など

ここからは集団塾との併用が多い個別指導や算数塾です。

SAPIXかグノーブルとの併用を勧められることが多いフォトン算数クラブは、①②に大きく偏った独特な分布になっています。

 

SS-1、受験ドクター、TOMASは②が最多で①も多めの似た分布で、タイプとしては四谷・早稲アカ型に近いですね。

 

個別進学館は日能研型に近く、ユリウスは栄光ゼミ型です。

 

こんな感じで、塾の方向性や地域性によって経験値が多いゾーンやカリキュラムの相性があり、雰囲気も変わってきます。

いわゆる難関校の実績だけで指導力がわかるものでもないので、選べる場合は学力と志望校、通塾負担などから合いそうな塾を選び、体験などを通して相性の良い塾を見つけられると良いですね。

また、通塾開始後に合わないと思った場合には、まず塾の教室長や担当講師としっかりコミュニケーションを取り、納得のいく対応でなければ転塾を考えるという順番がおすすめです。

転塾は相性次第でぐっと改善する事もあれば、聖杯探しになってしまって疲れるだけのこともあるので、まずは今ある環境を使い倒せないか試し、無理そうなら早めに決断すると良いですね。

 

グループ別学校リスト

上述の通りいろいろとブレもあるグループ分けなので、◯◯より◯◯の方が〜といったこともあると思いますが、塾の方向性や指導経験が多いゾーンのイメージ用としてご覧ください。

グループ①

男子校12・女子校10・共学校10

https://e-tutor.tokyo/data/20230510/p1.png

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グループ②

男子校11・女子校6・共学校15

https://e-tutor.tokyo/data/20230510/p2.png

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グループ③

男子校7・女子校8・共学校43

https://e-tutor.tokyo/data/20230510/p3.png

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グループ④

男子校5・女子校18・共学校35

https://e-tutor.tokyo/data/20230510/p4.png

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グループ⑤

男子校6・女子校39・共学校79

https://e-tutor.tokyo/data/20230510/p4.png

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